Thursday, September 10, 2009

Risk Communications

夕方、こちらのシンクタンクで働かれている日本人の方が主催してくださった、日本人向けの勉強会に参加する。スピーカーは、長年、FEMA(連邦危機管理庁)に勤めておられた、危機管理の専門家の方(←数年前にリタイア)。2001年、同時多発テロの直後に米東海岸各地で起こった炭疽菌事件を例に、災害時における「リスク・コミュニケーション」のあり方についてお話をしてくださった。
  
危機管理の現場を取り仕切っておられた方だけに、そのお話は非常に分かりやすく、説得力がある。細かい中身は端折るが、結論として、同事件からの教訓は、
  1. Don't be too quick to over-reassure people.
  2. Be honest with the public about risks.
  3. Communication must flow in both directions.
  4. Problems with risk communication means problems with response.
  5. Information must move as quickly as possible.
  6. Information must be shared across jursidictions.
  7. Disaster plans must include public relations/media relations.
の7点とのこと。特に、7つ目のポイント(=メディアへの対応)の重要さを強調しておられたように思う。
  
不正確な情報や危機を煽る情報が、メディアで大々的に報じられると、社会全体に無用の混乱を招く結果となるが、正しい情報が報じられている限り、メディアという存在には、危機の拡散を防ぐ上で非常に大きな役割を担ってもらうことができる。情報の出し手(=国・地方の政府)も、その点を十分に弁え、忙しいからと言って、ただ単に紙を撒いて対応を済ませるのではなく、メディアとの窓口となる人を置き、きちんとした対応をすべきだ、というのがスピーカー氏のご意見。政府が、メディア・国民からの「信用」を失ってしまうと、危機対応上の致命傷になりかねない、最終的には、担当官の“personal credivility”に懸かっている――とのお話であった。
  
よく言われることだが、アメリカに比べ、日本での「メディア教育」は非常にお粗末で、まともな「メディア教育」なんて、ただの一度も受けたことがないという人が多いのではないだろうか(僕もその一人)。そんなところからくる「相互不理解」が、(危機対応時に限らず平時も含め、)報じる側と報じられる側の、比較的不幸な関係を招いてしまっているような気がする。我ながら(そして、いつもながら)、単細胞過ぎる気がしないでもないが、来学期、Syracuseに戻ったらPublic Relations関係の授業を一つとってみるのも悪くないかなという気もしてきた。
  
勉強会後、参加者数名で近くのアジア料理屋に向かう。初対面の方も多かったが、年齢的には、皆さんほぼ同じくらいで(と先方から思われていなかったとしたら辛い…汗)、気兼ねなく日本語トークで盛り上がった。そういえば、関西弁じゃない日本語でしゃべるのって、かなり久しぶりのような気がする。うぅ、この言語、なんか話しづらいぞ。。。
my room, Washington, D.C., Sep 10, 24:04

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