Sunday, May 24, 2009

What to do in Ghana

無事、Syracuseに帰還。

それなりに大きな期待を寄せて参加した、今週の“African Development Seminar”であったが、終わってみると、幸いにも、当初の期待をも上回る成果が得られたと思う。たくさんの情報を仕入れられたことは言うまでもなく有意義であったし、それにとどまらず、同級生たちとの議論を通して、気持ち・モチベーションの面でも、良い刺激を得られたように思う。

そんな中、先週、NYCで考えた、「この夏のインターンで何を見、何をすべきか」という問についても、一定の答えが得られた。
  
今後の人生で自分がやりたいことは、決して「開発」そのものではない。言うなれば、「開発」と「環境」という二つの世界を、より効果的・効率的に<繋げる>方法を見つけ出すということ(「開発」と「環境」だけでなく、「環境」といろんな分野を<繋げ>たい)。非常に抽象的な言い方なので、もう少し具体的に言うと、たとえばこんな感じ。
  
気候変動がアフリカに与える悪影響を強く懸念している「開発」分野の人は多い。彼らは、「砂漠化、食糧難、難民の増加、政情不安などの様々な問題が、気候変動によってアフリカ諸国で引き起こされる」と訴える。しかし、これらの問題を個別に扱うのではなく、「(気候変動への)adaptation」という括りで、集合的に扱おうとするならば、それを扱うアリーナは、おそらく、「開発」の世界ではなく、「環境」の世界の一部になるはず(京都メカニズムで、CERs発行益の2%がAdaptation Fundに収められると規定されているのはその好例)。少なくとも、「環境」と「開発」の共催アリーナで議論がなされるはずであって、「環境」の世界の人間のあずかり知らぬところで議論が進められるということは、多分あり得ない(なぜなら、adaptation名目でaidが行われる以上、その原資は、各国の環境セクションを通して拠出される可能性が高いから)。
   
問題は、「環境」の世界に、「開発」に明るい人間が多くはないということだ。少なくとも、日本についてはそうだと思う。「環境」の世界に本籍を置きつつ、「開発」の分野にも「関心」を持っている人、「simpathy」を抱いている人は多いと思うが、「開発」に関するきちんとした知識を持っている人がどのくらいいるかというと、かなり怪しい気がする。
  
僕のやりたいことは、「開発」の世界も見渡しながら、「環境」の世界の判断ができるようになること。たかだか一夏の付け焼刃で、「開発」分野の専門家に追いつけるわけはないのだが、「開発」「環境」両分野のnexusとして働けるくらいの理解を得ることは、もしかしたら可能なのではないか…と。とりあえず、そのゴールに少しでも近づくことが、この夏の目標。その意味では、僕がガーナでやるべきことは、きわめて当たり前と言えば当たり前で、開発と気候変動問題との関係(mitiagtion、adaptationの両面)に関し、自分なりの視点を得られるよう、見聞を積んでくるということだと思う。mitigationに関しては、「まだまだmitigationを考えるような発展レベルにはない」という結論に至るならば、それはそれで良し。いずれにせよ、どこかから借りてきた言葉ではなく、自分の言葉で語れるようになることが重要だと思う。
 
ここまで考えると、出発前に勉強しておくべきこともおのずと見えてきた。明日からの4日間、引っ越し準備を進めつつ、どこまで勉強しておけるかが、まずは勝負。
   
ここ一週間、もっぱらアフリカ関係の記事を書いてきたが、環境関連のニュースを一つ。今週21日(木)、下院のEnergy and Commerce Committeeは、Waxman-Markey法案を可決したとのこと。Gristによると、他にも最低6つの下院委員会が、本法案の jurisdictionを主張しているらしく、成立はもちろん、下院通過まででも、道のりは、まだまだ、まだまだまだまだ長そうだが、ともあれ、歴史的な一歩が刻まれたということで、拍手。
my home, Syracuse, May 23, 25:28

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