Tuesday, September 22, 2009

Financial Security 2nd week

Issues in Global Economic and Financial Security二週目。授業そのものの話に入る前に、個人的な予習として、授業の前に読んだ記事から、いくつかのフレーズを抜粋・掲載しておく。
最大の問題は、(注:日本における)2003年以降の景気回復は何によるものかということだ。(中略)この原因は、不良債権処理の進展によって銀行の貸出余力ができ、企業の過剰債務が解消されて新規投資が出てきたことだろう。他方、財政支出との相関はまったくない。輸出との相関は見られるが、これはゼロ金利や為替の円安介入が大きかったのではないか。この点で金融緩和は一定の効果があったといえよう。他方、CPIはずっとマイナスのままだったので、「デフレを止めないと景気は回復しない」という主張は反証された。 【池田信夫blog 2009/4/28】
非伝統的金融政策とは、米プリンストン大学の教授で、著名な金融学者でもあったベン・バーナンキFRB議長によれば、次の三つに集約できる。【1】将来の金融政策ないし短期金利についての予想をコントロールする、【2】特定の資産を大量に購入する、【3】中央銀行のバランスシートの規模を拡大する、の三つだ。 【量的緩和とは何か。実は日本が世界の先達、非伝統的な金融政策(東洋経済・2009/2/27)】
... Japan’s stock market and economy only rebounded after the banks were cleaned up, specifically after the disposal of bad debt was accelerated following the temporary nationalisation of a troubled major bank and the creation of the Industrial Revitalisation Corp. The Japanese government’s generous injections of capital into the banking system without stringent asset inspections and pork-barrel fiscal spending in the 1990s did nothing but provide temporary pain relief. 【Fiscal policy again? A rebuttal to Mr Krugman (小林慶一郎・2009/4/27)】
さて、授業本体についてだが、このコースは、毎回、いくつかのテーマについて、あらかじめ準備をしてきた生徒が報告をし、それをベースにクラス全体で議論をするといった形で進んでいく。いわゆる「ゼミナール」の形態である。ちなみに、今日のお題は以下の3つ。
  1. 2007年以降、アメリカでは具体的に何が起こったか?
  2. 金融危機の原因は何であったか?
  3. それに対して米国政府はどのような対応を取ったか?
金融に関する専門用語と、ここ数年のアメリカのマクロ経済動向が、ディスカッションの前提知識となっているので、その辺は、正直言って、ちょっとしんどい。まぁ、いい勉強の機会なので、これを機に、言葉も歴史も覚えようとは思っているのだが。

以下、本題からははずれるが、今日の授業で聞いたトリビアなお話。アメリカの国立公園が、今日あるNational Park Systemのかたちに再編・整備されたのは、1930年代、FDRの治世のことであるが、この一大事業は、いわゆるNew Dealの一環として、雇用創出を狙って行われたものであるらしい。確かに、Wikipediaを引くと、“Among many other measures in 1933, President Franklin D. Roosevelt instituted a broad program of natural resource conservation implemented in large part through the newly created Civilian Conservation Corps.”とある。Civilian Conservation Corpsとは、1930年代にアメリカで行われた、若年層向け失業対策のプログラムである。

New Dealが不況対策として、果たして有効であったかどうかについては、議論の余地の残るところであるが、一旦その話は脇に置き、何らかの財政出動は(少なくとも政治的には)必須だったと考えるならば、非常に賢いお金の使い方だったのではないだろうか。厳密に計算してみてどうなるのかは知らないが、直感的には、「将来世代」に対して、債務だけでなく、それを補って余りあるだけの便益を残した事業だったように思う。
my home, Washington, DC, Sep 21, 24:06

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