<CNN>
"CNN Daily"という、正味10分前後(←日によって違う)の一番基本的なニュース番組があるんですが、今日の"CNN Daily"は、最初から最後まで、入れ替わり立ち替わり、3,4人のコメンテーターが出てきては、口々に、
「今日の株価急落は、市場参加者のパニックによるものだ。」
「あなた自身がパニックに陥っても、決してあなたの状況は良くならない。」
「落ち着いて、お金をどこにあるかを確かめて。拙速な売りに走らないで。」
と、同じようなことを喋り続けてました。もはやニュース番組というより、プロパガンダ…??
前にもこのブログに書きましたし、田中宇というコラムニストが前から言ってることでもあるんですが、CNNという放送局は、アメリカの有事(的な状況)になると、「みんなでこの難局を乗り越えよう」というheroicなトーンにコロッと変わります。基本的なニュース番組のはずなのに、「何か」があるとすぐに、その「何か」しか扱わないbreaking news versionになるし。しかも、breaking news とか言いながら、9月のグスタフ君上陸以来、そのバージョンの"CNN Daily"しか観ていない気がします…。まぁそんくらい現にヤバいこと続きなんだ、ってことなのかも知れませんが。
<NY times>
というわけで、表面的なパニックによるものか、もっと実質的な原因によるものかは別にして(その議論自体に意味があるのか、という議論も別にして)、株価は世界中で下がりまくってます。でも実際、このことが"Main Street"にどう影響してくるのかは、いまいちよくわからないところ。というわけで、今日のNY timesの"Global Fears of a Recession Grow Stronger"という記事を拾い読みしてみます。
その記事で、実体経済への影響のうちの大きなものとして、挙げられているのは、
1.各国政府が自国経済の防衛に走る。
2.輸出の鈍化と対内投資の縮小が、周辺国・途上国内での投資を減少させる→不況に陥る。
という2つの流れ。
1.については、特にEU内で深刻に起こりうるとのこと。つまり、これまで、各国の政策を紅潮させることで統合と発展を続けてきたEUが、そうも言ってられない状況に陥るのではないか、ということです。現に先週、アイルランドが自国内銀行の預金保証を宣言したところ、周辺国の怒りを買い(お金がアイルランドの銀行に逃げる恐れがあるから)ドイツ、スウェーデン、デンマーク、オーストリアが相次いで、同様の預金保証を宣言したとのこと。
2.については、中東欧の国々が特にヤバいらしく、最初のターゲットは(中東欧ではないですが)最近、経済が過熱気味であったアイスランドになるだろう、とのことでした。
また、その記事では、MITの教授で、前IMFチーフエコノミストの、S. Johnsonさんの言葉として、
“The globalization of the crisis means we need a globalization of responses, but most of the responses will be national. For all the institutions we have, we don’t have the right institutions to do this.”
「危機のグローバル化」が生じるということは、つまり、「対応のグローバル化」が必要になる、ということだ。しかし、ほとんどの「対応」は一国レベルにとどまるだろう。われわれが知りうるあらゆる機構を思い出してみても、これ(=グローバル化された「対応」)に適した機構はなさそうだ。
という言葉も紹介されていました。これに一番近い(はずの)存在として期待される(はずの)G7蔵相会議が、今週中にもDCで開催されるらしいですが、この会議の成果については、アメリカのメディアも日本のメディアも、軒並み悲観的。
こんなときこそ覇権力を発揮していただきたいアメリカさんですが、 直近のCNNの世論調査によると、$700Bのbailout法案に賛成の人が46%に対し、反対が53%(右の写真)。追加的な金融安定化措置に至っては、実に76%が反対(賛成は22%)という状況で、更なる財政出動はかなり厳しいん状況です。ヨーロッパ(英仏独伊)も、先に書いたように、お互いけん制しあう状況でしょうからたぶん大きなリードはできないのではないか、と。となると…。
うーん、これは何となく嫌な予感がしてきましたが、今週のG7会議、日本は大丈夫でしょうか…?
my home, Syracuse, Oct 6, 24:04
No comments:
Post a Comment