Wednesday, March 3, 2010

prejudice?

International Relationsという学問が、好きになれない。

今期も“Comparative Foreign Policy”の授業で、それ系の論文をそれなりに読んでいるのだが、読み終わって、
「で、何なんすか??」
と言いたくなる論文が多い。まぁ、そういう先入観を持って読んでいるのは否めず、結果、ついつい斜め読みになりがちで、深いところまで読めているわけではない。したがって、「食わず嫌いだろ?」と言われれば、完全に否定することは出来ないのだが…。

別に、IRが、「practicalじゃない」から嫌いだと言いたいわけではない。目に見えてpracticalじゃなくても、たとえば「思想」や「思想史」の勉強をするのは ― と胸張って言えるほど勉強してませんけど ― 面白いし、なんだかんだいって、後々役に立つとも思う。(その意味で、結局、「practicalだ」とも言える)

むしろ、IRは、中途半端だ(と僕は思う)から、あまり好きになれないんだと思う。法則性とか、再現可能性なんてことは気にせずに、とことん、具体の歴史事実を突き詰めていくのであれば、それはそれで、面白いというか、カッコいいというか、geekyだけどcoolだと思うのだが、「使える」学問を志向するがあまり、世界史から、無理繰り、一般法則を引っ張り出そうとする姿勢が、この学問を「使えなく」しているのではないかと思う。「『民主主義国どうしは戦争しない』というテーゼは真か偽か」なんて議論を延々やってても、得られるものはあんまり多くない気がする。

と、明日のComparative Foreign Policyの予習を夜中までやっていたら、ついつい愚痴モードになってしまった。ぼちぼち帰って寝るか・・・。
Maxwell School, Syracuse, Mar 2, 26:28

2 comments:

こちらではお久~ said...

答えは簡単。IRは、学問分野としての核がたぶん少ないからだと思うよ(っていうと、これまた反論されるのかもしれないけど)。なんていうか、応用学問分野なんだけど、これと言って独自の理論がないというか。

起業学の悩みでもありますが(笑)。

経済学とかのすごいとこは、Theoryがあるので、それがどこまで何に応用できるか、既存のTheoryで説明できない事象をどんなTheory(でも、経済学としての核は共有)で説明するか?みたいなのが、しっかり出来上がってるとこだとよく思います。社会学とか、心理学とか、まあやっぱり学問として歴史のある領域は、基本の理論が現代まで体系としてちゃんと発展してきてるよね。

IRは、IR法、IR経済、とかいう感じで、いわゆる他分野の理論のContextの域を出ない部分が多いからじゃない?

(ちなみに、こんなこと言ってる自分はUndergradはIRですので誤解なきよう)

髙林 祐也 said...

確かにそうですね。その点、経済学はすごいですもんね。経済学シンパじゃない人からは、その押し出しの強さが、逆にウザがられちゃうんでしょうけど(笑)

今、Comparative Foreign Policyの授業を受けてきて、「客観的に断言できる領域」と「価値観の入り混じる領域」との切り分けが、厳密になされていないことも、僕がこの学問を「肌に合わない」と感じる大きな理由の一つなのかもなぁと思いました。

「経済学は“価値観の領域”に足を踏み入れることに消極的過ぎる」なんて経済学批判も聞きますし、その批判の言わんとしてることもよくわかるんですけど、個人的には、そういう、経済学のless-judgmentalなところが、性に合ってるんだろうなと思います。