Wednesday, October 22, 2008

Trip to Canada #3

「どんだけぶりやね~ん」という話ですが(8日ぶりです!)、ようやくまとまった空き時間ができたので、今日はカナダ報告の3回目をお送りします。

<前回までのあらすじ>
愛車CR-Vを駆って、一躍、隣国カナダの首都に乗り込んだ〈僕〉。そこで待ち受けていたのは、「国境の南」とは似ても似つかない想像を絶する美しい光景であった。異国の地、Ottawaで〈僕〉が目にした光景とは…?? (写真は
こちら

1.カナダ人について
旅行から一週間がたって、ホント以上に記憶が美化されてる可能性は無きにしも非ずですが、少なくとも今思いだす限りでは、僕が言葉を交わしたカナダ人たちは、みんな、本当に気持ちのいい人たちでした。彼らに嫌な思いをさせられたことは一度もなかったです。「国境の南」の、とある国の人たちとは違って…。

アメリカ人って(←早速実名挙げてますが)、根が嫌みったらしいとか、陰湿とか、凶暴とか、不潔とかそういうことではないんですが、とにかく人との接し方がぶっきらぼうなんですよね。人と人との交わりががさがさしているというか…。それに比べてカナダ人の応対のなんと丁寧なこと!! それに、彼らの態度・表情からは、そういうコミュニケーションを自然に楽しんでいる印象を受けました。アメリカが「がさがさ」だとすると、カナダは「まろやか」って感じかなぁ。この感じ、伝わってますでしょうか…??

2.Ottawaの自転車交通事情
首都Ottawaの自転車交通事情は、「素晴らしい」の一言に尽きます。 Ottawa市と、Ottawa川を挟んだ対岸のGatineau市には、自転車道が張り巡らされていて、サイクリングが観光の目玉の一つになっています(左は、観光客向けのサイクリングマップ)。観光客にもサイクリングをお勧めできる先進国の首都って、そうそうないのでは?? (H君の住んでるアムスはその一つですね。笑)

Ottawa市とGatineau市を結ぶAlexandra Bridgeには、当然のごとく、広々とした自転車道が併設されていますし、Gatineau市内の住宅地に入れば、 自転車道は車道から独立します。超快適。そのまま自転車を走らせると、国会前(つまり首都の中心!!)からわずか15分で、自転車道はきれいな小川を渡り、更に走ること20分、自転車道はついに国立公園(Gaitenau公園)に至りました。



更にすごいのは、自転車道が自動車道をぶち抜いてるということ!!!(上の写真参照。) 自転車もついにここまで上り詰めたかと、思わず感慨にふけってしまいますが(ふけりません?)、実は、ちょっとしたカラクリが。

Ottawa & Gatineau市内の住宅地には、いたるところに人工的な行き止まりがあります。何がどう“人工的”かというと、もともと普通に一本の道だったところ、敢えて道のど真ん中に生垣なんかを作って、dead endにしているというもの。上の写真の場所では、生垣ではなく、自転車道が自動車道のdead endとして使われているというわけです。

それにしても何故に?? という話ですが、たぶん、これ、住宅地内の生活道路が、幹線道路のバイパスとして使われるのを防いでるんですよね。カシコイ!!  とはいえ、もともとつながってた道を敢えて遮るなんて、市当局としてはなかなか勇気のいる判断だったと思うんですが、それを実行できてしまうところがこれまたすごい。一層、カナダにほれ込んでしまいました。

ちなみに、僕のカーナビ(「国境の南」で購入)は、「人工的行き止まり」を認知できないらしく、彼の言うことを信じて走っていたら、Ottawa滞在中に二度ほど、dead endに送り込まれてしまいました。とほほ。

3.カナダのフランス語事情
英語・仏語のバイリンガル国家として知られるカナダ。首都Ottawaでは、ほぼ完全に両国語表記が用いれています。当たり前の話ですが、これって単純に言うと、普通に一ヶ国語で書くのの倍のスペースがいることになるわけで、看板を作ったりするのはなかなか面倒くさいんじゃないかと思ってしまいます(両方公用語なので、どっちかを小さくするわけにもいかず…)。ただ、そこは生活の知恵で、カナダ人も多少の省力化を試みているようでした。

どういう省力化かというと、仏語と英語で固有名詞をサンドするという秘儀。たとえば、さっき出てきたAlexandra Bridgeを例にとると、英語では「固有名詞(Alexandra)+一般名詞(Bridge)」という語順なのに対し、フランス語では「一般名詞(Pont)+固有名詞(Alexandra)」という語順になるので、"Pont Alexandra Bridge"と書けば、ささやかながらスペースを稼げる、というわけ。街中のいろんな看板が、このシステムを採用していて、Gatineau公園は"Parc de la Gatineau Park"、Ottawa川は"Riviere des Ottawa River"という具合。中には"Canal Rieau Canal"(リドー運河)なんてのも。日本人の目から見ると「さすがにこれはどっちかだけでええやろ」と思ってしまうわけですが、このへんは、政治的になかなかそう簡単ではないんでしょうね。

ちなみにOttawa川がOntario州との州境になっていて、対岸のGaitenau市からは仏語圏のQuébec州。というわけで、橋を渡ってGaitenauに突入した途端に、完全に仏語がdominantになります。こんなにも英語がきれいさっぱり消え去るものかと、結構新鮮な驚きでした。

4.(おまけ)カナダ環境省をのぞいてみる。
サイクリングルートを少しはずれて、カナダ環境省(Environment Canada)に立ち寄ってみました。といっても、土曜日だったので、ビルの入口からして閉まってたんですが…。カナダ環境省は、Ottawa市内ではなく、Gaitenau市(の一番Ottawaに近いところ)にある連邦ビルの一つに入っています。とはいえ、ビルの外には環境省の看板はなく、本当にそん中に環境省が入ってるのかどうか、自分の目で確認することはできず…。その代り連邦ビルのすぐ横で見つけたのが、この赤いスノーボードショップ!!(右の写真。後ろの白いビルの8階が(たぶん)環境省。)その距離わずか徒歩1分!! 一段と、カナダが羨ましくなった瞬間でした(笑)

5.総括
既に長々と書いてしまったので、手短に書こうと思います。カナダがいろんな意味でアメリカと違うという話は、当然、行く前からいろいろ聞いていましたが、実際行ってみて思ったのは、想像していた以上に両国のギャップはデカいということ。理由はいくつか考えられて、①国民の所得格差が少ない、②本国と戦火を交えていない→米国のように英国(ひいては欧州)のアンチテーゼを追求する必要がなかった、③仏語圏文化の影響、など挙げられると思いますし、たぶん、そのどれもが一因なんだろうと思います。

一方、逆にカナダという鏡に照らしてアメリカという国を見てみると、この国(アメリカ)は、libertyとdemocracyの追及という自らのレゾンデートル(だとアメリカ自身は信じている)に、無制限に固執するあまり、あまりにもいろんなものを犠牲にしているんじゃないか、という気がしてきました。

世の中に「完全なるもの」がない以上、完全なるlibertyやdemocracyを(建前だけにせよ)追い求めようとすれば、必ずどこかに矛盾が出てくるはず。Canadaは、経験的にか直感的にか、そのことに気づいた上で、妥協すべきところは妥協して、調和のとれた国家を築いているような気がしました。(たとえば、カナダ国会は二院制ですが、上院議員は選挙によって選ばれるのではなく、首相の助言に基づく総督の任命によって選ばれるという、ある意味、民主的でないシステムを今も維持しています。) というわけで、アメリカという国をさらに深く考える意味でも、有意義な3日間でした。

以上、カナダ旅行報告、終わり。

ときにここで深刻な問題が。Syracuseの天気予報が、ついに「雪」になってしまいました!! まだ11月にもなってないんですけど…(泣) 数時間後が心配です。。。
my home, Syracuse, Oct 21, 25:38

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