Friday, October 31, 2008

Budget Practices Report

たまには(?)学業のことも書いてみます。

水曜午後のPublic Budgetingのクラス(Prof. Kioko)では、一つの地方政府の財政状況を調べて10枚以内のレポートにまとめ、学期末に提出するという課題が出ています。この課題で僕が調べることになっているのは、何の因果か、南の果てのルイジアナ州。もちろん行ったことはありませんし、行こうとしたこともありません(何の因果か友人が一人住んでますが。笑)。最初、「City of Syracuse」という案でもってったんですが、先生に「無難過ぎて面白くない」と言われ、「じゃどこがお勧め?」と聞いたら「ルイジアナ州」と言われたので、そうなったという次第。もっぱら受け身的ですいません…。

Kioko先生(一見日本人かと思いきや、生粋のケニア人です。ついでにいうとKiokoはlast name)とそんなやり取りをしたのは確か9月のはじめ頃。以来2か月、まったく何の準備もしないまま月日は過ぎ去り、気がつけば、先生との「相談会」(生徒一人ずつに会って進捗状況を確認しながら、この先どう進めたらいいかをアドバイスしてくださるありがたぁーい時間)の日が来てしまいました。

さすがに手ぶらで行くわけにもいかないので、一枚紙を作り始めたのが昨日の夜7時。215ページ(!!)のComprehensive Annual Financial Report 2007(通称CAFR。基本的にどの地方政府も発行してるそうです)を拾い読みしながら、アタマをひねること(鉛筆をなめること??)数時間。今日午後1時の「相談会」までには、なんとか一応のペーパーを書きあげることができました。こういうときの土壇場の強さ(?)を見ると、我ながら、社会人経験ってバカにならないなと思います。

ん?結論おかしい??

さて、「相談会」では、使い捨ての紙皿並みに底の浅いペーパーにもかかわらず、Kioko先生からは、ありがたぁーーーい(←本気で言ってますよ)アドバイスをたくさんいただいて帰ってきました。その結果、レポートはこんな流れで書くことに。

【テーマ】 2005年のHurricane Katrinaが州財政に及ぼした影響
【調べる中身】
・ FY2003/04~FY2010/11の州予算を通して見て、収入・支出及びFederal aid(連邦政府からの補助金)の増減をトレンドでとらえる。(収入↓、支出↑ となってるはず。)
・収入↓+復興費↑の結果、どの行政分野で"cut back"(予算の切詰め)が起こったかを調べる。
・復興が一息ついて、始まりつつある、Fiscal Recovery Planの進捗状況・今後の方針について調べる。
【視点】
報道では、州政府の対応の遅ればかりが報じられていたが、そうならざるを得なかった財政的な制約はなんだったのか、という視点で分析してみる。
【Policy Recommendation】
災害後の財政的混乱を避けるために地方政府が平時からしておくべきことは何か、結論の中で触れる。
【参考となる機関】
Center on Budget and Policy Priorities
The Urban Institute
・その他、ルイジアナ州ローカルのthinktanks

いまこうやってまとめなおしてみると、「中身」と「視点」があんまり関係ない気がしないでもないですが、まぁその辺は適当にやってみます。

ちなみに「相談会」の最後にKioko先生から言われた一言は、

"Anyway, please don't postpone it."

えぇ…、おっしゃるとおりでございます…。「だって気乗りしないんだもん」とか、「エネルギーの勉強やってたいっす」とか、「ルイジアナのことはY君(←ニューオリンズ在住)に任せた!」とか言わずに、地道に頑張ります。はい。

今日は、ノーベル賞受賞経済学者のStiglitz博士(僕ら世代の経済学徒には、バカ売れ教科書の著者としての方が有名!!)が、昨日の国連総会で、"the current economic crisis should provide an opportunity to reassess global economic arrangements and prevalent economic doctrines"と発言したという記事についても触れたかったんですが、長くなりそうなのでやめときます。とりあえず予告だけ。

さて、今夜は皆さんご存じのHalloweenです。8時からMaxwellのHalloween Partyがあるので、いちおう仮装して行ってきます。どんなノリで行ったらいいのか、若干(いや、相当、だな…)不安なんですが、結果は明日のブログにて。
my home, Syracuse, Oct 31, 16:59

Thursday, October 30, 2008

Thursday's Lecture Meetings

他の大学がどうなってるのかは全く以て知りませんが、僕の通うシラキュース大学(SU)は、金曜日にはほとんど授業がありません。人もまばらで、すっかり週末モードになります。というわけで、その前日の木曜日は「半ドン」的な位置づけに。(え?もしかして「半ドン」知らない世代??) ゲストスピーカーによる講演会も、木曜日に開かれることが多いです。

そんなわけで、今日は二つの講演会に出てみました。が、残念ながら二つともイマイチ。。。ひとつは自分のせい、もうひとつは講義のせい(?)で。

「自分のせい」というのは、英語がまるで聞き取れなくて睡魔と闘うので必死でした、という毎度ながらの情けないお話(この手の話を書くと、毎回、心配のメールを何通かいただいてしまうのですが、ここに書いてるほどには思い詰めてませんので、どうぞご心配なく。てか、思い詰めろって??)。

Daytonさんという、ペンタゴンの戦略将校による中東情勢のお話だったんですが、軍人さんだからなのかなんなのかよくわかりませんが、話すスピードがやたら早いし、難しい話が続くしで、開始2分で睡魔に襲われ、最初から最後まで、ほぼ1時間ぶっ通しで意識朦朧状態でした。感想は…とくにありません。てか、何か言えるほど聞けてません。強いて言えば、寝てるところを撃ち殺されなくて良かったと思います。(←偏見の塊)

「講義のせい」というのは、Climate Changeのリレー講義。4回目の今日はWilcoxen先生による「温暖化と経済」のお話だったんですが、話が基本的過ぎて、非常に退屈でした。まぁ、そういう基本的なお話を一通り聞こうという趣旨のリレー講義なので、お前の求めてるものが違うと言われればそれまでなんですが。。

京都議定書については、Wilcoxen先生曰く、
  • 国境をまたいで排出権マーケットをつなごうとしたのは大きな間違い。
  • soverign state system(主権国家システム)が世界の基本構造である以上、国際約束の達成は、各締約国それぞれの責任においてなされるべき。
  • soverign statesの上位に位置する強力な権威主体がない中では、各締約国は、不正な又は不十分な議定書施行を行いうる。
  • 不正な又は不十分な議定書施行によって生み出された不良な排出権が市場に出回ったときに、市場全体がcollapseするリスクを負うということは、今回の金融危機が証明済み
とのこと。「いいけどChinaはどうすんのさ??」と聞いてみたら、「確かに、途上国を巻き込むという意味では、(排出権取引制度をベースにしたCDMの仕組みは)これまでのところ("so far")、bestな制度だと思う」と認めてましたが…。

Wilcoxen先生の主張は、alternativeがあまりにも貧弱で、さほど深みがあるとは思えないですが、最後の部分、金融危機と絡めたemission trading批判は、やっぱり来たかという感じがします。もちろん、「アメリカ人に言われたかねぇ」って気はしますが(笑) ただ、今回の金融危機で、この国の人たちも、「市場」というものにさすがに懲りてる(懐疑的になってる)のは確かなので、今後、市場活用型の政策に対して、反動的に、ネガティブな反応を示す可能性も意外と高いんじゃないかなという気がします。
同時に、僕自身、排出量取引という制度の「足まわり」がやや不安に思えてきているのも事実です。この辺については、せっかく時間もあることなので、予断を持たず、じっくり勉強してみたいと思います。
Maxwell School, Syracuse, Oct 30, 20:45

Wednesday, October 29, 2008

Swing States

雪がしんしん降り続いています。地面の上にはまだ積もっていませんが、道の端に止めてある車の上には2cmくらいの積雪が。

帰り際、「雪道大変だろうから送ってってあげるよ」と言われ、ナイジェリア人A君のあとを、とことこついてったら、彼の駐車場は僕のうちよりも、はるかに遠い所にありました(しかも逆方向) 今年の初雪合戦ができたので、まぁそれはそれで良かったんですが。てか、今年あと何回雪合戦やるんだろ(両手両足で足りるかなぁ)…??

さて、大統領選まであと6日、僕の周りでも盛り上がる人はけっこう盛り上がっています。まぁ、いつもと変わらないアメリカ人も意外と多かったりするんですけどね。ともあれ、そんな「盛りあがってるアメリカ人」の代表選手(?)が、英語のクラスのMonica先生。カリフォルニア出身(実家はMac本社から歩いてちょっとのとこらしい)の、いかにも西海岸なノリのお姉ちゃんなんですが、あまりの盛り上がりっぷりに、今日は50分の授業中、残り3分になるまでひたすら大統領選について語り続けていました。たぶん、2,3分のopening talkにするつもりだったんでしょうけど、生徒の質問に答えてる間に完全に火がついちゃったみたいです…。

とはいえ、あくまで全学部対象の英語の授業、しかも半分は学部学生が相手ですから(このクラスは大学院・学部共通)、普段Maxwellで聞くようなマニアックなお話ではなく、でも逆に、それはそれでわかりやすくて面白かったので、ちょっと今更感もありますがメモしておこうと思います。

1.Economical Issues
Monica先生曰く、経済的な側面だけで言えば、富裕層はRepublicanに投票し、中流・貧困層はDemocratsに投票するのがmake senseだ、とのこと。つまりですね、単純に言うと、Republicanは「小さな政府」、Democratsは「大きな政府」を、それぞれ理想に掲げる人たちなので、所得の再分配機能は、当然ながら、Democratsが大統領になったときの方が大きいわけです。よって、金持ちはRepublicanを推し、貧乏人はDemocratsに味方する、という理屈。確かにmake senseですね。

一つ注意が必要なのは、日本と違ってアメリカの金持ちというのは、郊外、あるいは田舎に住んでいることが多いということ。NYCやボストン、シカゴといったごく一部の例を除いて、アメリカのほとんどの都市は深刻なスプロール現象にさらされています(Syracuseもその典型)。よって、都市の真ん中には基本的にpoorな層しか住んでいません。このことから、「都市に強いDemocrats、田舎に強いRepublican」という構図が、ある程度説明できるわけですね。

2.Social Issues
Economical Issuesは、党を選択する基準として非常にわかりやすいんですが、実際の投票行動はもう少し複雑です。事情を複雑にしているのはSocial Issuesの存在。Monica先生曰く、「今日のアメリカの社会問題と言えば、要は、abortion(妊娠中絶の是非)、gay-rights(同性愛者の権利問題)、guns(銃規制)の3つ。liberalな人たちはこれら全部に賛成し、conservativeな人たちはこれら全部に反対する」とのこと。また、「多くのアメリカ人にとって、合理的に説明のつくEconomical Issuesよりも、感情に左右される部分の大きいSocial Issuesの方が、投票の際の決め手になりやすい」とのこと。なるほど…。

当然、liberalな人たちはDemocratsに、conservativeな人たちはRepublicanに投票するわけですが、それぞれ、どんなところに住んでるかというと、liberalsの巣窟はNYC、ボストン、シカゴといった大都市や西海岸、conservativeの巣窟は、言うまでもなく南部です。また、都会と田舎を比べると、都会の方がよりliberal、田舎の方がよりconservativeといった対比も見られるようです。

面白いのは、NY州とイリノイ州。これらの州は両方とも立派な農業州で、それぞれの中心都市(NYCとシカゴ)から一歩外に出れば、広大が農地が広がっています。つまり、州全体がliberalなわけではなく、それどころか、面積的にみれば、州内のほとんどの地域はconservativeだというわけ。ところが、州人口に占めるNYCやシカゴの割合が圧倒的なので、安定的な民主党支持州になっている、ということだそうです。

3.Swing States
日本でもときどき耳にする話ですが、アメリカの大統領選挙は、厳密には直接選挙ではありません。選挙民は「選挙人」と呼ばれる人たちを選び、その選挙人が集まってThe Electoral Collegeという場で大統領を選出するシステムです。今年の場合、前者は11/4、後者は12/15に行われますが、単に「大統領選挙」と言えば、まず間違いなく前者を指します。この日に実質的に大統領が決まってしまうので。The Electoral Collegeは、今やセレモニーに過ぎません。

この「選挙人」、各州に予め決まった人数が割り当てられてますが(最多はカリフォルニアの55人で、最少はバーモントなどの3人、全部で538人)、どこの州も(たぶん)慣習で、「より多くの票を獲得した党の候補に、全選挙人が投票する」というシステムをとっています。つまり、カリフォルニアで勝てば「55票、まるごともってけー」って状況になる、というわけ。そんなわけで、大統領選では、州ごとに勝敗を見ていく必要があり、アメリカのニュースを見ていると、大統領選の何カ月も前から、世論調査の結果を図示したこんな感じの地図にしょっちゅうお目にかかれます。(この地図は、NPRのサイトから拝借。)

民主党=青、共和党=赤、という色分けは、マスコミ各社共通のようで、この赤青mapはどこに行っても見られるので、この国では、民主党支持州のことを"Blue state"、共和党支持州のことを"Red state"と呼んだりもします。

勢力図は毎回だいたい決まっていて、皆さんもご存じのとおり、東部諸州と西海岸はblue statesに、南部と中西部はred statesになるわけですが、最後の最後まで、どっちに投票するか決められない優柔不断な困ったチャンの州も、これまただいたい決まっていて、 "swing state"あるいは"purple state"などと呼ばれています。どこがswing statesかといった厳密な定義はもちろんないですが、wikipediaによると、Florida、Pennsylvania、Ohio、Virginiaが代表的なswing stateとのこと。

NPRによると、このうち、PennsylvaniaとVirginiaはblueに傾いてるみたいですが、Monica先生曰く、「まだまだ油断なんね」とのこと。あの、先生、ほとんど、支持政党、言っちゃってますけど…。

そんなことを気にする様子もないMonica先生、加えて曰く

「私、あの電子投票機ってヤツ、どうも信用できないんだよね…」

共和党系の会社が納入してて、なんか裏でごにょごにょ操作してるらしいという例の疑惑のことですね。今年は、世論調査で既に大きな溝が空いてるので、共和党もさすがに操作はできないだろう(やったらあからさますぎるだろう)と、いちおう言われています。てゆうか、そんなことより、信用できないんだったらアナログに戻せばいいじゃんと思ってしまうわけですが、この辺がこの国の不可思議なところですね。

my home, Syracuse, Oct 29, 24:40

Tuesday, October 28, 2008

First Winter Storm Has Come.

ついに寒波が来はりました。

夜7時過ぎ、おうちに帰ろうと建物の扉を開けた途端、横殴りのミゾレが…。一瞬、雨宿り(みぞれ宿り?)してから帰ろうかと思いましたが、ご近所さんのBostnian、C君が何の躊躇もなく歩き出そうとするので、彼と一緒に歩いていくことに。フード付きのウインドブレーカーを着てたとはいうものの、みぞれ交じりの強風が顔面に吹き付け、15分歩いただけでヘトヘトよぼよぼになってしまいました。

というわけで、初めてのwinter stormから学んでみたこと。

 1.傘はまったく役に立たない(←フードつきのアウターで頑張るしかない)
 2.ジャケット着ててもズボンが濡れる(←みんなどうしてんだろ??)
 3.眼鏡が曇る(←打つ手なし。コンタクト要るなぁ…。)

C君は、家に帰ったら、彼の飼犬(厳密に言うと、彼の元カノが残してった犬)の散歩というお仕事が待ってるとのこと。やっぱC君はやっぱいいやつです。アメリカ人にしとくのがもったいない(うそ)。なんとなくげんなりしてそうだったので、「こんな日は大変だね」って声かけてあげたら「この気候、あと5か月続くよねぇ…」と、げんなりした答えが返ってきました…。


ちなみに、今回の寒波ですが、Nさん在住のミシガンをはじめ、北の方はどこもおんなじ感じなのかと思って天気予報を調べてみたら、(若干、嫌な感じはしたんですが…)見事に局地的!! 右の地図で一目瞭然ですが、合衆国(アラスカ除く)内で雪が降ってるのは、NY州北東部だけ。今更言ってもしゃーないですが、えらいとこに来てしまいました…(苦笑)

天気予報によると、「雨は夜更け過ぎに、雪へと変わるだろう♪」とのこと。古っ!! すいません。しかも、風がびゅんびゅん吹いてて、silentとかholyとか言って喜んでる場合じゃないしね。明日の朝には、1~4インチ(最大で10cm!?)の雪が積もってるそうです。

それにしても、先週末に買物行っといて良かった。。
my home, Syracuse, Oct 28, 21:50

Monday, October 27, 2008

"Hot, Flat, and Crowded" #2

今日もFriedmanの新刊"Hot, Flat, and Crowded"について書きます。「正直興味なし…」という方、すいませんが、もう一日、お付き合いを。

1.American, Journalistic, and Optimistic
この本をFriedman流に3つの言葉で表してみました。

◆American
著者Friedmanは、今月1日に行われた講演(こちらでそのビデオを見れます)の冒頭で"This book is a masquerade as a book about energy and environment, but really it's just a masquerade. This book is actually a bool about America."とはっきり言っています。読んでいてもまさにその通りで、決して、世界の現状を客観的に考察した本ではありません。あくまで、アメリカ主眼で、「アメリカには何ができるか」、「アメリカは何をすべきか」について書かれた本です。

そこには、当然ながら、アメリカ人お決まりの「アメリカこそが世界をリードすべき国だ!!!」という純粋な(幼稚な?)視点が色濃く入っています。そんなもんだと思って読まないと、アメリカ人以外には正直きついと思います。(少なくともドイツ人は「きつい」と言ってました。)

◆Journalistic
これは、この著者の昔からの手法ですが、「こんなことがあった」「あんなことがあった」というエピソードの開陳が、延々繰り返されます。中には「このエピソードから、この結論を引き出すのはいくらなんでも無理があるだろう」というところもありますし、また、そうでなくても、ひとつひとつの議論にそれほどの深みがなかったりします。読者に深く考えさせるというよりは、むしろ、面白ろエピソードとキャッチーなキーワードの連発で、読者の印象に訴えかける感じの筆致。この点も好き好きがかなり分かれるところだと思います。

ただ、最後の2節は、それなりに読ませる内容でしたけどね。

◆Optimistic
10月20日の記事で、授業中にアメリカ人の女の子が「こんな本はgreatでも何でもない。ただ"Go! Go!!"って言ってるチアリーダーみたいなもんよ。」と言ったと書きましたが、確かにそういう面はあります。というか、おおいにあります。

なんでそうなるかと言うと、もちろん、このおっさんの生まれ持った性格もあるんでしょうが、確信犯的にやってる部分もかなりあると思います。

この本の一番最後、411頁に、こんなフレーズがあります。
I guess I would call myeself a sober optimist. ... If you are not sober about the scale of the challenge, then you are not paying attention. But if you are not an optimist, you have no chance of generating the kind of mass movement needed to achieve the needed scale.
つまり、「度を越して(not sober)楽観的になっちゃうと、スケール感を見失い、温暖化の解決なんて屁でもないと錯覚してしまうけども、そもそも楽観的でなければ、行動を起こそうという気にさえなれない」ということを言ってるんですが、このスタンスは僕的にはかなりagreeです。

2.Friedmanの基本戦略
この本での、Friedmanの基本戦略をまとめておきます。昨日の記事でも書いたとおり、「Friedmanの基本戦略」は「次の大統領の基本戦略」と「≒」である可能性が高いんじゃないかと、個人的には思ってます。

戦略の目標は、
① Clean Energy Systemを構築すること。
② ①を通して、アメリカが再び世界をリードすること。

そのためにはどうすればいいか?答えは簡単;普通にやればいい。敢えて「環境のため」、「地球のため」といった概念を持ち出さなくとも、「非民主主義国家へのエネルギー依存からの脱却」、「新たな雇用(grennjob)の創造」という旧来型政策の果実だけで、十分にpayする。

なぜそれができないのか?政治家が石油・石炭業界に操られているから。たとえば、従来型エネルギーに比べ、新エネ・省エネに向けられている補助金はあまりにも少ない。この状況を変えるには、市民権運動のときのように、国民が真剣に声を上げないといけない。国民の後押しがあれば、大統領は、議会の反対を抑えて強力なリーダーシップを発揮することができる。

3.最後の2節
最後の2節(第16節と第17節)は、上にも書いたとおり、なかなか読みごたえがありました。"America"という章名でくくられたこの2節では、「なぜアメリカは変われないのか」、「どうすれば変われるのか」ということについて、著者の考えが展開されています。Americanなこの本の中でも、章のタイトルどおり、とりわけAmericanなこの部分ですが、ここでの著者のAmerica論は、お決まりの"manifest destiny"的視点とは少し趣が違います。

「モノが決まらず、機動性に欠く」、「めいめいが特殊利益を主張する」といった、アメリカ議会民主主義の欠点を率直に認めた上で、"非民主主義国家"中国を引き合いに出し、「一日だけ、アメリカが中国になれれば…(いろんなことを決断できるのに)」とまで言ってのけています。(まぁ、中国に対する強烈な皮肉ではありますが。)

もちろんそれはきつい冗談であって、著者は本気でそんなことを思ってるわけではありません。でも、アメリカ人にしては(?)かなり真面目に民主主義制度の欠点を考察しているのも事実。その上で出された彼の答え(国民の真剣な声→議会の抵抗を抑止→大統領の強力なリーダーシップ という解しかない!!)には、それなりの説得力がありました。

4.Friedman戦略のナゾ
Friedmanの戦略には、3点ほど、「ようわからんなぁ」というところがあります。具体的には、
① greenjobってそもそもなに?
② (伝統的に「大きな政府」を嫌うこの国にあって)財政出動による雇用創出政策が支持されうるのか?
③ ②支持されるとしても、この金融危機のさなかに財源は足りるの?
の3点。

これらについては、時間があればまたじっくり検討してみたいと思いますが、今の時点でわかる(思う)範囲で書いておくと、

①・・・この本の中では、ソーラーパネルの取り付け工事工が例として紹介されてました。そういう建築系の仕事が多いんじゃないかと思います。(建築労働は工場労働と違って、外国に雇用を持ってかれないという意味でも利点。)
②・・・環境・エネルギーの議論とは関係なく、昨今の金融危機を背景に、現代版の「ニューディール政策」を期待する声があるのは事実。その声が高まれば、大恐慌の後にFDRが大統領になったときと同様、「これは異常事態だ」との認識の下、アメリカでも「大きな政府」が受け入れられる可能性は十分あると思います。逆に言えば、今後、景気が悪化して、失業問題が深刻になればなるほど、この政策は行いやすくなるんじゃないか、とも。
③・・・これは答えの出ない議論ですが、最終的に「ドルの暴落さえ起こらなければいい」と割り切ってしまえば、かなりの規模まで財政出動できてしまうんじゃないかと思います。どこまで無理をできるかは、11/15の金融サミットの結果次第かもしれません。

5.読むべきか、読まざるべきか
最後に、お忙しいこのブログの読者の皆様への、独断と偏見に満ちたアドバイスを。

とりあえずこの本の日本語版が出るのかどうかは知りませんが、もし出たとしても、著者の前二著ほどは、バカ売れしないんじゃないかと思います。

ただ、環境屋さんの皆さん、特にアメリカ人とお付き合いされる可能性のある方は、「だいたいこういうことが書かれてある」というエッセンスくらいは押さえておかれる方がいいんじゃないかと思います。話のネタとして。

はっきり言って冗長なので、全部を読むことはお勧めしません。が、上にも書いたとおり、最後の2節は読んで損はないと思います。あと、その後ろについてる"Acknoledgement(謝辞)"も。ここで名前の挙がってる人たちは、年明け以降、政権に近い立場で活躍し始める可能性大だと思います。どんな人の名前が挙がってるか、チェックしておくのも面白いんじゃないでしょうか?


以上、二日にわたってお送りした、Friedmanの新著"Hot, Flat, and Crowded"についての記事でした。
my home, Syracuse, Oct 27, 25:11

"Hot, Flat, and Crowded" #1

昨日も書きましたが、今週は、あしたから3日連続で雪の予報。そんな最中にコートなしで過ごすというのもそろそろ自殺行為だなぁ…と思えてきたので、遅まきながら、冬物衣料の買出しに行ってきました。行先は、(ほかに選択肢もないので、)毎度おなじみ(?)のCarousel Center(知らない方はこちらを)。この巨大モールの中、スポーツ用品店の"Sports Authority"と、アウトドアショップ"Eastern Mountain Sports"を中心に、二時間ぐらい、ぶらぶらしてきました。

で、最終的に、耐寒グッズ(コート、ブーツ、フリース)を買ったのは、"Eastern Mountain Sports(EMS)"の方。なぜならこのお店、学割が利くから。SUの学生証を見せるだけで、15%も引いてくれます(でかい!!)。学生の読者さんにはピンとこない(あるいは、どうでもいい)かもしれませんが、30歳目前にもなって学割の恩恵を受けられるというのはなかなかうれしいものです。

このEMS、日本でいうとmontbellの直営店に雰囲気がよく似ています。店の大きさから、品揃え、果ては店員さんの性格まで。故に、僕的には非常に気に入ってます(笑)。店ん中をぐるぐる歩いていると、欲しいものがいろいろ目に飛び込んでくるんですが、中でも僕がいま一番惹かれてるのはカヌー。学割が利く間に、一艇欲しいなぁ~なんて思いつつ…(そんなもん買ったら、120%、奥さんに怒られますが。)

さて、冬支度も整ったところで、今日の午後は、Thomas L. Friedmanの"Hot, Flat, and Crowded"を読み上げにかかりました。この本については、先週の月曜日に既に一度書きましたが、そのときには、結構辛辣なことも書いてしまいました。でも最後まで読んでみるとなかなか面白い、inspiringとも言える一冊でした。(洗脳されただけかもしれませんが…!?) 本を読みながら、思い浮かんだこともいろいろあるので、今日と(たぶん)明日の2回に分けて、書いてみたいと思います。

最初に、この本について押さえておくべきこと。それは、この本が言っていることは、Obama候補のエネルギー政策・温暖化対策に非常によく似ているということです。偶然?? たぶんそんなことはありません。同一人物(あるいは同一のコミュニティ)が、FriedmanとObamaの両方に知恵をつけていると観る方が自然だと思います。実際にそうだとすると(たぶんそうだと思うんですが)、この本は、次期政権(もう、Obamaが勝つのは間違いないでしょう)のエネルギー・温暖化政策の"予告編"と見ることもできます。また、そう考えれば、9月(←大統領選の2か月前)というタイミングに、この本が刊行されたということにも納得がいきます。

本の概要はこんな感じ。
  • 前著"The World is Flat"で書いたとおり、IT技術の進歩の結果、世界中の国々は、その物理的距離に関係なく、より"Flat"になった。
  • 一方で、現代の世の中には、"Hot"(地球温暖化)と"Crowded"(人口爆発)という二つの大きな脅威が差し迫っている。
  • "Hot, Flat, and Crowded”、この三つの形容詞で代表されるこの時代を"The Energy-Climate Era(E.C.E.)"と命名する。
  • E.C.E.には、以下の5つのkeyとなる問題がある。
     1. The growing demand for energy supplies and natural resources(エネルギー・資源需要の増大)
     2. A massive transfer of wealth to oil-rich countries and their petrodictators(資源国の横暴及びそれら資源国へのアメリカからの多大なる富の移管)
     3. Disruptive climate change(気候変動)
     4. Energy poverty(十分なエネルギーにアクセスできないという意味での貧困)
     5. Rapidly accelerating biodiversity loss(生物多様性の破壊)
  • これらの問題に対する共通の解決策は"Clean Energy System"を作ること。そのシステムは以下の3要素から成る。
     イ) Clean Electrons (クリーンな電気)
     ロ) Energy Efficiency and Resource Productivity (エネルギー効率および資源生産性)
     ハ) An Ethic of Conservation (節約倫理)
  • Clean Energy Systemを構築することは、経済的にも理にかなう。なぜならこの新システムは、新たな雇用(greenjob)を産み出すから。
  • しかし、米政府は、従来型エネルギー産業(石油・石炭)のロビイストにコントロールされていて、本来講ずべき政策をほとんど実行に移せていない。
  • 政府の態度を変えさせるためには、「このまま現状を放置していては持ちこたえ切れない」と政治家たちが感じるくらいに、民衆が声を上げる必要あり。市民権運動のときのように。
  • ところが、昨今の多くの環境活動には、市民権運動の時のような真剣味が感じられない。むしろ、「民主主義」の名の下に、各主体が好き勝手なことを言い、その結果、何も決められずにただただ時間を消化しているというのがアメリカの現状。NIMBY(Not in my back yard)よりもっとひどいBANANA(build absolutely nothing anywhere near anything)の状態だ。
  • この現状を打破するため、アメリカも中国のような非民主主義的な国家になるべきだ、とまでは言わないが、強力なリーダーシップを発揮できる大統領の下、"Department of Energy"が本当の意味でエネルギー政策を立案する役所となって(いまはほとんど、核兵器の管理しかしていないというのが著者の主張)、講ずべき政策を講ずる必要がある。
  • アメリカは、この問題に対して、WWIIのときのように、国を挙げて立ち向かう必要がある。ただし、WWIIは単なる"obligation"(義務)であったのに対し、E.C.E.は"obligation"であると同時に"opportunity"(日本語で言うところの「(経済的)チャンス」)でもあるのだ。

多少、主観が混ざってるかも知れませんが、だいたいこんな感じだと思います。

あしたは、この本について、読みながら考えたことを中心に書こうと思います。あした…?うん。たぶん明日。。。

my home, Syracuse, Oct 26, 27:25

Saturday, October 25, 2008

A chance of snow showers...

陰気な天気です(―。―;) 雪こそ降っていませんが、濃淡のない灰色の空からは、冷たい雨がしとしとと。。

来週は晴れるかなぁ…と思って天気予報を見てみたら、雪の予報ばっかしでますます萎えてしまいました。バークレー在住S君のブログを読むと、更に萎えれます(笑) S君曰く、「唯一季節の変わり目が感じられるのは、リス君。彼らは、冬の間の食糧を求めてか、大変活発に活動をされています。」とのことですが、はっきり言って全然甘いです。シラキュースのリス社会は、深刻な寒波の到来を目前に、最近、めっきり荒んでます。仲間うちの抗争が絶えません。今朝も登校途中にリスA、リスB、リスCによる三つ巴のなわばり争いを目撃してしまいました。ああ、なんとおぞましい…ということはなくて、結局リス君たちは、ケンカしててもコミカルなんですが(笑)

同い年の韓国人のクラスメイトY君に、「Law Schoolの図書館がイケている」という耳寄り情報をいただき、今日は朝からLawの図書館に居座ってます(このブログには、“超いいやつ”がたびたび登場しますが、彼もたぶん“超いいやつ”です。)。トイレが遠いことと、若干寒いことを除けば、Maxwellよりかなり立派な環境です。良い場所、覚えました。

今日はここで、朝からVanSlyke先生のAssignmentをやってました(来週火曜日提出)。課題の概要はこんな感じ。

1.ケーススタディを読む。ケースは、「George Babbittというおじちゃんが、1997年にAir Force Material Command(空軍本体にメンテナンスやロジスティックスのサービスを提供する組織らしい。)のトップとしてやってきて、徹底したコスト切り詰めに成功しました」という8ページくらいのお話。
2.設定・課題を理解する。
 Who you are:Babbittの下でAFMCの組織改革に携わった元AFMCの職員。最近、国務省に引き抜かれてきた。
 Who your boss is: 国務省の副大臣。国務省の組織改革に乗り出そうとしている。
 What to do: 部下として仕えた経験をもとに、Babbittの改革に関し「機能したことは何か」「機能しなかったことは何か」「また、その理由は何か」を、A4一枚紙にまとめる。その際、国務省の組織改革の検討を行う上で有効な情報にフォーカスすること。
3.頑張って書く。

英語の問題もあるんですけど、なんか設定がやたら複雑なんですよね…。(上に書いた状態まで理解するのに結構時間がかかる。) 書きながらもいろんなことを気にしないといけないので、多元方程式を解いてるような感じで、そのうち頭が追い付かなくなってきます。そうすると「うーん、もうこんなかんじでいいや」ということになります。(なったので、いま、ブログを書いてます。)

この課題をやってるときもそうだったんですが、アメリカに来てから、脳みその中の「メモリ」のサイズを意識させられることが多いです。日本にいるときはそれほどでもなかったんですが(法律読む時は意識させられましたが)、英語でモノを読み書きしてると、それだけで「メモリ」の大半を持ってかれて、残りのわずかな部分で論理構成をしないといけないということになるので、正直、かなりまいってます。

もちろん、英語に慣れるとか、パターンを暗記していちいち考えなくてもいいようにするとか、対応策はいろいろあるわけですが、メモリそのものを拡張することは、たぶんできません。(まぐろの目玉食べれば大きくなるのかなぁ??) そんなわけで、頭がいい悪いの本質は、結局、このメモリのサイズなのではないか…と思って(凹んで)いる、今日この頃です。

なんかどんどん気温が下がってきましたが(苦笑)、今日はもうあと数時間、ここで頑張ってみます。
Law Library, Syracuse, Oct 25, 18:22

Three Big Social Problems in US

円ドル、一時はすごいとこまで行きましたね。昨日、このブログを書き始めた頃には確か98円台くらいだったと思うんですが、みるみるうちに下がり始めて、僕が寝る直前には92円台に!! 思わず実家の母上に送金をお願いしてしまいました(ネットでオーダーできるサービスに日本で入ってこなかったのが悔やまれる…)。

なんで東証の株価は毎日がんがん下がってんのに、円のレートはこんなに高騰してるのか―。そんな話は、僕みたいなド素人のブログを読んでいただくよりも、プロのサイトをググっていただく方がよっぽど効率的なわけですが、僕自身の備忘録のつもりでごく簡単に円高の理由を書かせていただきます。

一言で言うと、「円キャリー取引の解消」が今回の円高の原因。もうちょっとだけ詳しく書くと、たぶんこんな感じです。

日本の金利は、いまだに世界の中でも異様に低いので、誰かからお金を借りて投資をするなら、日本でお金を借りるのが一番トク。だから世界中の投資家がこの手法(「円キャリー取引」と言います)をつい最近までバンバン利用していました。円キャリー取引をする海外投資家は、日本で借りたお金(日本円)を外貨(ドルとかユーロとか)に替えて投資に回すので、円キャリーは、円売り・外貨買い(⇒円安)を助長します。

ところが、昨今の金融危機で大損をこいたのが欧米の投資家。彼らは当座の現金を必要としており、そのために、手持ちの投資案件のいくつか(又は全部)を引き揚げざるを得ない状況になっています。円キャリーで投資していた案件を引き揚げるためには、最終的に円に戻して借りたお金を返さなければなりません。このため、円に対する需要が発生し、ドル・ユーロに比べて相対的に円高になっているというのが、今の円高の基本的なメカニズム、なんだそうです。

ただし、24日付の日経の記事によると、第一生命経済研究所は「今の状況は『異例中の異例』」との見解を示しており、「今後、ドル安へ向かうとのシナリオを描」いているとのこと。この予測が当たっているとすると、週明けには、95円より安い水準に戻しているかもしれません。

ただ中長期的にみれば、アメリカの要望で、日本円の(相対的な)高値が政策的に維持される(維持させられる)といった事態も考えられるんじゃないかと思うんですが、日本経済も決して好調とは言えない今の状況では、そんなことはあり得ないんでしょうか?11/15の金融サミットで、何かが起こるのでは?と勝手に思ってるんですが。


話はぜんぜん変わりますが、今日はクラスメイトのD君の誕生日でした。というわけで、郊外のイタリア料理屋さん(Olive Gardenというチェーン店)で誕生日会9一次会、Euclid Ave.の友達のおうちで誕生日会二次会をやって帰ってきました。(例によってお酒は一滴も飲まず。笑) D君の誕生日会とはいえ、参加者が20人もいてれば全員が常時D君と絡んでいられるわけでもないので(それができたたらD君は聖徳太子越え!!)、あちらこちらで適当なおしゃべりが始まるわけですが、目下の一番の話題は、来週金曜日に迫ったHalloweenのcostumeの話題。

去年のMaxwellのHalloweenパーティの写真がメールで回ってきてたりもしたんですが、結構みんな気合入ってるんですよね…。どんなかっこで行けば、寒すぎもせず、痛すぎもしない、素敵な東洋人とみてもらえるのか(どんなreputationを期待してるんだ…??)。それが何気に、最近の一番の悩みの種でだったりします。平和な悩みですいません…。

そんなことを言いつつも(そんなこと言ってるから??)、今週末はやることが満載です。冬もの衣料もいい加減買いに行かないと、ほんとに凍死しちゃいそうだしなぁ…。ちゅうわけで、明日はあまり気を抜かず、ウィークデイの気分でお勉強に励んでみます。
my home, Syracuse, Oct 24, 26:17

Thursday, October 23, 2008

Office Hour

Fall Semesterが始まって早や2か月。「今さらかい?」と言われそうですが、今日はじめて、"Office Hour"なるものにお邪魔してきました。訪ねみてたのはStatistics(どうでもいいですが、アメリカ人は"Stats"と略します)のLopoo先生。訪問の目的は、今朝の授業で却ってきたmidterm examの解答についての「質問」。ありていに言えば「クレーム」。もっとありていに言えば「もっと点くれ~」という相談(笑)

彼のoffice hourは、木曜日の15:30~16:30。というわけで、今日の15:35頃に行ってみたら、既に3人の先客が。こういうときのアメリカ人はとことん納得いくまでしゃべるものなので、これは長くなりそうだと覚悟を決めてマガジンラックからEconomistの最新号を拝借。(Faculty用の部屋だけあって、そのあたりのインフラは非常に充実しています。僕ら修士用の自習室とは雲泥の差。。) 約束をしていた友達に「4時頃には戻る」といって出てきただけに、ちょっと気にはなったんですが、やむなくそのまま過ごし、結局僕の番が回ってきたのは4時45分。おかげでEconomistはたっぷり読ませていただけましたが…(てか、わからん単語多すぎ。。)

Lopoo先生は、今学期受講している5人の先生の中で、一番好きな先生。頭がよく、ユーモアもあり、人間的にきちんとしていて、かつ、「教える」ということに真面目な情熱を傾けている人です。(この点は、日本の大学でも同じですが、"教育者"としての役割に重きを置くか、"研究者"としての役割に重きを置くかは、アメリカでも先生によって結構まちまちだと思います。)

拙い英語でしゃべる僕の説明を、嫌な顔もせず丁寧に聞いてくれた上で(ちなみにこの国では、露骨に嫌な顔をされることもたびたびです。)、「そうか、そいうことか。それなら君の回答は非常にmake senseだ。読んだだけでは意図をくみ取ることができなかったが、いま君の説明を聞いて、君の回答は非常によく書けていると思った。いま説明してくれた内容が答案中に示されていなかったので、その分の〇点は引かせてもらうが、残りの△点は君に返そう。」てなことを言ってくれた彼。アメリカ人特有の誇大広告的誉め言葉だとは分かっていても、先生から真面目な顔で「非常によく書けている」なんて言われると、なかなかうれしいものです(笑)

2つの問についてそんなふうなやり取りをした結果、100点満点のテストで8点(!!)が返ってきました。テストの成績云々は、正直あんまり気にしていませんが、拙い英語ながらも(…)教授にこちらの要求を伝えてそれなりの成果を得れたことが、ささやかにうれしかった瞬間でした。(低レベルな喜びですいません。。。)

今日の午後(Lopoo先生を訪問する前)は、お隣の大学、SUNY-ESF(the State University of New York College of Environmental Science and Forestry)にDr. John Holdrenの"The Science and Economics of Sustainability..."と題する講演会を聴きに行ってきました。このHoldren博士、もともとは工学畑の人で、その後、技術政策、環境政策の分野に転身、1996年までUCバークレーで教えた後、ハーバードのケネディ・スクールに移り、今もそこで、温暖化政策を中心に教えているそうです。今日の講演会には、約200人収容の教室に250人以上が集まり、立見客(うち一人は僕)も出る盛況ぶりでした。


講演の内容は、

sustainable developmentには、3つのparamounts(最重要事項)がある。economyとcivil societyとenvironment。sustainable developmentの達成のためには、どれ一つとして欠くことはできない。かつ、三者はinterconnectedである。

temperature(気温)は、climate changeの進行の度合いを示す最重要indexの一つであるが、やはりindexの一つに過ぎないのも事実。climate changeの影響は、気温に限らず、多方面に現れるのであり、その意味ではglobal warmingという言葉はmisleadingly。私は"global warming"の代わりに"global disrupting"(全地球的なかく乱)という言葉を使うようにしている。

といった博士の主張のほか、気候変動に関して、今何が起こっているか、また、今後何が起こるか、についての科学データが紹介されていました。

確かに、話は上手だったんですが、内容的には、あまり目新しい話がなかったのは残念。その中で、ではありますが、比較的面白いなと思ったポイントを2点、紹介しておきます。

一つは、博士が"McKinsey Curve"と呼んでいたもの。左の図がそれなんですが、コンサルティングファームのマッキンゼーが2007年に作ったもので(今年の夏にリバイスされているとか??)、各個別技術によるCO2排出削減可能量(=その技術を用いてどれだけのCO2を削減できるポテンシャルがあるか)と、CO2排出削減単位コスト(=その技術を用いてCO2を1t減らすためにいくらかかるか)をひとつのグラフの上に示し、ミクロ経済学でいうところの「(CO2排出削減の)Marginal Cost(限界費用)曲線」を実証的に導出したものです。帰ってきてネットで調べてみたら、この論文で紹介されていました。(このブログの読者さんの中には、とっくの昔にご存知の方もいらっしゃると思いますが…。)

興味深いのは、一定レベルの削減まではマイナスの費用(=利益)が伴うということ。この論文、時間を見つけて、一度読んでみたいと思います。

もうひとつは以前にもこのブログで書いた"clean coal"のお話。講演後の質疑応答の際、「clean coalの推進についてはどう思うか?」との質問に答えて"We need clean coal technoloy, because we have too much coal and coal is too much cheap. "とおっしゃっていました。要するに、「本音としてはやりたくないんだけど、状況から言ってやんないわけにはいかないよね」ってことなんだろうと思います。この一言は、僕もとても納得できるものでした。

p.s. このブログを書いてる間に、円が1$=96円の壁を軽々越えてったことに、若干ビビってます。個人的にはもちろんうれしいんですけど、円高、来てますね…。
my home, Syracuse, Oct 23, 24:54

Wednesday, October 22, 2008

Bretton Woods, again?

生まれてはじめてペペロンチーノを作ってみました。作ってみてわかったんですが、「ペペロンチーノ味」って、ほとんどお塩とニンニクとオリーブオイルだけでできてるんですね。参考にしたwebサイトが「オリーブオイルの質にはとことんこだわれ」と書いていた理由がよくわかりました。何事も自分でやってみないとダメですね。今週末、そのwebサイトお勧めの「エキストラバージンオイル」なるものをWegmansに買いに行こうと思います。ともあれ、今日のところはそこそこ満足。ほし2つ、くらいかな。。。☆☆★

今日は久々に経済について書こうと思います。

一時の毎日が臨時ニュース状態からは一息ついた感がありますが(慣れただけ、という説も。)、金融市場(Wall Street)から始まったrecessionは、確実に実体経済(Main Street)に波及しつつあるようです。今日のNYダウ平均は、大幅続落の$514安、$8,519という5年4か月ぶりの安値で取引終了したとのこと。日経平均も、23日午前の取引で今年最安値を更新したみたいですね…。


このままジリジリ、世界的な不況が進んでいくのはもはや避けられないと思いますが、世界の関心の中心は、これ以上の大規模な金融危機を防げるかどうか、という点に集まっています。というわけで、来月15日には、ワシントンD.C.に主要20カ国の首脳が集まり、「金融市場の規制や改革に関する共通基本原則で合意を目指す」(by CNN.co.jp)会議が開かれることが今日、米政府から発表されました。

この会議、もとはと言えば、先週、EU各国の首脳がブラッセルに集まって「緊急サミットが必要だ」との見解で合意し、週末、現EU議長国フランスのサルコジ大統領がブッシュのもとを訪ね、開催の了解を取り付けたもの。先週14日付のReutersによると、

As current EU President, Sarkozy will seek the backing of the other 26 states to
hold an international conference as early as next month on reforming the world
financial order that was put in place by the 1944 Bretton Woods conference
.

とのこと。つまり、第二次大戦後の国際通貨体制を規定したブレトン=ウッズ体制を根底から作り直すくらいの抜本的な改革(reforming)が必要だと言っているわけです。

その「抜本的な改革」が具体的にどういうものを指すのか、昨日今日のニュースではあまり詳しく報じられていませんが、このブログでもときどき紹介している田中宇氏のメルマガ(10月17日号)によると、「今後の世界体制(※ぼく注:11月の会議で定められる体制)は、世界を地域ブロックごとにわけ、各ブロックごとに基軸通貨を設け、それが固定相場制で相互につながることを含みうる」体制になるかもしれないとのこと。

僕が生まれたのは1973年(=変動相場制に移行)の5年後なので、EUROの登場という大事件があったものの、実際のところ、米ドル基軸通貨による変動相場制の世界しか知りません。もしこれが、田中宇氏の予測するような体制に転換するとしたら、それは本当にエポックメイキングな事件だなぁと思います。日本にとって、世界にとって、それが良いことかどうかは別にして。。

そしてその週末、なんと僕、D.C.にいる予定なんですよね...。だからどうってわけでもないんですが、歴史の転換点になるかもしれないタイミングで、その場所(街)に居合わせられるということに(不謹慎ながら)今から些かワクワクするものを感じております。

金融危機が世界のニュースをさらっていってる一方で、約1か月半後に迫った今年のCOP―気候変動枠組条約(UNFCCC)締約国会議―は、ここ数年に比べ、世界的に盛り上がりを欠いているように思います。温暖化のギョーカイは、このブログの読者さんの中にも、バリバリ現役の方がたくさんいらっしゃるので、あまり適当なことを書くと怒られてしまいますが、少なくともアメリカから見ている限り、残念ながらそう言わざるを得ないかなと。また、(環境サイドの)誰が悪いということでもなく、現下の世界の状況を鑑みれば、むべなることかなとも思います。

ドイツの代表的週刊誌デア・シュピーゲルの10月21日付web記事は、"EU Climate Stalemate Could Threaten Global Deal"(EUの気候変動問題をめぐる膠着状態は世界的問題を危うくさせるかもしれない)と題し、
Time is running out. If the European Union is unable to resolve internal differences over its ambitious emissions reduction plan, then global climate talks could suffer, say experts. The world needs European leadership.
と書いていました。EU各国に、奮起と決断を促す内容の記事でしたが、逆に言うと、それだけ議論がこう着しているということ。ここ数年、世界の温暖化対策をリードしてきたEUも、今年ばかりは「正直それどころじゃない」という正念場に立たされているんだろうと思います。

あまり思いつきでしゃべると、それこそ、プロの皆さんに怒られてしまいますが、最近、何となく思っているのは、もしかするとこれから先の温暖化対策のけん引役は、EUからアメリカに移るんじゃないかということ。また、それに伴って、議論の比重は、温暖化対策そのものから、(コインの裏面である)エネルギー政策に移り、かつ、中心的な政策手法は、市場活用型のもの(排出量取引)から(雇用対策とも深くリンクした)財政出動にシフトしていくんじゃないか、と。。。

その点に関しては、こないだからときどきこのブログで(否定的に?)紹介しているFriedman氏が、NYTに「金融危機が温暖化対策を終わらせるんじゃない。逆に、温暖化対策こそが金融危機に終止符を打つことができるんだ」という内容のコラムを掲載していました。なぜ僕が、上に書いたように思ったか、Friedman氏の近著("Hot, Flat, and Crowed"。言ってることは、そのコラムと完全に同じ。)の内容と併せ、近々、また詳しく書きたいと思います。

p.s. 今朝は雪は降りませんでしたが、明日も予報は雪です。最低気温-2℃。あと一週間もしたら、これが普通になるんだろうと思いつつ…。
my home, Syracuse, Oct 22, 25:01

Trip to Canada #3

「どんだけぶりやね~ん」という話ですが(8日ぶりです!)、ようやくまとまった空き時間ができたので、今日はカナダ報告の3回目をお送りします。

<前回までのあらすじ>
愛車CR-Vを駆って、一躍、隣国カナダの首都に乗り込んだ〈僕〉。そこで待ち受けていたのは、「国境の南」とは似ても似つかない想像を絶する美しい光景であった。異国の地、Ottawaで〈僕〉が目にした光景とは…?? (写真は
こちら

1.カナダ人について
旅行から一週間がたって、ホント以上に記憶が美化されてる可能性は無きにしも非ずですが、少なくとも今思いだす限りでは、僕が言葉を交わしたカナダ人たちは、みんな、本当に気持ちのいい人たちでした。彼らに嫌な思いをさせられたことは一度もなかったです。「国境の南」の、とある国の人たちとは違って…。

アメリカ人って(←早速実名挙げてますが)、根が嫌みったらしいとか、陰湿とか、凶暴とか、不潔とかそういうことではないんですが、とにかく人との接し方がぶっきらぼうなんですよね。人と人との交わりががさがさしているというか…。それに比べてカナダ人の応対のなんと丁寧なこと!! それに、彼らの態度・表情からは、そういうコミュニケーションを自然に楽しんでいる印象を受けました。アメリカが「がさがさ」だとすると、カナダは「まろやか」って感じかなぁ。この感じ、伝わってますでしょうか…??

2.Ottawaの自転車交通事情
首都Ottawaの自転車交通事情は、「素晴らしい」の一言に尽きます。 Ottawa市と、Ottawa川を挟んだ対岸のGatineau市には、自転車道が張り巡らされていて、サイクリングが観光の目玉の一つになっています(左は、観光客向けのサイクリングマップ)。観光客にもサイクリングをお勧めできる先進国の首都って、そうそうないのでは?? (H君の住んでるアムスはその一つですね。笑)

Ottawa市とGatineau市を結ぶAlexandra Bridgeには、当然のごとく、広々とした自転車道が併設されていますし、Gatineau市内の住宅地に入れば、 自転車道は車道から独立します。超快適。そのまま自転車を走らせると、国会前(つまり首都の中心!!)からわずか15分で、自転車道はきれいな小川を渡り、更に走ること20分、自転車道はついに国立公園(Gaitenau公園)に至りました。



更にすごいのは、自転車道が自動車道をぶち抜いてるということ!!!(上の写真参照。) 自転車もついにここまで上り詰めたかと、思わず感慨にふけってしまいますが(ふけりません?)、実は、ちょっとしたカラクリが。

Ottawa & Gatineau市内の住宅地には、いたるところに人工的な行き止まりがあります。何がどう“人工的”かというと、もともと普通に一本の道だったところ、敢えて道のど真ん中に生垣なんかを作って、dead endにしているというもの。上の写真の場所では、生垣ではなく、自転車道が自動車道のdead endとして使われているというわけです。

それにしても何故に?? という話ですが、たぶん、これ、住宅地内の生活道路が、幹線道路のバイパスとして使われるのを防いでるんですよね。カシコイ!!  とはいえ、もともとつながってた道を敢えて遮るなんて、市当局としてはなかなか勇気のいる判断だったと思うんですが、それを実行できてしまうところがこれまたすごい。一層、カナダにほれ込んでしまいました。

ちなみに、僕のカーナビ(「国境の南」で購入)は、「人工的行き止まり」を認知できないらしく、彼の言うことを信じて走っていたら、Ottawa滞在中に二度ほど、dead endに送り込まれてしまいました。とほほ。

3.カナダのフランス語事情
英語・仏語のバイリンガル国家として知られるカナダ。首都Ottawaでは、ほぼ完全に両国語表記が用いれています。当たり前の話ですが、これって単純に言うと、普通に一ヶ国語で書くのの倍のスペースがいることになるわけで、看板を作ったりするのはなかなか面倒くさいんじゃないかと思ってしまいます(両方公用語なので、どっちかを小さくするわけにもいかず…)。ただ、そこは生活の知恵で、カナダ人も多少の省力化を試みているようでした。

どういう省力化かというと、仏語と英語で固有名詞をサンドするという秘儀。たとえば、さっき出てきたAlexandra Bridgeを例にとると、英語では「固有名詞(Alexandra)+一般名詞(Bridge)」という語順なのに対し、フランス語では「一般名詞(Pont)+固有名詞(Alexandra)」という語順になるので、"Pont Alexandra Bridge"と書けば、ささやかながらスペースを稼げる、というわけ。街中のいろんな看板が、このシステムを採用していて、Gatineau公園は"Parc de la Gatineau Park"、Ottawa川は"Riviere des Ottawa River"という具合。中には"Canal Rieau Canal"(リドー運河)なんてのも。日本人の目から見ると「さすがにこれはどっちかだけでええやろ」と思ってしまうわけですが、このへんは、政治的になかなかそう簡単ではないんでしょうね。

ちなみにOttawa川がOntario州との州境になっていて、対岸のGaitenau市からは仏語圏のQuébec州。というわけで、橋を渡ってGaitenauに突入した途端に、完全に仏語がdominantになります。こんなにも英語がきれいさっぱり消え去るものかと、結構新鮮な驚きでした。

4.(おまけ)カナダ環境省をのぞいてみる。
サイクリングルートを少しはずれて、カナダ環境省(Environment Canada)に立ち寄ってみました。といっても、土曜日だったので、ビルの入口からして閉まってたんですが…。カナダ環境省は、Ottawa市内ではなく、Gaitenau市(の一番Ottawaに近いところ)にある連邦ビルの一つに入っています。とはいえ、ビルの外には環境省の看板はなく、本当にそん中に環境省が入ってるのかどうか、自分の目で確認することはできず…。その代り連邦ビルのすぐ横で見つけたのが、この赤いスノーボードショップ!!(右の写真。後ろの白いビルの8階が(たぶん)環境省。)その距離わずか徒歩1分!! 一段と、カナダが羨ましくなった瞬間でした(笑)

5.総括
既に長々と書いてしまったので、手短に書こうと思います。カナダがいろんな意味でアメリカと違うという話は、当然、行く前からいろいろ聞いていましたが、実際行ってみて思ったのは、想像していた以上に両国のギャップはデカいということ。理由はいくつか考えられて、①国民の所得格差が少ない、②本国と戦火を交えていない→米国のように英国(ひいては欧州)のアンチテーゼを追求する必要がなかった、③仏語圏文化の影響、など挙げられると思いますし、たぶん、そのどれもが一因なんだろうと思います。

一方、逆にカナダという鏡に照らしてアメリカという国を見てみると、この国(アメリカ)は、libertyとdemocracyの追及という自らのレゾンデートル(だとアメリカ自身は信じている)に、無制限に固執するあまり、あまりにもいろんなものを犠牲にしているんじゃないか、という気がしてきました。

世の中に「完全なるもの」がない以上、完全なるlibertyやdemocracyを(建前だけにせよ)追い求めようとすれば、必ずどこかに矛盾が出てくるはず。Canadaは、経験的にか直感的にか、そのことに気づいた上で、妥協すべきところは妥協して、調和のとれた国家を築いているような気がしました。(たとえば、カナダ国会は二院制ですが、上院議員は選挙によって選ばれるのではなく、首相の助言に基づく総督の任命によって選ばれるという、ある意味、民主的でないシステムを今も維持しています。) というわけで、アメリカという国をさらに深く考える意味でも、有意義な3日間でした。

以上、カナダ旅行報告、終わり。

ときにここで深刻な問題が。Syracuseの天気予報が、ついに「雪」になってしまいました!! まだ11月にもなってないんですけど…(泣) 数時間後が心配です。。。
my home, Syracuse, Oct 21, 25:38

Monday, October 20, 2008

Her wepon is...

先週金曜日の記事に登場した、しゃべりだしたら止まらないドイツ人少女(?)Vちゃんの話の続き。今日、授業の休憩時間に、Vちゃんと、アメリカ人C君と3人で、コーヒーを買いに行ったときのこと。

Vちゃん: 最近、ジージー鳴く虫、やたら出没しない?
Cくん  : する。
ぼく   : ??? (←そんなん見たことない。)
Vちゃん: あれ、うざくない??
Cくん  : うざい。 (注:C君は、アメリカ人のわりに騒がしくない非常に良い感じの青年です)
ぼく   : ・・・・・ (←ようわからんから黙ってる。)
Vちゃん: あれ見つけたらどうする?
Cくん  : うざいけど、ほっとく。
Vちゃん: わたしは殺す派。
Cくん  : (かすかに引きつつ)つぶしたら壁にstain(シミみたいなの)残らね?
Vちゃん: と思うでしょ。私、いい方法発明したんだ!
Cくん  : How?
Vちゃん: トイレットペーパーをロールごと投げてあれにぶつける。
      そうすると、あれは一撃で殺せて、しかも紙がstainを吸ってくれるから壁には跡が残んないの。すごくない!!?
Cくん  : O,oh, it's cool... (←完全にひいてる)
ぼく  : ・・・・・ (←この人もひいてる)

Vちゃん、普通にかわいらしい顔してるんですが、なかなかの逸材かもしれません。今までちょっと注目不足でした。今後、要checkです。

さて、今週は、土曜日に英語でうなされた甲斐もあってか(詳しくはこちらを)、英語のリスニングがなかなか好調です。毎週、やたら苦しんでいる月曜ひとコマ目のLambrightの授業(Energy, Environment, and Resource Policy)も、普通に聞くことができました。

聞けてみて思ったことは、この授業、意外とたいしたことないかも…。おいおい、今更かい。。 どうたいしたことないかというと、Lambright先生が「ここポイント」って力を込めてしゃべってるポイントが、どうも僕にとっては当たり前に思えることが多いんですよね…。いま教材に使ってる本(Friedmanの"Hot, Flat, and Crowded")がそういう本だからなのかも知れませんが、その本のことを「Greatな本だ」と手放しで評価してるあたり、まぁLambrightもそのレベルなのかなと。(←どんだけ上から目線やねん!!)

「私、エコロジストです」オーラをガンガンに放っている、アメリカ人の超オシャレな女の子(もちろんPCはMac)は、「こんな本はgreatでも何でもない。ただ"Go! Go!!"って言ってるチアリーダーみたいなもんよ。」(※ 応援団関係の皆様、僕の発言ではありません。あくまで、そのお姉ちゃんがそう言ったということです。僕個人としてはまったく他意はありませんのでどうぞあしからず。)と言い放ってましたが、一方で、そのお姉ちゃんは、途上国の「発展する権利」には全く以て不寛容で、「長期的には途上国も含めた地球全体が不利益を被るんだから、途上国も今すぐに対応すべきよ」と無慈悲に(そして僕から言わせれば非現実的に)一刀両断する始末。。。

方や、ちょっと頑張っただけで「こんなにやったぞ!!」と盛り上がる人がいて、方や、現実をほとんど無視して潔癖症的エコロジーに突っ走る人がいる…。やや独断が過ぎるかもしれませんが、意外とこれって、環境問題を巡るアメリカの縮図を表してんじゃないかな…なんて思ってみたり。そう考えると、この授業をとった意味もそれはそれで大きいのでは。無理やり過ぎ??

最後に、今日のネタとは全然関係ないんですが、うちのクラスメイトが、MLで面白いサイトのURLを流してくれたんで、それを張っつけときます。コレ→ http://www.palinaspresident.us/ (注意!! 音出ます。) 「もしもPlinが大統領になったら…」という設定のブラックユーモア。どう見てもやり過ぎですが(でも笑える)、いまアメリカで(少なくとも東海岸の若者たちの間で)Palinがどんなふうに見られてるかが、痛いくらい(実際、痛いよぉ。。。)よくわかるサイトです。音も出るし、画像も結構派手なんで、こっそり見てみてください。
my home, Syracuse, Oct 21, 25:36

Sunday, October 19, 2008

"Sanei" got around the world.

今日はT. L. Friedmanの"Hot, Flat, and Crowded"を読みきって、その感想文を書こうと思ってたんですが、残り2章を残して読み切れず。病み上がりなので無理せず、今日はやめときます。

代わりに、ニュースから何か拾って書こうと思ったんですが、アメリカのニュースは、「PowellがObama支持を表明した」とか、「McCainがObamaをcomunist呼ばわりした」とか、「McCainが“負け犬”呼ばわりされてもかもうもんか、と言った」とか、どれもこれも「消化試合」の様相。。。

いまいちパッとしないのでyahoo! Japanを見てみたら、「北、在外公館に禁足令 「あす重大発表」情報も」との産経新聞の記事(19日朝)が。同記事によると、
北朝鮮が世界各地の在外公館に対し、職員らの外出を禁ずる「禁足令」を出していたことが分かり、政府は情報の確認や分析に追われる事態となっている。 情報は17日朝にもたらされ、北朝鮮が16日夜までに「禁足令」を発し、本国からは「近く重大な発表がある」との理由が付けられている-というものだった。 

「禁足令」の情報について、外務省は「否定も肯定もしない」としているが、政府内では「金総書記が死亡したことによる後継者の発表ではないか」「クーデターによる政変」といった憶測も出ている。

とのこと。

「こんな記事CNNとNYTでは見かけなかったぞ」と思って早速ググってみた結果、わかったことが2つ。その1、世界中の記事が「日本のSankei が報じたところによると」と書いている(一部はYomiuriにも言及)。いずれにせよ、今回のニュースについては、世界中の記事の根っこが産経新聞(と読売新聞)だということ。その2、アメリカの主要メディアはこのニュースを全く報じていないということ。BloombergやReutersといった市場情報提供サービス系の通信社が報じているものの、NYT、WSJ、Washington Post、CNNといった主要メディアはまったく扱っておらず。韓国はもちろん、UKやカナダの主要メディアは、産経の記事を引用する形で報じてるんですけどね。。。

たまたまなのかもしれませんが、ちょっと変な感じもします。日本では、官房長官が朝の会見で早速、「政府として特に公式なものというか、確たるものは一切ない」と発言したみたいですけどね。先週の突然のテロ支援国家指定解除といい、最近の北朝鮮情勢(というか米朝関係?)、ちょっとよくわかんないですね。昔からと言ってしまえばそれまでですが(苦笑)

あしたの朝は、ついに氷点下に突入するそうです。ぶるぶるぶるぶる。頭痛がぶり返さないよう暖かくして寝ます。
my home, Syracuse, Oct 19, 24:41

The first time in US...

It was yesterday when I was eating dinner with my roommate. Yesterday was my roommate's birthday, so I treated him to dinner at a Vietnamese restaurant.

Our dinner was so nice. We were enjoying delicious pho (Vietnamese rice noodle) and raw spring rolls, talking each other about recent days, next year's plan, vision for the future, etc. But during drinking coffee after dinner, I found I had a headache!

I have heavy headache not so often. Actually, I sometimes feel tired but most of them are easily controlled by coffee or, at most, energy drinks, like "リポD" or "リゲイン." But last night's was not such kind of headache.

After dinner, I went back home directly, turned on the heater, found my headache cures exhausted (What!!? I took them only once!! Who took them!!?), and so I went to bed without any other option... It was approximately 9:00pm.

About midnight, I was woken up by my worsened headache, ran into the bathroom, and threw up what I ate in that nice Vietnamese restaurant!! (I'm so sorry if you are eating something, especially if it is Vietnamese...) But don't worry, as some of you know well, I'm very used to that "operation" because I do that almost every time I drink alcohol...

Anyway, I went back to my bed, and tried to sleep. Before I got asleep, in a haze, my brain was spontaneously thinking something. What was thankful for small mercies was that those thinking was in English! Of course, they were not so logical, but still I was glad to find myself dreaming in English, although you may regard such a situation as ridiculous. hahaha....

After 11-hour sleep, I woke up 2 hours ago without any headache. Although I have to keep on taking care of myself for a while, I basically got fine again. I didn't know the reason, maybe cold (but I didn't have any fever), maybe food (but my roommate was not ill), or might be English, because I was so exhausted to listen to English last week...

Anyway, it was the story I got ill for the first time in U.S. Today, let's go to buy some medicines and ,of course, keep them in my bed room not in our public space. hahaha...
my home, Syracuse, Oct 19, 10:11

Saturday, October 18, 2008

Because it's a Chinese site...

外から帰ってくると、ルームメイトの彼女(my roommate's girlfriendです。念のため。)がPCでグレイス・アナトミーを見ている。「DVD買ったの?」と聞くと、「うんう、オンライン」と彼女。"How much was that?"と僕。ルームメイトの彼女:"It's free. Because it's a Chinese site!!"

こらこら…。


さてさて、今日は何をしていたかというとですね、夕方まで大学で勉強した後、うちのスクールのすぐ隣(徒歩1分!!)にある大学内のドームスタジアム(なぜだか知りませんがCarrier Domeって名前です)で、NBAの試合を観戦してきました。プレシーズンマッチだったんですが、片方のチーム(Phoenix Suns)には、僕でもいちおう名前を知ってるシャキール・オニールという選手がいて、もう一つのチーム(Denver Nuggets)にはうちの大学のOBで、北京五輪のアメリカ代表メンバーにも選ばれたアンソニー何とかという選手がいるということで、場内はそれなりに盛り上がってました。まぁ、こんな田舎にNBAがやってくるのも年に一回あるかないか、みたいですしね。主催者発表によると入場者数は2万2000人。

で、感想ですが、バスケ経験者やNBAファン、はたまた、スラムダンクの愛読者の皆様(←これが一番多そう…)には間違いなく怒られると思うんですが、正直、退屈でした…。バスケ経験ほぼ皆無という僕側の問題ももちろんあるにはあるんですが、周りのアメリカ人たちを見てても、それほど試合に集中している様子もなく…。

ボストンでサッカーを観たときもそうでしたが、彼らって、わりと平気で遅れてくるし、わりと平気で試合終了前に帰っちゃうんですよね。これには、みんな車で来ているので、渋滞に巻き込まれるとマジ大変、という理由もあるにはあるんですが、ともあれ…。日本の某縦じま球団(クライマックスシリーズの初戦もまた負けたみたいですが…)やヨーロッパサッカーに比べると、アメリカのスポーツ観戦のノリはだいぶ緩いなぁという感じがします。

試合後は、ドイツ人、韓国人と僕含め日本人2人で、Marshall Streetのバーへ。「春学期、なに受講する?」って話をしてたはずが、気がついたら、アメリカの愚痴を言い合う会に。中でもヒートアップしてたのが、ドイツ人のVちゃん。もともとおしゃべりな彼女ですが、ビールの勢いもあってか(ビールごときで酔っ払う子でもないんですが。。なんてったってドイツ人ですから。。。)、いつも以上の早口で、彼女の思うアメリカのイケてない所を、延々まくしたててました。気がついたら、10分以上ひたすら彼女一人がしゃべってる、なんてことも(笑)

彼女のアメリカ批判には、「そんなこと殊更言うても…」と思うところも正直ありましたが、一方で、僕はアメリカ流の思考をやすやすと受け入れすぎてやしないか??という反省もちょっと感じたひと時でした。
my home, Syracuse, Oct 17, 26:51

Friday, October 17, 2008

Final Debate

昨晩と今朝に分けて、Presidential Debateの最終回をYoutubeで観ました。たぶん僕だけじゃないと思うんですけど、2回目のdebate方が見ごたえがあった気がします。「お互いの選挙キャンペーンについて言いたいことは?」なんていう、主催者側の質問の選択にも問題があったとは思うんですが…。

今回だけじゃないですがdebateを観てて面白いなと思うのは、「確かに僕の党はあのとき〇〇法案に反対したけど、僕は賛成票を投じたんだ」とか、「いまあんたはそう言ってるけど、あのときは△△法案に賛成してたよね」とかいう主張がよく出てくること。一人ひとりの議員が、ちゃんと自分のアタマでモノ考えて行動してるからこそ、こういう言い合いが出てくるわけですよね。この点については、日米を比較して、ただただ羨ましい…。

今回のdebateでは、なんとなく両者の態度に「勝負あった」感が出てたような気がしました。一層自信を持って語るObamaさんに対して、McCainさんはどことなく斜に構えたような態度。見ようによってはやや卑屈な雰囲気も漂わせながら受け答えしていたように思います。まぁもともと飄々とした人ですけどね。

「お互いの副大統領候補についてどう思うか?」という質問に対するMcCainさんの答えぶりが、なんとも苦しそうで、見ててかわいそうでした。もともとObama優勢の選挙ではありましたが、ロシアのグルジア侵攻の頃はほぼ互角にまでなっていた両候補の支持率。その後の金融危機で「経済に強い」とされるObamaさんが票を伸ばした側面はあるものの、決定打を放ったのはやっぱりPalinだった気がして、その点はちょっと残念です。そういう選択をしたMcCainさんの失敗と言ってしまえばそれまでですが。


話は変わりますが、クルーグマンが、ノーベル賞受賞後はじめてのコラムをNY timesに載せています。曰く、
- そろそろ実体経済の後退がはっきり目に見えてきたぞ。
- この不況は当分続くね。間違いない。
- いま財政出動をバンバンやらんでどないすんねん。公共事業やりまくれ~。
- 国の借金なんか気にしてる場合とちゃうどー。
とのこと。

期せずして田原総一朗氏も「財政出動だ~」と自身のコラムでおっしゃっています。

個人的には今回の田原さんのコラムにはよくわからない点もあるんですが、ともあれ、世界の論調のメインストリームが急激に「大きな政府」の方向に振れていっているのは間違いないかと。経済に関心を持ち始めて10年この方、どっちか言うと「小さい政府」の礼賛ばっかりを聞いてきた(「大きな政府なんてのはアナクロなんだ」と聞かされてきた)ので、個人的には、イマイチすんなり受け入れられない違和感があるんですが…。

まぁ僕のちっちゃな違和感なんてのはどうでもいいんですが、こんなに借金膨らませて米ドルが持ちこたえられるのかどうかが引き続き心配です。
my home, Syracuse, Oct 17, 10:47

Thursday, October 16, 2008

Keep "Japanese" out from...

今日も朝からバタバタでしたが、Statisticsの宿題を夕方に提出して、ちょっと一息。久々にまともなものを食べたくなったので、自分でカレー作って食べてみました。ご機嫌です。

書きたいことがいっぱいたまってきたので、今日はひとつひとつは短めの小ネタ集でお送りします(予定。結局長くなるかも。)。

1.Congressional Forum
まずは昨日、時間切れで書けなかったネタから。闇に葬らずに済みました(笑)
昨日の午後、11月選挙の立候補者の討論会に行ってきました。と言っても、「生オバマを見てきたぜ!!!」という話ではなく…、シラキュース地区選出の下院議員候補さんたちの討論会。とはいえ、地元TVのカメラも入る(生放送されていたみたいです)いちおう、ちゃんとした討論会の雰囲気を味わってきました。
大統領選が行われる11月4日には、上院・下院の選挙も併せて行われます。上院議員(Senator)は各州2人ずつですが、下院議員(Representative)は人口に応じて区分けされた小選挙区から一人ずつ選出されるので、シラキュース(厳密に言うと、周りの2郡を合わせた3郡)からも、一人、議員が選出されるというわけ。 民主党、共和党、無所属の3名の候補が立候補しているそうです。
討論会の中身はというと、皆さん超早口な上に超英語なので(←当たり前)、まったくもって聞き取れませんでしたが(←無意味に逆ギレ)、かろうじてわかったのは討論会の進め方(←そりゃわかるだろ。)。1時間半の番組を30分ずつのパートに区切り、各パートで、司会の人が、各議員に同じ質問を聞いていきます。「bailoutはどう思う?」、「イラクからは即時撤退すべき?」、「シラキュースの経済、どうやって盛り上げる?」などなど。その間、残りの2人は別室で待機させられてて、質問内容や他の候補の答えを聞くことはできません。
このシステムが良いなと思ったのは、ディベートのようにやたら相手の攻撃に走ることもなく、一方で、某国公共放送の政見放送みたく、気持悪ーい(失礼!)ナルシスティックな時間がただただ流れるわけでもなく、理知的なしっかりとした議論が聞けるということ。バカは速効ばれると思います。
一緒に聞いてたアメリカ人曰く、「民主党候補と共和党候補の言ってることがほとんど同じでビックリした」とのこと。まぁそんなんですかね。そこんところは、僕の耳では聞き取れなかったですけど(悔)。小ネタ1終わり。

2.Climate Change (3回目)
Climate Changeをテーマにした学部横断リレー講義の3回目に行ってきました。今回の講義は、Law SchoolのDavid Dreisen先生による「気候変動と法律」。内容は、UNFCCCとKyoto Protocolを中心とした基本的なものでしたが、その中で面白かった点をいくつか。

  • 1時間半の講義中、「日本」への言及は一度もなし(EU、BRICsへの言及は数知れず。)。哀しいと言えば哀しいが、逆に言えば「排出大国」という認識もなされていない(=国内で日本人が思っているほど、環境面で悪いイメージは持たれていない)ということ → もっとうまくに外向きの宣伝をやれば、「ニュートラルな国」から「環境に良い国」にイメージを転化できるのでは?
  • アメリカで、「十分な温室効果ガス排出削減措置を取らずに製造された製品」への輸入時課税が検討されていることに言及。「①enforcementが大変ではないか。クリーンか、クリーンでないかはどういった基準で判断されるのか。②日常必需品が値上がりすることに、国民からの支持は得られのか。」と2点質問したところ、①については、「非常に難しいが、"still"技術的な問題」。やや流され気味。面白かったのは②に対する答え。先生曰く「賛成は得られる。なぜなら多くの国民の懸念は、物価の高騰以上に、雇用を途上国に奪われることに向けられているから」とのこと。なるほど。納得。
  • 講義を通し、「国際法はenforcementを如何にうまく行うかがポイントだ」と繰り返し主張。その中で、CDMに関するところでは、「enforcementの観点からはcirtification(認証)が非常に重要なプロセスであるが、これを各国政府にゆだねると、あまりに行政コストがかかりすぎるので、cirtification業務をprivatize(民営化)するという制度設計がなされた」と説明。"privatize"という捉え方がやや新鮮。

すいません。エコ系以外の皆さんには、マニアックすぎるお話でしたね。次、行きましょう。

3.Keep "Japanese" out from...
最後に今日のタイトルのお話。「"Japanese"を締め出せ」と、若干強烈なことを書いてみましたが、ここで言いたい"Japanese"は、「日本人」じゃなくて「日本語」の方。どこから締め出すかというと、my brainから。
今日の午前中の授業(Statics。まるで頭に入らず…)と、午後のClimate Changeの講義(それなりに理解できた)を比べてみて思ったのは、僕の(みんなの?)頭の中には、「日本語脳」「英語脳」があって、①日本語脳だけが活動している状態、②両方が活動している状態、③英語脳だけが活動している状態 があるんじゃないか、ということ。
①は普通に日本を使ってる状態。英語はほとんど「音」としてしか認識されません。②は英語をがんばって聞こうとしてるんだけど、同時に日本語脳にもスイッチが入ってしまっている状態。この状態だと、どうしても日本語脳の方が勝ってしまって、英語に集中しようとすればするほど、日本語脳が暇を持て余す→遊びだす→妄想に走る→眠くなる→おやすみなさい…、ということになりがち。というわけで、うまく英語が聞けるのは、日本語脳が完全に脳みそからkeep outされている③の状態のときではないかと。
問題は、どうやって日本語脳を締め出すか。友達と(英語)でしゃべってるときや、今日みたいにすごく興味のある授業を聞いているときは、ある種の興奮状態に入って、特に意識しなくても自然と③の状態が実現します(スポーツで、うまく試合に入りこめたときに、余分な力が抜けて、練習の時以上のパフォーマンスが発揮できるというのと似ていると思います。)でも、そんな楽しい話ばっかり聞けるわけではないので、そこまで興味が湧かない話ででも自分の脳みそを③の状態に持ってくためにはどうすればいいのか、これが次なる課題です。要は、普段から極力英語で考え、英語でアウトプットする癖をつけることだと思うんですが。

なんだかんだいって、結局ながなが書いちゃいました。今日はこのあと、昨日のPresidential Debateを聞きます。(松坂、打ち込まれちゃいましたねぇ…。大リーグの話ですけど。)

my home, Syracuse, Oct 16, 22:18


Source of Chinese Power

今日も相変わらずお忙しめです。「今日も」なんて悠長なこと言ってますが、実はこのペースが学期末まで続くんじゃないかとの一抹の不安も…。このブログもいつまで書き続けられるやら…。(しぶとく続けますけどね。)

今日は、「中国人留学生がなんでこんなに多いのか」という、今年最大の謎(←あくまで僕の中で。)の答えにちょっとだけ近づいたぜ、というお話。

今週の英語の授業は、「自分の好きなテーマについて5分間でスピーチしましょう」という、年齢的にはちょっとキツイものもある何ともご機嫌な企画(ちなみに、この英語クラスは学部・大学院共通)。とはいえ、実際やってみると、韓国人の男の子が自分の徴兵経験について語ってくれたり、スペイン人の男の子がおいしいイベリコ豚の育て方についてしゃべってくれたりして、なかなか興味深い1時間でした。

そんな中、ある中国人の男の子がテーマに選んできたのは、"Beijing New Oriental Foreign School"。彼のスライドがスクリーンに映し出された瞬間、クラスの半分の非Chineseは一様にぽかん顔…。一方、残りの半分の人たちからはくすくすと笑う声が…。とりあえず、Chineseの間では有名みたいです。。

彼のプレゼンによると、この学校(通称New Oriental)は、北京大学(日本でいえば東大)を超優秀な成績で卒業した何とかっていうおっちゃんがわずか数年の間に築き上げた、留学準備のための巨大私立学校で、北京をはじめ中国各都市に分校を配置、2006年にはNYSEへの上場も果たした一流企業、とのこと。(←全部、彼のプレゼンより。すいません、まったくウラとってません。) まさに"Chinese Dream"ですね。(so far..)

日本にも、渋谷のAGOS(旧Princeton Review)みたいな、いわゆる「留学予備校」的なものはいくつかありますが、彼のプレゼンから推測するに、New Orientalはもっと大規模、かつ、若い子向け(=学部からの留学を目指している子たち)で、学校の規模やスタイルは、日本の駿台予備校や河合塾に近いんだろうと思います。学校のキャラ的にはもっとアグレッシブみたいですけど。

もちろん、プレゼンターの彼もNew Oriental出身で(クラスには他にも何人かNew Oriental alumniが…)、学長(社長?)の何とかっておっちゃん(名前、完全に忘れました)に、すっかり陶酔してらっしゃるご様子。「この学校は、ただTOEFL・GRE、留学手続きのコツを教えてくれるだけの場所じゃないんだ。何とかさん直伝のspiritも叩きこんでくれるんだ」とのこと。うんうん、持ち時間を気にせず10分以上熱く語り続けてる君を見てればよくわかるよ…。

というわけで、この先は僕の勝手な推測ですが、高校を卒業した若きChinese エリートたちは、日本の予備校生が駿台・河合に行くのと同じように、わりと何となくでNew Orientalに行き、そこで何ヶ月間かを過ごした後、既に「規格化」されている“大量生産システム”に乗っかって、毎年、大量に太平洋を渡ってきてるんじゃないかと思います。あくまで推測ですけど。

実際、中国人留学生のうちのどのくらいの割合が、New Oriental出身なのかはわかりませんが、もしそれなりの割合を占めているとしたら、その「なんとか」っておっさんは、まぁそれなりに、国のためになることをやってのけてると思います。少なくとも、日本にはそんな「システム」ないですもんね。Wikipediaによると、ETS(TOEFLを運用しているイケスかない会社)との間でトラぶったこともあるみたいですけど(個人的にはどっちもどっち、かと。)、語学学校のトラブルって意味では、全然人のこと言ってられないですしね、わが国も…。

今日はもうひとつ書きたいネタがあったんですが、ちょっと時間ないんで明日にします。あるいは闇に葬ります。たらり~。

このあと、Statsのレポートの続きをして、Obama vs McCainのdebateその3(最終回)を見て…。うーん、まず無理だな。。
my home, Syracuse, Oct 15, 25:26

Wednesday, October 15, 2008

What's with a blue shirt?

カナダでは、今日、下院の選挙があり、Harper首相率いる与党・保守党が議席を伸ばしたそうです。なんて話でお茶を濁してますが、カナダ報告は今日も書けそうにありません。最近、なんだか忙しい…。

今日の午前中、Maxwellの自習室で勉強してたときのこと。カリフォルニア出身のD君(←超純朴でめっちゃ良いヤツ)が「やぁやぁ」とやってきて、「"blue shirt"がどうしたこうした」と言い始める。一瞬にして「?」で埋め尽くされる僕の脳ミソ。彼が着ているシャツは黄色だし、僕のシャツはグレー(てか、そもそも青いシャツなんか持ってへん…)小声でしかしゃべれない自習室では埒が明かないと判断、彼を廊下に誘い出して話の続きを聞こうとするも、結局、理解できずじまい…。

「こんな僕でごめんよ…」と思いつつ、

「そういえばmid-term exams の調子どうよ?え、このあとあんの?ほなGood Luckやで~!!」

と持ち前の適当トークでその場をやり過ごした僕。席に戻ってPCを見てみると、D君からのメールが。曰く、

「今日は、大学がタダで"flu shot"(=インフルエンザの予防接種)を提供してくれる日です。気になる人は、ぜひ行こうね!!」

とのやさしいメールが…。

"blue shirt"と"flu shot" 確かに、似て非なるもんですよね。(←まったく似てません…)


今日は午後にも英語で凹むことが。VanSlike先生の講義が、物理的な音としては、いちおうほぼ全部聞こえてるんだけど、頭の中で意味としての「像」を結ばない…。S君が、数日前のブログで、“思考に対する言語の機能には①「伝えたいこと」(思考の結果)をアウトプットする機能、②抽象的な思考のプロセスをサポートする機能 の2つがある。”“①は英語でもあるていどいけるけれど、②は英語ではできない”という話を書いてましたが、僕の場合その更に前段階で、「①物理的な音(=空気の振動)としての英語は拾えるようになったけど、②抽象的な“意味”の運び手としての英語はまだ捕まえきれていない」という状況なんだと思います。

さすがに、いちいち日本語に置き換えてるわけではないですが、難しい言葉が耳に飛び込んでくると「うんうん、これはこういう意味だよな」と「確認」あるいは「反芻」するプロセスを挟みたがる。完全にそれが癖になってる。で、それをやってるうちは、VanSlikeみたいにある程度、抽象的に話をする人の英語は、音としては聞けても、ちゃんと理解するのは無理なんだと思います。

脳みその中のバリア(=「確認」を要求する関所)にぐりぐり穴を開けて、聴覚の担当部署と思考の担当部署の直通回廊を開通させないといけない!! それってたぶん、逆上がりみたいなもんだと思うんですよね。ずっと続けて練習してれば、いつかコツがつかめてできるようになる。(はず)

ちゅうわけで、何かと忙しくもある最近ですが、抽象的なお話のリスニングを重点的にやってみようと思ってます。Nさんにメールで教えてもらったE&E TVなんかを聞きつつ。成果がでたらまた報告します。

あ、あと、どうでもいいっちゃぁどうでもいいんですが、最近、僕のブログから、文字のサイズを変えたり、文字の色を変えたりする機能がなくなっちゃいました。どこかで見かけた人がいたらお家に帰るように言ってやってください。
                          my home, Syracuse, Oct 14, 25:06

Tuesday, October 14, 2008

Govt's size will swing backward??

Nepaliのクラスメイトの彼氏(NYC在住)がSyracuseに遊びに来てるというので(お兄さん、ほぼ毎週会ってる気がするんですけど…)、今夜のdinnerはいつもの留学生グループでレストランへ。9時過ぎに終わったあと、勉強しに大学に戻ったんですが、夜ならすいてるだろうと思って図書館に行ったのが大誤算。昼と同じくらい(昼より多いくらい?)の人がいて、しかもみんな、ところかまわずしゃべるわ、しゃべるわ…。アメリカの大学ってどこでもこんなもんなんでしょうか?それとも…やっぱうちだけ??

今年のノーベル経済学賞が発表されて、クルーグマンさんが受賞しました。彼は、国際貿易の分野で業績のある学者さんですが、近年はむしろ、NYTのコラムで、徹底したBush政権批判の論陣を張っていることで有名です…、と書きましたが、はい、受け売りです。遅ればせながら次の号から読ませていただきます。毎週月曜と金曜のNYTに掲載!!

一方、アメリカ政府も銀行に公的資金を投入する方向で、ほぼ腹を固めたそうです。それもあってか、今日のNYSEは、1930年以来(どんだけ遡んねん!!)の上げ幅。これで世界経済が安定軌道に回復するかと言えば、まぁそんなことはありえないと思いますが、この一件と言い、アメリカ民主党の政権復帰がほぼ間違いない状況と言い、世の中の流れは、急速に「大きな政府」に戻ろうとしているなぁと感じます。そう考えると、クルーグマンのノーベル賞受賞もある意味象徴的。

このタイミングでの「麻生総理」というのは、(結果往来とはいえ)なかなか時宜を得ている気がするんですが、日本の政治報道は、相変わらず政局の話ばかりですよねぇ…。政治家さんもさることながら、マスコミの伝え方にも問題があるんじゃないかと改めて感じている今日この頃です。

明日は、カナダ報告書くぞ!!(たぶん。。。)
                            my home, Syracuse, Oct 13, 26:00

Monday, October 13, 2008

Come back to Syracuse

帰ってきちゃいました、シラキュースに。明日のプレゼンの準備があったので、後ろ髪をぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐいぐい引っ張られながらも朝一でOttawaを出発。途中、国境の免税店でお土産を買った以外は、より道もせずにすんなり帰ってきました。ちぇっちぇ。いえいえ文句は言えません。好きな勉強させてもらってるんですから!!

というわけで、午後は一気に現実に引き戻され、明日の課題の準備を一心不乱にやってました(え?? 写真の整理もしてなかったっけ??)。一心不乱にやってましたが、まだもうちょっと準備がかかりそうなので、オタワ報告後半戦は明日以降に。

とりあえずweb アルバムが出来上がりましたので(やっぱ写真整理してるやん!!!)、まずはこちらをお楽しみください。



my home, Syracuse, Oct 12, 25:24

Sunday, October 12, 2008

Trip to Canada #2

今日もOttawaのホテルからお送りします。

今日はNHLの開幕日というわけで、カナダはちょっと興奮気味。CBC(たしか国営放送のはず)は、目下5時間ぶっ通しのホッケー中継を敢行中です。時差の関係で、東と西の試合が重ならないので、二試合まるまる放送できちゃうんですね。ちなみに、我らが(?)Ottawa Senetersは残念ながら2-3で逆転負けしてしまいました。

さて、今日の行程ですが、朝、ホテルで奥さんとskypeしたあと(毎週土曜の恒例行事。話の中身は…ダジャレが飛び交ってましたが、しょうもなすぎるので割愛します。)、徒歩で国会議事堂 Parliament Hillへ。見学後、議事堂のすぐ近くのお店でチャリンコを借り、これまたすぐ近くのNational Galleryへ。National Galleryで美術鑑賞とお昼御飯を済ませた後、今度はOttawa川を越えてQuebec州Gaitineau市に入り、Gatineau Parkという州立公園をサイクリング。その後、再びOttawa市内に戻ってチャリンコを返し、Ottawaのdowntownをぶらぶらした後、最後に、Elgin St.で晩御飯を食べて帰ってきました。

誰にも頼まれてないですが、例によって写真をいっぱい撮ってきたので、近々webにも載っけます。とりあえず3つだけここのも載せておきます。上から、議事堂内のSenatoの議場、 National Galleryのクモのモニュメント(都内某所の作品と同じやつです!!)、Ottawa川の橋から見たParliament Hillの遠景です。

Ottawaのことやカナダ人について、例によって書きたいことはいろいろありますが、明日の運転に備え、今日はそろそろ寝ます。とりあえず、予告編だけ。

1."カナダ人=いい人説"(from昨日の記事)の真相に迫る!!
2.Ottawaの自転車交通事情
3.カナダはどこまで「英語圏」??
4.カナダも選挙間近ってホント!?(ほんとです。)
5.本場カナダのボードショップに潜入!!
          

4.と5.はコネタです。別に誰も期待してないとは思いますが、いちおう先に言っておきます。                                                                 というわけで、明日も安全運転で帰ります。ではでは。
Econo Lodge, Ottawa, Oct 11, 25:08

Friday, October 10, 2008

Trip to Canada! #1

ただいまオタワのホテルに滞在中です。こっちの気温は思ってたほど寒くなく、シラキュースと同じくらい。街で見かけるTシャツ・短パンの兄ちゃんの頻度もシラキュースと同じくらいです。言うても10℃は切ってるはずなんですけどね…。北米人の体温調節システムは東洋人の僕には理解できません。

さて、シラキュースの自宅を3時過ぎに出て、Interstate 81をひたすら北上すること1時間半。米加国境を越え、さらにそこから1時間半走って、途中、休憩も挟みつつ、19時半ごろ、オタワに到着しました。 (今日の行程地図はこちら→。google mapから拝借。) 10年選手のCR-V君も、頑張って走りきってくれました。(彼についてのモロモロはこちら

初めてのマイカーでの国境越えでしたが(歩いての国境越えは、過去にタイ-ラオス間で経験あり!)、特にこれといったトラブルもなく、高速道路のゲートみたいなところ(というかそのもの)で、国境警備隊のお兄ちゃんと1,2分お話ししただけで通してくれました。「若い男の一人旅」というのが彼的には怪しかったらしく、"Why are you go to Ottawa by yourself, though you look so young... " と、若干答えに窮する質問が飛んできましたが…(笑)

オンタリオ湖の東側の米加国境は、教科書的には「セントローレンス川」(中学の地理で覚えましたよね!!)ってことになってるんですが、実は、そのセントローレンス川には、無数の島が浮かんでいて、この地域一帯"1000 islands district" と呼ばれています。実際には、1000以上あるらしいいですけど、まぁ日本の九十九島とか九十九里浜みたいなもんですよね。(←なんと大ざっぱな説明…。)

実際の米加国境は、この島々の間を縫うように走っていて、今日僕が越えてきた国境は、Wellesley Island(アメリカ側)と、Hill Island(カナダ側)の間にあります。二つの島の間の海峡(河狭?)は、泳いで渡れそうなくらいの距離なので、「国境の橋」といっても、全然たいそうじゃないんですが…(笑)

この1000 islands地区、地味ですが、NY州北部(とカナダOntario州南部)の中では、いちおうちょっとした観光地になっていて(お金持ちの別荘もいっぱいあるそうです)、国境を越えてすぐのところには、観光用の塔も立ってました。観光客はまばら(というかほぼ皆無)でしたが、$9払って登ってみることに。(てか、カナダ人って、やたら塔建てたがりますよね…。トロントとか、ナイアガラとか。)
塔のてっぺんから見えた風景が右の写真(ぜひ拡大してご覧ください。)。島々の紅葉がセントローレンス川の水面に映えて、ものすごくきれいな風景を拝むことができました。余裕で $9の価値あり。売店のレジ打ち兼エレベータガールのおばちゃん(形容矛盾…)が、エレベータの降りしなに、"Today is perfect!!" と言ってましたが、お世辞抜きでほんまそうやと思える光景でした。I'm so luucky!!

Ottawa市内に着いたのは、日が暮れてからだったので、今日は市内は見て回れませんでしたが、とりあえずカナダについて気づいたことをいくつか。
  • 高速道路の車線がアメリカより少ない…Ottawa近郊以外は、基本2車線。アメリカは、えーっと、なんかとにかくやたらいっぱいあります。
  • 街中に両替商がある…逆に言うと、アメリカでは見たことがない。「お前ら、アメリカに来んねやったら米ドルくらいちゃんと用意してこんかいっ」ってことなのかなぁ…。謎です。
  • ・なんとなく人当たりが丁寧…これもアメリカとの比較で。ちょっとひいき目に見過ぎかもしれませんが、南の隣国の人たち特有の「ぶっきらぼうさ」がこの国の人には少ない気がします。
というわけで、明日は一日、Ottawa市内をかけずりまわります。
Econo Lodge, Ottawa, Oct 10, 24:08

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Ready for Canada

突然ですが、明日から2泊3日でカナダに旅行に行ってきます。

といっても、目的地のOttawaはSyracuseから車で3時間。Bostonより、そして同じ州内の(はずの)NYCより、はるかにご近所さんです。ちなみに今回は渡米後初の一人旅。ドライブする距離も過去最長なのでちょっと緊張してますが、安全運転で秋のカナダを楽しんでこようと思います。(紅葉もきれいそうやし。)

そんなわけで、今日は、来週月曜日の課題を片付けたり、旅行の準備をしてたりしてるうちに、まともに書いてる時間がなくなってしまいました。とりあえず一言だけ書いておくと、Thomas Friedman(日本でもバカ売れした"The Lexus and the Olive Tree"とか"The World Is Flat"の著者です)の新著、"Hot, Flat, and Crowded" は、ちょっとイマイチかも?? ということです。この本(=月曜日の授業の課題図書)、2001年以降を"Energy-Climate Era(E.C.E.)"と定義し、「この転換(つまりA.D.からE.C.E.へ)は、後世から見たらB.C.からA.D.に変わったくらいのインパクト持つはずや!!」と主張、(ここで某O前氏が"AG"とかしきりに言ってて結局はやらなかったことを思い出しましたが(笑)。まぁそれは置いとくとして。)、energyとclimate changeを軸に、いま起こっている問題を解説し、それに対する彼なりの処方箋を提示する、というものなんですが。

うーん、なんというか、「そうね、あなたアメリカ人だもんね、そりゃアメリカ大好きだよね…」と言いたくなるような論調が多く、正直、ちょっと期待外れ。ま、少なくともこれまでのところは、ということですが。いま前半の「現状解説編」を読み終わったところなので、後半も読み終わったらちゃんと感想書きます。

というわけで今日の記事は短いですがこの辺で。あまった時間は、今日、近くのグロッサリーから連れて帰ってきた竹の赤ちゃんの写真でお楽しみください。
my home, Syracuse, Oct 9, 26:00
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Wednesday, October 8, 2008

Yom Kippur

Public Budgetingの中間試験が無事終わりました~。

厳密に言うと、「無事」かどうかは知りませんが、ともかく終わったということです。ふーっ。

与えられた数字をもとに、政府の現業セクター(具体的には大学)の歳入・歳出を計算させる問題があったんですが、「問題文の不備では?」と思われるところがあったりして、な~んか後味の悪~いテストでした。ヤツあたりするわけではないですが、正直、このコースの先生だけはイマイチだなぁ…。ぶつぶつぶつ。ぶつぶつ。ぶつぶつ。

まぁとにかく終わったということで、テスト後はそのままクラスメイトのKorean2人とdinnerへ。行先は、Marshal St. のタイ料理屋さん、Appe"Thai"zer。韓国人と日本人の3人組でなぜかタイ料理という状況に、密かに面白さを感じつつ(笑)、数十分前のテストのことも忘れ、和やかなひとときをすごしてきました。

ただ、彼らによると、今、ウォン安がヤバいとのこと。アメリカで暮らす身としては「めっちゃしんどい」と嘆いてました。そうだよね…。それにしても、ウォン安が進んでいるとは不覚にも全く知らず。朝鮮日報(日本語版)10月9日の記事によると、「急激なウォン安、景気後退、物価上昇」が同時に進行していて、中央銀行は金利を上げるか下げるか考えあぐねているんだそうです。ん?なんじゃそりゃ?? 何が起こってるっていうの??? 僕の拙い経済知識では、もはやよくわかりません。記事によると、ともかくいまは外貨流動性の確保が最大の懸案なので、おそらく金利は据え置かれるだろうとのことです。 気づいたら、1ウォン=0.07円にまでなってたんですね…。 ずっと、1ウォン≒0.1円のままで頭が止まってました。

Budgeting ともAppe"Thai"zerともWonとも全然関係ありませんが、明日は、うちの大学はお休み。正確には、今日の午後6時から、すでに休みが始まってます。Yom Kippur(ヨム・キプル)という、ユダヤ教の祝祭日だそうです。と言ってももちろん、I have no idea.なので、久々登場Wikipedia。英語版から拾おうかと思いましたが、今日はヘタれて日本語版から拾ってみます。

ヨム・キプルまたは贖罪の日(יום כפור)は、レビ記16章に規定されるユダヤ教の祭日。ユダヤ教における最大の休日の一つである。(中略)ユダヤ教徒はこの日は飲食、入浴、化粧などの一切の労働を禁じられる。

だそうです。何に一番ビックリしたって、ヘブライ語の文字の上にカーソル持ってって、テンキーの右矢印(→)押したら、カーソルが左に動くことにビックリしました。わざわざ引用までしといて表面的な感想ですいませんm(_ _)m

僕は、幸か不幸かユダヤ教徒ではないので、明日も労働が可能です。というわけで明日は一日、授業の課題図書を読んで過ごそうと思っています。
my home, Syracuse, Oct 8, 23:32

Tuesday, October 7, 2008

Causes of State's Fiscal Crisis #2

今日は、2回目のPresidential Debateがありました。両候補とも、言ってることはこれまでと同じですが(違っていたら困りますが)、司会者から「health insurance, energy, educationの優先順位をつけろ」と言われたObamaさんが、はっきりと「energyが1番」と言いきってたのが印象的でした。(McCain候補は順位を明言せず。)

Obamaさんのエネルギー政策は、electric car、clean coal、nukes の3本柱ですが、前二者(特に電気自動車)の技術開発については、「とにかく、アポロを月に飛ばしたときの気合いで頑張る」そうです。「ケネディは『10年以内に人類を月面に立たせる』と公約してそれを実現した。アメリカが本気になれば、今回も絶対できるはず」というObamaのロジックには、まったくロジック(論理)がありませんが(笑)、それでも、この人が大統領になったらほんとにデカイことが起こるんだろうなという予感が漂っています。エネルギームラ、ひいては温暖化ムラで。とりあえずclean coalが脚光浴びるのは間違いないと思うので、日本も乗り遅れないように頑張ってほしいと(勝手に)思ってます。


さて、ここから先は、一昨日、途中でヘタれたPublic Budgetingのテスト勉強の続き。

2. Wisconsin
1990年代、好況を享受していたWisconsin州政府と州議会は、しばしば減税と歳出拡大を同時に行わざるを得ない政治的状況に追い込まれた。その結果、歳入と歳出のギャップは、構造的な州政府の借金として積み上がっていったのであった。
2001年3月に景気の後退が始まると、多額の財政赤字が表面化。2001-03財政年度(2年制)は、$2.4 billion の赤字に見舞われることになる。その後、急激な歳出カットと増税、更には、将来のタバコ収入を見込んだ借入れを行ったが、財政状況は一段と悪化、2003-05財政年度には$3.5 billionの財政赤字を計上するに至った。

3. Colorado
TELs (tax and expenditure limitations) の流れを受け、1992年、Colorado州は州憲法を改正。TABOR(Taxpayer Bill of Right―納税者の権利章典―)と呼ばれるこの改正で、人口当たり(一人当たりの収入は加味)の歳出の制限が導入され、その値は、他のどの州よりも厳しいものであった。
TARBOR導入の結果、Colorado州は、低税率の州への変身を遂げる。州政府と州下の自治体を併せた税収額は、1989年時点で全米28位だったのが、2000年には43位に、2003年には46位(これは州政府の税収のみを比較した結果)にまで下がった。
好況期には、賞賛を集めたTABORであったが、2001年以降、アメリカが不況期に入ると、その制限の厳しさゆえ、州政府の財政政策の機動性のなさを露呈、不況に対する有効な手立てを講じることができなかった。
それどころか、厳しくなる財政状況の中で、earmark(なんて訳したらいいんだろう?)や民営化が多発し、パブリックセクターの効果(effectiveness)を制限する結果を招いた。
結局2005年、同州は住民投票により憲法を修正、高等教育や医療保険などに充てるため、5年間にわたり$3.5 billionの税を追加的に徴収することを決めた。


さて、ここで課題に戻りましょう。テストに出る(と勝手に予想している)課題は、「3州のケースを比較した上で、なぜ、CaliforniaとWisconsinの2州では財政危機が起こったのか、これら2州とColoradoでは実質的に何が違ったのかを考えなさい」というもの。

とりあえず、課題に答えるという意味では、「好況期(1990年代)にどれだけ財政規模を膨らませたか、が実質的に違っていた」、「好況気に減税を敢行したという点は3州に共通しているが、CaliforniaとWisconsinの2州は、一方で歳出の拡大も行っていたため、2001年に経済が不況に転じ税収が激減したのちも、財政規模をすぐに縮小することはできず、結果、膨大な財政赤字に苦しめられた」という感じになるのかぁ…。

ただ、Colorado州を扱ったケーススタディ("Fiscal Management Implications of the TABOR Bind" by C.R. Martell & P. Teske, 2007)自体は、TABORをかなり否定的に書いていました。"TABOR to achieve fiscal control have paradoxically weakened general fiscal management opinions." などと。

じゃどうすればいいんだと言われても、当然答えはないわけですが、「州ってものすごい大きな権限を持っていて、自分の裁量でいろんなことを試みてるんだなぁ」というのが素朴な感想です。日本で道州制を敷いたからといって、その新しくできた「州」に、アメリカの州に見られるような強い自主性が宿るとは、残念ながら思えませんが…。

さて、答えの英訳にとりかかりますか。

my home, Syracuse, Oct 7, 25:23

Monday, October 6, 2008

Global Fears of a Recession Grow Stronger

先週末に$700 billionのbailout法案が通ったところですが、週明けのNYダウ平均は4年ぶりの1万ドル割れ。東京を含め、世界中の市場でも株価の急落が起こっているみたいです。というわけで、テスト勉強の続きをたな晒しにしつつ(…)、直近の金融危機の状況をCNNとNYtimesから拾ってみました。

<CNN>
"CNN Daily"という、正味10分前後(←日によって違う)の一番基本的なニュース番組があるんですが、今日の"CNN Daily"は、最初から最後まで、入れ替わり立ち替わり、3,4人のコメンテーターが出てきては、口々に、

「今日の株価急落は、市場参加者のパニックによるものだ。」
「あなた自身がパニックに陥っても、決してあなたの状況は良くならない。」
「落ち着いて、お金をどこにあるかを確かめて。拙速な売りに走らないで。」

と、同じようなことを喋り続けてました。もはやニュース番組というより、プロパガンダ…??

前にもこのブログに書きましたし、田中宇というコラムニストが前から言ってることでもあるんですが、CNNという放送局は、アメリカの有事(的な状況)になると、「みんなでこの難局を乗り越えよう」というheroicなトーンにコロッと変わります。基本的なニュース番組のはずなのに、「何か」があるとすぐに、その「何か」しか扱わないbreaking news versionになるし。しかも、breaking news とか言いながら、9月のグスタフ君上陸以来、そのバージョンの"CNN Daily"しか観ていない気がします…。まぁそんくらい現にヤバいこと続きなんだ、ってことなのかも知れませんが。

<NY times>
というわけで、表面的なパニックによるものか、もっと実質的な原因によるものかは別にして(その議論自体に意味があるのか、という議論も別にして)、株価は世界中で下がりまくってます。でも実際、このことが"Main Street"にどう影響してくるのかは、いまいちよくわからないところ。というわけで、今日のNY timesの"Global Fears of a Recession Grow Stronger"という記事を拾い読みしてみます。

その記事で、実体経済への影響のうちの大きなものとして、挙げられているのは、

 1.各国政府が自国経済の防衛に走る。
 2.輸出の鈍化と対内投資の縮小が、周辺国・途上国内での投資を減少させる→不況に陥る。

という2つの流れ。

1.については、特にEU内で深刻に起こりうるとのこと。つまり、これまで、各国の政策を紅潮させることで統合と発展を続けてきたEUが、そうも言ってられない状況に陥るのではないか、ということです。現に先週、アイルランドが自国内銀行の預金保証を宣言したところ、周辺国の怒りを買い(お金がアイルランドの銀行に逃げる恐れがあるから)ドイツ、スウェーデン、デンマーク、オーストリアが相次いで、同様の預金保証を宣言したとのこと。

2.については、中東欧の国々が特にヤバいらしく、最初のターゲットは(中東欧ではないですが)最近、経済が過熱気味であったアイスランドになるだろう、とのことでした。

また、その記事では、MITの教授で、前IMFチーフエコノミストの、S. Johnsonさんの言葉として、

“The globalization of the crisis means we need a globalization of responses, but most of the responses will be national. For all the institutions we have, we don’t have the right institutions to do this.”

「危機のグローバル化」が生じるということは、つまり、「対応のグローバル化」が必要になる、ということだ。しかし、ほとんどの「対応」は一国レベルにとどまるだろう。われわれが知りうるあらゆる機構を思い出してみても、これ(=グローバル化された「対応」)に適した機構はなさそうだ。

という言葉も紹介されていました。これに一番近い(はずの)存在として期待される(はずの)G7蔵相会議が、今週中にもDCで開催されるらしいですが、この会議の成果については、アメリカのメディアも日本のメディアも、軒並み悲観的。

こんなときこそ覇権力を発揮していただきたいアメリカさんですが、 直近のCNNの世論調査によると、$700Bのbailout法案に賛成の人が46%に対し、反対が53%(右の写真)。追加的な金融安定化措置に至っては、実に76%が反対(賛成は22%)という状況で、更なる財政出動はかなり厳しいん状況です。ヨーロッパ(英仏独伊)も、先に書いたように、お互いけん制しあう状況でしょうからたぶん大きなリードはできないのではないか、と。となると…。

うーん、これは何となく嫌な予感がしてきましたが、今週のG7会議、日本は大丈夫でしょうか…?

my home, Syracuse, Oct 6, 24:04

Sunday, October 5, 2008

Causes of State's Fiscal Crisis

これから横着なことをやります。Public Budgetingのテスト勉強と、ブログの更新を、一回の作業でやってみます。すると、何が起こるか…??

面白くない記事ができあがる

とうことです。正直、今日は、あんまりオモシロおかしく書いてる余裕もなさそうなので…。財政(特に地方財政)にそんなに興味のない方は、読み飛ばしてくださいませ。ごめんなさいm(_ _)m

さて、本題。

先週の授業の最後に先生が言わはった言葉は「今回読んだ3つのケーススタディ(California, Wisconsin, Colorado)を比較した上で、なぜ、CaliforniaとWisconsinの2州では財政危機が起こったのか、これら2州とColoradoでは実質的に何が違ったのか、について考えてきてね。」とのこと。つまりこれは「ここ、テストに出ますよ」ということなんですね?と勝手に解釈して、この質問への答えを考えてみることにしました。(これでテストに出なかったら悲しい…。)

まずは、ケースの概略から。

1.California
2003年秋、折からの州財政危機などを理由に、現職知事Davis氏に対する批判が激化。同年10月、彼は、アメリカ史上二人目の「リコールされた知事」になることとなる。(ちなみに、そのあとを継いだのは皆さんご存じのシュワちゃん。) 

なぜCalifornia州は財政危機に見舞われることとなったのか。

California州の憲法にも、Balanced Budget(均衡財政)を求める規定と、Reverse Requiments(予備費を必須とする)の規定はあった。しかし、前者は、それを執行(enforce)するための具体的な仕組みを欠いていたし、また、後者は、予備費の規模などについての具体的な規定を伴っていなかった。

また、California州は、歳入と歳出の額を機械的に制限する規定も有していた。具体的には、①前年度の支出額をベースとし、②当該年度の人口成長率・一人当たり収入の増加率に基づく調整を加え、③機械的な計算で総支出額をはじき出し、④それ以上の歳出を規制、⑤もし歳入が総支出額を超えた場合は超過分を納税者に還付する、というもの。この規定自体は守られていたが、急激な人工増加のおかげで、その条件下にあっても予算の規模拡大が可能であった。

1990年代の景気拡大を受け、州政府は教育・医療関連支出を拡大する一方、同時に減税措置を講じた。好景気中はそれでも十分に健全財政を維持していたが、2000年にいわゆる"the dot-com bubble"の崩壊で株価が下落すると、税収が一気に縮小。その当時、州政府は$8 billionの繰越金を積んでいたが、2001年の電力危機の際、市民に再販するための電力の購入にそのうちの$7 billionを充てたため、その時点で繰越金はほぼ底を突く状態に。以降、膨らんでしまった歳出と、減少した歳入のギャップが、そのまま毎年の借金として積み上がっていった。


すいません、今日はここで力尽きてしまいました。続きは明日に。(ちなみにテストは水曜日です。)

my home, Syracuse, Oct 5, 25:51

Can he "do mo"re in US?

Targetネタを2つ。

Targetというのは、アメリカで時々みかける衣料品+雑貨屋さんです。(僕の周りには、なぜかわりとファンが多い。)「日本の○○みたいな感じ」と言ってピッタリくるのがないので説明しにくいんですが、サティやイオンから、生鮮食料品売場を取り除いた感じってのが一番近い気がします。商品のレベルもだいたいそんな感じ。「そこそこいい品をお求め安い価格で」って戦略です。

今日の午後、そのTargetに入るなり僕の目に飛び込んできたのは、なんと、天井から宙釣りにされているどーも君!! 某国某公共放送のキャラクターである(あったはずの?)彼ですが、気づいたら、TargetのHalloween キャンペーン・キャラクターになってました。まさか、こんな異国の地、それも資本主義の総本山とも言うべきアメリカの、資本主義の代表選手とも言うべきショッピングセンターで、某国某公共放送のキャラクターにお目にかかるとは…。NHK(あ、言っちゃった)の商魂、恐るべし。がんばれ、どーも君。

そのTargetで買物をして、レジ袋をもらってきたんですが(すいません…。)その袋のマチの部分にはこんな説明書きが。

 10 WAYS TO REUSE YOUR TARGET BAG
  1. Tiny Trash Can Liner (小型のごみ箱用の袋に)
  2. Doggy Duty (犬のお散歩の際に)
  3. Water Balloon (水風船に)
  4. Road Trip Rubbish (車の中のごみ入れに)
  5. Soggy Laundry (濡れた洗濯物入れに)
  6. Ice Pack (氷枕に)
  7. Toiletry Tote (洗面用具入れに)
  8. Kitty Litter Liner (猫用トイレの内袋に)
  9. Tomorrow's Lunch Bag (明日のお昼御飯の袋に) 
 10. Care Package Padding (壊れものを包む際の詰め物に)

Water Ballonが3つ目に数えられてたりして、無理やり絞り出した感がありあり伝わってきますが(てか、レジ袋って水風船になります??)、それなりに頑張ってる様子がうかがえます。ちなみに僕も、wegmansで、一つ$0.99のマイバックを3つ買ってみました。最近はそれを多用しています。(と言いつつ、Targetでレジ袋もらってるんですが。。。)

ちなみに、その下には、"California Only: Please return to a participating store for recycling" との一文も。なんでカリフォルニアだけなん?回収した袋はどうなんの?

謎は深まります。ターゲットにメール出して聞いてみよっかなぁ…。
my home, Syracuse, Sep 4, 25:15

Saturday, October 4, 2008

Habitat for Humanity

I know it's sudden, but I built a house today because I can stand the life with my room mate no longer...

NO. Of course I'm joking, but it's true I built a house. Well, technically speaking, I participated in just a part of a building-a-house project.

It's one of the projects of The Syracuse University SUNY ESF Campus Chapter of Habitat For Humanity, which hosts work projects on weekends that offer students a chance to work in the community to fix the problem of sub-standard housing in the local area, as a chapter of Habitat For Humanity. (You can see a quick explanation tour of this organization by click the above link.)

Today's our task was roofing with tiles. Those tiles were not similar to Japanese ones, but thinner, black, and made of tar or something. (I don't know whether I can still call it "tile" or not, but I will call it "tile" because I don't know.) We climbed on the roof, lined up "tiles" so as not to form any cracks, and nailed them onto the roof, for approx three hours.

Of course, it was my first time to be involved in building a real house, and I actually didn't know about "Habitat For Humanity" at all. (Honestly, I still know it just a little) But, that work was very enjoyable and I could have some happy hours.

For me, it was also part of my "Making American Friends Project." So far, I became friends with not so many Americans as international students. I know, making American friends is more difficult, but I have to try it. And today, I think, I could get closer with some Americans.

But, to get further closer with them, more natural chats are crucial, and for more natural chats, more fluent English is crucial.

After all, I' ve come to my usual conclusion; "English is crucial."

So, what should I do now? OK, eat lunch, take some coffee, and let's watch the DVD of "FRIENDS"!!
my home, Syracuse, Oct 4, 14:10
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【日本語読者の皆様(←つまり「皆様」ということですが。)へのお知らせ】
「英語力の強化」という至って個人的な理由により、ときどき、英語で記事を書かせていただくことにしました。(主に週末の予定です。)英語の不得意な方、頑張って読んでください。一緒に英語うまくなりましょう。(適当なコメントですいません。) 英語のお得意な方、 非常に稚拙な英語表現が散見される(それしか見えない?)かと思いますので、何なりとご指導いただければ幸いでございますm(_ _)m

Friday, October 3, 2008

maybe not only me

bailout法案が下院で可決され、Bushが署名して、晴れて法律になりました。CNNには、"Bailout is law" との見出しが。新聞的にはそういう言い方するんだなと、妙なところに納得。

ちなみに今日の採決結果は、賛成:263 対 反対:171。これだけ見ると余裕持って通過したみたいですが、共和党議員だけに限って見てみると、賛成:91 対 反対:108で、未だ過半数は反対。 アメリカの国会議員って、意外ととことん持論にこだわるんだな、と少し驚きました。アメリカの国会って、造反しても、あとからいじめられたりしないのかなぁ…。どなたか知ってたら教えてください。

さて、話は全然変わりますが、今日の英語の授業中、先生がちょっとうれしい(?)ことをいってくれました。どんな話かというと(先に言っときますがしょうもない話です)、「"can" と"can't"、"〇teen"と"〇ty"(たとえばthirteenとthirty)は、nativeにも聞きわけづらいことがある」とのこと。うれしいこと言ってくれるじゃないですか。それを聞いた僕は、「うんうん」と思いっきりうなずくとともに、積年の心のつかえから少しばかり解放されたのでした(そんなたいそうなことかい…。)

"thirteen"と"thirty"は、stress(日本でいうところのアクセント)の位置が違うというのが教科書的な説明ですが(前者は"-teen"、後者は"thir-")、先生曰く「日常会話の中で、それを聞き分けるのは困難」とのこと。よく知ってます。むしろ、後者は"-ty"を"-dy"みたく発音するということをよりどころに聞き分けた方がいい、とのことでした。

一方、"can" と"can't"については、残念ながら攻略法はないそうです。非常に残念。。。 

アメリカ人は、語中・語末の"t"を、実際には"t"と発音せず、喉の奥の方で一瞬息を遮る(敢えて日本語にすれば「んぐっ」って感じ)ことで代用するので、"can" と"can't"の違いは、実際には「キャン」と「キャンぐっ」くらいのもの。このレベルを音だけから聞き分けるのは、正直きついので、僕も普段は、文脈やジェスチャーで補いながら判断してるんだと思います。まぁ、あんまり判断できてないですけどね。

"can" と"can't"についての先生の説明の後、コロンビア人のおじさんがびみょーな発音で、"Completely I can("can't"にも聞こえる) understand you." と言って、先生のとまどいとクラスの笑いをさそってました。逆境を笑いに変えるラテン系のノリ、見習わないといけませんな。コロンビアおじさん、サスガです。
my home, Syracuse, Sep 3, 22:17

Thursday, October 2, 2008

Coal will stop climate change??

確かに悪い予感はしたんですよ…。


窓の外から明らかにセンス悪そうなおっさんが見えましたしね。でも、まぁどこも大差はないだろうと(いつもどおり)高をくくって飛び込んだのが間違いでした………これ、散髪の話なんですけど。

日本を出る直前に切ってきたとはいえ、最近、いい加減うっとおしくなってきた髪の毛。そろそ切りに行かなあかんなぁ、とは思っていたんですが、授業の合間の昼下がりの思いつきの行動が、こんな悲惨な結果を招くとは。とほほ…。

何が悲惨だったかって、とにかく、そのおっさんの性格が最。それだけで十分「二度と行ってやるか」レベルだったのに、かてて加えて、出来上がりの前髪が完全に水平。写真に撮って皆さんにお見せしたいくらいです。(ぜったい嫌ですけど。)

おっさんに何を言っても無駄だと思ったので、帰ってきて自分で前髪を切ることに。鋏をザクザク入れて、ワックスをワシャワシャつけてみたら、なんとか笑われない程度にはなりました。でも日本人には笑われんねやろなぁ…。


さて、気を取り直して、3時からは、"Climate Change" リレー講義の2回目に出席。(リレー講義の詳細は、こちらを。) 今日は、Maxwell SchoolのCenter for Environmental Policies and Administrations のDirectorでもある、Prof. Wilcoxen の講義。アメリカのエネルギー事情についての2時間弱の講義でした。

面白かったのは、既存の発電手段(電力量ベースで50%超が従来型石炭火力!!)に代わる、有力なalternativeは何か、というお話。先生曰く、以下の4つが考えられるとのこと。
  1. IGCC (Integrated Coal Gassification Combined Cycle) with CCS (Carbon Dioxide Capture and Storage)
  2. Combined Cycle with CCS
  3. Nuclear
  4. Renewable
つまり、「石炭に代わる候補(の半分)は、やっぱり石炭だ」という、いかにもアメリカ的な結論(なんでわざわざ1.と2.を分けるの?という突っ込みどころもあります)。

これら石炭関係の技術を簡単に説明しておくと、Combined Cycleというのは、従来の発電機の前工程にガスタービンを取り付けて、エネルギー効率をあげる技術、Coal Gassificationは石炭をいったんガス化してから燃やすと何かいいことが起こるよという技術(←何が起こるんですか?誰か(S君)教えてください。)、CCSはCO2を捕まえて地下とか海底下とかに埋めちゃう技術(←昔、仕事で触ってました。)です。(Combined CycleとCoal Gassificationについては右の図も併せてご覧ください。←クリーンコールパワー研究所さんのサイトから拝借。)

ちなみに、石炭火力発電(従来型)は、アメリカでは決して安い技術ではないそうです。先生の試算によると、電力量当たりの発電価格は、coal(従来型)がgasの3倍強も高いとのこと。「なんでそんなに高いんですか?」と聞いてみたら、「資源そのものの値段は安いんだけど、運送賃が高くつくし、アメリカには、Clean Air Actという法律があってその基準をクリアしないといけないから(←「アメリカだけじゃないですよ」との心の中で叫ぶ。)、結局トータルで見ると、石炭の方が高くなるんだよね」とおっしゃっていました。わかるような、わからないような。

ともあれ、これらのクリーンコール技術。日本では、あまり注目されていませんが、今日の説明を聞いていて、アメリカ、中国、インドという3大CO2排出国が、揃いも揃って石炭に恵まれているという事情を踏まえると、日本ももっと真面目にこの技術に取り組んだ方がいいんじゃないかという気がしてきました。この3カ国の経済事情からして、石炭の使用自体を否定するのはとても現実的じゃないですし、そう考えると、今後、クリーンコール技術に対する需要は、増すことはあっても決して減ることはない(←温暖化の議論そのものが下火にならない限り、という前提でですが)という気がするんですが、いかがでしょうか?
Maxwell Scholl, Syracuse, Sep 2, 19:00

Wednesday, October 1, 2008

Senate passes bailout

リンクを張らせてもらっているバークレーのS君やミシガンのNさんに比べると、なんとなく余裕ぶっこいていた感のある僕ですが、そろそろお尻のあたりに火が点いてきました。そんなわけで今日はちょっと遅くまで自習室にこもって勉強してたんですが、帰り道、真っ暗なキャンパス内を歩いてると、どこからともなく奈良公園が…。鹿さんの出没の可能性が疑われます。(あるいは、鹿風の臭いの人間さんが通ったのかも。。。)

来るべき冬に備え、パソコンのデスクトップにダウンロードしてみた「天気予報」によると(備えになってるのかなってないのか微妙…。)、明日の最低気温は6℃だそうです。結構来てますよね。ちなみに24時現在の気温は9℃。西南西の風、風速5km/hだそうです。え?そんな情報要らん? ごめんなさい、知っててやっちゃいました…。


冒頭でも書いたとおり、ケツに火が点いているので(←その割にしょうもないこと書いててますよね。。。)、ここから先は手短に。ちなみにソースはCNNです。

今から3時間くらい前、米上院で、金融安定化法案(上院修正版)が可決されました(賛成74:反対25)。Obama君やMcCain君も、予想通り、賛成票を投じたそうです。

下院での衝撃的否決を踏まえた上院での修正ポイントは、実物経済向けの景気対策(主に減税)をいくつか追加したこと。中には、「再生可能エネルギー減税の拡張」なんてのも含まれています。うーん、「風が吹けば桶屋が儲かる」ならぬ「風が吹けば風車が回る」とでも言いましょうか…。あ、風が吹いて風車が回るのは当り前ですね。

これらの修正は、「庶民の血税使って、ウォール街の金融エリートを助けるなんてのはけしからん!!」とおっしゃっていた(おもに共和党の)法案反対派議員をなだめるためのもの。上院の共和党院内総務(Senate Minority Leader)を務めるMcConnellさん曰く、

This is a measure for Main Street, not Wall Street. [It will help] to unfreeze our credit markets and get the American economy working again.

この法案は、Main Street(実体経済)のためのものであって、Wall Street(マネー経済)のためのものではない。信用市場を解凍し、アメリカ経済を再び胎動させる手助けとなるだろう。

だそうです。どう考えてもそれは言い過ぎだと思いますが($700billionもウォール街に突っ込んでおいて…。)ちなみにこのMain Streetという言葉、最近ニュースでよく耳にします。Wall Street(マネー経済の象徴)に対峙する概念として、「実体経済」てな感じの意味で使われているようです。

もっとも、この修正を受け、下院がすんなり法案を通すかどうかは、まだ不明です。下院での反対理由の、もうひとつの大きなものは、「政府が市場に過度に介入するのはまかりならん」という市場信奉主義的なもの。この立場で反対した人は、今日の上院の修正を踏まえても態度を変えない可能性が高いです。(CNNには、「やっぱりこんな法案ヤだから、今度も絶対反対するわ」と言っている下院議員(民主党)のコメントが出てました。)

とはいえ、どっちかいうと、下院も通過しそうな雰囲気が漂ってきました。しかしですねぇ、法案がこのまま成立したら、連邦政府の税収は10年以上にもわたって$110billionも減っちゃうそうです。まったく人んちのことは言えませんが、この国の財政、ほんとに大丈夫なんでしょうか…? まぁ、この期に及んでそんなこと考えてられまへんってのが本音のところなんでしょうが…。
my home, Syracuse, Oct 1, 24:35