Tuesday, October 7, 2008

Causes of State's Fiscal Crisis #2

今日は、2回目のPresidential Debateがありました。両候補とも、言ってることはこれまでと同じですが(違っていたら困りますが)、司会者から「health insurance, energy, educationの優先順位をつけろ」と言われたObamaさんが、はっきりと「energyが1番」と言いきってたのが印象的でした。(McCain候補は順位を明言せず。)

Obamaさんのエネルギー政策は、electric car、clean coal、nukes の3本柱ですが、前二者(特に電気自動車)の技術開発については、「とにかく、アポロを月に飛ばしたときの気合いで頑張る」そうです。「ケネディは『10年以内に人類を月面に立たせる』と公約してそれを実現した。アメリカが本気になれば、今回も絶対できるはず」というObamaのロジックには、まったくロジック(論理)がありませんが(笑)、それでも、この人が大統領になったらほんとにデカイことが起こるんだろうなという予感が漂っています。エネルギームラ、ひいては温暖化ムラで。とりあえずclean coalが脚光浴びるのは間違いないと思うので、日本も乗り遅れないように頑張ってほしいと(勝手に)思ってます。


さて、ここから先は、一昨日、途中でヘタれたPublic Budgetingのテスト勉強の続き。

2. Wisconsin
1990年代、好況を享受していたWisconsin州政府と州議会は、しばしば減税と歳出拡大を同時に行わざるを得ない政治的状況に追い込まれた。その結果、歳入と歳出のギャップは、構造的な州政府の借金として積み上がっていったのであった。
2001年3月に景気の後退が始まると、多額の財政赤字が表面化。2001-03財政年度(2年制)は、$2.4 billion の赤字に見舞われることになる。その後、急激な歳出カットと増税、更には、将来のタバコ収入を見込んだ借入れを行ったが、財政状況は一段と悪化、2003-05財政年度には$3.5 billionの財政赤字を計上するに至った。

3. Colorado
TELs (tax and expenditure limitations) の流れを受け、1992年、Colorado州は州憲法を改正。TABOR(Taxpayer Bill of Right―納税者の権利章典―)と呼ばれるこの改正で、人口当たり(一人当たりの収入は加味)の歳出の制限が導入され、その値は、他のどの州よりも厳しいものであった。
TARBOR導入の結果、Colorado州は、低税率の州への変身を遂げる。州政府と州下の自治体を併せた税収額は、1989年時点で全米28位だったのが、2000年には43位に、2003年には46位(これは州政府の税収のみを比較した結果)にまで下がった。
好況期には、賞賛を集めたTABORであったが、2001年以降、アメリカが不況期に入ると、その制限の厳しさゆえ、州政府の財政政策の機動性のなさを露呈、不況に対する有効な手立てを講じることができなかった。
それどころか、厳しくなる財政状況の中で、earmark(なんて訳したらいいんだろう?)や民営化が多発し、パブリックセクターの効果(effectiveness)を制限する結果を招いた。
結局2005年、同州は住民投票により憲法を修正、高等教育や医療保険などに充てるため、5年間にわたり$3.5 billionの税を追加的に徴収することを決めた。


さて、ここで課題に戻りましょう。テストに出る(と勝手に予想している)課題は、「3州のケースを比較した上で、なぜ、CaliforniaとWisconsinの2州では財政危機が起こったのか、これら2州とColoradoでは実質的に何が違ったのかを考えなさい」というもの。

とりあえず、課題に答えるという意味では、「好況期(1990年代)にどれだけ財政規模を膨らませたか、が実質的に違っていた」、「好況気に減税を敢行したという点は3州に共通しているが、CaliforniaとWisconsinの2州は、一方で歳出の拡大も行っていたため、2001年に経済が不況に転じ税収が激減したのちも、財政規模をすぐに縮小することはできず、結果、膨大な財政赤字に苦しめられた」という感じになるのかぁ…。

ただ、Colorado州を扱ったケーススタディ("Fiscal Management Implications of the TABOR Bind" by C.R. Martell & P. Teske, 2007)自体は、TABORをかなり否定的に書いていました。"TABOR to achieve fiscal control have paradoxically weakened general fiscal management opinions." などと。

じゃどうすればいいんだと言われても、当然答えはないわけですが、「州ってものすごい大きな権限を持っていて、自分の裁量でいろんなことを試みてるんだなぁ」というのが素朴な感想です。日本で道州制を敷いたからといって、その新しくできた「州」に、アメリカの州に見られるような強い自主性が宿るとは、残念ながら思えませんが…。

さて、答えの英訳にとりかかりますか。

my home, Syracuse, Oct 7, 25:23

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