Sunday, February 14, 2010

Sho Fu Den

Syracuse Univ.のお隣、SUNY-ESF(State University of New York College of Environmental Science and Forestry)で教鞭をとっておられる日本人professorのお宅に、御呼ばれに預かってきた。御年75歳。Syracuse在住40年以上の大重鎮であられる。冗談交じりに、「自分は“後期高齢者”」なんておっしゃりながらも、奥様ともども、まったくお年を感じさせない若々しさで、いろいろ楽しいお話をお聞かせいただいているあいだに、気が付いたら夜中の1時過ぎまで長居してしまっていた。

SUNY-ESFの日本人の方の定期的な会合に、我々SU生数名が、お邪魔させていただいた格好。SU生以外は、ほとんどが初対面の方ながら、大変居心地のいい雰囲気に、心底、リラックスさせていただけた。久々に頂く手巻き寿司の味も格別。

アメリカ在住40年以上というだけあって、先生のお話は、大変面白く、また同時に、深い。既に、4世、5世を数えようかという、日系アメリカ人の方々が、どういうアイデンティティを持ってこの国で暮らしておられるかについては、日本にいては、ほとんど聞く機会すらないし、アメリカにいても、実際のところ、なかなか見えてこないもの。先生ご自身は、一世に当たるわけだが、日系人コミュニティとの繋がりも深いようで、今日はその辺りのお話もいろいろ聞かせていただけた。

こう言うと激しく陳腐になってしまうが、「(本国の)日本人が失ってしまった“古き良き日本”」を、こちらの日系人の方々が、むしろ、忠実に受け継いでおられる ― 先生のお話からは、少なからず、そんな印象を持った。(僕が勝手に美化しすぎている部分が多少あるかも知れないが。)

そんなお話の中でも特に興味深かったのは、NYC郊外に現存する寝殿造り建築「松楓殿」に関するもの。この建物、1904年(明治37年)のセントルイス万博の際に、日本パビリオンとして建造されたもので、閉会後、日本政府から譲り受けた高峰譲吉が、今の地に移築してきたらしい。彼の死後、米国人を含む複数の人の手に渡るも、実に100年以上に亘って保存され続け、いまは、日本人の個人の手に渡っている(現所有者による松楓殿紹介サイト)。そんな由緒ある日本文化の遺産が、自分の住んでいる町の比較的近くに残っているなんて、恥ずかしながら、今に至るまで、つゆも知らなかった。

実際に「松楓殿」を見て来られた先生ご夫妻によると、その壮大さには、相当のものがあるとの由。残念ながら、改修工事が途中で中断されているようだが、それでも一見の価値はありそう。日本に帰る前に、一度、実際にこの目で見ておきたい気がする。
my room, Syracuse, Feb 13, 27:29

2 comments:

まえ said...

是非行きましょう。

髙林 祐也 said...

ぜひぜひ。いちお、暖かくなってから、かな。