Tuesday, September 30, 2008

What day is today?

今日は"Eid Ul-Fitr"で、大学はお休みでした……って、何それ?ですよね。そもそも、なんて読んだらえんかもわからんし。

「まぁ休みになるなら何だっていい」っていうのは、洋の東西を問わぬ学生に共通の考え方らしく、「なんだかよく知らんけど休みなんでしょ」なんて言ってる学生も、周りにはたくさんいましたが(その時点では僕もその一人でしたが)いちおう気になったので調べてみると、"Eid Ul-Fitr"というのは、イスラム教のラマダン(断食)明けの祭日なんだそうです(ソースはいつものwikipedia)。ちなみに、Eid Ul-Fitrが休みになるのは、うちの大学だけらしく、バークレーのS君に聞いてみたら、まったく普通どおりに授業があると言ってました。ちょっと申し訳ない…。ちなみに来週木曜日もお休みで、今度は、ユダヤ教の祝日だそうです。

今日の僕はと言えば、特にラマダン明けらしいこともせず(何が「ラマダン明けらしい」のかもよくわかりません…。)とはいえ、当然授業もなく、家でずっとBudgeting の宿題をやってました。夕方には、日本から持ってきた枝雀のDVDを観て、一人で笑ってました。枝雀の関西弁を聞いてると、心が和みます。

こないだ、このブログで「うちのルームメイトはうどんが大好きだ」と書きましたが(記事はこちら)、最近、彼がうどんどころでなくはまっているのが、永谷園のお茶漬け海苔。米のとぎ方を伝授してからというもの、毎日、お茶漬けを食べたいがためにせっせと米を炊いています。おかげで、楽してご飯にありつけて、こっちとしては、非常にありがたいんですが(笑)

しかし考えてもみるとですね、お茶漬け海苔というのは、なかなかよくできた商品じゃないですか? おいしいし、手軽だし、安いし、腐らんし、小腹がすいたときにちょうどいいし。白米が日常的に手に入る地域で売れば、かなりの人気商品になれるポテンシャルを秘めてるんじゃないかと思うんですが…。知りあいに永谷園社員がいらっしゃる方、いらっしゃっいましたら、ぜひご提案してみてください。お茶漬けが東アジアを席巻する日も遠くない!(かも。)

最後にちょっとだけ金融のお話。東京市場も火曜日は反発したみたいですが、NYも今日は、史上何番目かの上げ幅を記録したそうです。CNNによると、明日の夜、上院(Senate)で金融安定化法案の採決が行われる予定とのこと。月曜日に下院で否決された案からは多少手直しされた案でかかるそうです。この採決には、McCain、Obama、Bidenも駆けつけるとか。通るにせよ、通らないにせよ、またちょっと大きなニュースになりそうですね。てゆうか、今度こそ通さないと本気でやばいと思うんですけど…。
my home, Syracuse, Sep 30, 23:12

Monday, September 29, 2008

House Rejects Financial Rescue

僕がNY州の片田舎で、財布を失くしたり見つけたりして、一喜一憂している間に、世の中は(アメリカは?)えらいことになっています。

日本でこの記事を読まれている方も、おそらくご存じだと思いますが、こちら時間の今朝(29日朝)、アメリカの下院(House of Representatives)は「金融安定化法案」を否決。これを受け、29日のNY株式市場では、ダウ工業株30種平均が史上最大の下落幅(前週末比$777.68)を記録(ちなみに、これまでの最大は$684.81で、9.11テロ後初めての取引日(2001.9.17)に記録。)し、当然ながら、30日の東京株式市場でも、株価は全面的に下がっているようです。【日経平均、午前終値544円安 一時3年3カ月ぶり安値(日経新聞)】

このニュース、アメリカで生活している人間にとっても、はっきり言って寝耳に水で、僕の周りの人たち(総じて金融危機には興味ナシ)も、今回は、さすがに「おいおい」と言っています。

まずは、金融安定化法案をめぐる昨今の状況を整理しておきましょう。
  • 法案の要点:最大7,000億ドルの公的資金による不良債権買取り
  • 28日、大統領と議会(両党)の代表は、法案について合意に達し、その内容を公表。
  • また同日、大統領は「議会で直ちに承認されると確信している」との声明を発表。
  • マケイン、オバマの両大統領候補も暫定的な支持を表明。
  • 法案を巡る下院での採決は、賛成205票/反対228票 で否決。(下院の定数は435議席)
  • うち、民主党:賛成145票/反対95票、共和党:賛成65票/反対133票。(書き損じじゃないですよ。)

確かに、「ギリギリの議論が続いている」という趣旨のニュースは流れてましたが、まさか否決されてしまうとは!! 僕が知る限り、議会での採否を危ぶむ記事はほとんどなかったと思うので、僕だけでなく、アメリカ人(マスコミやウォール街も含め)にとっても、大きなsurpriseだったのではないかと思います。

それにしても、このニュース、僕にはよくわからないことだらけです。「アメリカの国会は党議拘束が緩い」という話は前からちょくちょく聞いていましたが、いくらなんでもこんな大事な局面で、大統領と両党下院代表が合意している法案を否決してしまうとは…。「レームダック期に入ったブッシュ政権の威信の低下が原因」なんて記事をいくつか見かけましたが、そんなことは百も承知でも、やっぱりこのニュースは解せません。ブッシュの威信があろうがなかろうが、そもそもなんで反対せなあかんのかがわからん…。

というわけで、適当にあたりをつけてピックアップしてみたWashingtonpostの記事(30日付)を踏まえつつ、今回の経緯について、僕なりに想像してみました。

まず、今回の造反(特に、共和党の造反)は、単純に"Anti Bush" を意味するものではない、ということ。法案を巡る一連の議論の中でのBushの立ち位置は、もはや、自分の意見を率先して提示する役回りではなくて、民主党と共和党の調整役または仲裁役に徹していたんだと思います。だから、Bushの政策(あるいはBush本人)が気に食わないといった理由で造反した議員が多数出たと考えるのは、ちょっと短絡的ではないか、と。(もちろん、仲裁者としての威信が地に落ちていたことについては議論の余地もないですが。)

じゃぁどこがもめていたかというと、やっぱり"Demorats vs Republican"という構図なわけです。民主党には、より手厚い支援をするべきだと考えている議員が多いし、一方の共和党には、政府が市場に介入するなんてのは生理的に受け付けない、という議員が多い(たぶん。ここはちょっと推測。)。もっとも、DemocratsかRepublicanかを問わず、アメリカ人(のエリート)のmajorityは、市場信奉者なので、今回のような大規模な政府介入に対しては、どちらの党からもある程度の造反議員が出るのは織り込み済みです。ただ(どこまで緻密に票読みしたのかは知りませんが…)、これくらいだったらなんとか過半数とれるだろうという妥協のラインが、今回の法案だったんだと思います。

で、昨日から今日にかけて、Bushも、民主党議員も、共和党議員も、揺れている議員の取込みを必死にやったらしいのですが、最後の最後でいらんことをした(と共和党から名指しで非難されている)のが、カリフォルニア州選出のNancy Pelosiというおばちゃん。このおばちゃん、投票直前に、

(Bush administration) policies built on budgetary recklessness, on an anything-goes mentality, with no regulation, no supervision, and no discipline in the system

という、なんとも空気の読めない演説をしでかしたばっかりに、議場を最悪の空気に陥れ、結果、造反議員が続出した。んだそうです、Republican曰く。(このおばちゃんが、この発言をしたのは紛れもない事実。)

しかも、この一件を大統領選と絡めようとしている共和党議員がいます。McCain候補の内政顧問を務めるD. Holtz-Eakin議員もその一人で、こんなことを言っています。

"Just before the vote, when the outcome was still in doubt, Speaker Pelosi gave a strongly worded partisan speech and poisoned the outcome. This bill failed because Barack Obama and the Democrats put politics ahead of country,"

McCainは、「アメリカ全体にとっての危機である金融危機が一段落するまでは自分のキャンペーンは中断する」と言って、自主的に選挙活動を中断しているので、「それに引き換えObama陣営と来たら、こんな局面までも選挙活動に使うのか!!! きーっ」という批判になるんでしょうね。

というわけで、このWashingtonpostの記事を読む限り、ギリギリのところでつながっていた両党の合意は、今回の否決を機に崩れてしまいかねない状況のようで、Bushと両党下院代表は、「修正のうえ、再議決を目指す」と言っていますが、果たしてそれが実現するのかどうか、個人的には怪しいなと思っています。(ちなみにアメリカは、両院で可決されないと、法律として成立しない、という仕組みだったと思います。)

また、そもそも論になっちゃいますが、この法律が通ろうが通ろまいが、どっちにしたって「焼け石に水」だ、という主張も根強くあるようです。僕は専門家ではありませんし、きちんと数字を追っかけているわけでもないですが、でも何となく、それが当たっているような気がしています。これから年末にかけて、世の中が大きく動くんじゃないか、と…。長い目で見たときにそれがいいことなのか、悪いことなのかはわかりませんが。(そもそも、良いとか悪いとかいう問題ではないのかもしれません。)

my home, Syracuse, Sep 29, 26:00

What if bad men were there...

皆さんは忘れ物の激しい人ですか? 僕は時々やっちゃう人なんです。

なんて、昨日の記事の真似をして冗談言ってる場合じゃない事件が発生しました。

今朝、いつものようにナップサックを背負って家を出ようとすると、かばんの中に財布がないことが発覚。授業の始まりの時間を気にしつつ、部屋中を探し回るも見つからず。「昨日は、Maxwellの自習室、図書館と渡り歩いたあと、どこにもよらずにそのまま家に帰ってきたよなぁ。で、図書館でコーヒーを買ったから…」と思い当たり、ともかく図書館に行ってみることに。10分後、図書館のSecureity Officeで財布の落し物について聞いてみるも、届いていないとのこと…。

うーーーん、これは困った

とりあえず授業が二コマ終わったところで家に直帰。飯も食わずに、家中を探し回り、いったん落ち着いてカード会社に電話し(幸い、昨日以降の使用歴はないとのこと)、またひたすら家中を捜索。図書館で教えてもらったDepartment of Public Safety(SU内の警察組織みたいなとこです。)にダイアルしてみるも、財布の落し物の報告はないとのこと。うーん、八方塞がり…

とりあえず、止めるべきカードは止め、図書館とDPSにも「見つかったら連絡してくれ」と伝えたので、これ以上、他にやることもなく、仕方なく水曜日の予習をすることに。でもやっぱり集中できるわけもない…。もっかいだけと思って部屋の中を探してみるも、見つからず。念のためと思って車の中も探してみるも、見つからず。(昨日は車に乗ってへんねんから見つかるわけないし…。)

万策尽きた中、なんとなくもっかい電話してみようと思って、DPSにかけてみたら「茶色い財布が届いてます」とのこと!!! 期待を膨らませつつ、でももし違ってたらめっちゃ凹むからあんまり期待せんとこぉと思いつつ、でもやっぱり期待してしまうよなぁ…と思いながら、ASAPでDPSに。

対応に出てきた黒人のおじさんに「夜勤の準備してくるから2分だけ待ってて」という焦らしをくらいながら、待つこと5分(倍以上やし)。おじさんに案内されるまま、奥の金庫室へ。そして、おじさんが金庫を開けてみると、そこには、紛れもない僕の財布が!!! 幸い、中身もそのままで、銀行のカードから新橋の指圧屋さんのポイントカードまで、一切、手をつけられずに入ってました。おじさんも一緒になって喜んでくれました。

友達にこの話をしたら、

アメリカで財布の落し物が届くなんて、ありえない…

と本気で驚かれました。確かに…。またひとつ、“運”をむやみに使ってしまった気がします。

ともあれ、財布が出てきてくれたのはほんとよかった。中身もともかく、その財布は奥さんからプレゼントしてもらったものだったので…。(だったらなおさらちゃんと管理しておけとのお叱り、ごもっともです。反省します…。)

もうちょっと気を引き締めて生きないといけないなと、反省した一日でした。
my home, Syracuse, Sep 29, 21:54

Sunday, September 28, 2008

What if someone were there...

皆さんは“金縛り”に遭う人ですか? 僕は時々遭っちゃう人なんです。

「おいおい、何の話やねん。俺は、霊とか呪いとか、その手の話はごめんやで」と思ったあなた! 金縛りに対する理解が足りてません!!! そんなことでは、これからの時代、立派な社会人として乗り切っていけません。(←絶対、うそ。)

そういうあなたのために、今更ながら、金縛りについて説明させていただきます。

金縛りというのは、一種の身体反応で、寝ているときにいきなり起こるものです。言うなれば、こむら返りみたいな感じですね。疲れているときに多いという点も、こむら返りと同じです。

金縛りが始まると、頭はある程度覚醒しているのに身体がまったく動かないという状態に陥ります。頭は、必死に動かそうと、指令を飛ばしまくるんですが、身体はまったく言うことを聞いてくれません(もしかしたら多少は動いてるのかもしれませんが、自分の意識の中では、まったく動いてません。)。そして、僕の場合、誰かが僕の部屋に入ってくるという強い錯覚が伴います。その「誰か」に具体的な役柄が設定されていることもあります(強盗さん、とか)。

ほらね。どっからどう見てもフィジカルな反応でしょ。え?そうは思えない?? んん…この説明、逆効果やったかも…。

ともあれ、僕は時々この“金縛り”なる身体反応(断固、心霊現象じゃないですよ!!)を経験しちゃう人なわけです。僕も初めて経験した時は「なんやこれ!?」って思ってめちゃめちゃビビったもんですが、慣れてくると「あっ、また来たな」くらいに思えます。ただ、「誰かが入ってくる」錯覚だけは未だにどうしても抑えられないんですよね…。

で、今日ですね、Maxwellの自習室でですね、明日の課題を読んでたわけですよ。日曜日の午前中だったので、そのとき自習室に居たのは僕一人。「それにしても眠いなぁー」と思って、5分だけ寝てみたんですが、まだ眠い。教科書に目を移したつもりが、いつの間にかまた眠りに落ちてました。で、次の瞬間(少なくとも僕にとっては「次の瞬間」)、金縛りに襲われたんです!自習室という公共のスペースで!!

金縛り経験が少なくない僕とはいえ、自分ちのベッド以外の場所で金縛りに遭ったのは今回が初めてだったので、さすがに焦りました。しかも、いつもどおり「誰かが入ってくる」錯覚が伴うわけですよ。今日の「誰か」の役どころは「強盗さん」ではなかったですが、でもむしろMaxwellの学生に入ってこられる方がヤバいじゃないですか。「なんやこいつ!?」って思われちゃうじゃないですか!! (ただでさえ、コミュニケーションに難ありって思われてるのに…苦笑)

「あー、やばい、誰か入ってくる!早よ直さなあかん…」と気持は焦るものの、身体は硬直したまま…(下あごだけが半分ズイイ的にガクガク動いてた気がしたんですが、ほんとに動いてたかどうかは不明。)。もがきたおすこと数分間。どうやってその状態から脱け出したのか、記憶は定かでありませんが、気づいた時には普通に戻ってて、「誰か」も実際には入ってきてませんでした。

はぁ…と、一息ついたものの、もしほんとに誰かが部屋の中に居合わせてたら…と、思うと背筋が凍りました。だって、金縛り中の顔って、相当怖いと思うんですよね。もちろん、自分では見たことないですけど。いくら言葉を尽くして「これは身体的な反応なんだ」って説明してみても、ライブでその瞬間見ちゃった人は、間違いなくドンびきすると思う。(しかも、言葉を尽くして説明する英語力なんて持ち合わせてないし…再び苦笑)

と、まぁそんなわけで、「アメリカでの生活」というラベルが、適してんだか適してないんだかよくわからない報告でしたが、今日はそんなことがあった一日でした。ちなみに右の写真は、今朝11時ごろ、自習室に入る前に撮った大学の風景。雲が低く垂れこめてて、そのまま霧になったような天気でした。え?いかにも出そうだって!? だから心霊現象じゃないって言ってるでしょ!!!
my home, Syracuse, Sep 28, 20:20

A neighbour of Syracuse Univ.

今日は午後からMaxwellの自習室にこもってみましたが、勉強はあまりはかどらず。何となくだらだら過ごしてしまいました。そろそろ本格的に気分転換したいなぁと思う今日この頃です。

月曜日の授業の本を金曜日買いに行ったら売り切れていたので(金曜日に買おうとするのが明らかに間違ってます)、今日、大学の図書館に探しに行ってみたのですが、SUの図書館にはなく、お隣のSUNY-ESFState University of New York College of Environmental Science and Forestry)にならあるとのこと。というわけで、入学3か月目にして初めて、SUNY-ESFに乗り込んできました(SUNY-ESFの詳細についてはこちらをどうぞ。)。

SUNY-ESF内にあるMoon Library(夜空のお月さんとは関係ありません。昔、Moonさんという偉い人がいた、ということです。)は、基本的に環境の本だけを集めた図書館。しかも結構デカい。

いかにも「環境やってます」って感じの、どっからどう見ても草食動物librarian君に、お目当ての本を見つけていただき、用を済ませた後はそそくさと出てきてしいましたが(如何せん、"ひとさまのお家"感が抜けないもので…)、SUに戻ってきてから、「あの図書館の中身丸ごと環境の本って、ちょっとそれすごくない??」と、一人、妙な感動に浸っておりました。

「なんだかんだ言って、やっぱ自分、環境好きなんじゃん」と再確認した瞬間でした。
my home,Syracuse, Sep 27, 25:22

Saturday, September 27, 2008

How to Spend That $700 Billion

解放されましたよー!! Statisticsのassignmentから。今回は、なにげにちょっと自信あるんで、なにげにちょっといい点数もらえちゃったりするんじゃないかと、密かに期待しています。期待通りだったときに限り、報告しますね。

さて、今日は、大統領討論会について書こうか金融危機について書こうか迷いましたが、金融危機について書くことにします。なんでかって…?話せば長くなりますが、かいつまんでいうと、S君の記事に勝てる自信がないからです。というわけで、大統領選について知りたい方は、こちらをどうぞ(笑)

というわけで、金融危機のお話。最近のアメリカでは、"$700 bilion"、"bailout" というふたつのキーワードが飛び交ってますが、これは、日本でも(たぶん)報じられているところの、「金融安定化法案」のお話。7000億ドル(75兆円くらい)の公的資金投入が売り文句の法案で、目下、ワシントンでは超党派で協議中です(だそうです)。

この"700 billion"という数字、アメリカ人にとってもかなりインパクトがあるみたいで(日本の一般会計予算と同じくらいですもんね。そりゃそうです。)、テレビでもMaxwellでも、賛成にしろ反対にしろ(総じて賛成ですが)、その額そのものが話題の対象になりがちです。ですが、今日のワシントンポストに出ていたSebastian Mallabyさんの記事は、むしろどう使うかが問題だと、主張しています。

彼の記事の概略をまとめると、こんな感じ。(ちょっと補足加えてます。)

まず前提としてあるのは、経済(あるいは市場)にとって良い状態(=好況)というのは、モノがバンバン売り買いされている状態だということ。これが、不況になってくると、モノに買い手がつきにくくなります。なぜなら、「今買っても、値下がりするんちゃうかなぁ」という不安が買い手の頭をよぎるから。そうなると、ますます売買が成立しにくくなって、ますます不況が深刻に…という悪循環にはまります。どぼん。アメリカ経済は、今まさにこの不況の崖っぷちにいるわけです。(しかも、その崖はめちゃめちゃ深そうなので、いっぺんはまったら当分上がって来れなさそう。)

ここで政府がやりたいことは、もう一度市場を活気づける(=売買成立を増やす)こと。そのために用意されるのが$ 700 billionちゃんで、今のところ、不良債権の購入に充てられる予定です。ここで問題なのは、どういう価格で購入するか、ということ。

$ 700 billionちゃんを使って、政府がやりたいことは、
  1. 政府が、市場のplayerから不良債権を購入する。
  2. それを見た別のplayerに「最終的に政府に買ってもらえるんやったら、いったん不良債権買って、それを政府に転売すれば、一儲けできそうや」との期待を抱かせる。→ playerは、実際に不良債権を買う(=民間player間での売買が成立する)。
  3. 2.の売買が至る所で起こり始め、気がついてみると、民間player間での売買だけで、市場が回るようになっている。

という流れを生み出すこと。つまり、1.で呼び水として機能することで、2.の期待を膨らませるというのが、$ 700billionちゃんのお仕事なわけです。

しかし、Sebastian君(あ、この記事の著者です。ガイジンの名前って、ほんと覚えられないですよね…。え?僕だけ??)曰く、"Unfortunately, this is probably too optimistic." だそうです。なぜなら、

  1. $ 700billionが、いくら財政支出としては巨額だとしても、アメリカの預金総額に比べたらケタはずれに小さい。
  2. ゆえに、市場参加者は「$ 700billionなんてすぐに底つくよな」→「いま不良債権を買っても、僕が政府に転売しようとする頃には、たぶん政府はもう買い取ってくれないよな」と予測する。
  3. したがって、playerの間で前向きな「期待」は発生せず、$ 700billionちゃんは「呼び水」機能を果たすことなしに一瞬で蒸発する(じゅわっ)

から。なるほど。確かに。

これを踏まえて、Sebastian君(いい加減覚えましたか?著者ですよ。)は、「可能な限り安く買いたたけ」と言ってます。なぜなら、それを見たplayerは、「え?政府ってそんな値段(たとえば額面の30%)でしか買ってくれへんの?僕の持ってる不良債権は、言うても額面の40%くらいの価値はあると思うから、そんなんやったら市場で売った方がましやんか」と思って、市場に売りに行く(→市場が回り始める)から。

しかし、ここには難しいジレンマがあります。Bernanke君(FRB議長)とPaulson(財務長官)君は、目下、金融危機に対処するために、民間playerの有名どころと"dream team"を組んでお仕事中。なので、不良債権を安く買いたたくということは、team mateに割を食わせることになるのです。これは、いくらアメリカ人が一見フレンドリーに見えて、ほんとはドライで冷たいヤツらばっかだとは言え(注:Sebastian君は別にそことは言ってません。)、さすがにしんどい…。

そこで、Sebastian君がお薦めするのが、公的資金の直接投入!!! (お、なんかどっかで聞いたことある響きだ…。) 銀行の資産を蒸発させることなく、市場の売買を再活性化させるためには、$ 700billionちゃんの一部を、直接、銀行に突っ込むしかない、と言ってます。("he(=Paulson) should overcome his squeamishness about using part of the bailout fund to bolster banks' capital." -ポールソンは吐き気を催してでも公的資金の一部を銀行資本の下支えに使うべきだ-) ちなみに、Paulson君は、ゴールドマン・サックスの元会長兼CEO。市場経済に政府が介入するのは大嫌いな人なので、「吐き気を催してでも」って表現になるわけですね。

皆さん、わかりましたか?著者の名前は、Sebastian君ですよ(←そこじゃない)。

さてさて、来週はどう動くんでしょうか…? もちろん、大統領選とも絡んでくるので引き続き、見ものであります。あ、念のためもっかい言っときますが、大統領討論会の記事を読みたい方は、S君の記事をどうぞ(←しつこい?? )

my home, Syracuse, Sep 26, 26:14

Thursday, September 25, 2008

"Chabu-dai" is wonderful.

たまには、日本人だけで群れるのもいいかなと思い、日本人6人で韓国料理を食べに行ってきました(こういうときに「ぜひ行きたい」と思える和食屋さんがないのが悲しいところ。)。メンバーは、MPA生3人(僕含む)、そのうちの一人(たぶん僕ではない)の奥さん&子供さん、それに、ビジネススクールPhDコースに在籍中のお姉さんKさん(僕の職場の先輩と来月結婚する人の昔の同僚。近いでしょ)。プルコギ、チヂミ、鯖の塩焼き(!!)と、懐かしい料理を楽しんできました。

それにしても、なんですね。床の上に直接座って食べるのっては、心が落ち着くもんですね。ちゃぶ台文化、最高です。日本語も心おきなくしゃべりつつ、久々のゆる~い時間を満喫してきました。

こんな日は、明日のことも全部忘れて、お布団に直行!!


といきたいところですが、残念ながらLopoo先生が許してくれません。これからStatisticsの宿題(の続き)に取り掛かります。
my home, Syracuse, Sep 25, 22:34

Wednesday, September 24, 2008

Choosing favorable juries

Statisticsの宿題。

ABC Inc., located in New York City, specializes in jury selection and providing advice to attorneys. In preparation for the defense of a man indicted for murder in a well-publicized jury trial in Dallas, Texas, the defense team hired ABC.
ABC sent out an intern to Central Park in Manhattan one Sunday morning to find 5 volunteers for a focus group to discuss the case. The intern approached five elderly men who had just finished having breakfast together, and they agreed to participate. ABC presented the facts of the case to the gentlemen and asked what they thought. ABC then wrote up the report and sent it to Dallas. ABC was fired immediately. List five things ABC did wrong and explain why you think they were wrong.

NYにあるABC社は、陪審員の選考と、弁護士への助言を専門に行う会社です。(中略) ABC社の犯した過ちを5つ挙げ、なぜそれが過ちだと思うのか、あなたの考えを述べなさい。

ちょ、ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待って。jury selection って、そもそもなんなんすか??

と、騒いでみたところで、もちろん誰も助けてくれないので、今日は、wikipedia片手にアメリカの陪審員制度についてお勉強です。(宿題の〆切も迫ってるんですけどね…汗。)

アメリカは州によって裁判制度が違うので(一番わかりやすいところで言えば、州によって、死刑があったりなかったりします。日本では考えられないですよね。)、一概には言えませんが、ひとつの典型的な州では、jury(陪審員)の選考は、こんなふうに行われるそうです。(出典:wikipedia "Jury selection", "Peremptory challenge"

  1. 対象となる地域から、ランダムな方法により、陪審員の候補となる人たち(the jury pool)を選出する。
  2. 陪審員候補者の皆さんは、裁判所で、裁判官と弁護士から質問を受ける。
  3. この際、弁護士は、適当でないと思わる人を候補から外すよう、理由を示して訴える(challenged for cause)ことができる。
  4. また、一定数の陪審員候補者については、弁護士は、理由を示すことなく採用を拒むこと(Peremptory challenge)ができる。
とりあえず、これがjury selectionの流れ。その中で、ABC Inc. みたいな会社が、どんなサービスを提供してるかについては、wikipediaの別の稿、"Scientific jury selection"の稿に載ってます。

Scientific jury selection, often abbreviated SJS, is the use of social science techniques and expertise to choose favorable juries during a criminal or civil trial. (中略) It almost always entails an expert's assistance in the attorney's use of peremptory challenges. (中略) SJS practitioners determine what background characteristics and attitudes predict favorable results, and then coordinate with attorneys in choosing the jury.

科学的陪審員選考(SJS)とは、刑事又は民事の裁判において好ましい陪審員を選択するために、社会科学の技法や専門知識を用いることをいう。(中略)SJSの結果は、たいていの場合、Peremptory
challengeを執行するに当たっての専門的助言として用いられる。(中略)SJSを行う者は、(陪審員の)どんなバックグラウンドの特徴や傾向をが好ましい結果につながるかを判断した上で、陪審員の選考について、弁護士と協議する。 

日本人にはまったく耳慣れないこの仕事ですが、アメリカでは、これに、莫大なお金と頭脳が突っ込まれているらしいです。interestingな分野だとは思うし、すごく奥深い(=いくらでも資源を突っ込む余地がある)のはわかりますけど、ここに金と頭脳を突っ込むのって、資源の無駄使いだと思うなぁ…。日本の裁判員制度は大丈夫なのかなぁ。

というわけで、予修(現実逃避?)も終わったところで、統計学の宿題に取り掛かります。

p.s. 昨日まで、GoogleのIDを持っている人しか、コメントできない設定になっていましたが、温かいご指摘をいただきまして、今日、設定を変更しました。コメントしたくてもできなかった皆さん(どのくらいいるんでしょうか…?)、さっそくコメントください。
my home, Syracuse, Sep 24, 23:52

Tuesday, September 23, 2008

Comparative analysis about "conflict management" of Japan vs US

こんなことを考えてみました。アメリカ通の人、議論好きな人、面倒見のいい人、ただただ暇な人、奮ってコメントお寄せください。

「紛争解決方法に見る日米の対比について」

◎前提:以下のことは、日米両国において(というか、たぶん世界中で)成り立つ。
1.世の中には、いくら議論を尽くしてもわかりあえないことがある。(残念。。。)
2.あまり口には出さないが、深層心理では誰しもそのことに気づいている

◎戦略:わかりあえないこと(=Conflict)に遭遇してしまったときの戦略
日本:理屈で議論し続けても、暗礁に乗り上げるだけだから、ある程度まで議論したら、情の世界になだれ込む。
米国:"禁じ手ナシ"の議論をしても、暗礁に乗り上げるだけだから、一定のルールの下での議論で以て勝敗を決する。(そして、その結果には従う。)

◎象徴的事例
日本:「みなまで言うな」、「武士の情け」、「呑みニケーション
米国:ディベート好き、裁判制度の多用

◎日本式の長所・短所
<長所>
1.論点が浮き彫りにならないので、対立が先鋭化しにくい。
2.いったん「寝技」テクを習得してしまえば、いちいち頭を使わなくていいので楽ちん。
3.議論の中身より人間関係が重視される(=「かちょーが言うから仕方ない」のセカイ)ので、しゃかいちつじょが安定する。

<短所> ※1~3は長所の裏返し。
1.いつまでたっても論点が詰まらない。→臭いものにはフタしとけ!
2.「政局」に強い人間がやたら幅を利かせる。→中身の議論は…??
3.新しい意見が通らない。→かちょーが言うから仕方ないのだ!!
4.グローバルスタンダードたり得ない

◎米国式の長所・短所
<短所> 
1.議論の過程で対立が表面化しやすい。
2.一見、理屈が貫徹しているように見える(見せかけている)が、あくまで一定のルールの下での討論ゲーム。ある種の“バーチャル”。

<長所> ※ 1,2は短所の裏返し。
1.すぐに論点がはっきりする。
2.見せかけだとしても、その範疇では理屈が貫徹しているので、普遍的な説得力を持ちうる。→グローバルスタンダードたり得る


つまり何が言いたいかというとですねぇ…。

「日本人は議論をアイマイにする」とよく言われますが(それは紛れもない事実ですが)、アメリカにだって、まともにやってたら解決しようのない問題は、当然ながら山のようにあるわけですよ。そもそも、全然違うカルチャーもった人たちが、海越え山越え(山は越えないか…)集まってきて、ひとつの国を作ったわけですから、「分かり合えない問題」は、島国社会・ムラ社会の日本よりも、むしろアメリカの方が圧倒的に多いはず。アメリカ人自身、たぶんそのことをよくわかっていて(少なくとも、カシコいアメリカ人はわかっていて)、それに対応するためのシステムを試行錯誤しながら開発したんだと思います。

それがどういうシステムかというと、「プロセス絶対重視!」の掟。彼らの流儀では、最終的な合意に至るまでに、「ここまでは異論ないよね」というかたちで、何回かちっちゃな合意を重ねていくわけですが、このプロセスは、神聖にして犯すべからず。いったん合意が成立した後で、「やっぱ俺、こう思うんだよね」なんて言い出した日には、誰からも口利いてもらえなくなります(試したことないけど、たぶんそうなると思う。)。

もちろん、アメリカ人にだって、「あのとき、ああ言っとけばよかった…」って思うことは、ときどきあると思うんですよ。でも、それを言い出したらきりがない(出自がバラバラなだけに、ゆーちょーに一人ひとりの話を聞いてたら、いつまでたってもまとまらない)ので、いったん決まったことには、誰も手をつけられないことにする――。これが、多民族国家アメリカの知恵であり、それゆえに絶対不可侵(ちょっと大げさ?)の暗黙の了解なんだと思います。

暗黙の了解を守れない輩は、たとえ、言ってる理屈が正しくても、「無粋で、面倒で、一緒にいたくないヤツ」というレッテルを貼られてしまいます。これは、呑みの席で突然、懸案事項の話を持ち出すヤツが日本で嫌われるのと同じ理屈ですよね。つまり、日本人にとっては、「いったん情の世界に突入したら理屈の話は休戦する」というのが暗黙の了解だから、それを破った輩は、「無粋で、面倒で、『お前と呑んでたらせっかくの酒が不味なるわ!!』なヤツ」になってしまうわけです。

そろそろ宿題やんないとなので、後の話は手短に。

1.日本式は「呑みにケーション」文化圏(日本、韓国、せいぜい中国?)でしか通用しないので、グローバルスタンダードには絶対になり得ない(たぶん日本人も、そのことはよくわかっている。)。一方、米国式は、少なくとも見せかけ上は理屈で議論し尽くしてるように見えるので、普遍的な説得力を持ち、グローバルスタンダードたり得る。ホントは、暗黙の了解の部分は、米国(あるいはアングロサクソン)のローカルルールなんだけど、そんなこと誰も言わないから、世界中の人たちが普遍的だと思い込んでいる。(アメリカ人自身、普遍的だと信じて疑っていないところが強い。迷いがない。自信満々。)

2.米国式は、対立を先鋭化する側面がある一方、その世界の中で暮らしていく中で、人々を対立に慣れさせる側面もある。つまり、アメリカ人は(少なくともカシコいアメリカ人は)、実際には感情的になっていないにもかかわわらず、あたかも感情的になったかのような勢いで、議論の相手を激ヅメすることができる(超怖い。)。ディベートがその典型例。しかし、実際には感情的になっていないので、より大きな問題が差し迫っていると判断するや、今のいままでやってた議論をさっさと撤収して、昨日の敵と涼しい顔して握手することができる。故に、危機対応能力がすごい。昨今の金融危機にしてもそう。「国家の危機」と見るや、あれだけ盛んに行われたマスコミの「ブッシュ政権叩き」が影を潜めている気が…。


ふー。書き疲れました。最後まで読んでくれた皆さん、ありがとうございますm(_ _)m
ちなみに今日の記事の内容は、クラスメイトのYさんとの立ち話の中でinspireされました。Yさんもありがとうございますm(_ _)m

my home, Syracuse, Sep 23, 24:02

Monday, September 22, 2008

Insde Out

ついに、アメリカの寿司屋に足を踏み入れてしまった。。。

行ってみたのは、Marchall St.にある寿司バー"Blue Monkey Cafe"。入口をくぐると、内装が意外とちゃんとしていることにまず驚き。正直、学祭の模擬店に毛が生えた程度だろうと思ってたましたんで。店内には、料理を作ってる(らしい)人たちと、3,4人のウェイトレスが。ウェイトレスはみなさん、とってもかわいい人たちでした。ん?このブログの趣旨から離れてきてる?? おっと。失礼しました。

さて、気を取り直して肝心のメニューを見てみると、

A) Inside Out  
B) Seaweed Outside
C) Nigiri

の3つのカテゴリーが。

C) は、文字通りの「握り」。B) もまぁなんとなくわかって、いわゆる巻き寿司。じゃA)は?? ってことになりますが、これは、ネタをノリでくるんで、ノリの外側に白米を張り付けたもの(お店では写真撮れなかったので、webから拝借→)。アメリカで寿司と言えば、実はこれが一番ポピュラーだったりするんですよね。日本人的にはちょっと違和感ありますけど…。

僕が注文したのは、B) のSalmon Role と、A) のBoston Role のセット。Miso Soup付きで$8.50也。「Boston Role ってどんなん?」と、ウェイトレスに聞いてみたものの、"I only know about California Role"と、答えられてしまい(てか、答えてないし。かわいいので許しましたけど。)、何の情報も得られず。仕方がないので、とりあえず、トライしてみることに。Be adventurous!!

20分後に出てきたBoston Roleの中身は、アボガドと海老。なんで、まぐろが海老に変わっただけで、CaliforniaがBostonになるのか、その辺の仕組みはさっぱりわかりませんが、かわいいウェイトレスをこれ以上詰めても、何も情報は引き出せそうにないので、黙っていただくことにしました。ともあれ、味は悪くなかったです。ただ、ひとつ文句を言わせてもらうと、おなかがいっぱいになりませんでした…。あ、これって日本で寿司食っても同じか。

ちなみにBlue Monkeyには、Philadelphia Roleなるものもあります。SU生の皆さん、ぜひトライして、僕に感想聞かせてください。Be adventurous!!
my home, Syracuse, Sep 22, 24:11

Sunday, September 21, 2008

You have a challenge.

「午前中に"Public Organizations & Management"の宿題を終わらせるぞ!」という意気込みの下、さわやかに始まった日曜日でしたが、終わったときには、当然のごとく日が暮れてました。イケてへ~ん!!

16ページのケーススタディを読んだあと、登場人物になりきって上司への上申書を書こう!というなんとも楽しげな(?)この宿題。おととい、英語を読むのは疲れると書きましたが、書くのはもっと疲れます。読んで、書いて、(昼寝して、お菓子食べて、なんとなく掃除して、)してたら、結局、晩ごはんの時間になってました。(これって英語っていうより、集中力の問題かなぁ…??)


この宿題の設問は、

You then have a challenge. Get her to trust you, but most of all give her what you consider to be your very best feedback, even if it is not what others , including Schall, want to hear.
これはあなたにとっての挑戦です。(←訳がイケてへん…。) 彼女(=新しくやってきた上司=Schallさん)の信用を勝ち取りなさい。ただし、彼女には、あなたの考えうる最善のフィードバックを返しなさい。たとえそれが、他の人(Schallさんも含めて)の聞きたくないことであったとしても。

というもの。なんつったって、"You then have a challenge" ですからね。宿題を出す側も、出される側も、ケースの「世界」に頭の上までどっぷり浸かってないと、こんなアツい言葉には恥ずかしくて耐えられません(笑)

でも、MPAで勉強してると、あんまり違和感感じないのが不思議。そんなもんだよねって空気が漂ってます。


今更言うのも変ですが、MPAでの勉強って、決してアカデミックなゴールを目指してるわけではありません。プロとしてやっていくための、ある種の「読み書き算盤」を習うのが目的(だと、勝手に理解している。)。

統計学と経済学の初歩を学び、公共財政(←日本の財政「学」よりもっと実学より)を押さえ、"democratcy"の意義について一通り議論し、組織管理についての基本理念を覚える…。そうゆうパッケージの一部として「ケーススタディ」がある。つまり、ケースを通じて、「情報収集の仕方」とか、「モノの考え方」とか、あと特に「モノの伝え方」を身に付けろってことなんだろうと思います。だから、恥ずかしがっててはいけないのだ!I then have a challenge なのだ!!

日本では大学院に行ってないので、適当なことは言えませんが、最終的に実社会に出て仕事をするつもりの人にとっては、日本で文系の大学院に行くより、こっちで学ぶ方が、(英語を抜きにして考えても)ダンゼン効率的な気がします(日本で文系の大学院に行ってた人、すいません。別に悪気はないんです。)。でもホントに効率的なのは、個人にとってっていうより、社会にとって、なんですよね。きっと。

一定のポストに就くことを期待されてる人たちがみんな、おんなじ中身のパッケージを身に付けてるっていう状態は、社会にとって、かなり効率がいいはず。たとえば、新入生に、いちいちカミの作り方を教えなくていいわけですよ。「余白はどんくらいにしろ」とか、「改行位置が変だ」とか、「『てにをは』がなってない」とか(?)。中堅以上の皆さん、これは助かる!! でしょ。(←例えがショボい)

国際機関(といっても結局アメリカ人が牛耳っとるわけですが)に勤めようと思うと、最低でもマスターはないと無理、という話をよく聞きますが、これって、「大学院出てるくらいのカシコイ人じゃないとだめよ」ってことではなくて、単に「僕、カミの作り方とか、いちいち教えたくないから、そういうのは教わってから入ってきてよね」ってことなのかなぁと思い始めた今日この頃です。


だからどうってわけではないんですけど…。

my home, Syracuse, Sep 21, 22:04

Saturday, September 20, 2008

Something big and ugly...


今朝ベランダで、授業の課題を読んでいた時のこと。裏庭から、かさかさという草の音が。「またリスか(←もはやリスへの興味ナシ)」と思い、そのまま読書を続けたもの、何かがいつもと違っている。妙に音がでかいし、リスにしては明らかに愚鈍。「これはただ事ではない」と、物音の正体を突き止めるべく、柵から身を乗り出して覗いてみると、そこには、デカくて黒くてのろくて可愛げのない謎の生物が!!! 証拠写真はこちら(→)。写真では伝わりにくいですが、鼻先からお尻までの長さ、およそ40~50cm。身長に比べて異様に太っています。人間に気づかれたのがショックだったのか、慌てて(でも愚鈍に)茂みに消えていきました。食事の邪魔してゴメンね。それにしてもこの街の生態系、まだまだ侮れません。。。

午後は、Syracuseの誇る巨大ショッピングモール、Carousel Centerへ。最近、クラスメイトが「いつ雪が降ってもおかしくない」と僕を脅すので(さすがに明日いきなり雪が降ったらおかしいと思うけど…。)、いつ雪が降っても凍死しないように、冬服の調達に行ってきました。(左の写真は、モールの中のフードコート。わかりにくいですが、フードコートの奥に、メリーゴーランドがあります。"Carousel Center" なので。(英語でメリーゴーランドは"carousel" 。てことは、メリーゴーランドって何語??)

でも結局、薄手のセーターとベストと、「夏もの売り尽くしセール」の棉パンをH&M(世界中にある庶民向け服屋さん。ユニクロよりはちょっと高級?)で買っただけ。広い、広い、だだっ広い店内を、2時間ぶらぶらし続けるも、買いたいものはほかに見つかりませんでした。(おシャレさんなわけではないですが、買いたくないものに何十ドルも払うのは嫌なので…。) 前からうすうす気づいてましたが、ここに来ても結局欲しい服は売ってないことを、改めて確信。もう、見かけのデカさには騙されないぞ!! (でもまた来月も来ちゃうんだろうなぁ~。)

それにしても、SUの(それなりにおしゃれな)大学生たちは、いったいどこで服買ってるんでしょうか? 僕の知る限り、Syracuseから日帰りでいける(いちおう)まともな服屋といえば、Caroucelの中の服屋くらいなんですけどね。やっぱ時代はネットショッピングなんですかねぇ…(←服はやっぱり試着してから買いたいアナログ人間。)。


と、僕の周りは今日も寝そうになるほど平和たったわけですが、先週は、世界経済にとって大変なインパクトのある一週間でした。現地アメリカの報道を見ていると、「AIGの半国有化でいちおう一段落した」という見方が主流のようです。特に大手の報道社ほど、そう報道しているように思います。そう言わざるを得ない、ということなのかもしれませんが。

僕自身はこの道のプロでもなんでもないので、その報道が当たってるとも当たっていないともなんとも言えませんが、僕がいつも読ませてもらっている二人のコラムニストが、金融危機の今後について、最近、記事を書いていたので、自分へのメモがてら、転載しておこうと思います(二つとも、非常に悲観的ですが…。)。

◎ 田原総一朗の財政界ここだけの話(9月18日号)
ただ、この(※ アメリカ金融危機の)影響は、アメリカよりも日本の方が大きいと僕は見ている。
日本では、リーマン・ブラザーズが、非常に積極的に色々な企業に投資、融資をしていた。(中略) もともと日本の銀行は、今、世界恐慌の中で、極端な貸し渋りをしている。だから、日本の企業が当てにしているのは、銀行ではなく外資だ。その当てにしている外資の中でも、代表的な存在であるリーマンが倒産したということは、外資が日本企業に対する投資、融資を絞るだろうと思われる。そうなると、日本の企業がこれから非常に苦しくなる。だから、金融業界の情報通の間では、「アメリカも苦しいのだが、影響を受けるのは、アメリカ以上に日本社会の方が大きいのではないか」と噂されている。

◎ 田中宇の国際ニュース解説(9月20日号)
金融危機への対策として、米政府が金融機関の不良債権を買い上げる新機関を作る構想が出ている。(中略) しかし、米住宅価格の下落と金融危機が今後も続く可能性が高い以上、不良債権の買取は、米政府の財政赤字を増大させ、米国民の税負担を増やすだけだ。米の財政破綻を早めてしまい、短期のプラスより長期のマイナスの方がはるかに大きい。
(中略)
2010年より前に米国債やドル崩壊が起きる可能性が強く、世界の金融はいったん破綻するだろう。だがその後、5大通貨体制(※ ドル、ユーロ、円、GCC、人民元)へと再編されていくというのが、楽観論ながら予測される。
my home, Syracuse, Sep 20, 23:51

Friday, September 19, 2008

How did NY become NY?

金曜日なのに暗い話題で恐縮ですが、なんで英語を読むのはこんなに疲れるんでしょうか…? 今日は一日授業もなく、ひたすらテキスト読んでただけなのに、夕方からひどい頭痛が。 脳みその一部が焼け焦げてるみたいです。う、うぅぅ…。さっきアイスクリーム食べたら、だいぶましになりましたが(基本的に単純にできております。)。

アメリカに住み始めて2か月。今更こんなこと言うのも恥ずかしいですが(と言いながら、いま、僕、ブログに書いちゃってますよね。)、英語の文章を、上から下に語順のまま理解しようとすると、未だにすごい疲れます。

いやいや、単純な文章だったら大丈夫なんですよ。たとえば "I have a pen." とか。これくらいなら「a penが目的語だから、これをhaveの前に持ってきて…」なんてことしなくても英文を見ただけで一発で理解できます(←まったく自慢になってない。)。でもこれが、長い文になって、かつ、挿入句が割り込んできたりすると、一発でアウト。ストレスフルな時間が始まります。

なんでだろうって話ですが、挿入句を読んでると、その前の部分で書かれてたことが、記憶から飛んでっちゃうんですよね。だから、もっかい思い出すために何度も前に戻って読まなあかんはめになる。それが嫌で今日みたいに集中して読んでると、脳みそがオーバーヒート起こして、頭痛にさいなまれる。うぅぅ。

原因はよくわかりませんが、今のところ、「単語の意味を理解するのに、大量のエネルギーを消費してるのでは」という説が(自分の中で)有力です。たぶんそのおかげで、ショートスパンの記憶に回すはずのエネルギーが底を突き、短い記憶が続かなくなる→読んでる途中に何度もjamが発生する→いらいらする→頭痛になる or 眠くなる or おなかがすく→食べる→太る…。とまぁこんな感じで。
とはいえ、今の僕の単語力だと、そのくらいのエネルギー使うのは致し方ないことなので、すぐには解決しようがありません。
もしこの説がホントだとすると、「考えれば思い出せる」レベルの単語力と、「字面を見ただけで意味が頭に思い浮かぶ」レベルの単語力とでは、根本的に質が違っているということです。どっかの胡散臭い(?)TOEFL予備校の講師みたいなことを言ってしまいましたが、これから留学を考えている皆さん、よくよく肝に銘じて単語力の強化、頑張ってください。いっひっひ。


そんなわけで、今日の夜は山川出版の『アメリカ史』(←もちろん日本語!)に逃避しています。その中で書かれていたニューヨーク発展の秘密。なぜ、フィラデルフィア、ボストン、ボルティモアと、いくつもあった東部諸都市の中で、NYが断トツの発展を遂げられたのか?よく考えてみれば、ちょっと謎じゃないですか?ボストンよりは新しいし、フィラデルフィアみたいに一時期首都だったわけでもないし。(あまり興味ない?? 勝手に話し続けますけど。)

その秘密は、運河にあり。1825年、大西洋に注ぐハドソン川中流の町オルバニーと、エリー湖畔のバッファローを結ぶ「エリー運河」(右の地図の薄い水色のくねくね)ができたおかげで、五大湖周辺の農畜産物は、湖上輸送でいったんバッファローに集められ、バッファローからエリー運河とハドソン川を経て、NY市に集められるルートが確立したそうです。その距離、全長580km(ちなみに東京-新大阪間は545km)。その巨大さゆえに建設に際しては反対の声も大きかったらしいですが、ときの州知事クリントン君がその事業を断行したおかげで、五大湖周辺の巨大な富が、すべてNYに集中し、商業都市としての繁栄の礎が築かれたわけですね。

こういう、ボトルネックを一点突破する政策って素敵です。ボトルネックが「見える」かどうかが勝負どころで、ほとんど人にはそれができないわけですが…。
ちなみに、"upstate"と呼ばれるNY州北部地域の主要都市が、ほぼすべて、同緯度に位置しているのは、どの都市もエリー運河のおかげで発展した都市だから。そして、それらの都市がほぼすべて、斜陽化しているのは、高速道路網の発達で、エリー運河がその役目を終えたから。わが町Syracuseも典型的なその一例であります。
my home, Syracuse, Sep 19, 24:46

Climate change, not so interesting??

マニアな皆さんはよくご存じだと思いますが、アメリカは、京都議定書を批准していないとはいえ、温暖化の議論にはそれなりに熱心です(「対策」ではないですよ、あくまで「議論」です。)。

特にliberal 色の強い我が大学。入学してからの2か月の間にも、温暖化問題を耳にする機会はわりとよくありましたが、ついに今日から、"Climate Change"をテーマにした全14回の隔週リレー講義が始まりました。なんと、1月末には、de Boer もやってきます!! (国連気候変動枠組条約事務局の事務総長(=一番偉い人)。マニアックな話題ですいません。でも読者の大半はマニアなんで許してください。)

一回目の今日は、Earth Scienceの先生が、温暖化の科学的背景について語るということで、ときどき迷子になりながらも、はるばる工学部棟まで聞きに行ってきました。

講義内容は、正直、あんましインパクトはなかったっす…。「地球の温度はどんだけ上がってるか」「何が原因と考えられるか(そして、どれが一番妥当そうか)」「温度があがったら何が起こるか」を説明した後、「modelingはどこまで信用できるか」について、少し長めに語っていました(ちなみに彼は、モデルの有効性には懐疑的)。

講義中に彼が言ってたんですが、wikipediaの"global warming"の稿は、めちゃくちゃ充実しているそうです。世界中の研究者が、匿名で最新情報をアップしまくっているとのこと。「特に図表がイケている」的なことを言っていましたが、それ以上の詳細はわかりません。何せ、英語の講義だったもんで…(←当たり前。)

ところで今日の講義、学生向けのメールでくどいくらいに事前案内がなされてたのにもかかわらず、聴きに来てたのは僕を含めてたったの5人。大学側も、もっとたくさん来るだろうと踏んでたらしく、大きな講堂を用意してたので、そん中でしゃべってる先生がちょっとかわいそうでした。意外と(てか、やっぱり?)みんな、温暖化には興味ないのか??
my home, Syracuse, Sep 18, 25:13

Wednesday, September 17, 2008

Plastic bags cleared out of US markets?  -vol.2-

何を隠そうこう見えて無類のうどん好きの私。結婚する前は、デートでレストランに行った後、二軒目でうどん屋に入ろうとして、奥さんによく叱られました(笑)

うどんはもちろん、麺は讃岐、だしはうす口醤油の関西風。そこだけは何がなんでも譲れません。というわけで、渡米直後、大阪の親に無理を言って、関西地域限定販売の「濃縮うどんだし」を送ってもらいました。

ここしばらくは(おおよそ48時間といったところでしょうか。。)、うどん様からご無沙汰していたので、今日の晩ごはんは久々にうどん様を開陳することに。「何うどん作ろっかなぁ~、こないだ釜揚げ作ったから、今日は鶏肉うどんかなぁ~、わかめうどんもええよなぁ~」と、高まる期待に胸躍らせながら夜道を歩くこと15分。我が家に帰って台所に立ってみると、なんとそこには、「濃縮うどんだし」がない!代わりに流しの中にあったのは、うどん様が鎮座ましましておられたと思われる食器の残骸…。

確かにさ、食材は何でもシェアしようって言ったよ。それに、僕がこよなく愛するうどんを、君が喜んで食べてくれるのはうれしい。でもさ、この「濃縮うどんだし」は、日本からわざわざ送ってもらったもんやって、ジブンも知っとったやん。最後の一口分(俗にいう「遠慮のカタマリ」)は、たとえそれがどんだけおいしそうに見えたとしても、箸をつけんと置いとくってのが世界共通のマナーやろ(知らんけど)。違うか!?(たぶん、違う)

濃縮うどんだしごときで、あまりちまちま言っていると、ケツの穴の小さいやつだと思われてしまいそうなので(もう手遅れ?)この話はこの辺で。あ、ルームメイトとは、基本的に仲良くやってますんで、関係者の皆さん、ご安心を。(いま、起きてきはりました。わしのうどんを食ったのは、この口かぁ~!!)

さて、9月12日の記事で書いた「レジ袋論争 in アメリカ」。今や、Lehman 破綻と大統領選挙に迫る盛り上がりを見せていますが(もちろんウソですが)、地域限定では、ほんとにそれなりに盛り上がっているようです。

The Christian Science Monitor (ボストンの新聞社だそうです)の9月15日のweb記事によると、シアトル市議会では、今年7月、使い捨てショッピングバッグに20centの税金を課す"a green fee"条例(来年1月1日施行予定)が承認されたものの、その後、アメリカ化学協会(the American Chemistry Council; ACC)と、7-eleven社による「シアトルのレジ袋課税を止めさせるんだ連合(Coalition to Stop the Seattle Bag Tax)」が住民投票に必要な22,000通の署名集めに成功。結果、条例の施行はreferendum(住民投票)の結果次第ということになり、少なくとも、住民投票が行われる(早くて来年の8月)までは、同条例の施行が据え置きされるそうです。

「~止めさせるんだ連合」の主張の中でおもしろかったのは、「アイルランドで同様の課税が執行されたが、消費者がより分厚い(? 原文:heavier)plastic bagを使うようになったため、全タイプのplastic bagで見れば、課税前よりも、より大量に消費されるようになった」というもの。それってむしろ、ACCにとってはええ話やん、という突っ込みは脇に置きつつ、アイルランドの事例自体、統計的に見て本当なのかどうか、少し興味の惹かれるところです。最近、「定量的な政策分析」の大切さに目覚めたUCバークレーMPA candidate君が、ズバッと定量的に分析してくれたりしないもんでしょうか…?(出た!丸投げ!!)

濃縮うどんだしのしょうもない話に時間をとられて、レジ袋の話は至って中途半端(かつ、丸投げ。)にしか書けませんでしたが、宿題しないといけないので、今日はこの辺で。
my home, Syracuse, Sep 17, 26:00

Why do they like phone call so much?

"今週のHSBC"の時間です。(不本意ながらレギュラー化決定。)

家に帰ってみると、ポストにHSBCの封筒が。今度はいったい何なんだ…。嫌な予感を抱えつつ、そそくさ封筒を開けてみると、そこには「あなたのところに送ったはずのクレジットカード、まだ届いてなかったら、早急に電話してね」との文字が。そうか。この前届いた謎のカードはクレジットカードだったのか!(注:デビッドカードが届いた翌日、「謎のカード」も届いたんですが、「謎」なので、activateせずに机の引出しにそっとしまってありました。)

いつもなが自分のいい加減さに惚れ惚れしつつ、否、呆れかえりつつ、さっそくクレジット(と判明した謎だったカード)をactivateすることに。デビッドをactivateしたときは、音声メッセージに従ってピポパと番号を打ち込むだけで済んだので、クレジットも同じだろうと決めてかかり、気軽に携帯をダイヤル。オペレーターが相手なら、とてもこんな調子では電話できません。心の準備が必要ですから。

音声メッセージ 「あなたのsocial security number 下4桁を入力してください」

??? なんか話が違うぞ!SSNなんてもっとらんし!! (※ SSNは、日本でも導入が議論されている納税者番号みたいなもんで、働く人しか持てません。)

耳に電話をあてたまま、なりをひそめて敵の動きを待っていると、電話口からは何やら楽しげな音楽が…。こっちは全く楽しくない。ただただ増幅する嫌な予感…。

待つこと、30秒。嫌な予感は的中し、電話口にはオペレーター君登場!! おぉ、まじかぁ…。心の準備できてへんっちゅうねん!!!

そっから先は、「悪夢」の一言。オペレーターの兄ちゃんが、英語で(←当り前)しゃべり続けることなんと12分!!(←まじですよ。) その間、こっちが発した言葉と言えば、「自分のlast name」、「出身地(Osaka)」、「携帯電話の番号」と、あとは3,4回の「yes」だけ。何が起こっているのかさっぱりわからないまま、最悪の時間が過ぎていきました。

12分の悪夢の間に、たぶん、クレジットはactivateされ、ついでに、何か盗難保険的なものを買わされたみたいです。(いちおう、"How much is it?" と聞いてみたら"84 cent"と言ってました。月々なのか、一回の支払い当たりなのかはわかりません。)

去り際に、

兄ちゃん: "Do you have any question?"
僕:     "の、のー。"
兄ちゃん: "Great! Welcome to HSBC family!! Good night!!"

と、さわやかな(でも、きわめて空々しい…)挨拶を残して去ってったオペレーター君。

GEICO(自動車保険)のときもそうでしたが、なんでこいつらは、こんなにも電話が好きなんでしょうか?12分もしゃべられたら、僕みたいな英語に多少の難のある(多少??)人でなくても、ていうかネイティブだって、相当うっとおしいんじゃないかと思うんですが、アメリカ人は読まされるより聞く方が楽なんですかねぇ??

こいつら、訴訟で負けないために、敢えて口頭でやり取りしてるに違いない!と勘ぐってしまうのは僕だけでしょうか??
my home, Syracuse, Sep 17, 1:00

Tuesday, September 16, 2008

Y^ - Yi = ?

Loppo先生のStatisticsの授業でのひとコマ。

サンプル(Xi, Yi)のYの値(Yi)と、Yの平均値(Y ̄)との差分(Yi-Y ̄)は、(Yi-Y^)と(Y^-Y ̄)に分解できる 【つまり、(Yi-Y ̄)=(Yi-Y^)+(Y^-Y ̄)ということ。ややこしくてスイマセン】 ということの説明の中で。(ちなみにY^は、回帰曲線から導かれるX=XiのときのYの推定値)

先生 「(Yi―Y^)には、"residual"という、スマートな名前が付いているのに、(Y^―Y ̄)には名前がない。 そこで私は、これに “キャサリン” という名を与えた。諸君、なぜ “キャサリン”かわかるか? 」

先生「答えは簡単、
(Y^―Y ̄)の名前を聞いてきた生徒がキャサリンだったからだ。

-一同、笑-

先生 「何か質問ある人」
生徒 「"キャサリン"は"K"の方ですか? "C"の方ですか??」
先生 「Of course, "K"」

-一同、爆笑-

センスいいなぁって思っちゃいました。英語で聞くから余計にそう思うのかもしれませんが。これは負けていられません。(英語、そんなレベルでしたっけ?)

午後の"Public Organizations & Management"は、昨日のブログにも書いたEPAのお話。これはチャンス!今日こそ何か発言してやろうと気合いを入れて臨んだんですが、結局なにもしゃべれずにあえなく撃沈。ケーススタディの授業って、みんな思いつきでしゃべるから、文脈も何もあったもんじゃないんですよね。文脈なく繰り出される、英語の“無差別攻撃”には、残念ながら、まだまだ対応能力がありません。はぁ…。少しは「会話の流れ」ってものも読んでくれ!! 会話の流れの読めない子は、大阪じゃいじめられるんだぞ!!! 大阪がどこにあるかも知らないだろうけど…。 
my home, Syracuse, Sep 16, 20:14

Monday, September 15, 2008

Surviving at the EPA

昨夜の報道の通り、リーマンは破産申請してました。僕の知らない間に、メリルもバンカメに買収されていたみたいです。AIGとWashington Mutualも危ないみたいですし、アメリカ経済、いよいよやばくなってきましたね。はなはだ感覚的なコメントで恐縮ですけど。。(苦笑)

せっかくなんで、ちょっとだけお勉強。ソースは、毎度のwikipedia。今回のリーマン破綻の記事を読んでいて、よく見かける"CDS"の三文字。これは、"Credit default swap"の略で、いわゆるデリバティブの一種だそうです。右の絵で(What a terrible figure...)、企業Aにお金を貸している企業Cに対し、企業Bが発行する「債権倒産保険」がCDS。つまり、企業Aが倒産すると、企業Cが持っていた債券は紙切れになってしまうわけですが、CDSを買っておけば、企業Bから損失を補償してもらえる、という仕掛け、だそうです。

このCDS、銀行間で相互にバンバン発行されまくっています。なので、倒産したリーマンブラザーズは、Aの立場でもあり、Bの立場でもある。リーマン=Aの場合、ほかの銀行(B)に損失補償の支払い義務が発生するし、リーマン=Bの場合は、ほかの銀行(C)が持ってるCDSが無効になってしまう。そろそろ考えるのがしんどくなってきましたよね…。僕は正直しんどいです。でも、もうあと一歩。

このCDS、企業Cからほかの金融機関に転売することも可能です。というか、CDS市場ができあがっていて(どこにあるのか知りません。たぶんnネットの中でしょう)、普通に売買されまくっているとのこと。ここまで考えると、連鎖的に、CDS市場がえらいことになる理由がなんとなくわかってきました。基本的に素人なんでこんくらいわかれば十分です。ごちそうさまでした。

さて、こっから先は本業のお話。明日の"Public Organizations & Management"の授業で使う教材は、"Surviving at the EPA"というハーバードのケネディスクールが出してるケーススタディで、レーガン政権下でのアメリカ環境保護庁(EPA)のお家騒動が描かれています。

Anne Gorsuchというゴリゴリ共和党のおばちゃんが、レーガン大統領の抜擢でEPAの長官(Administrator)に着任。Superfund法の施行担当局長(director)だった、EPAたたき上げのMike Cookを降格し、多額の財政出動を伴う同法の施行に消極的な姿勢を取り続けるも、あまりの「アンチ環境派」的政策遂行・人事異動に、庁内・民主党はもとより、共和党・産業界からも批判の声が上がり、長官就任後22か月目にして辞任に追い込まれる、という波瀾万丈のお話でした。

テーマはもちろん、poltical apointee(政治任用)。日本でも、賛成、反対の両方の議論がありますよね。安倍政権では、それに近いかたちもとられました。その辺も頭の片隅に置きつつ、読んでて感じたところを書きます。

1.political apointeeが機能するための条件
ポジかネガかは別にしてpolitical apointeeが十分な影響力を発揮するためには、以下の条件が必要。

i) 人事権を掌握すること
Gorsuch政権下では"a hit list of career civil servants to be fired or transferred o new positions"があった、との記述に続き、"This is a rite(通過儀礼) that, to greater of lesses degrees, Washington engages in after every presidential election"とも書かれていました。なんだかんだいっても、やっぱりこれは利きますよね。良いか悪いかは別ですよ。

ii) チームで乗り込んできて、ラインに入ること
日本の省庁の場合、今のところ、大臣・副大臣・政務官がpolitical apointeeなわけですが、彼らが"チーム"を構成しているかというと…? また、少なくとも業務のラインには入りこんでいません。部局長は、官僚が全部おさえてるわけですから。
このとき、EPAに何人の政治任用者が乗り込んできたのか、具体的な数字は書かれてませんが、この記述からして、少なくとも二桁はいってますよね。
"the majority of her appointees were formerly lawyers, lobbyists or consultants for indstries heavily regulated by EPA (...), and many others were individuals with experience in Regan's campaign but not the environmental arena "
 
iii) 明確な政治方針があること
明確な方針もなく、ただただ政治任用者が乗り込んできても、素人に舵を取らせることになるだけで、それなら、専門家=官僚に仕事をさせる方がよっぽどうまく船を操ってくれるはず。その専門家集団=官僚機構が、専門家ゆえのドつぼにはまっているとき(あるいは「はまっている」と、ときの政権担当者が判断したとき)に、舵の操縦権を奪うという意味においてのみ政治任用は意味があるんだと思います。このケースの当時は、環境政策よりもより高次の政策目標として、いわゆる「レーガノミックス」がありました。そんなわけで、ケース中でも、"the Regan's administration's EPA agenda"について"The agenda was no secret, consisting of budget cuts and force reductions, regulatory relief/reform, and greater delegation of responsibility to the states"と書かれています。もはや、やりたい放題ですね。おそろしや…。

2.political apointeeの是非
降格人事をくらったMikeさんは、こんな風に言っています。
"My experience raised very serious concerns about how political appontees could come in and take such license with the clearly attriculated will of the Congress and how they could ecercise such poor management. The concerns shook me deeply enough that for a time I contemplated(~を目論む) leaving the government."
そうですよね…。よくわかります。真面目にコツコツやってきた行政官にとっては、悪夢以外の何物でもないですよね。国民にとっても、非効率きわまりない乱行です。

ただ、アメリカという国は、こういうひどいこともたまには起こるということもよくよくわかった上でなお、democracyに基づくpoliticsに決定権を委ねるという“システム”と心中してるんだと思います。

いま、「是か非かどっちか選べ」と言われても、正直僕は選べないですが、是か非かを考えるポイントは「行政機構をいかに効率的に運営するか」というところにあるのではなくて、「民主主義をどこまで信頼するか」「どこまで割り切って民主主義と心中するか」というところにあるんだ、ということは記憶に値するんじゃないかと。

3.環境屋の特殊性
最後に、話は脇道にそれますが、EPAという役所について。この役所も、政府の一部でありながら、ときに野党的な独自マインドで突っ走るという意味で、どこかの国の環境担当官庁と似ているみたいです。ケース中、こんな記述がありました。
"I(=one of the EPA careerist) think she(=Gorsuch) had this general judgment ... that there were career people at high lavels that were Democratic stooges of liberal stooges, or ardent environmentalists who were to be mistrusted."
まぁ、共和党の人たちの目線によるものとはいえ、当たらずとも遠からずだったんでしょうね(笑)

なぜ環境官庁の職員は、政府の職員のクセに、いつまでたっても反政府的言動を止められないのか?これについては、いろいろ考えるところもあるので、またそのうち書きます。

はぁ…。長すぎた…。

my home, Syracuse, Sep 15, 25:16

Sunday, September 14, 2008

A unique ability to control information

今日、Van Slyke先生の"Public Organizations and Management"の復習をしていたら、先週のレジュメにこんなフレーズを見つけました。

"People who are betweem groups have a unique ability to control information. Such actors are said to bridge structual holes (Burt 1992), the number of "holes" an actor bridge gives insight into an actor's power position in the network." -source: Moody 2002-

これぞまさに僕の目指すべき道。環境行政のプロとビジネスのプロは、それぞれ嫌というほどいるけれど(別に嫌とは言いませんが。笑)、その両方に「そこそこ」精通している人は、これまた嫌というほど少ない。両方の世界で超一流である必要はない。両方に「そこそこ」精通していさえすれば、"bridge"として、双方から求められる人材になれるのに、それをできている人は、今の日本には本当に少ない…。これは、6年半仕事をしてきての僕の確信であり、また、僕が進んでいこうと決めた道でもあります。日曜日の昼下がり、Maxwell の自習室でこのフレーズを読みながら、思いを新たにしていました。

話は変わりますが、今日の夕方まで週末をつぶして行われていたLehman Brothersの処理に関する協議は、結局不調に終わり、破産保護申請を行った(らしい)そうです。この18年来で最大の投資銀行の倒産とのこと。

According to people briefed on the matter, Lehman Brothers will file for bankruptcy protection on Sunday night, in the largest failure of an investment bank since the collapse of Drexel Burnham Lambert 18 years ago.
 -New York Times September 14, 5:55 pm- 

バンカメと英バークリーが、買い取るという話が昨日までは出ていましたが(二週間くらい前までは、野村證券やMTFGの名前も挙がってました。)、Wasington Post の記事によると、FRBと財務省(Treasury)が財政出動を拒否したことから、結局、二行も買収を断ったそうです。

あしたの朝になったらどうなってるのかなぁ…と、不謹慎ながら興味本位でニュースをこまめに見ています。ちなみに、前述のNYtimesの記事によると、

..., changes to the bankruptcy code mean that counterparties to Lehman’s credit-default swaps can seize their collateral at any time, posing an enormous potential risk to the entire financial markets. Investment banks, hedge funds and other financial players labored throughout Sunday to offset their exposure to Lehman, moving their contracts to other firms.

とのこと。少なくとも、プロの間では、「取付け」的な動きがあるのかも知れないですね。Wall Streetに取り付けの人垣ができたりもするんでしょうか…? 「投資銀行」なるものの仕組みがいまいちよくわかっていないので、その辺がよくわかりません。とりあえず、明日のニュースで確認してみます。
my home, Syracuse, Sep-14, 24:40

Saturday, September 13, 2008

Apple picking, Sushi cooking, and Squirrel taking

昨日は頑張って真面目な話を書いたので、今日は遊びの話しか書きません。忙しい人は読み飛ばしてください(笑)

1.Apple Picking

今日の午後は、友達と一緒にapple pickingに行ってきました。"picking"というと、日本人にはなんとなくillegal なイメージがあって、無駄にわくわくするかも知れませんが(そんなことないですか?)、要は「リンゴ狩り」です。ちゃんとお金払って、正規のリンゴ狩り園で、真面目に"picking"してきました。

Syracuse市内から車で走ること約20分。一面のトウモロコシ畑の中に、目的地のBeak & Skiff Apple Hill はありました。閉園一時間前に行きましたが、結構な賑わい。Syracuseの地元民には、それなりに有名な観光スポットのようです。

びっくりしたのは、ゲートから、picking pointまで、右の写真のトラクターに乗せられて移動すること。一歩間違えば"ドナドナ♪"です(子牛にしては、みんな楽しそうですが。)。 リンゴはまぁまぁおいしかったですが、3つ食べればおなかいっぱい。あとはお土産に持って帰ってきたので、しばらく、リンゴには困らずに生活できそうです。

2.Sushi Cooking

時間が前後しますが、昨夜は、MPAの留学生仲間+αでpot-luck partyを開きました(なにげに、しょっちゅうやってます。)。日本人チームは、周囲の学生からの圧倒的なリクエスト(命令?)に応え、寿司に挑戦。その成果が左の写真です。正直、悪くなかったです(笑)

と言いつつ、僕自身が寿司を作ったのは、多分これが生まれて初めて。昔むかし、おばあちゃんの料理を手伝って、横で邪魔していた気はしますが・・・。「邪魔していた」という意味では、今回もあまり変わりません。ただ、「お寿司に使うご飯は固めがいい」とか、「ご飯を海苔全面に乗せてはいけない(巻けなくなるから)」とか、いろいろ賢くなれました。アメリカにいながら、寿司の作り方を学べるなんて、なかなか素敵です。

この寿司たち、この日出された料理の中ではタコスやベトナム料理やケニア料理を抑えて断トツの人気を誇り、皆さんから多大なるお褒めの言葉をいただきました(たぶん渡米後、最大級。)。ちなみにアメリカにいる多くの外人さんにとっては、寿司と言えば「巻き寿司」だそうです。いわゆる「握り寿司」はあんまりポピュラーじゃないそうですね。生魚が上に乗っかってるのは、やっぱりちょっとグロいんでしょうか。あー、まぐろの握り食いてぇ。

3.Squirrel taking



最後におまけネタを。リスの話は、8月11日の記事でも書きましたが、今日は、黒と茶色の二種類のリスに同時に会いました。彼らは、別々の種類なんでしょうか。それとも、黒猫と茶とら猫みたいに、単なる色違いなんでしょうか。どなたか知っている人がいてたら教えてください。ちなみに、個人的には茶色リスの方が、いかにもリスっぽくて好きです。
my home, Syracuse, 21:50, Sep.13

Friday, September 12, 2008

Plastic bags cleared out of US markets?

なぜかオランダで勉強している後輩H君(以下、J朗)が、最近のブログで、オランダのレジ袋事情について語っていました(記事はこちら)。かいつまんで言うと、

  • レジに袋は置いてあるが、それは間違ってもタダの「レジ袋」ではない(それ自体が商品である。)。
  • スーパーでは、軟いのと丈夫なのと、二種類の袋が売られている。軟い方でも日本のレジ袋より分厚く再使用可。軟い方は約30円、丈夫な方は約200円。
  • ほとんどのオランダ人は、買物をする時、これらの袋を持参している。
  • 袋を持参し忘れると、新しい袋を買うか、手で持って帰るかの二択を迫られる。お店がタダで袋をくれるなんてことはありえない。

とのこと。さすが、環境立国オランダ。気合いの入れようが違いますね。

では、僕の住むアメリカ(の田舎)は、どうか。それが今日のテーマです。

まず、街中でものを買うとき。僕が毎日うろうろしている大学周辺で買物をするときは、お店の人に、"Do you need a bag?" と聞かれることが多いです。もっとも、それが最近始まったことなのか、昔からずっとそうだったのかはわかりませんが。ただ、直感的には、環境の意識からそうしているというよりは、コーヒー買った時に「ミルクとお砂糖は要りますか?」と聞かれるみたいな感じで、環境とはあんまり関係ない思考から聞かれているような気がします。また、大学近辺で買うものといえば、せいぜいtake out(こっちでは、"take out"とは言わずに"to go"と言います。アメリカに来られる予定の方は覚えておかれると便利です。)の食べ物・飲み物と文房具・書籍くらいのものなので、マイバッグが流行っているわけではなく、袋を断る場合は単にそのまま手で持って食べるか、すぐにバックパックに突っ込むだけ、ということのようです。

一方、郊外のgrocery storesでは、レジ袋が圧倒的に幅を利かせています。こっちでは、レジ袋のことを"plastic bag"と言いますが、アメリカで使われているplastic bagは、日本のレジ袋とほぼ同じタイプのもの。レジに商品を持っていくと、レジカウンターの店員さんが、チェックアウトの済んだ商品から、随時plastic bagに突っ込んでいってくれます。マイバッグを持参していって、「これに入れて」とに言えば、それはそれでたぶんやってくれるんでしょうが、groceryで実際にマイバッグを使っている人は未だ見かけたことがありません。

なぜマイバッグが普及しないかですが、この国(この地方?)の購買スタイルが最大の原因ではないかと思います。以前に、このブログでも書きましたが、この地方で生鮮食料品を買おうと思ったら、郊外の巨大groceryに車で乗り付けて、一週間分の食料を買い込むという方法以外に、ほとんどオプションがありません。そうなると、一回の買物で買込む商品の量は、plastic bag 8つ分、9つ分、ときには10個以上ということになるわけで、その量をカバーしきれるだけのマイバッグを持ち歩くのは、一般的な市民が甘受できる面倒くささのリミットを越えてしまっている気がするのです。

と、ネガティブな思考で高をくくっていたら、タイムリーにも、こんな記事に出くわしました。

Plastic bag maker to shut down Mt. Olive plant
―レジ袋メーカーがマウント・オリーブのプラントを閉鎖―
Bag company Hilex Poly Co.
will shut down a plant in Mt. Olive, it said Thursday, putting 160 people out of work.
Hilex, based in South Carolina, says it’s the world’s largest plastic bag company. In a statement, the company said the move to shut down the Mt. Olive plant is a response to lower demand for plastic bags as consumers turn more to reusable bags for their groceries.
  Triangle Business Journal September 11, 2008

この記事によると、同社は、この5月に破産保護申請を行った後、GEの支援を受けて7月に会社更生手続きを済ませたところとのことだったので、単純にplastc bagの使用減だけが工場閉鎖の原因ではないかも知れませんが。(逆にいえば、そもそも会社が傾いた原因がレジ袋の使用量減かも??)

また、こんな記事も。

Town Meeting to consider plastic bag ban
レジ袋の使用禁止に関するタウンミーティング、開催―
A proposal to ban plastic bags in Plymouth stores as of July 2009 may become a Board of Health regulation.
The proposal will appear on the Oct. 27 Town Meeting warrant if the Board of Health opts not to adopt it as a new regulation.
  Wicked Local Plymouth September 12, 2008

City Council to pursue ban on single-use plastic bags
―市議会、使い捨てレジ袋禁止条例案を審議―
Hoping to push residents toward carrying reusable shopping bags, Encinitas city leaders have made a commitment to ban businesses from giving away free single-use plastic bags.
  
Union-Tribune September 12, 2008  

一つ目は、東海岸マサチューセッツ州プリマス市(ボストン近郊。Pilgrim Fathersで有名な、あのプリマスですね。)、二つ目は、南カリフォルニアにある(らしい)Encinitas市というところのお話。いずれの市でもsingle-use plastic bagの使用禁止が検討されています。また、記事を読む限り、実際に条例になる可能性もかなり高そうです(ただ、日本での議論とは違って、海洋動物への被害の削減が、直接のモチベーションのようです。)。

と、いろいろ勉強してみると、僕の最初の直観は、ネガティブあるいは現状是認的過ぎたのかもしれないなと思えてきました。しばらくは、この問題を引き続きウォッチしてみたいと思います。

でもやっぱりあのgroceryで、みんながマイバッグ使ってる様子なんか想像でけへんよなぁ…(笑)

my home, Syracuse, Sep 12, 28:00

9.11 (その2)

さっきのブログでは、DCで行われたブッシュ大統領の演説にだけ触れましたが、その後、pod castで、CNNの他の番組を見ていたら、「ObamaとMcCainがNY市のグラウンドゼロを一緒に訪れた」とのニュースが報じられていました。レームダックおじさんの演説なんかよりもこっちの方が、よっぽどインパクトのあると思うんですが、なんで「CNN Daily」では、ブッシュの方だけ流してたんだろう。ぶつぶつぶつ。。。

グラウンドゼロでの式典について、ワシントンポストは、こんな感じに報じています。

It was a remarkable respite from an increasingly nasty presidential campaign. Both men had pledged to take a break from politics for a day, suspending all television commercials during the Sept. 11 commemorations.

(それは、日に日に熾烈の度を増している大統領選の中にあって、注目すべき休戦であった。オバマ、マケイン両候補は、今日一日、一切の政治活動を控えることを確約し、また、すべてのテレビ局は追悼式典の間中、一切のコマーシャルを放送しなかった。)

CNNの動画では、静まり返った人垣(グラウンドゼロに集まった、犠牲者の家族の方々)の中を、両候補が並んで歩く姿が、かなり長めのカットで流されていました。その映像はすごく印象的で、なんとなく、ラファエロの「アテネの学堂」とイメージが重なりました。

今日は、そろそろ寝ます。おやすみなさい。
my home, Syracuse, Sep-11, 27:30

Thursday, September 11, 2008

9.11

今日は9月11日。同時多発テロの発生から、今日で丸7年になります。

この日は、国を挙げての追悼ムード一色になるのかと思っていましたが、ふたを開けてみると、正直、拍子抜けするほどに、普通の日と同じで、淡々と一日が過ぎていきました(家にTVがないせいかもしれませんが…)。

とはいえ、僕の通っている大学院では、9/11にちなんで "National Security Advice to the Next Administration" と題したパネルディスカッションが行われるとのことでしたので、面白そうな話が聞けるかと思って参加してみました。しかし、実際には、イメージしていた「パネルディスカッション」とは程遠く、おじさん(いちおう、うちのdeanだそうです。)一人と、おばさん二人が、30分くらいずつ、粛々と講演をしただけで、正直、めっちゃ眠たい内容でした(なので、寝ました。)。

火曜日の「小人モデル」の発見以来、だいぶ英語が聞けるようになった気がしていたのですが、コンテクストについての予備知識がない状態で、テクニカルな話を聞くのは、やはりまだ難しいです…。

ちなみに、CNNのDaily ニュースによると、NY市とDCでは、9.11の追悼集会が開かれたらしく、DCの方ではブッシュさんも追悼公演を行ったそうです。番組の最後にいつものように、Pollの結果が紹介されていましたが(CNNは世論調査が大好きです。アメリカ人の習性なんでしょうか?)、それによると、「Acts of terrorism in U.S. over next several weeks(今後数週間の間に、アメリカでテロ行為が行われる可能性があると思いますか?)」という質問に対して、「Likely」が30%、「Not Likely」が70%。この結果からもわかるように、アメリカ人のテロに対する意識は、少なくとも一般国民レベルでは、かなり冷めてきているようです。ここ、シラキュースで、同じ世論調査を行ったとしたら、肌感覚的には、「Likely」と答える人は30%よりももっと低くなるんじゃないかという気がします。

さて、9.11とはまったく関係ないですが(たぶん、まったく関係ない。)、明日の夜、いつもの留学生仲間で、pot-luck partyを開くことになり、僕ともう一人の日本人には、寿司作成の厳命が下りました(二ヶ月間、逃げ回ってましたが、ついに観念しました。)。「そんなもん、日本でも作ったことあるかい!!」と言いたくなるのをグッとこらえて、今日は適当に材料を買い揃えてきたので、明日は、輝かしい(?)日本食の歴史に泥を塗ることのないよう(意訳すると、「病人を出さないように」という程度の意味ですが…笑)、気合いを入れて料理しようと思います。

(写真は、今日、食材を買いに行ったスーパーで衝動買いしたミニパイナップル。食べれるだけの果肉があるのか、いささか不安ではありますが、とりあえず"smell good"です。しばらく机の上に飾ってから食べようと思います。$3.29也。)

p.s. 経済産業省の石黒さんという方(残念ながら直接の面識はありません。)が、非常に面白いコラムを連載されていて、いつも読ませていただいているのですが、最近掲載された『江戸の経済官僚』という記事も、非常にためになる内容でした。紙と鉛筆を準備して、お読みください。
my home, Syracuse, Sep.11, 24:05

Tuesday, September 9, 2008

「普通の国民」とは誰のことか?

今学期は、英語の授業(週3回)もとっていますが、今日の英語の授業のテーマは "What Part of NO Don't You Understand?" というもの。国によって「No」の言い方もずいぶん違いますよ、というお話でしたが、その中で紹介されていたのがこんな小噺。

ある月曜日、メキシコ在住のアメリカ人の車が故障した。彼が、現地の修理屋さんにもって行って「金曜日までに直してほしいんだけど、できる?」と尋ねたところ、メキシコ人の修理工は、「OK。金曜なら確実に間に合うよ」と答えた。さて金曜日、アメリカ人が、車を引き取りに修理屋さんを訪ねてみると、修理がまだ終わっていない。「出来ないなら出来ないと、なぜ月曜日に言ってくれなかったんだ?」とアメリカ人が尋ねたところ、メキシコ人が答えて曰く、「これは "happiness" の問題だ。月曜日に、僕が『間に合う』と答えたからこそ、あなたは月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、そして今日と "happy" に過ごせただろ。来週の月曜日には、あなたはもう一度"happy"になれるよ。」

本当でしょうか?? これが本当なら、メキシコは、アメリカどころじゃなく、手ごわそうですね…。機会があれば、一度、乗りこんでみたい気もしますが。


さて、ここから先は、今日のPublic Budgetingの授業中に、ぼんやり考えていたこと。正直、まだあまりまとまってませんが。

Budgetingの先生は、最近、Indiana州から移り住んできた人で、彼女曰く、数年間彼の地に住んでいてた間に、同州の消費税は二度にわたって増税されたとのこと。また、授業とは関係ないですが、今年の総裁選を見ていても、Obama候補の公約の中には、ある種の増税策が含まれていることに気づきます。

増税万歳、と言いたいわけではもちろんありません。ただ、増税の是非に関する議論(もう少し正確にいえば、「どこからどれだけの税を集めるか」という、税体系にもかかわる議論)が、冷静かつ客観的にできる土壌がまったくない某国の状況は、どう考えても不健全だと思うのです。

―それは確かに正論だが、税の議論は古今東西を問わず、センシティブな議題の代表選手。世論への影響を脇においた客観的な議論なんて、そもそもの性質からしてできるもんじゃない。―

こういった反論がしばしば聞かれるところだとは思いますが、それを認めた上でも、米国と某国(てゆうか日本ですが)を比べたときに、税の議論のしづらさは違いすぎると感じています。(もちろん、日本での方が議論しにくい、という意味です。)

税率が上がるのを嫌うのは、アメリカ人も当然同じです。その点をついて、McCain候補は大々的にObama候補の批判を行ったりもしています。ただ、少なくとも、一定以上の教育水準にある市民(彼らは、その教育水準にともなった経済水準も享受しているわけですが)は、増税を頭ごなしに嫌うのではなく、その増税によって得られる政策効果を勘案した上で賛否を決めようとするrationalな姿勢を少なからず持っているように思うのです(そうでもなければ、野党の大統領候補が、選挙公約に増税を伴うプランを掲げるとは信じられないですし。)。

翻って日本はどうかと考えると、あの国においても、教育・経済の面で、いわゆる「中の上」(あるいは「中の中」)以上に位置する層については、税のことを、ある程度冷静に考えられる視点を持っていると、個人的には信じています(ここでいう「増税」が、間接税についての話であればなおさら。)。また、「中の上」以上の層の割合(人口比)が、アメリカに比べて格段に少ないということもまずないと思います。正確なところはわかりませんが、むしろ、日本の方が多いくらいではないでしょうか。

じゃ、何が問題なのかと考えていたのですが、僕の仮説は、それらいわゆる「中流」と言われる人たちの声を伝えるメディアが存在しないことが問題なのではないか、というもの。最近の(昔から?)日本のメディアは、往々にして、よりpoorな層にフォーカスし過ぎていて、メディアの話を鵜呑みにすると、日本では「格差社会」化が異常なスピードで進行しており(それ自体は、僕も否定しませんが)、いまや、ごく一部の「セレブ」と、その他大勢の「庶民」だけしかいない社会になってしまったかのような印象を受けます。

しかし、よく考えてみれば、その「セレブ」と「庶民」の間には、いわゆる「中流」層が、かなりの人口比率で存在しているはずですし、また、少なくとも経済の面で言えば、その層に位置する人たちの頑張りに、この国の発展が拠っているところは非常に大きいと思うのです。

であるにもかかわらず、なぜその人たちの声を直接代弁するメディアが日本にはないのか。なぜメディアは、よりpoorな層の声を代弁したがるのか(※ それ自体、悪いことではないが、多少偏り過ぎている、というのが僕の考えです。念のため。)。これに対する明確な答えは、今のところまだ持ち合わせていませんので、またちょっと考えてみたいと思います。


明日は(既に今日ですが)、9/11です。学内で、テロ防止に関するシンポジウムが行われるそうなので、行ってみようと思っています。

my home, Syracuse, Sep. 10, 27:00
(なぜか日付が9/9になってしまっていますが、9/10深夜の記事です。)

Core 2

今日は雨模様の少し肌寒い一日でした。キャンパス内には、早くも冬服を着た人から、未だに短パン、Tシャツ、サンダルの人まで、いろんな格好をしている人がいます。なかなか難しい季節です。

さて、今日も昨日に続いて英語のlistening/readingのお話。新たな発見があったので忘れないうちにメモしておきます。

昨日の記事の中で、「一語一語の単語を拾うことに意識を集中させることは、フレーズ全体の理解には繋がらない」と「確信」したと書きましたが、今日、Van Slike先生の授業を聞いているとき、その「確信」は早くも崩れました。(つまり、寝ました。)

しかし、睡魔との熾烈極まる格闘の中で、不死鳥のごとく、新たなアイデアが思い浮かんできたのです。(書いてて恥ずかしくなってきたのであとは普通に書きます。) どいううアイデアかというと、これまで、「一語一語の単語を拾う」ことと「フレーズの意味を把握する」ことの、どちらに力を入れるべきかで迷いつづけてきましたが(詳しくは昨日の記事を見てください。)、そもそも、その迷い方自体に問題があったんじゃないか、ということ。つまり、「両方を同時にやればいい(やらないといけない)」んだ、ということに気づいたのです。

イメージとしては、頭の中に2人の小人(別に宇宙人でも半魚人でも何でもいいんですが)が住んでいて、一人(小人A)は降ってくる「ブロック(=単語)」をせっせとキャッチし、もう一人の小人(小人B)にどんどん手渡していく。手渡された小人Bは、その「ブロック」を重ね合わせ、意味のある形を作っていく(=フレーズの意味を把握していく)、という感じ。これまでは、小人が2人いることに気づいていなかった(つまり、脳みそは、ひとつの仕事しかできないと考えていた)ので、Aの仕事かBの仕事のどっちに集中しようかと迷っていたわけですが、Aの仕事に集中しようとすると、せっかく「ブロック」を拾い集めても、その手渡し先がなく、10コ前後を拾った時点で重さに耐えきれず圧死(頭と瞼がシャットダウン)してしまう、Bに集中しようとすると、そもそもブロックが手元に集まってこず何の形も作れない(=聞き流しているだけで意味が把握できない)という失敗の繰り返しでした。

もちろん、同時並行で二つの作業を進めることは、今の僕にとって、そんなに簡単ではないですが、自分なりに理解した仕組み(上述の"小人モデル")を意識しながら英語を聞いてみると、意外とできなくもないもんです。以前、日本にいるときに何かの本で読みましたが、人間の脳みそには、「あそび」の部分が結構あるとのこと。脳みその「コア」を二つに分けてフル回転の状態に近づけてあげる方が、睡魔が入り込む余地もなく、むしろリスニングに集中できる気がします。2人の小人の息がばっちりあったときの感覚は、3D(立体視)の絵がきれいに見えたときの感覚に似て、すごく気持ちのいいもんでした。明日からは、その感覚を感じれる時間をどんどん増やしていきたいと思います。

英語のこと以外にも、いろいろ書いきたいことは溜まっているんですが、せっかく掴めたイメージがどこかに飛んで行ってしまわないよう、2日連続でしたが英語について書いてみました。
my home, Syracuse, 23:34

Monday, September 8, 2008

英語のフレーズを理解することについて

9月3日の記事でも同じようなことを書きましたが、読むにせよ聞くにせよ、一語一語の単語を拾うことに意識を集中させることは、フレーズ全体の理解には繋がらないということが、わかってきました。今日、眠い目をこすりながら、英語を聞いたり読んだりしている中で、そう確信しました。

「単語の集合体=フレーズ」という事実からすると、このことは、なんだか変な感じもしますが、でも、日本語で考えてみれば確かにそうで、読むときも聞くときも、一語一語を把握しようなんていうふうには絶対にしていないはずです。もし仮にそうやったら(native Japaneseには逆に難しいと思いますが)、フレーズの意味は、あんまり頭に入って来なくなるでしょう。

というわけで、今日の午後からは、「フレーズの意味」を把握することを意識しながら、読み聞きすることに挑戦してみたんですが、調子が悪いと(というか、よほど調子が良い時以外は)、ついつい一語一語を追おうとしてしまいます。そうなると、文章の中身が頭に入ってこなくなり、途端に眠くなり・・・zzz。ともあれ、何となく、ひとつの出口が見えてきた気がするので、しばらく練習を続けようと思います。

以下、2点ご報告。

その1。ついに、HCBCのデビッドカードが届きました。3度目の正直、"Third time lucky" です。このカードが届くまでの顛末については、こちらをどうぞ。

その2。愛車CR-Vを再び修理屋さんに連れて行きました(前回の修理屋さん訪問については、こちらをどうぞ。)。今回は、追加料金なしで修理してくれましたが、担当のEdさん曰く、「①前輪のコントローラー(それが何かはいまいちわからず。左右のタイヤをつないでるシャフトの周りにある何かみたいです。)に問題がある。②原因は老朽化。とりあえず直しはしたが、今後、再び雑音が出てくる可能性はある。③ただし"security prolem(安全にかかわる問題)"ではない。たとえ音が復活したとしても、安全上の支障はないので乗り続けてOK」とのこと。完全に直ったわけではないですが、この問題とは付き合っていくしかなさそうです。でもおかげで、クルマのことには少し詳しくなりました。101,000マイル(=うちの車の走行距離)の意味するところが、ようやく理解できました。(遅っ。)
my home, Syracusase, 24:33

Sunday, September 7, 2008

Ice Skating !!

天気予報によると(ほんとは友達からのまた聞きですが)、今週からは、この街も一段と寒くなるとのこと。過ぎゆく夏を満喫するべく、今日の午前中は、ベランダで読書して過ごしました(右の写真は我が家のベランダ。)。Bostonに行ってみて改めてわかったことですが、緑の多いこの街の環境はアメリカの中にあってもなかなか贅沢です。ベランダの周りの木々からはたくさんの鳥たちの鳴き声が聞こえ、15分に一回くらいはリスも出没します。今日は、リスどうしのケンカも見ることができました(きゅーきゅー言いあってました。)。11時過ぎには、近くの教会から繰り出してきたマーチングバンド(基本的におっさんだけ。)による『聖者の行進』もliveで聞けて、アメリカの地方都市の古き良き(?)日曜日を満喫できた感じです。

ちなみに今朝読んでいたのは、月曜日の授業("Energy, Environment, & Resource Policy")の課題図書で、Jonathan Harrという人が書いた"A Civil Acition"というノンフィクション小説。1970年代にボストン近郊で発生した、地下水汚染に起因する(と思われる)小児白血病を巡る裁判のお話です。(1998年には映画にもなったそうです。ちなみに主演はジョン・トラボルタ。) 近いうちにこのブログでも詳しく紹介しようと思っていますが、なかなか面白い一冊です。ご興味のある方はぜひ(特に、ルイジアナで環境法の勉強してる人とか。)。


午後は、大学付設のアイススケート場に行ってきました。メンバーはいつもの留学生友達&その家族。Syracuse大学の学生は、学生証を見せれば、なんとタダで滑れます!必要なのは靴代の$4.00のみ。その上、いざ行ってみるとお客さんは僕らだけ!というわけで靴代だけの値段でアイススケート場を借りきって、のんびり滑ってきました。日本ではちょっと考えられないですよね。

僕らが滑り終わった後、うちの大学のアイスホッケー部の練習が始まったので、しばらく観客席で観ていましたが、僕が学生時代にやっていた例の某陸上球技(よくアイスホッケーと間違えられるやつ。)とは、比較にならないほど迫力があり、「観る」スポーツとしては、フィールドホッケーなんかより、はるかにこっちの方が人気が出る理由がよくわかりました(「やる」スポーツとしては、フィールドホッケーも負けていないと信じていますが。)。 家からも車で15分の距離なので、公式戦が始まったら、一度、観に来ようと思っています。

my home, Syracuse, 22:00

Saturday, September 6, 2008

Green Lakes State Park

まずは昨日の日本人会の報告から。おおよそ、50人くらいの人が参加していて、そのうち日本人は30人くらいでした。遅れて入ったので、全員の自己紹介は聞けなかったですが、undergraduateの人が多かったように思います。SUNY-ESFの学生も多かったです。

お名前を忘れてしまいましたが、渡米して、かれこれもう20年になろうかという、空気力学の先生とお話することができ、いろいろ興味深い話を聞かせていただきました。その中で、特に気になったのは、ナイアガラ周辺で、喘息患者が集中的に発生している地区があるというお話。浮遊物質がどのように飛来するかという観点から、空気力学の分野でも、このテーマを扱っている先生がいるそうです。昨日お話した先生は、直接かかわってはいないそうですが。

国境ゲートの前に発生するトラックの渋滞が原因と考えられている(ナイアガラは、単なる観光地だけでなく、米加を結ぶ交通の要衝でもあります。) そうですが、さらに最近、その周辺に巨大ショッピングモールを作る計画があったとのこと。シミュレーションの結果、更なる健康被害につながる可能性が示唆され、計画変更が求められているそうです。Syracuseからも比較的近い街の話なので、機会があれば、また詳しく調べてみたいと思います。

さて、今日は、家から車で20分(direction)のところにある、Green Lakes State Parkに一人でドライブに行ってきました。カメラを持っていくのを忘れたのが実に悔やまれるほど、ほんとにきれいなところでした。車で20分で、こんなきれいな場所があるという事実に驚きです。「Green Lake」という、その名の通り、めっちゃきれいなエメラルドグリーンの湖と、「Round Lake」という、その名の通り、まん丸い形をした湖が隣り合わせに並んでいて、その二つの湖を囲む区域が、州立公園になっています。ひとえに「州立公園」と言っても、いろんなタイプがあるみたいですが、この州立公園内には、湖を取り囲むドライブウェイとトレッキングパスのほかに、ピクニックエリア(バーベキューができます。)、ビーチ(これはたぶん人工)、ゴルフ場なんかがありました。少し(かなり?)マニアックな話になりますが、日本の自然公園法でいうところの「公園」(ex. 尾瀬国立公園、琵琶湖国定公園)の概念よりは、日本語で言うところの普通の「公園」(ex.長居公園、井の頭公園)に近い印象を受けました。もっとも、長居公園とか井の頭公園に比べると、半端なく自然が豊かで、圧倒的に人が少ないですが。

ちなみに、車で入る場合には、一台につき$6.00の入場料を徴収されます。柵はないので歩いてだったら無料で入れるわけですが、立地条件からして、事実上、車でしか行けないところなので、事実上の入場料といった感じでしょうか。

湖のほとりのベンチに腰かけて、4時間くらい、月曜日の授業の課題図書を読んできました(うち30分は昼寝。) 本当に静かなところで、普段は鳥の鳴き声しか聞こえず、たまに、湖周の道を走っている人や、犬の散歩をしている人の声が聞こえる程度。30歳くらいの若い夫婦が、飼い犬2匹と一緒にやってきて、4人(2人と2匹)でじゃばじゃば泳いでたのはすごく気持ちよさそうで、うらやましかったです(さすがに一人で行って、服のまま泳ぐのははばかられました。)。

そんな感じの穏やかに良い一日だったんですが、ただひとつ気がかりなのは、相変わらずCR-V君の調子が悪いこと。行きはまだ良かったんですが、帰りは結構深刻で、加速/減速のたびに、右前輪のあたりがギコギコ言ってました。先週木曜日に修理してもらった店に電話して、来週月曜日、もう一度連れて行くことにしましたが、Hondaの正規ディーラーにもっていくべきかどうか、迷っています。

※ SUNY-ESF・・・"State University of NY College of Environmental Science and Foresty" 州内に点在するNY州立大学の、一カレッジで、うちの大学(SU)に隣接して建っています。僕もいまいち、その実態がつかみ切れていませんが、学生の福利厚生なんかはSUと一体で運営されているようで、また、単位の相互認証なんかも活発に行われています(SUのSchedule of Classes(講座案内)にも、普通にESFの授業が載ってるし。)。そんなわけで、別の大学というより、SUの一学部のような感じです。(ESFの学生がどう思ってるかはわかりませんが・・・。)
my home, Syracuse, 16:56

Friday, September 5, 2008

pronunciation

アメリカにきた日本人の大半の人が、予想以上に苦労するのがpronunciation(発音)だそうです。英語を聞き取れないことや、(「言葉が出てこない」という意味で)話せないことについては、覚悟して来る人が多いんですが、発音の難しさ、かつ、重要さについては、こっちに来てから改めて気づく人が多いと聞きます。「難しさ」は日本にいるときからよくわかっているにしても、「重要さ」を過小評価しがちなんですよね。正直、そこまで手が回らないという理由もあるんでしょうが。(僕もそうでした。)

というわけで、今日から毎日、自分の朗読(もちろん英語です)を録音して、自分で聞いみることにしました。とりあえず、今日初めてやってみて思ったのは、こんな感じ。
  1. 単語の最初の子音を強く発音し過ぎている。(→ nativeは、もっとまろやかに発音している気が。語と語がゆるやかにつなげて発音するイメージか。)
  2. 全体的に母音が短く、かつ、強すぎる(すべて撥音のように聞こえる。)。(→一音一音を、丁寧に置いていくように意識すれば良いか。
  3. なんとなく音に厚みがない。(→口の中で、音を響かせることを意識してみる。)
  4. "and"の発音が意外にめちゃ難しい。(→繰り返し練習あるのみ。)

3.について、もう少し詳しく書きと、何語であれ、音(母音)を出すということは、口の中の何かを振動させているわけですが、日本語の場合、どの母音も喉の奥の方(のど仏のあたり)だけを震わせて発音しているのに対して、英語の母音は、口の中(ほっぺたの内側)も振動部屋として使っているように思います。自分へのメモのつもりで書いているので、ほんとに正しいかどうかはわかりませんが・・・。

今日はこのあと、Syracuse 大学のJapanese Association があるそうなので行ってきます。

Thursday, September 4, 2008

三角コーナーとか。

昨日の話の続きですが、今日は車の修理に行ってきました。戦前の予想にたがわず、カーディーラーのTomは、癖のある英語でまくしたてた末に、「うちではホンダ車は直せないから、Riverpool(Syracuseの隣町)のHondaディーラーに行ってくれ」と言いだす始末。「じゃ、あんたはなんで俺をここに呼んだんや」と言ってやりたくなりました(が、とっさに英語が出てこず断念しました。) 結局、Tomがいるディーラーと棟続きの別の店舗(repair center)で直してもらえることがわかり(最初から知っとけ。)、事なきを得たものの、修理には$280かかりました。ふーん。。。 いろいろあります。

話は変わりますが、今日、実家から荷物が届きました。いろいろ入ってて(招き猫とか、桂枝雀のDVDとか。)、どれもこれも、すごくうれしかったですが、中でも待ち焦がれていたのは「三角コーナー」と、それ用のゴミ袋。アメリカでは(少なくとも田舎では)、三角コーナーはどこを探しても売ってません。たぶん、ほとんどの家にディスポーザーがついてて、うちみたいについてない家の住人も、気にせず生ゴミを排水溝に流しまくってるってことなんでしょうね。これからアメリカに来られる方はお気を付けを。

今日は、MPAのクラスメイトのJessicaちゃんの誕生日パーティがあるとのことだったんですが、何となく気が乗らなくてパスしてしまいました。日本にいたときの自分のセンスでいえば、まず参加してるだろうなぁと思うんですが、英語(特に、口語英語)の出来なさが、少なからず外に出ていくことの心理的妨げになっているようです。癖にならないうちに、もっと外に出ていかなければとは思うんですが、そのためにも、もうちょっと普通に英語を使えるようになりたいもんですね。

というわけで、今日は、共和党のNational Conventionを見て、英語の勉強します。
my home, Syracuse, 21:54

Wednesday, September 3, 2008

我が家のCR-Vとアメリカのschool districtについて

今日のMaxwellの授業で、僕の所有するホンダCR-V(2001年製)と、アメリカのschool districtの間には、深い相関関係があることが見出されました―。
という記事ではありません。ただ単に、CR-Vの話と、school districtの話をしますよ、と言うだけのことです。相変わらず深い意味はありません。

まず、CR-Vについて。購入してから1か月、右のリアの扉が内側から開かないことを除けば(それはそれで深刻?)、そこそこ機嫌よく走ってくれていた彼ですが、今朝、サウスキャンパスを走ってる最中、突如、変な物音を立て始めました。最初は、ハンドルを大きく切ったときだけだったのですが、そのうち、普通に走っていても前輪の車軸のあたりからuglyな物音がするようになり…。ナイジェリア人の友人にも助手席に乗ってその「音」を聞いてもらった結果、明日、ディーラーに連れていくことになりました。いちおう、warranty(補償)の対象だと思われるんですが、このブログでも何度か紹介しているとおり、なにせ超いい加減なこの国のこと、またひと悶着あるんじゃないかと今から気を揉んでいます。。(Tomとかいう、カーディーラのおっさんの英語がこれまた聞こえにくいし・・・。
Bostonに連れて行かなかったことでスネてるんでしょうか…? せっかく今日から大学の駐車場が使えるようになって路駐(←合法です。)から解放してやったのに。。  心配です。


続いて、school districtについて。

このsemesterに、"Public Budgeting" というコースを受講しているんですが、その中で、「アメリカの地方公共団体("state or local government, school district, etc.")を適当に一つピックアップして、そこの予算について、A4 10枚以内で分析しなさい」という課題が出ています。

ん?「school district」ってなんだ??

というわけで、今日は、コースの課題に入る前に、「school district」なるものについて調べてみました。(単にwikipedia見ただけですが。)
wikipedia によると、アメリカの「school district」(直訳すれば「学区」でしょうか。)は、日本で言うところの「学区」のように、単に地理的に区切られた「地区」のことではなく、法人格を持ち、かつ、選挙で選ばれた代表者による意思決定機関(legislative body)を戴く、地方公共団体の一形態のことのようです。日本で言うところの「一部事務組合」が一番近いニュアンスじゃないかと思いますが、日本の一部事務組合が、「複数の普通地方公共団体や特別区が、行政サービスの一部を共同で行うことを目的として設置する組合」(日本語版wikipedia)、いわば"ジョイントベンチャー" であるのに対し、(一般的な)school districtは、市町村政府から完全に独立した立場にあります。(たぶん、州の下に「市町村」と「school district」が、パラレルに存在しているイメージ。)

ただし、いくつかの例外もあって、たとえば、僕の住んでいるNY州では、school districtは市政府に従属しており(independent school districts ... are subordinate to cities)、独立性は高いものの、(広い意味での)市政府の一部ということになっています。 右の図は、Syracuse市の、2008/2009予算書から抜粋させていただいたもの。右上の(拡大して見てみてください)「BORD OF EDUCATION-SUPERINTENDENT」の下に、各school districtsがぶら下がっているんだと思われます。この図を見る限り、日本の自治体の教育委員会の位置づけにも似ている感じがします。市本体(市長部局)からの独立性は、日本よりNY州の方がはるかに高そうですが。

これだけなら、「まぁお国によって制度はそれぞれ違うよね」ってなもんなんですが、このschool districtのすごいところは、学校を運営するだけじゃなく、スクールバスや給食センターを経営するのはもちん、中には、病院やテレビ局、はたまた警察機能を持っているところもあるいうこと(すべてソースはwikipedia。)。

話は少し飛びますが、この国にきて、いろんな機関が警察機能を持っていることに驚かされます。そもそも、「Police」と「Sheriff」の違いがいまだによくわかりませんし、うちの大学も、パトカーまがいのパトロール車を街中に走らせていて(キャンパス外にも)、どこまでかは知りませんが、日本で言うところの警察権限の一部を彼らも有しているという話を聞いたことがあります。(実際、この前、うちの大学のパトロール車が、交通検問かなんかで学生の車を道路脇に停めさせているのを見(て意味もなくビビり)ました。)

昨日、同じクラスの日本人の友人と立ち話をしていた時、その友人が、「各コミュニティが自発的に公共機能を立ち上げ、それがあとになって追認されてきたのがこの国の歴史。警察機能も然り。それらは既得権益化しているので、外部の人間から見ると、複雑かつ奇異に見えるが、なかなか手がつけられないのでは」という趣旨の見立てをされていました。すごく核心を衝いているようような気がしました。
my home, Syracuse, 22:12

Public Organization & Managemant

先週は早くも秋めいてきた感のあったSyracuseですが、Bostonから帰ってきてからの2日間は、太陽が夏らしく照ってぽかぽか陽気の日が続いています。なんしか冬は寒いらしいので、いまのうちに楽しんでおかねば。。。

さて、今日は、Van Slyke先生の"Public Organization & Management" の2回目がありました。先週は、英語が聞けない上に、そのことと連動していると思われる睡魔にも襲われ、後味の悪い自己嫌悪感だけが残ったこの授業。今日は、授業開始前に昼寝もとり、万全の態勢で望みましたが、やっぱり英語が聞き取れませんでした。

今日の症状はこんな感じ。
  • 最初の数分間は、先生の英語をある程度理解できていたのに、途中からはまるで理解できなくなった。(→集中力の限界?)
  • それでも頑張って聞き取るべく、音を拾うことに集中すると、単語レベルでは聞き取れるのに意味がまったく頭に入ってこないという状態に。逆に意味を取ろうとすると、そもそも単語が聞き取れなくて、ただただ聞き流すのみ…。(→これも集中力の限界?)
  • 学生がしゃべる口語英語が聞き取れない。→ 学生と先生とのディスカッションで進んでいく授業スタイルなので、学生の発言が聞き取れないと授業の展開についていけない。(→口語英語の聞き取り力強化が必要。)
  • 授業の展開が追い切れていない上に質問が抽象的なので、発言しようにも、とても太刀打ちできるレベルじゃない。(→抽象的な内容を説明できる英語力が必要。今すぐには無理だなぁ。。。)
  • 笑いのポイントについて行けない(→ただただ悔しい。裏を返せば、一番のモチベーション源。)

以上を踏まえ、当面は以下の対策を講じてみることにしました。

  1. この授業のケーススタディのarticleは徹底的に読み込んでおく。(→そうでもしないと、まず発言できない。読みこんだところで発言は難しいとは思うけども、とりあえずやってみる。)
  2. 授業をレコーダーで録音して、水曜日にもっかい聞く。
  3. 口語英語に慣れるために、スクリプト付きでドラマを見る。(→さっそく、"friends"のseason1をamazonで購入。)

とにかく今学期の課題は、英語、英語、英語。幸い、授業日程的には余裕があるので、空いた時間を全部英語に捧げるつもりで、とっとと人並みの英語力を身につけたいと思っています。なので(?)、お勧めの海外ドラマがあったら、ぜひ教えてください。

my home, Syracuse, 26:38

Tuesday, September 2, 2008

忙しくなってきました。

先週のブログでは、「秋学期は意外と忙しくないかも」なんて書きましたが、さっそくreading assignmentsに追われはじめ、今日はこの時間(0:37)もまだ英語を読みふけっています。(土日に遊び呆けてたツケが回ってきただけだという話もあります。) 

それもあって、今日はニュースをあまりフォローできていないのですが、ハリケーングスタフは、壊滅的な被害まではもたらさずに収束に向かってくれているようです。ちなみにここ、NY州Syracuseは平和そのもの。窓の外では秋の虫が鳴き始めています。

一方、福田さんの突然の辞任についてですが、こちらのニュースでは、グスタフと、共和党党大会と、「マケインの副大統領候補の17歳の娘が妊娠していた」騒動と、タイの非常事態宣言の影に隠れて、ほとんど報じられていません。

ここはアメリカなので3つ目までは仕方ないにしても、なぜタイのニュースにまで負けるのか。いくら日本の地盤沈下が進んでいるとはいえ、タイにまで追い抜かれているとは思えないのに、なぜか。

これは僕の推測ですが、たぶん、この国の人たちは、日本という国について、安心しきってるんじゃないかと思います。「あんたんとこの国は、首相が代わったくらいで何も変わらんでしょ。タイでは何かが(悪い方向に)変わるかもしれんのよ。」てな具合に。

信用のおける大人の国としてみなされている、という言い方もできるでしょうが、裏を返せば、まったく怖さのない国だということ(少なくとも欧米に対しては。)。「それでいいじゃん」という向きもあるでしょうが(僕も半分はそう思っています。)、「それでいい」なら、日本が世界からあまり注目されない小国の地位に甘んじることについても受け入れなければいけません。国際政治は、怖さのない国にまで自発的に注目を払ってあげられるほど、暇な人たちの集まりではないでしょうから。

日本人の中には、この二律背反を十分に理解していない人がまだまだ多い気がします。

英語の課題に戻ります。

p.s. 田原総一朗さんのwebコラムを毎回読むようにしているんですが、今週号もなかなかの読みごたえでした。民主党の総裁選の内幕について、書かれています。http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/column/tahara/080828_73rd/

my home, Syracuse, 1:12

Monday, September 1, 2008

Bostonに行ってきました。

Labor Day(9月1日・祝日)の週末を利用して、2泊3日(実質2日日間)でBostonに遊びに行ってきました。写真サイト(ttp://picasaweb.google.co.jp/yuya.takabayashi/Boston?authkey=UTXIKmuVNTo )に、写真を載せましたので、2日間、どこで何をしていたかについては、写真サイトの方でご覧下さい。ブログ本編では、その辺のこもごもは端折ります。
とはいえ簡単に行程を。金曜日の夕方、Syracuseを出るバスに乗ってひたすら東へ7時間のバス旅。現地では元上司の家に泊めてもらい、ハーバードのケネディスクールに通っている友達に会ったり、街中をふらふら歩いたり、郊外のスタジアムにベッカム君を見に行ったり(詳細は後ほど。)して過ごしました。帰りも当然ながら7時間のバス旅。昨日の深夜、無事、この片田舎に戻ってきました。

以下、いつもどおり、思いついたものから書いていきます。

1.Boston 概観

日本人にはそこまで深く知られていないように思いますが(僕はあんまり知りませんでした。)、この街の人たちは、自分たちの街が「合衆国発祥の地」だ、ということにすごく誇りを持っているようです。「ボストン」や「マサチューセッツ」と同じくらい「New England」という固有名詞を使いたがるところにも、その意識が滲み出ている気が。歴史があり、学生がいっぱいいる、という点で、京都に似た雰囲気もあります。幕末ファンが、京都で幕末の志士ゆかりの地を訪ねて歩くように、合衆国建国の志士たちが眠る古いお墓は、アメリカ人の観光客でいっぱいでした。

Boston市は、あまり合併を進めなかったようで、市域はそんなに広くはなく、ハーバードやMITのある地区は、Cambridgeという隣の市になります。ただ、地下鉄も直通していて、ボストンのダウンタウンまで20分くらいで行けるので、感覚的には一つの街という感じですが。京都でいえば左京区といったところでしょうか。(無意味なたとえですいません。)

レッドソックスの本拠地、Fenway Stadiumがその最たる例ですが、この街の人たちは、古い建物を何十年も壊さずに使い続けているようです。そのことが、この街の景観に一貫性を与えています。泊めてもらった先輩宅も築100年以上のアパートとか。いろいろ不便もあるようでしたが(窓が閉まらないとか、入口のピンポンが鳴らないとか、ハムエッグ作っただけで火災報知機が鳴るとか。たぶん築年数の問題ではないですよね…。)、そのおかげで、街並みはどこに行っても本当にきれいでした。

2.Gillette Stadiumについて

笑われると思いますが、ボストン郊外のGillette Stadiumというところに、ほぼベッカムを見るためだけにサッカー観戦に行ってきました。(この旅行の主目的自体がベッカムだった、という噂もあります…。)ベッカム君は、一度見てしまえば、「あぁベッカムか」てなもんでしたが、いくつか面白いことがあったので、以下感想を。(左の写真は、ベッカムがフリーキックを蹴った瞬間の写真。すごいでしょ。(何が?))

■ 電車で行けない!!
 このGillette Stadium、ボストン市内から高速使ってクルマで1時間という距離にありながら、電車で行くことができません!! NFLのPatriotsの試合のとき(10万人くらい入るそうです。)には、臨時で電車が止まるらしいんですが、サッカーの試合ごときでは電車は運行されず(それでも5万人は入ってたんじゃないかと思うんですけどね。。) というわけで、その推定5万人の人たちが、みな車でスタジアムに押し寄せます。

なんでこんなことになっているのか、日本人の僕としては理解に苦しむわけですが、行ってみてちょっと納得したのは、試合が始まる前、駐車場でキャンプセットを広げてお弁当を楽しんでる家族をいっぱい見かけたこと。そんな感じで、1日がかりでやってきて、ドライブ&ピクニック&試合観戦を楽しむってのが"アメリカ流"なのかもしれません。良い悪いの問題ではなく、とにかくこれは文化なので、効率性とか経済性の面だけで説いてみても、この人たちのクルマ好きは治んないだろうなぁという気がしました。

■ 意外と大人気
 アメリカでサッカーと言えば、どうせ、僕が大学時代にやってたフィールドホッケーと同じくらいしか人気がないんだろうと思っていましたが(すいません、言いすぎました。)、行ってみてびっくり!上にも書きましたが、5万人くらいは入ってたように思います。それも、ベッカム目当てで集まってきたミーハーが中心かというとそんなことはなく、ちゃんと地元「New England Revolusion」のシャツを着た人がスタジアムの大半。意外な人気ぶりに、正直驚きました。お客さんには、特に女の子が多かったです。この国で女子サッカーが普及していることとも関係してるんでしょう。

試合後、地元選手が出てきてサインをしてくれる一幕もあり、4大メジャースポースと比べたら、地元密着志向っぽく(J-leagueにもちょっと似てるかも)好印象でした。(だからといって、公共交通機関を走らせようという発想にはなりません。あしからず。)


3.(引き続き)この国のいい加減さについて

Bostonに行く前日、某銀行のいい加減さについて書きましたが、この旅行中にも何回かいい加減なアメリカ人たちに悩まされました。特にひどかったのはGrayhoundという長距離バス会社。一瞬でもスキを見せると(てか、見せてなくても)、容易にワナをしかけてきやがります。行きも帰りも、危うく置いていかれそうになりました。遅れても全然平気だし。アメリカでGrayhoundに乗られる予定のある方は、ぜひ気合い入れて立ち向かってください。(そういうゲームだと思えば、結構楽しいです。)

さらにいい加減だったのは、レンタカー屋の兄ちゃん。そのレンタカー屋は、Westin Hotelの中にカウンターを構えているんですが、4時閉店のはずが、3時半に行ってみたら既に人影なし。隣のカウンターにいたWestinのベルボーイに聞いてみるも、「僕、レンタカー屋じゃないし、わからへん。もうじき帰ってくるんちゃうの。」とのこと。待てど暮らせど帰ってこないので、もう一度Westinの兄ちゃんにかけあってみると、携帯で呼び寄せてくれることに(最初から、それやらんかい)。そのとき、僕のネット予約が1日ずれていたことが発覚!(←予約した人もわりといい加減。) ぶらぶら戻ってきた(もちろん、まったく謝らず)レンタカー屋の兄ちゃんに、予約日のことにはまったく気づいてないふりをして名前を告げたところ、何のお咎めも質問もなく、普通にクルマを貸してくれることに!「お前が今かちゃかちゃやってるパソコンには、何の情報が表示されとんねん!!」 と言いたくなってしまいましたが、結果往来。しかも、「返す時にはガソリンを1/3以上入れて返してね」という謎な司令が。初期状態でほぼ満タンに入ってたんで、結局、給油せずに返すことができました。

というわけで、この週末も引き続き、この国の人たちはいい加減ですが、いい加減なのも悪いことばかりではないと、改めて思った一日でした。

 = = = = = = = =

こんな感じで2日間をBostonで過ごし、昨日の深夜、このどうしようもない田舎町に帰ってきました。Bostonは、ほんと素敵な街でした。住むのに楽しい街だろうなということもよくわかりました。僕の場合、実際、Bostonの大学にも出願していたわけで、うまくいけばあの街に住んでいたのかもしれませんが、まぁそれはそれ。それに、Bostonだと暮らしていて何が起こるのか、ある程度予想できてしまいそうな気もしました。その点、この街に住んでいると、来る前には想像もしなかったようなことにときどき遭遇できます。「ダウンタウン行ってもなんもない」とか、「大学スポーツ以外に娯楽がない」とか、「ショッピングセンターだけアホみたいにデカイ」とか。その大半は、楽しいことではないですが、知らなかったこと(アメリカの地方都市の実態)を知れるのは楽しいことです。(たぶん)強がりではありません。ただ、2年が限度だとは思いますが…(笑)
というわけで、たまには都会にも遊びに行きたいですが、当面、この田舎町での暮らしと勉強を満喫したいと思います。
p.s. こんなことを書いてる間に、アメリカと日本で大きなニュースが起こってます。それらについても、また感想書こうと思います。
my home, Syracuse, 13:00