Monday, March 29, 2010

Current mood around Cap-and-Trade

Heal care法案がひと段落して、マスコミ、メディアでcap-and-tradeの文字を目にする機会が増えている気がする。たとえば、NY TimesのJohn Broderが、25日付の新聞に“‘Cap and Trade’ Loses Its Standing as Energy Policy of Choice”との記事を載せれば、28日、ハーバードのRobert Stavinsが、同記事に絡めて“Who Killed Cap-and-Trade?”との記事を、web上で発表する、といった具合に。以下、両記事の抜粋・要約を。

■“‘Cap and Trade’ Loses Its Standing as Energy Policy of Choice” by John Broder
  • Why did cap and trade die? 
    • “it was done in by the weak economy, the Wall Street meltdown, determined industry opposition and its own complexity.”
  • 下院審議では、多数票を得るため、“coal companies, utilities, refiners, heavy industry and agribusinesses”に対する妥協的・例外的措置をふんだんに盛り込み。
    • オリジナルのシンプルさは失われ、反対派からは、“cap-and-trade”ではなく、“tax-and-redistribution”と評される結果に。
■“Who Killed Cap-and-Trade?” by Robert Stavins
  • そもそもcap-and-tradeは本当に「死んだ」のか?
    • 決して「死んだ」わけではない。
    • 現在、準備中のKerry-Graham-Lieberman legislationにせよ、その対抗法案であるCantwell&Collinsの“the CLEAR Act”にせよ、提案者たちは“cap-and-trade”とは呼んでいないが、実質的にはそれと同じ機能・性質を持った制度が、部分的にであれ、盛り込まれている。
  • なぜ短期間に政治的な人気が激減したのか?
    • the economic recession; the financial crisis; and the complex nature of the Waxman-Markey legislation (which is mainly not about cap-and-trade, but various regulatory approaches)
    • しかし、もっとも重要な要因は、単に、cap-and-tradeが、もっとも真面目な討議に付された案だという事実(the simple fact that cap-and-trade was the approach that was receiving the most serious consideration)。下院を通す課程の中で真剣な討議が行われ、それが、反対勢力に火を付けた。
    • こういった結末は、それがどんな形の政策であれ、最初の気候変動政策(any front-running climate policy)は必ず迎えていたであろうもの。cap-and-tradeだったからこうなった、というわけではない。
  • なぜアメリカではこれほどまでに気候変動対策政策に対する政治的支持が低いのか?
    • それによってもたらされる「被害」の直接の結果(a direct consequence of the “disaster”)が明らかではないから。(これまで、米国で立法化に成功した環境法案は、いずれも、何らかの環境被害が広く周知された結果として制定されたもの)
    • 昨今のワシントンの、党派対立を前面に押し出す風潮(partisan political climate)が、同法案成立を一段と難しくしている。
というわけで、頑張ってまとめてはみたものの、どっちの記事もたいして目新しいことは書かれてませんでした。さ、勉強しよ。
my home, Syracuse, Mar 29, 12:02