Thursday, February 25, 2010

Congressional Hearing for Toyota on papers

昨日の米下院公聴会での豊田章男トヨタ自動車社長証言を受けての、今日の新聞記事を抜粋。(邦訳はすべてblog筆者による。)
Mary F. Calvert for The New York Times
Toyoda Is Wary Star of Kabuki at Capitol (トヨタ、議会“歌舞伎”ショーにて隙見せず@ Wall  Street Journal
Whether Mr. Toyoda's performance won over rattled consumers won't be clear for weeks or months. But he did earn some respect from lawmakers.
"I want you to know that I am impressed by the fact that you came voluntarily before the committee," said Mr. Towns, the panel's chairman. "It indicates your commitment [to] making sure that these autos are safe."
(今日の公聴会での)豊田氏の証言によって、消費者の信頼が回復するかどうかは、数週間~数か月経たないとわからない。しかし、議員からは、一定の評価を得た。議長を務めたタウン議員は、「あなたが自主的にこの公聴会に出席されたという事実に、私は、感銘を受けた。この事実は、あなたが、トヨタ車の安全性の証明に真剣であることを示している。」
  
WSJのテレビ番組。「とにかく真相を解明しないとね」、というのがコメンテーターのコンセンサスのよう。尋問する側の議員は、安全問題と同時に、地元選挙区のトヨタ工場で働く労働者の雇用も気にしているはずだ、との指摘も。

Toyota president apologizes under fire of U.S. officials (トヨタ社長、米政府高官からの非難受け、謝罪。) @ Washington Post
Still, the Toyota executives seemed to elude the thunderous condemnations that congressional hearings sometimes evoke. In part, this may have been because of Toyoda's translator -- it added a delay and sometimes confusion. Some members thanked Toyoda for having traveled so far. And at least two members of the panel offered "konnichiwa."
とにもかくにも、トヨタ幹部陣は、激しい糾弾は回避することができた。そうした激しい糾弾は、議会公聴会ではしばしばなされるものである。この結果は、ある面では、豊田氏の通訳によってもたらされたのかもしれない。通訳は、議論に後れを生じさせ、ときに混乱をもたらした。議員の中には、豊田氏の渡米に謝意を伝える者もあり、また、少なくとも二人の公聴会メンバーは「コンニチハ」と日本語で挨拶をした。
An Apology From Toyota’s Leader (トヨタ社社長、謝罪) @ NY Times
Under questioning, Mr. Inaba, Toyota’s highest-ranking executive in the United States, acknowledged that Toyota was aware of issues with sticking pedals in Europe for a year before accidents in the United States.
That has been a crucial issue, because Toyota executives in the United States have said they found out about sticking pedal issues only last October.
The first reports of sticking pedals surfaced in Britain and Ireland in late 2008. By August 2009, Toyota began a production change on cars sold in Europe that was completed by January, weeks before it recalled millions of vehicles in the United States.
“We did not hide it,” Mr. Inaba said. “But it was not properly shared. We need to do a much better job sharing what we knew in Europe with the United States to see if there is any danger to American consumers.” Mr. Inaba said the American side of Toyota “was not aware or not informed of” the European situation until January, when he learned of it.
尋問の中で、稲葉北米トヨタ社長は、アメリカで事故が起こった一年前に、ヨーロッパでは、トヨタが、アクセルペダルの問題を認識していたことを認めた。アメリカでは、トヨタ幹部はこれまで「ペダル問題が発覚したのは去年の10月だった」と言っていたので、このことは重大な問題である。ペダル問題に関する最初の報告は、2008年の末に英国及びアイルランドからなされていた。2009年の8月までに、トヨタは、ヨーロッパで販売される自動車の仕様変更を開始し、(今年)1月までにはこれを完了している。これは、アメリカで何百万台もの車に対するリコールが始まる何週間も前のことである。
稲葉氏は、「我々は隠していたわけではない。しかし、適正に(情報が)共有されていなかったのは事実。ヨーロッパで見つかった情報をアメリカ側と共有する方法を我々は改善する必要がある」と証言。また、アメリカ側のトヨタは、ヨーロッパにおける状況を、今年一月に彼(稲葉氏)自身が知るまで「知らされていなかった」とも証言した。

On Tuesday, James E. Lentz III, the president of Toyota Motor Sales U.S.A., told the House Energy and Commerce Committee that the prescribed repairs might “not totally” solve the problem. In response to a question, Mr. Lentz said that Toyota was still examining the sudden acceleration problem, including the possibility that the electronics system might be at fault.
Mr. Toyoda and Mr. Inaba both said, however, that they were confident that the computer system was not at fault.
今週火曜日、Lentz米国トヨタ自販社長は、下院エネルギー・商業委員会で規定の修理は、問題を「完全には解決しない」かもしれないと証言。質問に対し、同氏は、トヨタは引き続き急加速問題を調査中であり、電気系統に欠陥があった可能性もなくなってはいない旨、答えた。
これに対し、豊田氏と稲葉氏は両人とも、コンピューター系統には問題がないことを確信していると発言している。 
議会公聴会というのは、そもそもが「突き上げる」ための場であって、そのこと自体は、相手が米国企業や政府高官であっても変わりはない。去年のBig Threeや、先月のガイトナーなんかも、けちょんけちょんにやられていた。

各紙の報道を見るに、公聴会はそういうもんだという前提の上で、トヨタ陣営は「いちおう、公聴会を乗り切った」と評価しているように思う。ただ、NYTは、具体的な「証言の食い違い」的なところを衝いてきており、この辺りが、今後、どのように扱われていくかが一つの争点になるのかも知れない。
Maxwell School, Syracuse, Feb 25, 17:38

2 comments:

まえ said...

アメリカ人と話しててもトヨタの話って全然出てこないんですよね。なので、あまり関心を持ってフォローしていないんですが。あと、自分の車はホンダですし。
これって、リコール台数をトヨタのシェアで割った場合、他社と比べてやっぱり突出して酷いんですかね?

髙林 祐也 said...

そもそも、3件目のリコール(ハイブリッド車のブレーキ関係)に関しては、トヨタ側は、「compulsoryなものではなく、voluntaryなもの(つまり、“欠陥”と呼ぶに値するものではない)」と位置付けているようなので、リコールの件数(或いは台数)自体が問題になっているのではないんだと思います。
むしろ、いま問われているのは「トヨタが情報をASAPに出さなかったのではないか」という疑念。或いは、「欠陥を認識していながら十分な対応を取らなかったのではないか」という疑念、かと。
1つ目、2つ目のリコールと、3つ目のリコールは全く質が異なる、というのがトヨタ側の主張で(と僕は理解しています)、1つ目、2つ目については、欠陥があったことをトヨタ側も認めているわけですが、3つ目のプリウスの件もごちゃまぜにして、「トヨタ車は、あのプリウスも含めて全部危険っぽい」といったトーンで報じられているきらいがあるのかと。
ただ、3つ目については、何が真相なのか(特に技術的な部分で)、僕も正直、よくわかっていません。
いずれにせよ、Maxwellの人たちの間では、この問題の関心は、確かに低いように感じますね。去年の「リーマンショック」の時と較べても、学生の注目度合いは、かなり低いように思います。一般アメリカ人学生にしてみると、トヨタの件は、金融の話に比べ、影響範囲の限られた問題として認識されているのかもしれません。