Thursday, April 30, 2009

Obama’s green achievements at 100 days

ここ最近のアメリカのメディアは、国境の南からやってきたSwine Flu のニュースで持ちきり。と思っていたら、北(Syracuse的に言うと西?)の方から別の大きなニュースが飛び込んできた――クライスラー破綻。つい先日、就任100日の節目を迎えたばかりのObama政権だが、厳しい道のりはまだまだ続く。。。
 
そう、試験勉強やらレポートやらに明け暮れている間に、気がついたらObama政権が就任100日目を迎えていた。当たり前かも知れないが、この国ではこの100日間で、「大統領=Obama」のイメージがすっかり定着した気がする。前任者のおじさんの影はめっきり薄くなった。「Obamaが就任100日目」と言われれば、「まぁそんなもんかなぁ」という気はするけれど、テキサスのおじさんがホワイトハウスを去ったのは、100日よりもっともっと昔の出来事のような気がする。
  
ともあれ、この100日間にObama政権は環境の分野で何をやってのけたのか――という「まとめ」記事が、昨日のGristに出ていたので、簡単に要約しておく。ちなみにこのGristという団体、環境ニュースに特化した、同名のonline magazineを発行しているNPOで、若干、advocacy色が強くはあるものの、その情報量たるやものすごい。どうやって(というのは、要するに「誰のお金で」ということだが)運営しているのかはナゾなのだが、ともあれ、こういうソースの存在を見せ付けられると、日米のweb mediaの厚みの違いを痛感せざるを得ない。

本題に戻ろう。Obama’s green achievements at 100 days と題されたこの記事の概要は以下の通り。(カッコ内の日付は、このblog上での関連エントリー)

“Green Dream Team” [08/12/11]
何はともあれ、環境関連ポストの人選がすごい、とのこと。確かに。気候変動・エネルギー問題担当大統領特別顧問
Carol Browner(元EPA長官)はじめ、EPA長官Lisa Jackson,、環境基準委員会委員長Nancy Sutley、エネルギー省(DoE)長官Steven Chuらの名前が挙がっている。

“Notable Environmental Directives” [09/01/26]
就任早々の1月26日、環境関連の大統領司令(executive order)を発布。具体的には、「EPAに対し、カリフォルニアその他13州からの、新自動車排出基準に係る施行容認申請を見直すよう指示」、「交通省(the Department of Transportation)に対し、より厳しい自動車燃費規制を制定するよう指示」など。これらの指令については、その後、命を受けたEPA、DoTが、それぞれ、指令の実現に向けた取組を着実に遂行中とのこと。

“Stimulus Package” [1/24, 1/25, 2/3, 2/10, 3/23]
同記事が、"perhaps the biggest environmental breakthrough"と言っているのが、いわゆるStimulus Package(Recovery Act)での、大規模な環境関連事業の予算化。僕も異論はない。確かに、これまでの100日間での環境関連の一番大きな仕事と言えば、やはりこれだろう。このブログでも、気がつけば5回も取り上げていた。1月24日の回から順を追って見ていくと、stimulusに対する僕の考え方の変遷をたどれて面白い(??)

“the administration’s first budge” [4/5]
今月初旬に承認された、Obama政権の初(通常)予算。この中でも、stimulusに続き、$15 billion の環境・省エネ関連予算が盛り込まれている。ちなみに、Obamaチームの人たちは、この予算案にcap-and-trade関連の規定を紛れ込ませようと試みたが、これについては、議会で拒否された(詳しくは4/5のエントリーを)。

“EPA's Finding → cap-and-trade bill??” [4/17, 4/25]
今月17日、EPAが、「温室効果ガスは公衆衛生と福祉に対する脅威になりうる」とするfinding(最高裁からの検討指示に対する回答)を発表(現在、パブコメ中)。これが正式に成立すると、EPAは、Clean Air Actの中で、温室効果ガスを規制する「義務」(権利ではない)を負うことになるが、実際には、EPAが規制を制定するよりも、議会で新法を策定する方がいい、というのがObama政権、民主党首脳部、及びEPAの総意。現在下院で審議中の(cap-and-tradeを含む)いわゆるclimate bill(又は提案者の名前を取ってWaxman-Markey法案)の年内成立がなるかどうかが環境関連分野での今年一番の焦点。
  
ちなみに、Obama政権は、上記の他にも、この100日間で、こんな環境政策を繰り出してきたとのこと(以下、和訳、端折ります)。
  • Announcing plans to regulate coal-ash waste.
  • Signaling that they intend to take a closer look at permits for mountain-top removal , the controversial coal-extraction process.
  • Cutting off funding for the Yucca Mountain nuclear waste repository in Nevada.
  • Creating a Clean Energy Service Corps as part of the AmeriCorps.
  • Streamlining the loan guarantee program at the DoE, which gave out its first loan to a solar company on March 20.
  • Planting an organic White House vegetable garden.
まぁ、最後のポツは半分ネタでしょうが(笑) ちなみに、4つ目のポツに出てくるAmeriCorpsというのは、クリントン政権時代に作られた、連邦政府直営の職業訓練機関。その中に、Clean Energy Service Corpsという、green workers養成専門部門を作ったというお話。これはこれで取り出して、一度詳しく調べてみたい政策である。

my home, Syracuse, Apr 30, 23:52

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