というわけで、あまり詳しく書くと勉強不足がバレるので、サラっとしか書かないが、要して言えば、経済学の観点から地球温暖化問題を考えるためには、超長期のスパンで費用対効果を見る必要があり、そのためには割引率をどう考えるかが決定的に重要になる、ということ。
この割引率なるものをどう考えるかについては、定説と呼べるものが未だない。というか、長年、定説であったものが環境経済学者などの手によって覆されようとしている。その試みが成功するのか失敗に終わるのか、そこのところはまだよくわからないし、成功するにしても、どこに着地するのかはますますわからない。さらにやっかいなことには、割引率をどう考えるかには、多分にその人の価値観が絡む。それぞれ自説を唱えていらっしゃる学者の皆様は、「自分の説は客観的に見て正しい」とおっしゃるだろうが、僕には(勉強不足のせいなのかもしれないが)、ある程度主観が織り込まれているように見えてならない。まぁ、経済学なんて本質的にそんなもんだと言ってしまえばそうなんだけど、こと、割引率を巡る論争については、ことさらその傾向が強いように思う。
ともあれ、曲りなりにも「経済学が自らの専門分野である」と名乗りつつ、環境政策に携わろうという人間にとっては、割引率にまつわる諸々の議論にある程度精通し、自分なりのスタンスを持つことが必須の要件ではないだろうか―――と、30くらい前に思ったので、帰るまでに頑張って勉強します。
My home, Syracuse, Apr 9, 26:35
No comments:
Post a Comment