Monday, August 11, 2008

大学院の授業内容




今日は、大学院の授業がどんなふうに行われているかを書いこうと思います。こっちに来てから、まだひとつの講座(Public Administration & Democcy)しか受けていないので、実際には、その講座について、ということになりますが。

授業は、毎日9時から12時までの3時間行われ、それが3週間続きます(最終日=今週金曜日はテスト。)。role-playをしたり、映画を見たりと、変則的な授業内容の日もありますが、基本的には、最初の一時間半で一つか二つの論文を扱い、あとの一時間半で、ケーススタディを扱う、という感じです。日本みたく、終了時間が延びるということはなく、毎日12時きっかりに終わります。

日本の大学院での授業を受けたことがないので、直接の比較はできないですが、僕が大学(学部)で受けていた授業を比較対照にしていうと、いわゆる「講義」よりは「ゼミ」に近い感じがします。

具体的には、まず出席が必須。僕の大学では、授業に出てるヤツの方が少なかったですが・・・。ちなみにこれは、アメリカでは、undergraduateにも共通のことだと思います。

授業中に何をするかというと、先生が前に立って「教える」ということはほとんどなく、毎日出されるreading assignmentsを各自読んできていることを前提に、その中身について、教室全体(20人強)で「議論」します(先生はそのコーディネート役。) 実際には、4,5人のグループに分かれて議論した後、クラス全体で、その結果をシェアする(そうしているうちに、今度はクラス全体での議論が始まる)といったパターンが多いです。

日本での授業と違のは、上に書いたような授業の進め方も去ることがながら、先生が「これは正しい」「これは間違っている」と価値判断をすることがほとんどない、ということ。あくまで議論の裁き役に徹していて、生徒がおよそどんな発言をしても「間違っている」と否定することはありません。graduate(大学院)だから、ということもあるのでしょうが、その点、日本とは違う空気を感じます。

一方で、学生も本当によく発言します。議論が途切れることがありません。結構ちゃらちゃらしてて、「readingの宿題なんてやってられないよね」的なことを、放課後に言ってる子でも、授業が始まったら「黙ってはいられない」といったノリで、ガンガン手をあげて発言しています。これはもう、授業中の参加度が評価の対象になっているからというよりは、そういう文化だから、と理解した方がいいように思います。

とはいえ、アメリカ人の若者たちのしょうもないimmatureな議論に延々付き合わされることも多く(もっとも、僕の英語力ではどのくらいしょうもないか判断できないことも多いのですが、ベトナム人のクラスメイトが、「あれは、しょうもない」と言ってました。)、どちらがいいか、一概には言えません。ただ、僕のように「あとで誰かにノート借りればいいや」と思った瞬間、liveの授業を聞く気が失せ、講義時間をまるまる寝て過ごすタイプの人間(たぶん日本には多いと思いますが…)にとっては、こっちのスタイルの方が、少なくとも時間の無駄は少ないように思います。無駄な議論もあるとはいえ、授業中は、「議論を通して考えを深める場」という位置づけがはっきりしているので。

2年後にどう思っているかはわかりませんが、とりあえず授業開始から2週間目の感想を書いておきました。

p.s.(その1) 田中宇というライターが、8月11日付のコラムで、「今回、ブッシュは北京五輪出席のため、中国、韓国、タイを訪問したが、日本には来なかった。98年にクリントン前大統領が日本に寄らずに訪中した際は「ジャパン・パッシング」と呼んで日米ともに大騒ぎしたが、今回は大統領が訪中の際に日本に寄らないことが問題にすらならなかった。 」http://tanakanews.com/080811china.htm と書いてました。たしかに。僕の渡米後、日本ではちょっとはニュースになってたのかなぁ?

p.s.(その2) 昨日、散歩してたらリスに出くわしたので、その写真を載せておきます。よく言われることですが、この国で、リスを見てはしゃいでいるのは日本人(including me)だけです。
my home, Syracuse 22:28

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