周りのアメリカ人から聞かされていたのは、「強硬に反対している人たちが目立っているが、あれは一部のエキセントリックな人たち。大半のアメリカ人は、どちらかと言えばhealth-care法案に賛成している」というもの。僕もなんとなく、そんなものかなぁと思っていたが、今日のMassachusetts補選の結果を見るに、事態はそうも言っていられないところまで来ているらしい。
昨年11月にVirginiaとNJの知事選で敗北した際、Democratsは、「敗因はローカルな要因にあり、国政の状況とは関係ない」と抗弁した。しかし、今回の敗北は言い訳の仕様がない。DemocratsがMassachusettsの上院議席を失うのは、1972年以来、初めてのことであり、この選挙前まで(厳密に言えばTed Kennedyの死去前まで)、12あるMassachusettsの国会議席(上院:2 + 下院:10)は、すべてDemocratsによって占められていた。そのMassachusettsで、Ted Kennedyが46年間守り続けてきた議席を失ったのである。もはや、「ローカルな要因」との言い訳は繰り返せないだろう。
今回の選挙には、単なる一議席以上の意味があった。GOP候補が当選すれば、上院でのGOPの議席が41/100となり、Democratsは、最低60票が必要な“filibuster封じ”を使えなくなる。Postの記事によると、実際、GOPのBrown候補は、選挙活動中、「health-care法案を必ず止める」(“his vow to block the president's proposal for health-care reform”)と訴えてきたらしい。その候補が、全米でもっともリベラルな州の一つで勝利を収めたのだから、失業問題等、その他の要因もあるとは言え、health-care法案に対するこの国の人たちの反感は、かなりのところまで来ていると見るのが自然ではないだろうか。
環境屋的視点で言えば、これでまた、Kerry-Boxer法案の本格審議が遠のいたということか。ごく普通に考えれば――というのは、ObamaとDemocratsが余程の奇策に打って出なければ、ということだが――、今秋の中間選挙以前にClimate Change法案が成立する可能性は、ゼロとは言わないまでも、かなり低くなっているのではないかと思う。
my room, Syracuse, Jan 19, 26:10
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