transmissionを利用するplayer(発電事業者(generators)、transmission owners自身、電力小売事業者(distributors))は、transmissionの使用のたびに、NYISOに使用料を支払うこととされている。そうして集められたお金が、各transmission ownersに分配されて彼らの稼ぎとなる、というのが、基本的な構造。「使用料」は、①Transmission Access Charges、②Congestion Charges、③Loss Compensationの3パートで構成されている。[Rothwell & Gomez (2003) p.146]
①のTransmission Access Chargesは、transmission ownersの資本投資を回収するための料金で、transmission使用料の基本部分を構成するもの、また、③は送電中のロスを補填するためのものである。ここで、問題になってくるのが、②のCongestion Charges(“混雑料金”)。これは、送電元と送電先の二地点間にtransmissionのボトルネックがある場合に発生するものだが、電力の需要・供給の流れは、時々刻々変化するため、非常にvolatileであり、transmission利用者にとって、大きなfinancial riskとなりうる。[Adamson & Englander (2005) p.2]
そこで考案されたのが、Transmission Congestion Contracts (TCCs) (NYでの名称はTCCsだが、より一般的には、Financial Transmission Rights (FTRs) と呼ばれている模様)。これは言わば、transmission資産の「証券化」商品で、これを持っていれば、その区間のtransmission使用料の一部が入ってくるという仕組み。transmission利用者が、実際に利用するのと同じ区間のTCCsを購入すれば、Congestion Chargesの変動に伴うfinancial riskをhedgeできる。また、TCCsを市場取引に晒すことで、追加的な設備投資が必要なボトルネック箇所の特定にもつながると期待された。
2000年の運用開始以降、この制度の有効性について、少なくとも二度の検証[Batholomew et al. (2003) 及び Adamson & Englander (2005)] が行われている。しかし、残念ながら、いずれの結果も、significantlyに「有効ではない」というもの。つまり、TCCs購入者は、――risk aversionのためのプレミアムを考慮に入れたとしても――リスクをhedgeするのに十分なだけのrentを回収できておらず、構造的に損を掴まされている状態にある、ということ。また、そうした「歪み」が発生しているため、「ボトルネックの特定」も正確には行えていないということになる。
てな具合いに、電力のお勉強は非常に面白いのだが、自分自身の統計学知識の薄らぎを痛感しつつある今日この頃。去年のStatsの講義ノートでも読み直してみようかしらん…。
my room, Syracuse, Jan 26, 25:13
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