Friday, January 8, 2010

”Federalism”

PA&Law、一週目終了。

今週最後の授業のテーマは、Hurricane Katrina。連邦、ルイジアナ州、ニューオリンズ市、それぞれの政府の対応ぶりを通して、連邦と州・地方政府の権限demarcationを見ていこうという流れ。授業では、PBS(Public Broadcasting System)の看板ドキュメント番組“FRONTLINE”のKatrinaの回を観たのだが(ここからDLできます)、当時の関係者のインタビューを中心に問題点を炙り出していく構成で、なかなか見応えがあった。

月曜日のエントリーにも書いとおり、合衆国憲法修正第10条は、憲法に明文規定のない残余権限は州及び人民に留保されると定めている。このため、連邦軍は元より、連邦政府に属するあらゆる機関の活動は、Katrinaのような緊急事態時であっても、(あらかじめ具体的に法で定められている場合を除き)何をするにも、州又は地方政府からの要請待ちというかたちになってしまう。

一方の州や市はといえば、緊急事態の真っ只中にあって、「とにかくなんでもいいから助けをくれ」という、半ばemotionalな状態。こんな状況の中、demarcationに関する複雑怪奇な法解釈の話をするなんて、ほぼ不可能というもの。結果、後日、両者の話を聞けば、聞こえてくるのは、責任の押し付け合いみたいなコメントばかり…。(子)Bush政権下で冷遇に甘んじていたFEMA(連邦緊急事態管理庁)が十分に機能しなかったということなど、他のいくつかの要因にも言及されてはいたものの、何と言っても、連邦制のもたらす非効率のインパクトは相当大きかったようだ。

阪神大震災のときに兵庫県の自衛隊派遣要請が遅れた件を持ち出すまでもなく、同様のことは、日本でも当然に起こりうる。しかし、憲法以上には自治権の根拠を遡れない日本のような「普通」の国と、もともと主権を有していた「State」が、その主権の一部(あくまで一部)を切り出す形で連邦憲法を制定したアメリカのような連邦国家とでは、中央政府(連邦)と地方政府(州)のdemarcationを巡る複雑さ・面倒臭さのレベルが全然違うんじゃないかという気がする。

そんな状況の中、連邦政府が、国レベルで何か大きなことをしようと考えたならば、結局のところ、その論拠づけを、「国全体の安全」(=National Security)か、「合衆国建国の本旨」(=justice、liberty)(或いはその両方)に落とし込むしかないのかも知れない。そう考えると、この国の人たちが、何かにつけて「自由だ」「正義だ」「安全だ」と叫ぶ理由も、少しだけわかってくるような気がする。つまり、この国の強烈なpatriotismは、ある意味で、州権が強いことの裏返しなのではないかと…。

ともあれ、一週目の授業はこれにて無事終了。今日の午後は少し休憩をば。隣町のDeWittで、洗車して、髪切って、買物して、映画観て、まったり過ごそうと思います。
DeWitt, NY, Jan 8, 14:41

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