Tuesday, March 2, 2010

"Toyota crisis puts spotlight on auto electronics"

2月26日付のAPの記事が、トヨタの電気系統の件について、かなり詳しめに報じている。

この記事によると、
... on Oct. 5, the automaker recalled 3.8 million Lexus and Toyota models in the U.S. because of floor mats. In January, it recalled 2.3 million because of sticky accelerators. It later added more than a million to the floor mat recall, and also said some cars might be covered by both. So far, more than 8 million vehicles have been recalled worldwide to replace floor mats or fix pedals that get stuck because of condensation.
Toyota's denial that electronics played a role in the problems has been repeatedly challenged. Questions linger, including why, according to a congressional analysis, 70 percent of Toyota speed control complaints involve vehicles not covered by the floor mat or sticky pedal recall.
(拙訳) (2009年)10月5日、トヨタは、「レクサス」及び「トヨタ」ブランドのアメリカ国内の380万台について、「フロアマット」問題を理由に、リコールを行うことを発表した。今年1月、同社は“sticky accelerators”(アクセルが戻らなくなる問題)を理由に、230万台のリコールを実施。その後、100万台以上の車を「フロアマット」問題によるリコール対象に追加。中には、両方の問題の可能性を有する車もあると発表された。全世界で、これまでに、800万台以上の車に対し、フロアマットの取り換え、又は、アクセルペダルの修理が行われてきた。
トヨタは、電気系統が問題を引き起こした可能性を否定しているが、このことは、繰り返し、同社に対する疑念を生むに至っている。疑問が解消されない理由の一つは、「トヨタに対するスピードコントロール絡みのクレームのうち、70%までは、フロアマット問題又はペダルスティック問題によるリコールの対象ではない車に関してなされている」との議会調査結果が出ているのはなぜなのか(がわからない)、という点にある。
というのがこれまでの経緯らしい。「同社が、電気系統の欠陥の可能性を、即座に否定したにもかかわらず、アクセルが制御不能になる原因を十分に説明できていないことから、他にはどういった原因が考えられるかについてのたくさんの憶測を呼んでいる」(“The company's quick dismissal of electronic flaws and inability to fully explain the uncontrolled acceleration have generated many theories over what else might be in play.”)とも。

記事は、こういった電気系統の問題は、トヨタ車に限ったものではなく、また、「自動車メーカーは電子化時代に入っているのに、NHTSAは機械時代の発想に捉われているように見える」(“Carmakers have entered the electronics era, but NHTSA seems stuck in a mechanical mindset”)とのWaxman議員の言葉を引用しつつ、自動車の安全性を診断する機関であるNHTSA自体、電子化時代に十分に対応できていないのではないかと指摘している。

これに続く部分を思い切って要約すると、
  • 機会的な故障と違って跡形が残らないので、事後的に検証するのが非常に難しいが、
  • 静電気が、何かの拍子に電気系統に「悪さ」をし、
  • 誤った信号が発せられてしまう可能性は完全には否定できない
ということを言っているのではないかと思われる。

先週の公聴会を経て、トヨタに対する感情的な批判は一旦、鎮静化し、焦点は、電子制御問題の真相解明に、ほぼ絞られている。しかし、この記事に書かれていることが本当だとしたら、『問題がなかったということを完全に証明することは不可能だが、同時に、アクセルの故障を再現して見せることもほぼ不可能』なわけで、米国側が、どういった形で結論を出すのか、非常に関心が持たれるところ。
my home, Syracuse, Mar 1, 26:17

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