Wednesday, January 20, 2010

"Massachusetts election kills cap-and-trade”

昨日のMassachusetts補選の結果を受け、Reutersのコラムニスト、John Kempが、上記題名の記事をアップしている。

この人の見立てがどこまで正確かはわからないが、曰く、今後、Obama政権がcap-and-trade法案についてとりうる選択肢は以下の3つのどれかだろう、との由。
  1. 中間選挙後に排出規制の議論を再開することを約束しつつ、とりあえず、cap-and-trade以外の部分(グリーンテクノロジーの促進政策等)だけを切り離して通過させる。(ただし、その場合、残されたcap-and-trade部分が次の国会で通過する可能性は一層低くなる、とも。)

  2. 原子力発電の推進を前面に押し出した上で、Clean Air Act (CAA)に依拠したregulation―“法案cap-and-trade”と同様のregulation―の策定を試みる。(Kemp氏はその実現性に極めて懐疑的。)

  3. 中間選挙が終わった時点で(※ “once the elections are out of the way”というのはそういう意味だと思うのだが)、今のcap-and-trade法案を廃案にし、よりシンプルで透明性の高い炭素税法案を提示する。
alternativeの3つ目は、面白いというか、やや新しい視点だなぁと思う。Kemp氏は、最近の世論調査などを引きつつ、アメリカ世論の好みが、「複雑で、理解し難く、政府が何かと操作できそう」なcap-and-tradeから、その真逆(シンプル、わかりやすい、透明性高い)の特徴を持つ炭素税の方に向かっているのではないかと考えているようだ。

もちろん、当たっているのかも知れないが、個人的には、なんとなくそういう問題でもないような気がする。いまは、cap-and-tradeが政権のタマとして具体的に提示されているので、それに対する批判が高まっているが、いざ政権が「税だ」と言い始めたら、今度は、税に対する批判が始まるだけじゃないだろうかと…。Mankiw先生、Nordhaus御大始め、economistの皆さんは、経済学的な見地から、真面目に税の方が良いとおっしゃっておられると思うけれど。
Maxwell School, Syracuse, Jan 20, 15:20

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