Saturday, March 20, 2010

bureaucratic web designology

いつもblogを拝見させていただいている、某省からの留学派遣の方が、某省webサイトの問題点をいろいろ指摘しておられる。いつもながら非常に御尤もな指摘で、感心しながら読ませていただいた。(勝手にリンク張っていいものかどうかわからないので、とりあえず、リンクはなし。)

問題は、その某省webサイトは、日本の官庁webサイトの中では、(僕の印象では)比較的(あるいは「かなり」)良くできた方に分類されるということだ。といっても、僕が、とある必要に迫られて、各省webサイトを覗いて回っていたのは、今から2年以上も前のこと。その後、各省が、当時のままの(総じてイケてない)webサイトをそのまま墨守しているのかどうかはわからない(というか、知らない)。ただ、少なくとも、その某省さんのサイトだけが、官庁webサイトの中で群を抜いて劣っているなんてことはあり得ないとだけは確実に言える。(民間企業広告の話は、ともかくとして。)

「お役所」という存在には、万国共通のある種の「どんくささ」が付きまとう。去年の夏と秋、日本国外の公的機関でインターンをさせてもらったが、日本との違いも見えた反面、「やっぱり役所は役所だな」という印象も大いに持った。良い意味でも、悪い意味でも。

webサイトにしても、夏のインターン先(某機関のローカルオフィス)のものは、はっきり言ってひどかったし、秋のインターン先のものも、日本のカウンターパートのそれと比べてどっこいどっこい(見せ方という意味で。情報量は、日本のより断然スゴい)。ただ、夏インターン先のヘッドクォーターのサイトは、一応それなりに洗練されているし、秋インターン先のwebサイトも、トップページと、その一つ下くらいまでは、一応、きれいに仕上がっている。その点、トップページを開いた途端に、情け容赦のない文字の洪水が押し寄せてくる日本の官庁webサイトとは、小さいながらも実質的な違いがある。

要は、そこに時間とお金をかけるかどうかという話なので、とどのつまりは、組織(或いはそのトップ)の「哲学」や「価値観」の問題なんだろう。効果のほどを数字でスパッと言い表せるものではないだけに、この組織カルチャーを、ボトムアップで変えていくのは、おそらく容易なことではない。
Maxwell School, Syracuse, Mar 20, 18:51

2 comments:

outernationjp said...

仰るとおり、情報の整理・発信、アクセシビリティの向上にどれだけお金を掛けられるかは、上のプライオリティ次第です。

そのフォローしていただいたホームページはかつて一度大改修しているので良く見えるんですが、当時以上にいろんな情報を「発信」と称してアップしていくが故に、ユーザーから見ると逆に使いにくく見えてしまうみたいです(この資料はホームページにあると言われたがどこにあるかわからん、という照会がたまに来てました)。

後、これは特殊事情ですが、英米等々の研究者や学生、ジャーナリストが閲覧するということを前提に作っておかないといけないと考えると、国際会議で一から作るページはさておき、本体のページがG8の他国と比べてどうかという視点も政策発信の観点では必要だと思ってます。

髙林 祐也 said...

コメント、ありがとうございます。

英語圏の研究者・ジャーナリストへの情報提供・情報発信は、本来、うちなんかも、もっと力を入れてしかるべきところだと思うのですが、最低限のルーチン処理以上のものはなされておらず、余程の執念がなければ「調べてみよう」とは思えない作りになってしまっています。

限られたリソースの中では、それも一つの「選択と集中」なのかも知れませんが、その判断の依って立つ価値基準自体、果たして、時代に合ったものなのか、疑問に感じるところもあります。