Monday, September 7, 2009

One of the toughest jobs in Washington

なんとなく気が向いて(というわけでもないのだが)、一年前の秋学期の授業で使った“Environmental Policy -New Directions for the Twenty-First Century-”という本を引っ張り出して、その中のUS-EPAに関する章を読んでみた。

曰く、EPA長官というのは、“One of the toughest jobs in Washington”なんだとか。なんとなれば、EPAの任務である環境基準の設定に当たっては、「強力な政治的圧力」、「互いに食い違い、複雑怪奇な様相を呈する法的要求」、「論争を呼ぶデータ解釈」、そして、「(法によってEPAに)委託された権限」に、同時に苛まれてしまうから、というのがその理由らしい。Bush Jr.時代に行われた大気の水銀基準と、水のヒ素基準の設定を巡るケースを紹介しながら、純粋な「科学」だけに立脚して政策決定することを許されず、政治(その筆頭はWhite House)との「バランス」の中でしか政策決定を下すことができないEPAの姿が描かれている。(そういえば去年の9月にはこんな記事も書いていた。)
 
まぁ確かに、それはそれで大変なんだろうということはよくわかるが、民主主義というのは、そもそもそういうものなわけであって、それを是とする以上、民主的に選ばれた政治家の決断は、「科学」よりもエラいと割り切るしかない。その点、役所どうしの足の引っ張り合いで疲弊するのよりは、「政治判断ですからヨロシク」と言われる方が、役人としてはあきらめも尽くし、またシステムとしても、民主主義の本旨に遥かに近いのではないかと思う。
  
果たして、日本は今後、どちらの方向に向かうのだろうか。
my room, Washington, D.C., Sep 7, 24:48

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