Wednesday, October 22, 2008

Bretton Woods, again?

生まれてはじめてペペロンチーノを作ってみました。作ってみてわかったんですが、「ペペロンチーノ味」って、ほとんどお塩とニンニクとオリーブオイルだけでできてるんですね。参考にしたwebサイトが「オリーブオイルの質にはとことんこだわれ」と書いていた理由がよくわかりました。何事も自分でやってみないとダメですね。今週末、そのwebサイトお勧めの「エキストラバージンオイル」なるものをWegmansに買いに行こうと思います。ともあれ、今日のところはそこそこ満足。ほし2つ、くらいかな。。。☆☆★

今日は久々に経済について書こうと思います。

一時の毎日が臨時ニュース状態からは一息ついた感がありますが(慣れただけ、という説も。)、金融市場(Wall Street)から始まったrecessionは、確実に実体経済(Main Street)に波及しつつあるようです。今日のNYダウ平均は、大幅続落の$514安、$8,519という5年4か月ぶりの安値で取引終了したとのこと。日経平均も、23日午前の取引で今年最安値を更新したみたいですね…。


このままジリジリ、世界的な不況が進んでいくのはもはや避けられないと思いますが、世界の関心の中心は、これ以上の大規模な金融危機を防げるかどうか、という点に集まっています。というわけで、来月15日には、ワシントンD.C.に主要20カ国の首脳が集まり、「金融市場の規制や改革に関する共通基本原則で合意を目指す」(by CNN.co.jp)会議が開かれることが今日、米政府から発表されました。

この会議、もとはと言えば、先週、EU各国の首脳がブラッセルに集まって「緊急サミットが必要だ」との見解で合意し、週末、現EU議長国フランスのサルコジ大統領がブッシュのもとを訪ね、開催の了解を取り付けたもの。先週14日付のReutersによると、

As current EU President, Sarkozy will seek the backing of the other 26 states to
hold an international conference as early as next month on reforming the world
financial order that was put in place by the 1944 Bretton Woods conference
.

とのこと。つまり、第二次大戦後の国際通貨体制を規定したブレトン=ウッズ体制を根底から作り直すくらいの抜本的な改革(reforming)が必要だと言っているわけです。

その「抜本的な改革」が具体的にどういうものを指すのか、昨日今日のニュースではあまり詳しく報じられていませんが、このブログでもときどき紹介している田中宇氏のメルマガ(10月17日号)によると、「今後の世界体制(※ぼく注:11月の会議で定められる体制)は、世界を地域ブロックごとにわけ、各ブロックごとに基軸通貨を設け、それが固定相場制で相互につながることを含みうる」体制になるかもしれないとのこと。

僕が生まれたのは1973年(=変動相場制に移行)の5年後なので、EUROの登場という大事件があったものの、実際のところ、米ドル基軸通貨による変動相場制の世界しか知りません。もしこれが、田中宇氏の予測するような体制に転換するとしたら、それは本当にエポックメイキングな事件だなぁと思います。日本にとって、世界にとって、それが良いことかどうかは別にして。。

そしてその週末、なんと僕、D.C.にいる予定なんですよね...。だからどうってわけでもないんですが、歴史の転換点になるかもしれないタイミングで、その場所(街)に居合わせられるということに(不謹慎ながら)今から些かワクワクするものを感じております。

金融危機が世界のニュースをさらっていってる一方で、約1か月半後に迫った今年のCOP―気候変動枠組条約(UNFCCC)締約国会議―は、ここ数年に比べ、世界的に盛り上がりを欠いているように思います。温暖化のギョーカイは、このブログの読者さんの中にも、バリバリ現役の方がたくさんいらっしゃるので、あまり適当なことを書くと怒られてしまいますが、少なくともアメリカから見ている限り、残念ながらそう言わざるを得ないかなと。また、(環境サイドの)誰が悪いということでもなく、現下の世界の状況を鑑みれば、むべなることかなとも思います。

ドイツの代表的週刊誌デア・シュピーゲルの10月21日付web記事は、"EU Climate Stalemate Could Threaten Global Deal"(EUの気候変動問題をめぐる膠着状態は世界的問題を危うくさせるかもしれない)と題し、
Time is running out. If the European Union is unable to resolve internal differences over its ambitious emissions reduction plan, then global climate talks could suffer, say experts. The world needs European leadership.
と書いていました。EU各国に、奮起と決断を促す内容の記事でしたが、逆に言うと、それだけ議論がこう着しているということ。ここ数年、世界の温暖化対策をリードしてきたEUも、今年ばかりは「正直それどころじゃない」という正念場に立たされているんだろうと思います。

あまり思いつきでしゃべると、それこそ、プロの皆さんに怒られてしまいますが、最近、何となく思っているのは、もしかするとこれから先の温暖化対策のけん引役は、EUからアメリカに移るんじゃないかということ。また、それに伴って、議論の比重は、温暖化対策そのものから、(コインの裏面である)エネルギー政策に移り、かつ、中心的な政策手法は、市場活用型のもの(排出量取引)から(雇用対策とも深くリンクした)財政出動にシフトしていくんじゃないか、と。。。

その点に関しては、こないだからときどきこのブログで(否定的に?)紹介しているFriedman氏が、NYTに「金融危機が温暖化対策を終わらせるんじゃない。逆に、温暖化対策こそが金融危機に終止符を打つことができるんだ」という内容のコラムを掲載していました。なぜ僕が、上に書いたように思ったか、Friedman氏の近著("Hot, Flat, and Crowed"。言ってることは、そのコラムと完全に同じ。)の内容と併せ、近々、また詳しく書きたいと思います。

p.s. 今朝は雪は降りませんでしたが、明日も予報は雪です。最低気温-2℃。あと一週間もしたら、これが普通になるんだろうと思いつつ…。
my home, Syracuse, Oct 22, 25:01

1 comment:

Anonymous said...

アメリカが財政出動っていうのは、アメリカの理念のとったく反しますし(思想面)、そもそもその予算が足りない(現実面)と思うのですが、その辺を勘案しても、ニューディールの時のように発想を逆転して新エネに投資、という可能性はどれくらいあるでしょうか。教えてください!