Saturday, October 3, 2009

VCASI

Virtual Center for Advanced Studies in Institution(仮想制度研究所:VCASI)という、東京財団のプロジェクトがある。青木昌彦先生が主宰を勤められているプロジェクトで、今年一月に読んだ青木先生のこちらの本でも紹介されていた。
  
そのVCASIのサイトに、青木先生の筆による「主宰挨拶 2009」という文章が掲載されている。今日、たまたま見つけて読んでみたのだが、今日の状況において、僕らが持つべき視座・問題意識といったものが、的確に表されているように思う。(以下、抜粋)
現在の危機を目の当たりにして、「市場制度に欠陥はあるが、それに勝る制度はない」ということがよく言われています。それはその通りなのですが、そう言っているだけでは済まないところがあります。市場制度の運営には、制度経済学が明らかにしたように、多様な形態がありうるからです。しかもその多様性の源泉、相補性、動態進化、政策的効果などの理解には、すでに示唆したように、市場制度と政治制度、社会通念、人々のあいだの認知の構造などとの関連研究がますます不可欠になってきています。更に、この危機といわれる時代に、日本、アメリカ、中国、ロシア、EU、イスラム圏、アフリカ、ラテン・アメリカなどは、それぞれ消費のパターンや技術のパラダイム変化、人口構成の変化などに関連した、それぞれにある程度独自なアジェンダに直面していると同時に、グローバルな自然・気候環境という地球共有地の問題をも共通に抱えています。
留学も残り9か月。単に、授業で出される課題をこなしながら教科書的な知識をなぞるのではなく、現実の泥臭い文脈の中で適応可能な知識・経験を少しでも多く積んで帰ることを、常に意識して過ごしたいと思う。
my room, Washington, DC, Oct 2, 25:47

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