とりあえず今日は、Applications of Storage、つまり、storageにはどういった役割が期待されるかについて。NY州エネルギーR&D機関(NYERDA)というところが2007年に出したレポート“Guide to Estimating Benefits and Market Potential for Electricity Storage in New York”によると、storageの主な用途としては、以下の14項目を挙げることができるとのこと。
■ Grid Capacity 関連
1. Electric Energy Buy Low – Sell High
2. Electric Supply Capacity
3. Reduce Transmission Capacity Requirements
4. Reduce Transmission Congestion
5. Transmission and Distribution Upgrade Deferral
■ Ancillary Services 関連
6. Operating Reserves
7. Regulation and Frequency Response
8. Transmission Support
■ Electricity End-user Applications 関連
9. Electric Service Reliability
10. Electric Service Power Quality
11. Electric Service Bill Reduction: Demand Charges
12. Electric Service Bill Reduction: Time-of-use Energy Pricing
■ Renewables Applications 関連
13. Renewables Electricity Production Time-shift
14. Renewables Capacity Firming
1.はgridから安い時に電気を買っておいて、高くなったら、gridに売り戻す、電気の裁定取引に使えますよ、ということ。2.は、独立系の発電事業者にとっても、storageを持っていると商売しやすいですよというお話らしい。3.と4.はともに、peak時の送電網使用を減らすことで、送電網会社への支払いを節約できますよというお話。3.と4.の違いはよくわからない。5.は、送電網会社が、storageをうまく使うことで、大規模な工事を先送りすることができるという話である。
6.は、もしものときのためのバックアップ電源。多くのタイプの発電機は、稼働までに時間がかかってしまうので、この目的では、発電機よりもstorageの方が有利。7.は日常的な周波数調整用。8.は、送電網にまつわる諸問題へのサポート用(6.との違いがいまいちよくわからないが)。
9.は、gridから流れてくる電気がunreliableなとき、userが自前でstorageをもっておけば、使用する電気のreliabilityを高められますよというお話。10.は逆に、supply側が電気の質を一定に保つ目的でstorageを使えますというお話。11.と12.は、peak時の電力購入量を減らすことで、稼げますよというお話である。
13.と14.は、ともに再生可能エネルギー(RE)の発電機と併用することで、旧来型の発電(主に化石燃料)への依存を減らせますよという話であるが、13.はフローで、14.はストックの話。つまり、13.は、毎日の化石燃料の使用量を減らせますという話で、14.は、旧来型の発電施設の建設自体を減らせますよという話。
ちなみに、同機関の試算によると、これら14項目のうち、NY州にとって、今後10年間の潜在的なbenefitが一番大きいのは、2.のElectric Supply Capacityで、10年間で28.1億ドル。それに、12.のElectric Service Bill Reduction: Time-of-use Energy Pricing(27.8億ドル)、13.のRenewables Electricity Production Time-shift(22.5億ドル)が続く。逆に8.、9.、14.の効果は小さいとはじいている(それぞれ、0.47億ドル、0.25億ドル、0.61億ドル)
my room, Washington DC, Nov 14, 9:20
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