何か質問をされたとき、アメリカ人はよく“It's a good question.”とか、“That's a good point.”と、のたまう。これらの表現が“It's a very difficult point to answer”と同義であるというのは有名なお話。もっと直接的に、“That's a complicated issue.”とか“It is controversial.”と言っているのも、よく耳にする。good question/good point系の返答も合わせてカウントするならば、質問を受けたアメリカ人が、「うん、それって難しいんだよね」と答えてしまう確率は、何気に結構、高い気がする。日本人だと、ここまであっさりとは「難しさ」を認めてしまわないのではないだろうか。
ただ、アメリカ人のエラいところは、一旦「難しい」と断った上で、結局、なんやかんやと語ってみるところ。「難しい。はい、おしまい」と言って話を切り上げるアメリカ人には、未だかつてお目にかかったことはない気がする。
一旦「難しい」と認めているわけだから、その後の「自論」は、逆に伸び伸びと展開できるのかも知れない。この点、日本人は、「難しい」とは言わずに、どうにかこうにか切り抜けようとするので(実際、「難しい」と言ってしまうとその時点で「負け」みたいな空気が流れる。――と思っているのは僕だけかしら??)、無理な理屈を重ねる結果となり、ときに、かえって建設的な議論が阻害されてしまう。
世の中、シロクロつかないことだって多いのだから、アメリカ人を見習って、難しいときは「難しい」と正直に認めることも、ひとつの見識かも知れない、と思ってみた夜だった。
ほら、大したことなかったでしょ。
my room, Washington, D.C., Sep 10, 24:43
2 comments:
自分も日本語で「うん、それは難しいね」という返しているときもありますが、そのあと続かず、ということもあるので、その点はおっしゃる通り、アメリカ人を見習うべきかもしれません。
初コメント、ありがとうございます。日本語だと、「難しい」と言ってしまうまでは一生懸命がんばるんだけど、一旦、言ってしまうと、後が続かない、といった傾向があるような気がします。日本語という言語の問題というより、日本人の姿勢の問題かも知れませんけどね。
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