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Tuesday, July 7, 2009

Pickens paring down wind farm project

以前、このblogでも紹介したオクラホマの「風船おじさん」ならぬ「風車おじさん」、Boone Pickensが、自らの名を冠した一大風車建設プロジェクト“Pickens Plan”の撤回を表明したらしい。Dallas Morning Newsにその記事が出ている。
    
撤退の理由が、“lack of a transmission line”(送電線の不足)というから笑える。北米大陸の中西部には、「良い風」の吹く広大な土地が広がっているが、哀しいかな、電力の大消費地(東西の海岸沿い)からは果てしなく遠い。中西部に風車をバンバン建てるのは良いとして、そこからどうやって電気を消費地に運び出すかが大問題…。そんなことは、僕でも知っている、この世界の「常識」ではないか。あれだけ大々的に宣伝を打っておきながら、そんな初歩的なところが詰まっていないなんて、いったい、どんな神経しているんだろうかと思う。結局、全米挙げて、金持ちオヤジの道楽に付き合わされただけ、ということなんだろうか…。
  
NY times web版のblog記事によると、当初、必要な送電線はPickens自らが施設する予定であったが、予定を変更し、テキサス州がPickensに代わって$5 billion相当の送電線を施設するということになったらしい。しかし、結局は、その「救済案」もPickensの願いどおりにはいかず、今般の「計画撤回」という結末に至ったらしい。もちろん、その背景には、油価の下落と金融危機の発生という、二大ショックがあったわけだが、それにしても…。
    
一年前、僕がアメリカに着いた頃、テレビではPickens PlanのCMがバンバン流れ、おっさん本人は、CNNのLarry King Liveで熱っぽく自らのプランについて語っていた(←その時点で胡散臭いと判断すべきだった。苦笑)。ガソリンの値段は最高値に達し、中東とアメリカの緊張関係には依然先が見えず。ましてや、わずか2,3数か月後に100年に一度の大不況がやってくるなんて、一般人は、ほとんど知る由もなかった。そんな中、Pickensが依って立った“energy independence”というテーゼには、一年後の今、感じるよりも、はるかに切実な響きがあったように思う。大統領選の波に乗ったのも大きかったのだろう。確か、Pickensには、Obama、McCainの両陣営から秋波が送られていたんじゃなかっただろうか。おっさん本人は、確か、予備選でMcCainに負けた共和党候補の誰かを支持していたように思うが…。
     
それにしても、この一年の間に、世の中、大きく変わったもんだなぁと思う。一瞬でも、彼が時代の寵児になれた(或いはなりかけた)前提条件は、良くも悪くも、ほぼすべてが失われてしまった。そんな、時代の寵児になり損ねた男のweb サイトを久しぶりに開いてみたら、言っていることがほとんど意味不明になっている。“TheDailyPickens”という同サイトのblogコーナーによると、CNBCのニュースショー(明日放送)に出演したPickensは、「cap-and-trade法案に賛成か?」との質問に“I’m for something bigger than cap-and-trade. I’m for saving America.”(私は、cap-and-tradeよりももっと大きな何かに賛成する。私はアメリカを救うことに賛成する)と答えたらしい。なにそれ?新興宗教??
  
Pickens Planと一緒に、風車おじさん本人も、そろそろ表舞台から撤退していただくということで。。
Accra, Ghana, July 7, 17:44

Thursday, November 6, 2008

Post Election

突然ですがクイズです。

右の地図は、カリフォルニア州の大統領選の結果を示したもの(from CNN)ですが、軒並みObama支持が並ぶ海岸沿いの郡(county)の中で、ポツンと、離れ小島みたいに赤色になってるLAの南の郡はどこでしょう?

答え――オレンジ・カウンティ。そう、ドラマで有名な、あの"The OC"です。10月29日の記事で書いた「金持ちは共和党を支持する」説が、非常にわかりやすく現われていたので、拾ってみました。特にそれ以上話は広がらないので、この話題はこれで終わり。


<Obamaさん近辺の今日の動き>
1.Emanuel下院議員をChief of Staffに指名→同議員も受諾の方向。
2.国防長官Gatesは留任?
3.Lieberman上院議員の去就、今だ定まらず。
4.BushがObamaをホワイトハウスに招待(来週月曜日)。

Chief of Staffというのは、日本語では「大統領首席補佐官」と呼ばれるそうで、政権によっては実質的に副大統領以上の(つまり大統領に次ぐ)権限を持ちうる要職です(だそうです)。知りませんでした。はい。日本政府には、これにぴたっと当てはまる役職はない気がしますが、wikipediaを読む限りでは、総理秘書官が一番これに近いのでしょうか。言ってみれば、総理秘書官(日本では原則、役人が勤める)のお仕事を、政治家(それも大物)がやっている、といった感じ?役人からすると超怖いだろうなぁ…。Emanuelさんは下院民主党の大物政治家で、クリントン政権のOB。かつ、Obamaさんと同じIllinoi出身で、選挙期間中から一貫してObamaさんを支えてきたお友達だそうです。

Gatesさんというのは、Rumsfeldがあまりにむちゃくちゃだということで、政権の途中に国防長官を引き継いだ共和党の政治家。現在、戦争継続中ということもあり、当面(1年くらい?)の留任を求めるのではないか、という噂が報じられています。一方で、本人は辞めたがっているという説も。

Liebermanさんについては、America's Climate Security Act of 2007、通称"the Lieberman-Warner bill"の起草者として、その名を覚えている人も多いのではないかと思いますが(えぇ、このblogの読者層は幾分(?)みどりに偏ってます。はい。) 、アメリカでは、むしろ、元民主党副大統領候補ながら、McCain候補を全面的に支持した大物困ったチャン議員として有名。2000年の大統領選挙ではAl Goreのrunning mateとして副大統領の座まであと一歩に迫りながらBush Jr.に敗北→2004年の大統領選に出馬するも予備選で敗北→2006年の上院選の予備選でもやっぱり敗北→無所属で出馬→民主党公認を蹴散らして当選→今回の大統領選ではMcCain全面支持(普通に共和党の党大会で応援演説してました。ちなみにこの人の英語は超聞き取りやすい)、という波瀾万丈(やりたい放題?)の数年間を過ごしてきた彼。McCainの敗北を受け、元の鞘に戻るのかどうかが注目されています。もっとも、過半数を確保した民主党からは、もはや強烈な秋波が送られるはずもなく、そんな状況の中で態度を決めかねているみたいです。

あと、どうでもいいと言えばどうでもいいんですが、Obamaの勝利演説のときのMichelleのドレスがひどすぎた、という話題が巷では盛り上がっています。そんなことどうでもいいじゃんと思いながら、一応…と思って見てみたら、確かにあんまりな感じのドレスでした。「お前がファッションのことを語るな」と言われそうなので、今日はこのへんで。

Maxwell School, Syracuse, Nov 6, 20:54

"President-elect" Obama

歴史的選挙から一夜明け、アメリカは「興奮冷めやらぬ」といった感じです。たぶん…(Syracuse自体はいつもとあんまり変わりないので、「たぶん」。) 僕はと言えば、新聞での表記が"Senotor Obama"とか"Presidential Candidate Obama"から、"President-elect Obama"に変わってるのを見て、ひとりでしみじみかみしめていました。(何を?)

Yahoo! Japanのnewsにも出てた話なので皆さんご存じかもしれませんが、今日は街売りの新聞(てか、アメリカは街売りだけですね。)が売切れ続出だそうですね。アメリカ人にとってはそれだけ「歴史的」な出来事だったということなんでしょう。

Monica先生の英語の授業は、当然ながら50分間まるまる選挙のお話。「興奮冷めやらぬ」どころか、今だ興奮の真っ只中にいますといった様子で、「わずか40年前まで、この国では、白人とそれ以外の人たちは同じバスに乗れなかったのよ。南部では同じ学校にも行けなかったの。それが、公民権運動からわずか40年でここまできたのよ。ついにこの国はアフリカン・アメリカンを大統領に選んだのよ!!」と語ってました。(ちなみに彼女自身は白人。)

昨日のObama候補(じゃなくて、"President-elect")の勝利演説中に、涙してた人がたくさんいたということも結局そうなんですが、アフリカン・アメリカンが大統領に選ばれたということへのこの国の人たちの感慨は、僕のようなよそ者には計り知れないものがあるみたいです。アフリカン・アメリカン自身にとってはもちろん、たぶん、白人の皆さんにとっても。もちろん、ネガティブに思ってる人も、もう片方には間違いなくいるんですけどね…。

今日のObama氏は、勝利に息つく間もなく、早速、次期政権の人選を始めたとのこと。プロ野球でも優勝を決めた次の日は宴会疲れでぐだぐだに負けるのがお約束なのに、やっぱ大統領になろうって人は違うなぁと感心してしまいましたが(一緒にすんなって??)、MPAクラスのアメリカ人の関心はすでにそっちに移っているご様子。国会議員の名前を挙げろと言われても、Obama、McCain、Biden、Hillaryと、あとStevensくらいしかわからないので(あ、この人は、もうすぐ議員じゃなくなるか。。)話にはあんましつけていけてないんですが、ぼちぼちフォローしていこうと思ってます。

最後に一つお知らせ。おとといの記事でPaul Robertsの"The End of Oil"を紹介した際、「日本語版は残念ながら出てないみたい」と書きましたが、その後、masatoさんから、「石油の終焉」というタイトルで日本語版が出ているとのこと情報をいただきました。失礼しました。masatoどの、thanks!!

my home, Syracuse, Nov 5, 25:30

Wednesday, November 5, 2008

Yes, We Can!!

圧勝と言っていいと思います。Barak Obamaがアメリカ合衆国第44代大統領に選ばれました。昨日のブログで、「勝利演説は何時頃だろう」なんて話をしてましたが、CNNで「当確」が出たのは、カリフォルニアの投票が締め切られた(東部時間)11時の直後。考えうる限りでは最速のタイミングでの「当確」だったと思います。その後、McCain候補の敗北宣言演説に続き、当確から一時間後の12時前からObama候補の勝利演説が。

サウスキャンパス内にある、元スキーレストハウス(ということは、サウスキャンパスは元スキー場ということ!?)"InnComplete"にMPA生30人ほどが集まって、決して大きくはないテレビと、申し訳程度の大統領選風飾付けの中、まったりとCNNの選挙速報を観戦。集まったのはほぼ全員アメリカ人でしたが、ガイジンは、僕含め日本人3人と韓国人1人、あと、例の天然ドイツ人Vちゃん。ちなみに彼女、自転車で来ようとしたものの、会場への道がわからずに夜のお墓に迷い込んでしまったらしく、Inn Completeには、必死の形相で汗だくになって現れました。あいかわらずぶっ飛んでます。(てか危ないし。。。)

今日来ていた学生は、僕が話した限り全員Obama支持派。Republicanも学内にはいるんでしょうが、さすがに今回は空気を読んで、お家でじっとしてるんでしょうね。といわけで、Inn Completeは民主党の完全どホーム状態。州毎の民主党勝利が伝えられるたび、歓声に包まれてました。そしてObamaの当確が出た瞬間は、一段と大きな歓声が…。

シカゴの勝利演説会場は、ものすごい人の数。Obamaの勝利演説中には、涙を流す人の姿もたくさん映ってましたね。その映像に見入る学生たちも、みんな心からうれしそうな表情。思いはいろいろながら、この国の人たちは、新しい大統領に、心から期待を寄せてるんだってことがしみじみ伝わってきました。"Yes, we can!!"

日本にとってどっちが選ばれるのが良かったのかを考えると、答えは単純でないかもしれませんが、彼の勝利演説を聞いていると、ただ単純に、彼の時代に期待してみたい気持ちが湧いてきます。彼には、人にpositiveな気持ちを抱かせる、強烈な何かが備わっているようです。そして、このタイミングに、この土地にいらせてもらえたことを、幸せに感じずにはいられませんでした。

帰り道(さすがに深夜で危ないので、VちゃんとVちゃんのチャリンコを積んで搬送)、Syracuseの街中は、シカゴやNYCのようなオオ盛り上がりにはなってなかったですが、すれ違ったいくつかの車では若者が箱ノリに。クラクション鳴らして盛り上がってるので、すれ違い際、僕もお返しにクラクションを「ぷっぷー」(笑) 難しい話はいったん脇に置いておいて、ささやかな(でもSyracuseらしい)お祭り騒ぎ(??)を楽しんでみた一日でした。

My home, Syracuse, Nov 5, 27:05
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Monday, November 3, 2008

Ellection Eve

ついに大統領選挙の前日になりました。といっても、このへんの雰囲気はいつもとそんなに変わりありませんが。さっき晩御飯を買いに行ったら、人がわらわら歩いてたので、「もしや選挙の前夜祭??」と思って一瞬ワクワクしてみましたが、なんてことはなく、単にバスケの試合を観終わって家路につく人たちでした。いくらなんでも前夜祭はないですよね。やっぱり。。

今朝の"Energy, Environment, and Resource Policy"の授業では、先生が「今回は何時くらいに当確スピーチを聞けるかね」との雑談を。クリントン(2期目)が圧勝した1996年の選挙のときは選挙当日の夜10時前、接戦だった前回の2004年選挙では、翌朝4時頃だったそうです。2000年については触れてませんでしたが、たぶん、当確スピーチ自体がなかったんでしょうね。明日は何時くらいになるのか知りませんが、たぶん明け方なんてことにはならないと思うので、せっかくですし、起きて待ってようと思ってます。

さて、その"Energy, Environment, and Resource Policy"ですが、今日から、Paul Robertsの"The End of Oil"という本に入りました。安全保障から温暖化に至るまで、石油をめぐるあれやこれやを一冊にまとめた本で、若干古くはあるものの(2005年発刊)、非常に面白い一冊です。前回の"Hot, Flat, and Crowded" by T. Friedman に比べると、はるかに論理的かつ客観的で、かつ、扱ってる内容が「かゆい所に手が届く」感じがあって素敵です。日本語版は残念ながら出てないみたいですが、ご興味のある方はぜひ原著でご一読を。(ご参考1:Googleでも読めます。ご参考2:「the End of Oil」のwebサイトもあります。著者のblog付き♪)

ただ、温暖化対策については、このRobertsさん、

The only practical solution, experts say, is to pace ourselves - time our strategy for emission reductions to mathc the natural "turnover" rate of the capital stock more closely.

(専門家によれば、唯一の現実的な方策は我々の歩調を遅らせること、つまり、我々の排出削減戦略(のペース)を、通常の資本の「更新」ペースにより近づけることだ。)


と言っています。この部分だけ読むと、良識ある(?)読者の皆さんは「あぁまたいつもの産業界の言い訳か」と思われると思うんですが、本全体を通して読むと(と言いながらまだ前半しか読んでませんが)、この著者は、決してただ安易に問題を先送りするような型の人間ではなく、むしろ、エネルギーと温暖化の問題を、realisticな視点から、とことん突き詰めて考えている人だということがよくわかります。それだけに、重いというか、なんというか…。

時間があればまたゆっくり書こうと思いますが、上の引用部分の後には、彼のalternative(代替案)が示されています。が、そのalternative自体は、僕にとって納得できるものではありませんでした。ただ、だからと言って、僕がこれまで「こうだ」と思ってきたビジョンが正しいと言い切れるわけでもない。上の引用に至る彼の論理には、それだけの説得力があります。

「そうは言っても、そんなこと言ってたら地球がダメになっちゃうじゃん

ごもっとも。でも、そう言ってみたところで、世の中簡単に変わらないということは、20年の温暖化対策の歴史が証明済み。もし、「地球がダメになっちゃうじゃん」という理屈だけで、ことを押し進めようとするならば、文字通りの革命「革命的な〇〇」ではない。)が必要でしょうね。少なくとも僕は、それに与することはできませんが。

となると、いくら問題が差し迫っていようとも(かなり差し迫っていると思いますが)、僕らは、10年後の地球のことだけでなく、明日の経済のことも考えながらやっていくしかない。両方が完全に満たされる解などあり得ないので、両方がなんとか妥協できる線を探っていくしかない。そんな風に思います。

その上で、僕らにできることと言えば、①パレート最適な解を見つけること、と②少しでも「温暖化対策」にとっての効用が大きくなるポイントでのパレート最適を実現すること。民主主義を前提とする以上、②は最終的には民意の問題、引いては倫理観の問題。そこへのアプローチもいまや必要だと思いますが、まずは①を実現するために何ができるかということを、この先しばらく勉強していきたいと思ってます。
Maxwell School, Syracuse, Nov 3, 22:48

Wednesday, October 29, 2008

Swing States

雪がしんしん降り続いています。地面の上にはまだ積もっていませんが、道の端に止めてある車の上には2cmくらいの積雪が。

帰り際、「雪道大変だろうから送ってってあげるよ」と言われ、ナイジェリア人A君のあとを、とことこついてったら、彼の駐車場は僕のうちよりも、はるかに遠い所にありました(しかも逆方向) 今年の初雪合戦ができたので、まぁそれはそれで良かったんですが。てか、今年あと何回雪合戦やるんだろ(両手両足で足りるかなぁ)…??

さて、大統領選まであと6日、僕の周りでも盛り上がる人はけっこう盛り上がっています。まぁ、いつもと変わらないアメリカ人も意外と多かったりするんですけどね。ともあれ、そんな「盛りあがってるアメリカ人」の代表選手(?)が、英語のクラスのMonica先生。カリフォルニア出身(実家はMac本社から歩いてちょっとのとこらしい)の、いかにも西海岸なノリのお姉ちゃんなんですが、あまりの盛り上がりっぷりに、今日は50分の授業中、残り3分になるまでひたすら大統領選について語り続けていました。たぶん、2,3分のopening talkにするつもりだったんでしょうけど、生徒の質問に答えてる間に完全に火がついちゃったみたいです…。

とはいえ、あくまで全学部対象の英語の授業、しかも半分は学部学生が相手ですから(このクラスは大学院・学部共通)、普段Maxwellで聞くようなマニアックなお話ではなく、でも逆に、それはそれでわかりやすくて面白かったので、ちょっと今更感もありますがメモしておこうと思います。

1.Economical Issues
Monica先生曰く、経済的な側面だけで言えば、富裕層はRepublicanに投票し、中流・貧困層はDemocratsに投票するのがmake senseだ、とのこと。つまりですね、単純に言うと、Republicanは「小さな政府」、Democratsは「大きな政府」を、それぞれ理想に掲げる人たちなので、所得の再分配機能は、当然ながら、Democratsが大統領になったときの方が大きいわけです。よって、金持ちはRepublicanを推し、貧乏人はDemocratsに味方する、という理屈。確かにmake senseですね。

一つ注意が必要なのは、日本と違ってアメリカの金持ちというのは、郊外、あるいは田舎に住んでいることが多いということ。NYCやボストン、シカゴといったごく一部の例を除いて、アメリカのほとんどの都市は深刻なスプロール現象にさらされています(Syracuseもその典型)。よって、都市の真ん中には基本的にpoorな層しか住んでいません。このことから、「都市に強いDemocrats、田舎に強いRepublican」という構図が、ある程度説明できるわけですね。

2.Social Issues
Economical Issuesは、党を選択する基準として非常にわかりやすいんですが、実際の投票行動はもう少し複雑です。事情を複雑にしているのはSocial Issuesの存在。Monica先生曰く、「今日のアメリカの社会問題と言えば、要は、abortion(妊娠中絶の是非)、gay-rights(同性愛者の権利問題)、guns(銃規制)の3つ。liberalな人たちはこれら全部に賛成し、conservativeな人たちはこれら全部に反対する」とのこと。また、「多くのアメリカ人にとって、合理的に説明のつくEconomical Issuesよりも、感情に左右される部分の大きいSocial Issuesの方が、投票の際の決め手になりやすい」とのこと。なるほど…。

当然、liberalな人たちはDemocratsに、conservativeな人たちはRepublicanに投票するわけですが、それぞれ、どんなところに住んでるかというと、liberalsの巣窟はNYC、ボストン、シカゴといった大都市や西海岸、conservativeの巣窟は、言うまでもなく南部です。また、都会と田舎を比べると、都会の方がよりliberal、田舎の方がよりconservativeといった対比も見られるようです。

面白いのは、NY州とイリノイ州。これらの州は両方とも立派な農業州で、それぞれの中心都市(NYCとシカゴ)から一歩外に出れば、広大が農地が広がっています。つまり、州全体がliberalなわけではなく、それどころか、面積的にみれば、州内のほとんどの地域はconservativeだというわけ。ところが、州人口に占めるNYCやシカゴの割合が圧倒的なので、安定的な民主党支持州になっている、ということだそうです。

3.Swing States
日本でもときどき耳にする話ですが、アメリカの大統領選挙は、厳密には直接選挙ではありません。選挙民は「選挙人」と呼ばれる人たちを選び、その選挙人が集まってThe Electoral Collegeという場で大統領を選出するシステムです。今年の場合、前者は11/4、後者は12/15に行われますが、単に「大統領選挙」と言えば、まず間違いなく前者を指します。この日に実質的に大統領が決まってしまうので。The Electoral Collegeは、今やセレモニーに過ぎません。

この「選挙人」、各州に予め決まった人数が割り当てられてますが(最多はカリフォルニアの55人で、最少はバーモントなどの3人、全部で538人)、どこの州も(たぶん)慣習で、「より多くの票を獲得した党の候補に、全選挙人が投票する」というシステムをとっています。つまり、カリフォルニアで勝てば「55票、まるごともってけー」って状況になる、というわけ。そんなわけで、大統領選では、州ごとに勝敗を見ていく必要があり、アメリカのニュースを見ていると、大統領選の何カ月も前から、世論調査の結果を図示したこんな感じの地図にしょっちゅうお目にかかれます。(この地図は、NPRのサイトから拝借。)

民主党=青、共和党=赤、という色分けは、マスコミ各社共通のようで、この赤青mapはどこに行っても見られるので、この国では、民主党支持州のことを"Blue state"、共和党支持州のことを"Red state"と呼んだりもします。

勢力図は毎回だいたい決まっていて、皆さんもご存じのとおり、東部諸州と西海岸はblue statesに、南部と中西部はred statesになるわけですが、最後の最後まで、どっちに投票するか決められない優柔不断な困ったチャンの州も、これまただいたい決まっていて、 "swing state"あるいは"purple state"などと呼ばれています。どこがswing statesかといった厳密な定義はもちろんないですが、wikipediaによると、Florida、Pennsylvania、Ohio、Virginiaが代表的なswing stateとのこと。

NPRによると、このうち、PennsylvaniaとVirginiaはblueに傾いてるみたいですが、Monica先生曰く、「まだまだ油断なんね」とのこと。あの、先生、ほとんど、支持政党、言っちゃってますけど…。

そんなことを気にする様子もないMonica先生、加えて曰く

「私、あの電子投票機ってヤツ、どうも信用できないんだよね…」

共和党系の会社が納入してて、なんか裏でごにょごにょ操作してるらしいという例の疑惑のことですね。今年は、世論調査で既に大きな溝が空いてるので、共和党もさすがに操作はできないだろう(やったらあからさますぎるだろう)と、いちおう言われています。てゆうか、そんなことより、信用できないんだったらアナログに戻せばいいじゃんと思ってしまうわけですが、この辺がこの国の不可思議なところですね。

my home, Syracuse, Oct 29, 24:40

Monday, October 27, 2008

"Hot, Flat, and Crowded" #2

今日もFriedmanの新刊"Hot, Flat, and Crowded"について書きます。「正直興味なし…」という方、すいませんが、もう一日、お付き合いを。

1.American, Journalistic, and Optimistic
この本をFriedman流に3つの言葉で表してみました。

◆American
著者Friedmanは、今月1日に行われた講演(こちらでそのビデオを見れます)の冒頭で"This book is a masquerade as a book about energy and environment, but really it's just a masquerade. This book is actually a bool about America."とはっきり言っています。読んでいてもまさにその通りで、決して、世界の現状を客観的に考察した本ではありません。あくまで、アメリカ主眼で、「アメリカには何ができるか」、「アメリカは何をすべきか」について書かれた本です。

そこには、当然ながら、アメリカ人お決まりの「アメリカこそが世界をリードすべき国だ!!!」という純粋な(幼稚な?)視点が色濃く入っています。そんなもんだと思って読まないと、アメリカ人以外には正直きついと思います。(少なくともドイツ人は「きつい」と言ってました。)

◆Journalistic
これは、この著者の昔からの手法ですが、「こんなことがあった」「あんなことがあった」というエピソードの開陳が、延々繰り返されます。中には「このエピソードから、この結論を引き出すのはいくらなんでも無理があるだろう」というところもありますし、また、そうでなくても、ひとつひとつの議論にそれほどの深みがなかったりします。読者に深く考えさせるというよりは、むしろ、面白ろエピソードとキャッチーなキーワードの連発で、読者の印象に訴えかける感じの筆致。この点も好き好きがかなり分かれるところだと思います。

ただ、最後の2節は、それなりに読ませる内容でしたけどね。

◆Optimistic
10月20日の記事で、授業中にアメリカ人の女の子が「こんな本はgreatでも何でもない。ただ"Go! Go!!"って言ってるチアリーダーみたいなもんよ。」と言ったと書きましたが、確かにそういう面はあります。というか、おおいにあります。

なんでそうなるかと言うと、もちろん、このおっさんの生まれ持った性格もあるんでしょうが、確信犯的にやってる部分もかなりあると思います。

この本の一番最後、411頁に、こんなフレーズがあります。
I guess I would call myeself a sober optimist. ... If you are not sober about the scale of the challenge, then you are not paying attention. But if you are not an optimist, you have no chance of generating the kind of mass movement needed to achieve the needed scale.
つまり、「度を越して(not sober)楽観的になっちゃうと、スケール感を見失い、温暖化の解決なんて屁でもないと錯覚してしまうけども、そもそも楽観的でなければ、行動を起こそうという気にさえなれない」ということを言ってるんですが、このスタンスは僕的にはかなりagreeです。

2.Friedmanの基本戦略
この本での、Friedmanの基本戦略をまとめておきます。昨日の記事でも書いたとおり、「Friedmanの基本戦略」は「次の大統領の基本戦略」と「≒」である可能性が高いんじゃないかと、個人的には思ってます。

戦略の目標は、
① Clean Energy Systemを構築すること。
② ①を通して、アメリカが再び世界をリードすること。

そのためにはどうすればいいか?答えは簡単;普通にやればいい。敢えて「環境のため」、「地球のため」といった概念を持ち出さなくとも、「非民主主義国家へのエネルギー依存からの脱却」、「新たな雇用(grennjob)の創造」という旧来型政策の果実だけで、十分にpayする。

なぜそれができないのか?政治家が石油・石炭業界に操られているから。たとえば、従来型エネルギーに比べ、新エネ・省エネに向けられている補助金はあまりにも少ない。この状況を変えるには、市民権運動のときのように、国民が真剣に声を上げないといけない。国民の後押しがあれば、大統領は、議会の反対を抑えて強力なリーダーシップを発揮することができる。

3.最後の2節
最後の2節(第16節と第17節)は、上にも書いたとおり、なかなか読みごたえがありました。"America"という章名でくくられたこの2節では、「なぜアメリカは変われないのか」、「どうすれば変われるのか」ということについて、著者の考えが展開されています。Americanなこの本の中でも、章のタイトルどおり、とりわけAmericanなこの部分ですが、ここでの著者のAmerica論は、お決まりの"manifest destiny"的視点とは少し趣が違います。

「モノが決まらず、機動性に欠く」、「めいめいが特殊利益を主張する」といった、アメリカ議会民主主義の欠点を率直に認めた上で、"非民主主義国家"中国を引き合いに出し、「一日だけ、アメリカが中国になれれば…(いろんなことを決断できるのに)」とまで言ってのけています。(まぁ、中国に対する強烈な皮肉ではありますが。)

もちろんそれはきつい冗談であって、著者は本気でそんなことを思ってるわけではありません。でも、アメリカ人にしては(?)かなり真面目に民主主義制度の欠点を考察しているのも事実。その上で出された彼の答え(国民の真剣な声→議会の抵抗を抑止→大統領の強力なリーダーシップ という解しかない!!)には、それなりの説得力がありました。

4.Friedman戦略のナゾ
Friedmanの戦略には、3点ほど、「ようわからんなぁ」というところがあります。具体的には、
① greenjobってそもそもなに?
② (伝統的に「大きな政府」を嫌うこの国にあって)財政出動による雇用創出政策が支持されうるのか?
③ ②支持されるとしても、この金融危機のさなかに財源は足りるの?
の3点。

これらについては、時間があればまたじっくり検討してみたいと思いますが、今の時点でわかる(思う)範囲で書いておくと、

①・・・この本の中では、ソーラーパネルの取り付け工事工が例として紹介されてました。そういう建築系の仕事が多いんじゃないかと思います。(建築労働は工場労働と違って、外国に雇用を持ってかれないという意味でも利点。)
②・・・環境・エネルギーの議論とは関係なく、昨今の金融危機を背景に、現代版の「ニューディール政策」を期待する声があるのは事実。その声が高まれば、大恐慌の後にFDRが大統領になったときと同様、「これは異常事態だ」との認識の下、アメリカでも「大きな政府」が受け入れられる可能性は十分あると思います。逆に言えば、今後、景気が悪化して、失業問題が深刻になればなるほど、この政策は行いやすくなるんじゃないか、とも。
③・・・これは答えの出ない議論ですが、最終的に「ドルの暴落さえ起こらなければいい」と割り切ってしまえば、かなりの規模まで財政出動できてしまうんじゃないかと思います。どこまで無理をできるかは、11/15の金融サミットの結果次第かもしれません。

5.読むべきか、読まざるべきか
最後に、お忙しいこのブログの読者の皆様への、独断と偏見に満ちたアドバイスを。

とりあえずこの本の日本語版が出るのかどうかは知りませんが、もし出たとしても、著者の前二著ほどは、バカ売れしないんじゃないかと思います。

ただ、環境屋さんの皆さん、特にアメリカ人とお付き合いされる可能性のある方は、「だいたいこういうことが書かれてある」というエッセンスくらいは押さえておかれる方がいいんじゃないかと思います。話のネタとして。

はっきり言って冗長なので、全部を読むことはお勧めしません。が、上にも書いたとおり、最後の2節は読んで損はないと思います。あと、その後ろについてる"Acknoledgement(謝辞)"も。ここで名前の挙がってる人たちは、年明け以降、政権に近い立場で活躍し始める可能性大だと思います。どんな人の名前が挙がってるか、チェックしておくのも面白いんじゃないでしょうか?


以上、二日にわたってお送りした、Friedmanの新著"Hot, Flat, and Crowded"についての記事でした。
my home, Syracuse, Oct 27, 25:11

Monday, October 20, 2008

Her wepon is...

先週金曜日の記事に登場した、しゃべりだしたら止まらないドイツ人少女(?)Vちゃんの話の続き。今日、授業の休憩時間に、Vちゃんと、アメリカ人C君と3人で、コーヒーを買いに行ったときのこと。

Vちゃん: 最近、ジージー鳴く虫、やたら出没しない?
Cくん  : する。
ぼく   : ??? (←そんなん見たことない。)
Vちゃん: あれ、うざくない??
Cくん  : うざい。 (注:C君は、アメリカ人のわりに騒がしくない非常に良い感じの青年です)
ぼく   : ・・・・・ (←ようわからんから黙ってる。)
Vちゃん: あれ見つけたらどうする?
Cくん  : うざいけど、ほっとく。
Vちゃん: わたしは殺す派。
Cくん  : (かすかに引きつつ)つぶしたら壁にstain(シミみたいなの)残らね?
Vちゃん: と思うでしょ。私、いい方法発明したんだ!
Cくん  : How?
Vちゃん: トイレットペーパーをロールごと投げてあれにぶつける。
      そうすると、あれは一撃で殺せて、しかも紙がstainを吸ってくれるから壁には跡が残んないの。すごくない!!?
Cくん  : O,oh, it's cool... (←完全にひいてる)
ぼく  : ・・・・・ (←この人もひいてる)

Vちゃん、普通にかわいらしい顔してるんですが、なかなかの逸材かもしれません。今までちょっと注目不足でした。今後、要checkです。

さて、今週は、土曜日に英語でうなされた甲斐もあってか(詳しくはこちらを)、英語のリスニングがなかなか好調です。毎週、やたら苦しんでいる月曜ひとコマ目のLambrightの授業(Energy, Environment, and Resource Policy)も、普通に聞くことができました。

聞けてみて思ったことは、この授業、意外とたいしたことないかも…。おいおい、今更かい。。 どうたいしたことないかというと、Lambright先生が「ここポイント」って力を込めてしゃべってるポイントが、どうも僕にとっては当たり前に思えることが多いんですよね…。いま教材に使ってる本(Friedmanの"Hot, Flat, and Crowded")がそういう本だからなのかも知れませんが、その本のことを「Greatな本だ」と手放しで評価してるあたり、まぁLambrightもそのレベルなのかなと。(←どんだけ上から目線やねん!!)

「私、エコロジストです」オーラをガンガンに放っている、アメリカ人の超オシャレな女の子(もちろんPCはMac)は、「こんな本はgreatでも何でもない。ただ"Go! Go!!"って言ってるチアリーダーみたいなもんよ。」(※ 応援団関係の皆様、僕の発言ではありません。あくまで、そのお姉ちゃんがそう言ったということです。僕個人としてはまったく他意はありませんのでどうぞあしからず。)と言い放ってましたが、一方で、そのお姉ちゃんは、途上国の「発展する権利」には全く以て不寛容で、「長期的には途上国も含めた地球全体が不利益を被るんだから、途上国も今すぐに対応すべきよ」と無慈悲に(そして僕から言わせれば非現実的に)一刀両断する始末。。。

方や、ちょっと頑張っただけで「こんなにやったぞ!!」と盛り上がる人がいて、方や、現実をほとんど無視して潔癖症的エコロジーに突っ走る人がいる…。やや独断が過ぎるかもしれませんが、意外とこれって、環境問題を巡るアメリカの縮図を表してんじゃないかな…なんて思ってみたり。そう考えると、この授業をとった意味もそれはそれで大きいのでは。無理やり過ぎ??

最後に、今日のネタとは全然関係ないんですが、うちのクラスメイトが、MLで面白いサイトのURLを流してくれたんで、それを張っつけときます。コレ→ http://www.palinaspresident.us/ (注意!! 音出ます。) 「もしもPlinが大統領になったら…」という設定のブラックユーモア。どう見てもやり過ぎですが(でも笑える)、いまアメリカで(少なくとも東海岸の若者たちの間で)Palinがどんなふうに見られてるかが、痛いくらい(実際、痛いよぉ。。。)よくわかるサイトです。音も出るし、画像も結構派手なんで、こっそり見てみてください。
my home, Syracuse, Oct 21, 25:36

Sunday, October 19, 2008

"Sanei" got around the world.

今日はT. L. Friedmanの"Hot, Flat, and Crowded"を読みきって、その感想文を書こうと思ってたんですが、残り2章を残して読み切れず。病み上がりなので無理せず、今日はやめときます。

代わりに、ニュースから何か拾って書こうと思ったんですが、アメリカのニュースは、「PowellがObama支持を表明した」とか、「McCainがObamaをcomunist呼ばわりした」とか、「McCainが“負け犬”呼ばわりされてもかもうもんか、と言った」とか、どれもこれも「消化試合」の様相。。。

いまいちパッとしないのでyahoo! Japanを見てみたら、「北、在外公館に禁足令 「あす重大発表」情報も」との産経新聞の記事(19日朝)が。同記事によると、
北朝鮮が世界各地の在外公館に対し、職員らの外出を禁ずる「禁足令」を出していたことが分かり、政府は情報の確認や分析に追われる事態となっている。 情報は17日朝にもたらされ、北朝鮮が16日夜までに「禁足令」を発し、本国からは「近く重大な発表がある」との理由が付けられている-というものだった。 

「禁足令」の情報について、外務省は「否定も肯定もしない」としているが、政府内では「金総書記が死亡したことによる後継者の発表ではないか」「クーデターによる政変」といった憶測も出ている。

とのこと。

「こんな記事CNNとNYTでは見かけなかったぞ」と思って早速ググってみた結果、わかったことが2つ。その1、世界中の記事が「日本のSankei が報じたところによると」と書いている(一部はYomiuriにも言及)。いずれにせよ、今回のニュースについては、世界中の記事の根っこが産経新聞(と読売新聞)だということ。その2、アメリカの主要メディアはこのニュースを全く報じていないということ。BloombergやReutersといった市場情報提供サービス系の通信社が報じているものの、NYT、WSJ、Washington Post、CNNといった主要メディアはまったく扱っておらず。韓国はもちろん、UKやカナダの主要メディアは、産経の記事を引用する形で報じてるんですけどね。。。

たまたまなのかもしれませんが、ちょっと変な感じもします。日本では、官房長官が朝の会見で早速、「政府として特に公式なものというか、確たるものは一切ない」と発言したみたいですけどね。先週の突然のテロ支援国家指定解除といい、最近の北朝鮮情勢(というか米朝関係?)、ちょっとよくわかんないですね。昔からと言ってしまえばそれまでですが(苦笑)

あしたの朝は、ついに氷点下に突入するそうです。ぶるぶるぶるぶる。頭痛がぶり返さないよう暖かくして寝ます。
my home, Syracuse, Oct 19, 24:41

Friday, October 17, 2008

Final Debate

昨晩と今朝に分けて、Presidential Debateの最終回をYoutubeで観ました。たぶん僕だけじゃないと思うんですけど、2回目のdebate方が見ごたえがあった気がします。「お互いの選挙キャンペーンについて言いたいことは?」なんていう、主催者側の質問の選択にも問題があったとは思うんですが…。

今回だけじゃないですがdebateを観てて面白いなと思うのは、「確かに僕の党はあのとき〇〇法案に反対したけど、僕は賛成票を投じたんだ」とか、「いまあんたはそう言ってるけど、あのときは△△法案に賛成してたよね」とかいう主張がよく出てくること。一人ひとりの議員が、ちゃんと自分のアタマでモノ考えて行動してるからこそ、こういう言い合いが出てくるわけですよね。この点については、日米を比較して、ただただ羨ましい…。

今回のdebateでは、なんとなく両者の態度に「勝負あった」感が出てたような気がしました。一層自信を持って語るObamaさんに対して、McCainさんはどことなく斜に構えたような態度。見ようによってはやや卑屈な雰囲気も漂わせながら受け答えしていたように思います。まぁもともと飄々とした人ですけどね。

「お互いの副大統領候補についてどう思うか?」という質問に対するMcCainさんの答えぶりが、なんとも苦しそうで、見ててかわいそうでした。もともとObama優勢の選挙ではありましたが、ロシアのグルジア侵攻の頃はほぼ互角にまでなっていた両候補の支持率。その後の金融危機で「経済に強い」とされるObamaさんが票を伸ばした側面はあるものの、決定打を放ったのはやっぱりPalinだった気がして、その点はちょっと残念です。そういう選択をしたMcCainさんの失敗と言ってしまえばそれまでですが。


話は変わりますが、クルーグマンが、ノーベル賞受賞後はじめてのコラムをNY timesに載せています。曰く、
- そろそろ実体経済の後退がはっきり目に見えてきたぞ。
- この不況は当分続くね。間違いない。
- いま財政出動をバンバンやらんでどないすんねん。公共事業やりまくれ~。
- 国の借金なんか気にしてる場合とちゃうどー。
とのこと。

期せずして田原総一朗氏も「財政出動だ~」と自身のコラムでおっしゃっています。

個人的には今回の田原さんのコラムにはよくわからない点もあるんですが、ともあれ、世界の論調のメインストリームが急激に「大きな政府」の方向に振れていっているのは間違いないかと。経済に関心を持ち始めて10年この方、どっちか言うと「小さい政府」の礼賛ばっかりを聞いてきた(「大きな政府なんてのはアナクロなんだ」と聞かされてきた)ので、個人的には、イマイチすんなり受け入れられない違和感があるんですが…。

まぁ僕のちっちゃな違和感なんてのはどうでもいいんですが、こんなに借金膨らませて米ドルが持ちこたえられるのかどうかが引き続き心配です。
my home, Syracuse, Oct 17, 10:47

Thursday, October 16, 2008

Keep "Japanese" out from...

今日も朝からバタバタでしたが、Statisticsの宿題を夕方に提出して、ちょっと一息。久々にまともなものを食べたくなったので、自分でカレー作って食べてみました。ご機嫌です。

書きたいことがいっぱいたまってきたので、今日はひとつひとつは短めの小ネタ集でお送りします(予定。結局長くなるかも。)。

1.Congressional Forum
まずは昨日、時間切れで書けなかったネタから。闇に葬らずに済みました(笑)
昨日の午後、11月選挙の立候補者の討論会に行ってきました。と言っても、「生オバマを見てきたぜ!!!」という話ではなく…、シラキュース地区選出の下院議員候補さんたちの討論会。とはいえ、地元TVのカメラも入る(生放送されていたみたいです)いちおう、ちゃんとした討論会の雰囲気を味わってきました。
大統領選が行われる11月4日には、上院・下院の選挙も併せて行われます。上院議員(Senator)は各州2人ずつですが、下院議員(Representative)は人口に応じて区分けされた小選挙区から一人ずつ選出されるので、シラキュース(厳密に言うと、周りの2郡を合わせた3郡)からも、一人、議員が選出されるというわけ。 民主党、共和党、無所属の3名の候補が立候補しているそうです。
討論会の中身はというと、皆さん超早口な上に超英語なので(←当たり前)、まったくもって聞き取れませんでしたが(←無意味に逆ギレ)、かろうじてわかったのは討論会の進め方(←そりゃわかるだろ。)。1時間半の番組を30分ずつのパートに区切り、各パートで、司会の人が、各議員に同じ質問を聞いていきます。「bailoutはどう思う?」、「イラクからは即時撤退すべき?」、「シラキュースの経済、どうやって盛り上げる?」などなど。その間、残りの2人は別室で待機させられてて、質問内容や他の候補の答えを聞くことはできません。
このシステムが良いなと思ったのは、ディベートのようにやたら相手の攻撃に走ることもなく、一方で、某国公共放送の政見放送みたく、気持悪ーい(失礼!)ナルシスティックな時間がただただ流れるわけでもなく、理知的なしっかりとした議論が聞けるということ。バカは速効ばれると思います。
一緒に聞いてたアメリカ人曰く、「民主党候補と共和党候補の言ってることがほとんど同じでビックリした」とのこと。まぁそんなんですかね。そこんところは、僕の耳では聞き取れなかったですけど(悔)。小ネタ1終わり。

2.Climate Change (3回目)
Climate Changeをテーマにした学部横断リレー講義の3回目に行ってきました。今回の講義は、Law SchoolのDavid Dreisen先生による「気候変動と法律」。内容は、UNFCCCとKyoto Protocolを中心とした基本的なものでしたが、その中で面白かった点をいくつか。

  • 1時間半の講義中、「日本」への言及は一度もなし(EU、BRICsへの言及は数知れず。)。哀しいと言えば哀しいが、逆に言えば「排出大国」という認識もなされていない(=国内で日本人が思っているほど、環境面で悪いイメージは持たれていない)ということ → もっとうまくに外向きの宣伝をやれば、「ニュートラルな国」から「環境に良い国」にイメージを転化できるのでは?
  • アメリカで、「十分な温室効果ガス排出削減措置を取らずに製造された製品」への輸入時課税が検討されていることに言及。「①enforcementが大変ではないか。クリーンか、クリーンでないかはどういった基準で判断されるのか。②日常必需品が値上がりすることに、国民からの支持は得られのか。」と2点質問したところ、①については、「非常に難しいが、"still"技術的な問題」。やや流され気味。面白かったのは②に対する答え。先生曰く「賛成は得られる。なぜなら多くの国民の懸念は、物価の高騰以上に、雇用を途上国に奪われることに向けられているから」とのこと。なるほど。納得。
  • 講義を通し、「国際法はenforcementを如何にうまく行うかがポイントだ」と繰り返し主張。その中で、CDMに関するところでは、「enforcementの観点からはcirtification(認証)が非常に重要なプロセスであるが、これを各国政府にゆだねると、あまりに行政コストがかかりすぎるので、cirtification業務をprivatize(民営化)するという制度設計がなされた」と説明。"privatize"という捉え方がやや新鮮。

すいません。エコ系以外の皆さんには、マニアックすぎるお話でしたね。次、行きましょう。

3.Keep "Japanese" out from...
最後に今日のタイトルのお話。「"Japanese"を締め出せ」と、若干強烈なことを書いてみましたが、ここで言いたい"Japanese"は、「日本人」じゃなくて「日本語」の方。どこから締め出すかというと、my brainから。
今日の午前中の授業(Statics。まるで頭に入らず…)と、午後のClimate Changeの講義(それなりに理解できた)を比べてみて思ったのは、僕の(みんなの?)頭の中には、「日本語脳」「英語脳」があって、①日本語脳だけが活動している状態、②両方が活動している状態、③英語脳だけが活動している状態 があるんじゃないか、ということ。
①は普通に日本を使ってる状態。英語はほとんど「音」としてしか認識されません。②は英語をがんばって聞こうとしてるんだけど、同時に日本語脳にもスイッチが入ってしまっている状態。この状態だと、どうしても日本語脳の方が勝ってしまって、英語に集中しようとすればするほど、日本語脳が暇を持て余す→遊びだす→妄想に走る→眠くなる→おやすみなさい…、ということになりがち。というわけで、うまく英語が聞けるのは、日本語脳が完全に脳みそからkeep outされている③の状態のときではないかと。
問題は、どうやって日本語脳を締め出すか。友達と(英語)でしゃべってるときや、今日みたいにすごく興味のある授業を聞いているときは、ある種の興奮状態に入って、特に意識しなくても自然と③の状態が実現します(スポーツで、うまく試合に入りこめたときに、余分な力が抜けて、練習の時以上のパフォーマンスが発揮できるというのと似ていると思います。)でも、そんな楽しい話ばっかり聞けるわけではないので、そこまで興味が湧かない話ででも自分の脳みそを③の状態に持ってくためにはどうすればいいのか、これが次なる課題です。要は、普段から極力英語で考え、英語でアウトプットする癖をつけることだと思うんですが。

なんだかんだいって、結局ながなが書いちゃいました。今日はこのあと、昨日のPresidential Debateを聞きます。(松坂、打ち込まれちゃいましたねぇ…。大リーグの話ですけど。)

my home, Syracuse, Oct 16, 22:18


Tuesday, October 7, 2008

Causes of State's Fiscal Crisis #2

今日は、2回目のPresidential Debateがありました。両候補とも、言ってることはこれまでと同じですが(違っていたら困りますが)、司会者から「health insurance, energy, educationの優先順位をつけろ」と言われたObamaさんが、はっきりと「energyが1番」と言いきってたのが印象的でした。(McCain候補は順位を明言せず。)

Obamaさんのエネルギー政策は、electric car、clean coal、nukes の3本柱ですが、前二者(特に電気自動車)の技術開発については、「とにかく、アポロを月に飛ばしたときの気合いで頑張る」そうです。「ケネディは『10年以内に人類を月面に立たせる』と公約してそれを実現した。アメリカが本気になれば、今回も絶対できるはず」というObamaのロジックには、まったくロジック(論理)がありませんが(笑)、それでも、この人が大統領になったらほんとにデカイことが起こるんだろうなという予感が漂っています。エネルギームラ、ひいては温暖化ムラで。とりあえずclean coalが脚光浴びるのは間違いないと思うので、日本も乗り遅れないように頑張ってほしいと(勝手に)思ってます。


さて、ここから先は、一昨日、途中でヘタれたPublic Budgetingのテスト勉強の続き。

2. Wisconsin
1990年代、好況を享受していたWisconsin州政府と州議会は、しばしば減税と歳出拡大を同時に行わざるを得ない政治的状況に追い込まれた。その結果、歳入と歳出のギャップは、構造的な州政府の借金として積み上がっていったのであった。
2001年3月に景気の後退が始まると、多額の財政赤字が表面化。2001-03財政年度(2年制)は、$2.4 billion の赤字に見舞われることになる。その後、急激な歳出カットと増税、更には、将来のタバコ収入を見込んだ借入れを行ったが、財政状況は一段と悪化、2003-05財政年度には$3.5 billionの財政赤字を計上するに至った。

3. Colorado
TELs (tax and expenditure limitations) の流れを受け、1992年、Colorado州は州憲法を改正。TABOR(Taxpayer Bill of Right―納税者の権利章典―)と呼ばれるこの改正で、人口当たり(一人当たりの収入は加味)の歳出の制限が導入され、その値は、他のどの州よりも厳しいものであった。
TARBOR導入の結果、Colorado州は、低税率の州への変身を遂げる。州政府と州下の自治体を併せた税収額は、1989年時点で全米28位だったのが、2000年には43位に、2003年には46位(これは州政府の税収のみを比較した結果)にまで下がった。
好況期には、賞賛を集めたTABORであったが、2001年以降、アメリカが不況期に入ると、その制限の厳しさゆえ、州政府の財政政策の機動性のなさを露呈、不況に対する有効な手立てを講じることができなかった。
それどころか、厳しくなる財政状況の中で、earmark(なんて訳したらいいんだろう?)や民営化が多発し、パブリックセクターの効果(effectiveness)を制限する結果を招いた。
結局2005年、同州は住民投票により憲法を修正、高等教育や医療保険などに充てるため、5年間にわたり$3.5 billionの税を追加的に徴収することを決めた。


さて、ここで課題に戻りましょう。テストに出る(と勝手に予想している)課題は、「3州のケースを比較した上で、なぜ、CaliforniaとWisconsinの2州では財政危機が起こったのか、これら2州とColoradoでは実質的に何が違ったのかを考えなさい」というもの。

とりあえず、課題に答えるという意味では、「好況期(1990年代)にどれだけ財政規模を膨らませたか、が実質的に違っていた」、「好況気に減税を敢行したという点は3州に共通しているが、CaliforniaとWisconsinの2州は、一方で歳出の拡大も行っていたため、2001年に経済が不況に転じ税収が激減したのちも、財政規模をすぐに縮小することはできず、結果、膨大な財政赤字に苦しめられた」という感じになるのかぁ…。

ただ、Colorado州を扱ったケーススタディ("Fiscal Management Implications of the TABOR Bind" by C.R. Martell & P. Teske, 2007)自体は、TABORをかなり否定的に書いていました。"TABOR to achieve fiscal control have paradoxically weakened general fiscal management opinions." などと。

じゃどうすればいいんだと言われても、当然答えはないわけですが、「州ってものすごい大きな権限を持っていて、自分の裁量でいろんなことを試みてるんだなぁ」というのが素朴な感想です。日本で道州制を敷いたからといって、その新しくできた「州」に、アメリカの州に見られるような強い自主性が宿るとは、残念ながら思えませんが…。

さて、答えの英訳にとりかかりますか。

my home, Syracuse, Oct 7, 25:23

Monday, September 29, 2008

House Rejects Financial Rescue

僕がNY州の片田舎で、財布を失くしたり見つけたりして、一喜一憂している間に、世の中は(アメリカは?)えらいことになっています。

日本でこの記事を読まれている方も、おそらくご存じだと思いますが、こちら時間の今朝(29日朝)、アメリカの下院(House of Representatives)は「金融安定化法案」を否決。これを受け、29日のNY株式市場では、ダウ工業株30種平均が史上最大の下落幅(前週末比$777.68)を記録(ちなみに、これまでの最大は$684.81で、9.11テロ後初めての取引日(2001.9.17)に記録。)し、当然ながら、30日の東京株式市場でも、株価は全面的に下がっているようです。【日経平均、午前終値544円安 一時3年3カ月ぶり安値(日経新聞)】

このニュース、アメリカで生活している人間にとっても、はっきり言って寝耳に水で、僕の周りの人たち(総じて金融危機には興味ナシ)も、今回は、さすがに「おいおい」と言っています。

まずは、金融安定化法案をめぐる昨今の状況を整理しておきましょう。
  • 法案の要点:最大7,000億ドルの公的資金による不良債権買取り
  • 28日、大統領と議会(両党)の代表は、法案について合意に達し、その内容を公表。
  • また同日、大統領は「議会で直ちに承認されると確信している」との声明を発表。
  • マケイン、オバマの両大統領候補も暫定的な支持を表明。
  • 法案を巡る下院での採決は、賛成205票/反対228票 で否決。(下院の定数は435議席)
  • うち、民主党:賛成145票/反対95票、共和党:賛成65票/反対133票。(書き損じじゃないですよ。)

確かに、「ギリギリの議論が続いている」という趣旨のニュースは流れてましたが、まさか否決されてしまうとは!! 僕が知る限り、議会での採否を危ぶむ記事はほとんどなかったと思うので、僕だけでなく、アメリカ人(マスコミやウォール街も含め)にとっても、大きなsurpriseだったのではないかと思います。

それにしても、このニュース、僕にはよくわからないことだらけです。「アメリカの国会は党議拘束が緩い」という話は前からちょくちょく聞いていましたが、いくらなんでもこんな大事な局面で、大統領と両党下院代表が合意している法案を否決してしまうとは…。「レームダック期に入ったブッシュ政権の威信の低下が原因」なんて記事をいくつか見かけましたが、そんなことは百も承知でも、やっぱりこのニュースは解せません。ブッシュの威信があろうがなかろうが、そもそもなんで反対せなあかんのかがわからん…。

というわけで、適当にあたりをつけてピックアップしてみたWashingtonpostの記事(30日付)を踏まえつつ、今回の経緯について、僕なりに想像してみました。

まず、今回の造反(特に、共和党の造反)は、単純に"Anti Bush" を意味するものではない、ということ。法案を巡る一連の議論の中でのBushの立ち位置は、もはや、自分の意見を率先して提示する役回りではなくて、民主党と共和党の調整役または仲裁役に徹していたんだと思います。だから、Bushの政策(あるいはBush本人)が気に食わないといった理由で造反した議員が多数出たと考えるのは、ちょっと短絡的ではないか、と。(もちろん、仲裁者としての威信が地に落ちていたことについては議論の余地もないですが。)

じゃぁどこがもめていたかというと、やっぱり"Demorats vs Republican"という構図なわけです。民主党には、より手厚い支援をするべきだと考えている議員が多いし、一方の共和党には、政府が市場に介入するなんてのは生理的に受け付けない、という議員が多い(たぶん。ここはちょっと推測。)。もっとも、DemocratsかRepublicanかを問わず、アメリカ人(のエリート)のmajorityは、市場信奉者なので、今回のような大規模な政府介入に対しては、どちらの党からもある程度の造反議員が出るのは織り込み済みです。ただ(どこまで緻密に票読みしたのかは知りませんが…)、これくらいだったらなんとか過半数とれるだろうという妥協のラインが、今回の法案だったんだと思います。

で、昨日から今日にかけて、Bushも、民主党議員も、共和党議員も、揺れている議員の取込みを必死にやったらしいのですが、最後の最後でいらんことをした(と共和党から名指しで非難されている)のが、カリフォルニア州選出のNancy Pelosiというおばちゃん。このおばちゃん、投票直前に、

(Bush administration) policies built on budgetary recklessness, on an anything-goes mentality, with no regulation, no supervision, and no discipline in the system

という、なんとも空気の読めない演説をしでかしたばっかりに、議場を最悪の空気に陥れ、結果、造反議員が続出した。んだそうです、Republican曰く。(このおばちゃんが、この発言をしたのは紛れもない事実。)

しかも、この一件を大統領選と絡めようとしている共和党議員がいます。McCain候補の内政顧問を務めるD. Holtz-Eakin議員もその一人で、こんなことを言っています。

"Just before the vote, when the outcome was still in doubt, Speaker Pelosi gave a strongly worded partisan speech and poisoned the outcome. This bill failed because Barack Obama and the Democrats put politics ahead of country,"

McCainは、「アメリカ全体にとっての危機である金融危機が一段落するまでは自分のキャンペーンは中断する」と言って、自主的に選挙活動を中断しているので、「それに引き換えObama陣営と来たら、こんな局面までも選挙活動に使うのか!!! きーっ」という批判になるんでしょうね。

というわけで、このWashingtonpostの記事を読む限り、ギリギリのところでつながっていた両党の合意は、今回の否決を機に崩れてしまいかねない状況のようで、Bushと両党下院代表は、「修正のうえ、再議決を目指す」と言っていますが、果たしてそれが実現するのかどうか、個人的には怪しいなと思っています。(ちなみにアメリカは、両院で可決されないと、法律として成立しない、という仕組みだったと思います。)

また、そもそも論になっちゃいますが、この法律が通ろうが通ろまいが、どっちにしたって「焼け石に水」だ、という主張も根強くあるようです。僕は専門家ではありませんし、きちんと数字を追っかけているわけでもないですが、でも何となく、それが当たっているような気がしています。これから年末にかけて、世の中が大きく動くんじゃないか、と…。長い目で見たときにそれがいいことなのか、悪いことなのかはわかりませんが。(そもそも、良いとか悪いとかいう問題ではないのかもしれません。)

my home, Syracuse, Sep 29, 26:00

Saturday, September 27, 2008

How to Spend That $700 Billion

解放されましたよー!! Statisticsのassignmentから。今回は、なにげにちょっと自信あるんで、なにげにちょっといい点数もらえちゃったりするんじゃないかと、密かに期待しています。期待通りだったときに限り、報告しますね。

さて、今日は、大統領討論会について書こうか金融危機について書こうか迷いましたが、金融危機について書くことにします。なんでかって…?話せば長くなりますが、かいつまんでいうと、S君の記事に勝てる自信がないからです。というわけで、大統領選について知りたい方は、こちらをどうぞ(笑)

というわけで、金融危機のお話。最近のアメリカでは、"$700 bilion"、"bailout" というふたつのキーワードが飛び交ってますが、これは、日本でも(たぶん)報じられているところの、「金融安定化法案」のお話。7000億ドル(75兆円くらい)の公的資金投入が売り文句の法案で、目下、ワシントンでは超党派で協議中です(だそうです)。

この"700 billion"という数字、アメリカ人にとってもかなりインパクトがあるみたいで(日本の一般会計予算と同じくらいですもんね。そりゃそうです。)、テレビでもMaxwellでも、賛成にしろ反対にしろ(総じて賛成ですが)、その額そのものが話題の対象になりがちです。ですが、今日のワシントンポストに出ていたSebastian Mallabyさんの記事は、むしろどう使うかが問題だと、主張しています。

彼の記事の概略をまとめると、こんな感じ。(ちょっと補足加えてます。)

まず前提としてあるのは、経済(あるいは市場)にとって良い状態(=好況)というのは、モノがバンバン売り買いされている状態だということ。これが、不況になってくると、モノに買い手がつきにくくなります。なぜなら、「今買っても、値下がりするんちゃうかなぁ」という不安が買い手の頭をよぎるから。そうなると、ますます売買が成立しにくくなって、ますます不況が深刻に…という悪循環にはまります。どぼん。アメリカ経済は、今まさにこの不況の崖っぷちにいるわけです。(しかも、その崖はめちゃめちゃ深そうなので、いっぺんはまったら当分上がって来れなさそう。)

ここで政府がやりたいことは、もう一度市場を活気づける(=売買成立を増やす)こと。そのために用意されるのが$ 700 billionちゃんで、今のところ、不良債権の購入に充てられる予定です。ここで問題なのは、どういう価格で購入するか、ということ。

$ 700 billionちゃんを使って、政府がやりたいことは、
  1. 政府が、市場のplayerから不良債権を購入する。
  2. それを見た別のplayerに「最終的に政府に買ってもらえるんやったら、いったん不良債権買って、それを政府に転売すれば、一儲けできそうや」との期待を抱かせる。→ playerは、実際に不良債権を買う(=民間player間での売買が成立する)。
  3. 2.の売買が至る所で起こり始め、気がついてみると、民間player間での売買だけで、市場が回るようになっている。

という流れを生み出すこと。つまり、1.で呼び水として機能することで、2.の期待を膨らませるというのが、$ 700billionちゃんのお仕事なわけです。

しかし、Sebastian君(あ、この記事の著者です。ガイジンの名前って、ほんと覚えられないですよね…。え?僕だけ??)曰く、"Unfortunately, this is probably too optimistic." だそうです。なぜなら、

  1. $ 700billionが、いくら財政支出としては巨額だとしても、アメリカの預金総額に比べたらケタはずれに小さい。
  2. ゆえに、市場参加者は「$ 700billionなんてすぐに底つくよな」→「いま不良債権を買っても、僕が政府に転売しようとする頃には、たぶん政府はもう買い取ってくれないよな」と予測する。
  3. したがって、playerの間で前向きな「期待」は発生せず、$ 700billionちゃんは「呼び水」機能を果たすことなしに一瞬で蒸発する(じゅわっ)

から。なるほど。確かに。

これを踏まえて、Sebastian君(いい加減覚えましたか?著者ですよ。)は、「可能な限り安く買いたたけ」と言ってます。なぜなら、それを見たplayerは、「え?政府ってそんな値段(たとえば額面の30%)でしか買ってくれへんの?僕の持ってる不良債権は、言うても額面の40%くらいの価値はあると思うから、そんなんやったら市場で売った方がましやんか」と思って、市場に売りに行く(→市場が回り始める)から。

しかし、ここには難しいジレンマがあります。Bernanke君(FRB議長)とPaulson(財務長官)君は、目下、金融危機に対処するために、民間playerの有名どころと"dream team"を組んでお仕事中。なので、不良債権を安く買いたたくということは、team mateに割を食わせることになるのです。これは、いくらアメリカ人が一見フレンドリーに見えて、ほんとはドライで冷たいヤツらばっかだとは言え(注:Sebastian君は別にそことは言ってません。)、さすがにしんどい…。

そこで、Sebastian君がお薦めするのが、公的資金の直接投入!!! (お、なんかどっかで聞いたことある響きだ…。) 銀行の資産を蒸発させることなく、市場の売買を再活性化させるためには、$ 700billionちゃんの一部を、直接、銀行に突っ込むしかない、と言ってます。("he(=Paulson) should overcome his squeamishness about using part of the bailout fund to bolster banks' capital." -ポールソンは吐き気を催してでも公的資金の一部を銀行資本の下支えに使うべきだ-) ちなみに、Paulson君は、ゴールドマン・サックスの元会長兼CEO。市場経済に政府が介入するのは大嫌いな人なので、「吐き気を催してでも」って表現になるわけですね。

皆さん、わかりましたか?著者の名前は、Sebastian君ですよ(←そこじゃない)。

さてさて、来週はどう動くんでしょうか…? もちろん、大統領選とも絡んでくるので引き続き、見ものであります。あ、念のためもっかい言っときますが、大統領討論会の記事を読みたい方は、S君の記事をどうぞ(←しつこい?? )

my home, Syracuse, Sep 26, 26:14

Friday, September 12, 2008

9.11 (その2)

さっきのブログでは、DCで行われたブッシュ大統領の演説にだけ触れましたが、その後、pod castで、CNNの他の番組を見ていたら、「ObamaとMcCainがNY市のグラウンドゼロを一緒に訪れた」とのニュースが報じられていました。レームダックおじさんの演説なんかよりもこっちの方が、よっぽどインパクトのあると思うんですが、なんで「CNN Daily」では、ブッシュの方だけ流してたんだろう。ぶつぶつぶつ。。。

グラウンドゼロでの式典について、ワシントンポストは、こんな感じに報じています。

It was a remarkable respite from an increasingly nasty presidential campaign. Both men had pledged to take a break from politics for a day, suspending all television commercials during the Sept. 11 commemorations.

(それは、日に日に熾烈の度を増している大統領選の中にあって、注目すべき休戦であった。オバマ、マケイン両候補は、今日一日、一切の政治活動を控えることを確約し、また、すべてのテレビ局は追悼式典の間中、一切のコマーシャルを放送しなかった。)

CNNの動画では、静まり返った人垣(グラウンドゼロに集まった、犠牲者の家族の方々)の中を、両候補が並んで歩く姿が、かなり長めのカットで流されていました。その映像はすごく印象的で、なんとなく、ラファエロの「アテネの学堂」とイメージが重なりました。

今日は、そろそろ寝ます。おやすみなさい。
my home, Syracuse, Sep-11, 27:30

Thursday, August 28, 2008

Democratic National Convention

ちょうどいま、Obamaの大統領候補指名演説が行われていて、CNNのwebサイトで、LIVE映像を見ていました。

正直、僕にとってはObamaの英語はときどき聞こえにくいときがあり、ところどころ聞き取れないところもあったんですが、それでも本当に迫力があり、かといって過度に押しつけがましくもなく、何より、聞いていて前向きな気持ちになれる演説でした。

"National Convention"というのは、各党の大統領候補者を正式に決めるための全国集会のことで、各州の代表が一堂に会して行われます。今年は、今週の月曜日から今日までの4日間、コロラド州のデンバーで、民主党のNational Conventionが行われていて、今日がその最終日。Obamaが正式に民主党の大統領候補に指名されたあと、会場を、7万5000人収容のスタジアムに移し、指名受諾演説が行われました。写真は、そのLIVE映像から拝借したもの。画面からも、ものすごい熱気が伝わってきました。いうなれば、甲子園のヒーローインタビューを30分間、あのテンションでやり続けてるみたいな感じです。(風船は飛ばないですが、星条旗はいっぱい振られています。バースを思い出しますね。)

CNNを見ていると、この演説を「historical」と捉えようとしている論調をよく耳にします。キング牧師の"I have a dream"演説から45周年ということにも絡め、主催者側もそういう演出を試みていたようです。たとえば、演説会場のポディウムは、ギリシャの神殿風のセットだったのですが、それは、ワシントンDCのリンカーン・メモリアル("I have a dream"演説が行われた場所です。)のメタファでもあるとのこと。(たぶん、アメリカ人にはピンと来るんでしょう。)Obama自身、演説の中で、"I have a dream"演説を想起させるフレーズを何箇所か使っていたように思います。

日本のメディアを見てみると産経新聞が、スタジアムの雰囲気を伝える記事を掲載していました。http://sankei.jp.msn.com/world/america/080829/amr0808291017002-n1.htm 
また、読売新聞が、演説の内容を伝えています。偏りなく、正確に伝えているように思います。http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080829-OYT1T00314.htm?from=top


ちなみに、この読売の記事の中で、「最高司令官として武力行使は躊躇しない方針を強調しつつ」とのフレーズがありますが、これは、「最高司令官(commander in chief)として、Obamaは信用に足るのか?」という疑問が、最近特に、共和党側から呈されていてそれに答えたものです。

実際、ロシアの南オセチア進行以降、commander in chief としての素質に不安の残るObamaは、世論調査で、McCainにリードを縮められていました。今日の演説を受け、ObamaがいったんMcCainを引き離すのは間違いないでしょうが、来週の共和党のNational Conventionが終わったときにどういう状況になっているか、見ものです。

my home, Syracuse, 23:46