Wednesday, May 13, 2009

Japanese Soul Food –NYC #2–

NYといえば、一風堂(違う?)前回3月にNYを訪れたときには、行列が長すぎて断念したが、今回は、満を持して、空いていそうな夕方を狙って行ってみた。NY店には、去年の年末以来、2度目の来店。今回もいつもどおり(日本にいたときから)、「白玉」をいただいてきたが、日本で食べるのとまったく変わらぬ味に感動。たぶん「赤玉」も他の料理もそうなんだろう。ちなみにNY店は、ラーメンのほかに、夜には居酒屋的なメニューも出していて、日本で言うところの「一風堂」と、「五行」(←一風堂が展開しているダイニング)がくっついたような感じの営業形態になっている。

このお店、前回に来た時にも思ったのだが、店員さんの雰囲気が非常に良い。もちろん、繁盛しているからということもあるのだろうが、店内に流れている空気がすごくポジティブで、かつ、良い意味で「日本的」なのだ。

店員さんの構成は、ざっと見たところ、日本人半分弱、(日本語を流暢には話せない)日系人半分弱、日系人以外のアメリカ人少々。なので、店員さんの間でのコミュニケーションは、日本語がdominantというわけでもないのだが、流れている空気は明らかに日本のそれ。アメリカの普通のお店で感じる空気とは根本的に違うし、他のなんちゃって日本料理屋さん(失礼)の空気とも何かが違う。

「白玉」を啜りながら、何が違うんだろうと考えていたのだが、たぶんこれじゃないかと思ったのは、自発的かつ分権的な改善意欲の存在。見ていると、店員さん同士で仕事の仕方を教えあったり、何人かで集まって、料理の出し方を話し合ったりしている光景がときどき目に映る。そういう光景を通して伝わってくるのは、店員さんが、自分の店、自分の仕事を愛していて、上の人から言われるまでもなく、自ら進んで何かをより良くしていこうとしている姿勢。

また、「上から言われるまでもなく」とは書いたが、「チーフ」的な感じのお兄さん(僕より5つくらい上くらい?)もすごくいい。いつもにこやかに店内を歩き回りながら、決してきつい言葉は使わずに、しかし、こまめに、店員さんへの指示を出し続けている。そして、店員さんみんなが、彼のことを素直に尊敬している様子がなんとなく伝わってくる。

日本にいれば、こんな光景を見ても当たり前にしか感じないのかもしれないが、この国で見ると、ある意味新鮮で、「こういうのってやっぱ日本の良さだよなぁ」と妙に感心してしまう。組織に対して無批判に忠誠を誓うことが正しいことだとは決して思わないが、自らの仕事を愛する姿勢は、日本の美風であり、強みであるとも思う。楽しみながらそれをできるなら、もはや言うことはない。「最高」の一言に尽きる。

もちろん、みんながみんな、そんな楽しい仕事にありつけるわけではないし、どう考えても楽しめない(あるいは「愛せない」)仕事は日本にだってたくさんあると思う。が、少しでもたくさんの人たちの間で、「働く」ということに関する日本の美くしい感覚が受け継がれていってほしいなと、外から日本を見る者として、ふと思った午後だった。

my home, Syracuse, May 13, 14:22

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