冒頭、日本の例を引き合いに出しはしたが、実際のところ、USCCは、参加企業数こそ多い(自称世界一)ものの、日本*団連のような鉄の結束を誇る組織ではないので、「東*が経団*を脱会する」ほどの大事件でないことは確かである(そんな事件、100年待ってもまず起こりそうにない)。それでも、エネルギー・商業委員会所属の下院議員が、“It’s a bit of an earthquake.”と言っているくらいだから、このニュースが、関係者の間で、相当なインパクトを持って迎えられたのは事実であろう。
もちろん、ExclonがUSCCを脱会したからといって、それだけで、Waxman-Markey法案の年内成立の可能性が高まったわけでもないし、またそもそも、こういったニュースの一つ一つに一喜一憂するのは、時間の無駄というものだろう。
しかし、このニュースは、アメリカの電力業界(ひいては産業界全体)が、日本のそれに比べて、はるかに拘束力が弱い――逆に言えば、各社が「業界全体」ではなく、「自社」の利害得失に応じて自由に行動しやすい――環境だということを示唆している。日本人の感覚だと、ついつい、「産業界=一枚岩」と思ってしまいがちだが、この国では、そもそもからして、そういう傾向は弱いし、さらにここにきて、いくつかの大手電力会社がUSCCに三行半を突き付けるということは、この先、電力各社が敵味方に分かれての、かなりダイナミックな駆け引きが始まるのではないだろうか。
ちなみに、Exelonが脱会の理由とした、気候変動問題に対するUSCCの公式スタンスはこちらで見られる。僕的には、かなり苦しい言い訳のように聞こえるのだが、如何なりや?
my room, Washington, DC, Sep 29, 23:30
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