Monday, February 1, 2010

Budget Freeze

Obama政権がFY2011予算教書を発表。先週のState of the Unionでも予告されていた通り、「三年間の予算凍結」措置が盛り込まれているわけだが、この「予算凍結」の対象には、社会保障費、国防費などが含まれておらず、巷では「あんまり意味ね~んじゃね~の」と言われている。

どのくらい「意味ね~」さそうかを示すグラフがKrugmanのblogに載っていたので、一つ拝借。
このうち、“Non-Security Discretionary”に当たる部分(Krugmanの言葉を借りれば“that little wedge off to the left”(左の方のちっちゃな三角形))だけが“凍結”の対象。ホントに「意味ね~」かどうかはともかくとして、とりあえず、このくらいのボリューム感だというわけですな、ふむふむ。

こんなグラフを引用しつつ展開されるKrugman先生のエントリは、正直、何が言いたいのかわかりません(わかるけど)。 財政支出が小さすぎると言いたいのか、財政の立て直しが弱すぎると言いたいのか、どっちなんでしょう(前者なんだけど)。つまるところ、「政治が腐っとる」(“how sick our political system is”)とおっしゃりたいことだけは確かみたいです。

'90年代、日本の財政運営を散々バカにしていたアメリカも、いよいよ本格的に“stop-and-go”の境地に突入したということなんでしょうか。。 
Maxwell School, Syracuse, Feb 1, 18:04

追記: いつもながら、NY Timesの図説がスゴい。ここまでやる必要あんのかという疑問はさておき…(笑)

2 comments:

S-Yasu said...

久しぶりに書き込みます。前から聞いてはいましたが、改めてグラフを見ると、non-military discretionary経費ってほんとわずかですね。

予算の講義の中で、予算の表記ルールは「予算策定にあたり、国民・政治が正しく判断できるように、支援するルールである」と教授がおっしゃっていました。まあ、当たり前のことなのですが、このような予算の区分ひとつ(たとえば軍事費を別分け)とっても、国の戦略が表現いるはずですし、逆にその区分が国民の関心とalignされているか、定期的に検証することも大事なのかな、と思いました。

髙林 祐也 said...

コメントありがとうございます。

予算書が(一般人から見て)読みにくいのは、アメリカも当然同じなわけですが、アメリカでは、ここ数年、インターネットなどを利用して、「複雑な予算書の内容を分かりやすく視覚化して見せる」みたいな動きが盛んになりつつある、なんて話を、去年、とある本で読みました。追記で載せた、NYTのweb記事なんかはまさにその流れを汲むものかと。こういう動きが出てくると、民主主義の形も、また一つ、違ったものになってくるんでしょうね。「視覚化」skillを持っているかどうかで、(本来の主張の中身とは関係なく)訴求力が決まってくる、という新たな懸念もあるわけですが。