Friday, November 27, 2009

cap-n'-trade vs carbon tax

cap-n'-trade と carbon taxではどちらがより効率的か――この議論については、このblogでも過去、何回か扱ってきた。
  • 2009/10/03: Mankiwの語る「cap-and-tradeよりも税の方が市場の歪みをより小さくできる理由」について。
  • 2009/09/11: 「税の方がcap-and-tradeより優れている6つの理由」by Nordhaus
  • 2009/04/28: 「quantity-type approachよりもprice-type approachの方が優れている」とするNordhausの著作に対する僕自身の考え。
自分の頭の悪さを棚に上げて言わせてもらうと、この論争は、何気に相当複雑で、この論争に結論を出すなんてのは、そう簡単なことではないように思われる。世の中(特にアメリカ)では、「理論的に言えば税の方が本当はいいんですけどね…」と言われることが多いが、果たして本当にそう言い切ってしまえるのだろうか。そもそも「理論的には」ってどういうこと??ってお話。「理論的には」と言うからには、両者とも、理想的状況(かそれに近い状態)を想定して比較しているのだろうが、そのときに、どこまでのノイズを考慮するかは、論者によってまちまちのような気がする。

こういった複雑な問題と相対するに当たっては、まずは、基本の「キ」の字を押さえておくことが大事だろう。最近読んだ、IMF機関紙(Financial & Development)の記事(2008年3月号)に、「どういう条件が整えば、cap-and-tradeとcarbon taxは無差別だと言えるか」がコンパクトに書かれた一節があったので、忘れぬように引用しておく。(下線はblog筆者)
If all emission quotas under a cap-and-trade arrangement are auctioned to the highest bidders, and with full certainty about emissions (and the emissions price), the two mechanisms are equivalent: replacing a cap-and-trade scheme with a carbon tax at a rate equal to the market-clearing permit price, emissions, and government revenue will be exactly the same. [Benjamin Jones, Michael Keen, and Jon Strand, 2008,"Paying for Climate Change," Finance and Development, Volume 45 (March), pp.28-31]
my room, Washington DC, Nov 26, 25:13

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