前回、前々回、前々々回と、NYCには、立ち寄るも観光する時間なし、ということが続いていたのだが、今回は、呑み会の前に半日だけ時間があり、Maxwellの同級生さん御推奨のThe Intrepid Sea, Air & Space Museumに行ってみた。
第二次大戦にも参戦した米国海軍空母Intrepidをそのまま利用した博物館。日本人にはあまり知られていないが、巨大な空母が、マンハッタンのハドソン川べりに、どどーんと停泊されてある。中身は、Intrepid自体の軍歴含め、海軍関係の展示+宇宙開発関係の展示が少々(Intrepidは、スペースシャトルが開発される前、海にぽちゃんと落ちていた宇宙船の回収任務にも当たっていたとの由)。船外には、冷戦期に就航していた同じく米海軍の潜水艦と、British Airwaysのコンコルド(これは完全に民用機)も展示されている。
この分野、専門でもなんでもないので、軽々にああだこうだと言えることはあまりないが、一つ言えるのは、勧めてくれた方も言っていた通り、博物館の記述が総じて客観的で、旧日本軍が「卑劣だった」だの、「野蛮だった」だの、といった書き方は、ほとんど見られなかったということ。それは、冷戦展示コーナーでのソ連軍に対する記述についても当てはまる。戦勝国の余裕なのか、はたまた、軍事大国であるが故に、その辺りについては、感情を差し挟まず、客観的に理解するマインドセットが出来上がっているということなのか(イスラム勢力に対する近年のattitudeを見ていると、必ずしもそうとは言えない気もするけれど)。
Intrepidは、レイテ沖海戦などで、複数回にわたり、日本軍によるいわゆる“神風”特攻にも遭っている。上にも書いたとおり、そのことを、「卑劣」だの「野蛮」だのと称する記述はないのだが、ただ、相当の脅威であったことは間違いないらしく、“Kamikaze”関連の展示には、かなりのスペースが割かれてあった。
昨日それを見るまで知らなかったのだが、日本軍の特攻機が空母に衝突する瞬間のカラー動画(色は後から補ったのかもしれないが)が残されていて、展示の一部に使われている。かなり衝撃的な映像で、(こういう言い方が適切かどうかはわからないが)その動画を観た瞬間、直観的に思い出したのは、9.11のあの映像だった。
実際にその事件が起こった船の上で、アメリカ人に交じって、そういった映像を観るというのも、非常に複雑な心境。正直、何と言っていいのか分からない。ただ、少なくとも、日本の戦った相手の国であるアメリカで、そういった展示を見れたということは、その時に自分が抱いた複雑な感情も含めて、貴重な経験になるのではないかと思う。
Maxwell School, Syracuse, Mar 28, 16:13
1 comment:
I really enjoyed your blog posts, thank you
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