Wednesday, May 13, 2009

What to do before leaving to Ghana –NYC #1–

ガーナ渡航の手続きをしに、一泊二日でNY市に行ってきた。

昨日の午前中は日本とガーナの領事館に行って、それぞれ所要の手続きを済ます。ガーナ領事館の窓口のお姉さんの、意外なほどの手際よさに、(失礼ながら)驚く。職業のわりに、この手のペーパーワークが頗る苦手な僕、何か不備がないだろうかとビクビクだったが、なんとか両方とも、一発で手続きが済んで一安心。これで法的には、いつでもガーナに入れる状態になった。

お昼は、職場の先輩の友人で、国連で働いておられる日本人の方(Nさん)と昼食をご一緒させていただく。このNさん、この4月からはNYにある国連の一機関で働いておられるが、その前は西アフリカのシエラレオネで働いておられた。ガーナでのインターンの前にお話を伺わせていただきたいと、先輩を通してお願いしたところ、ご快諾いただいた。

Nさんが特に強調しておられたのは、「国連の強みは人を現地に送り込むことだ」ということ。電気や銀行といった、ごくごく基本的なインフラさえ整っていない地域では、「お金を渡して誰か(=agent)に何かをやってもらう」というやり方はほとんど機能しない。実際に現地に乗り込んで自ら回していくしかないんだ、と。限られた法的・物理的ツールを使って山積する課題を解決していくプロセスは非常にクリエイティブであり、そういった仕事にこそ、一番の醍醐味を感じる、ともおっしゃっておられらた。逆にある程度インフラが整い、現地政府が機能し始めると、aidの額の大きさがモノを言う世界になり、そうなると国連よりも、世銀や地域開発銀行(アジアで言えばADB)の出番となる。世銀と国連のaidの額には“billion”と“million”の差がつくこともザラだそうで、そういった発展段階の国の国連現地事務所の中には、オリジナルな強みを発揮するのに苦戦しているところもあるとのこと。

その意味では、ガーナはたぶん、中間的な位置にある国。もちろん、中国やASEAN諸国などと比べれば開発はだいぶ遅れているが、たとえば、Nさんのおられたシエラレオネに比べれば、はるかに安定的な発展を遂げている。少なくとも、地元政府は十分に機能していると言っていい。だからこそ「環境」などというテーマにも取り組めるわけだが、そういった発展段階の国で国連が何をできるのか、よく見てきたいと思う。

もう一つ、Nさんとのお話しの中で見えてきたのは、僕自身、このインターンの中で何を見、何をしたいのかが、十分に自分の言葉で語れるレベルまでには詰め切れていないということ。

言うまでもないことだが、「温暖化問題も大事だが、途上国の発展・開発も大事だから」というような浅薄なレベルの回答では意味がない。「地球温暖化は現実に起こっており、その原因は人為的な温室効果ガスの排出であって、したがって、国際社会はこの問題に対して何らかの効果的な対策を講じる必要がある」と信じると同時に、「日本を含む先進国の社会水準は(少なくとも国民の「幸福」という評価基準において)可能な限り維持されるべきである」と考えている「僕」という人間が、その人格を維持したままで (つまり、「それはそれ、これはこれ」と、問題を切り離してしまうのではなく、)途上国の問題を考えるとき、どういった方向性を「解」として導き出すことができるのか、言いかえれば、温暖化問題を中心に、僕がこれからの“仕事”を展開していく中で、途上国の開発問題には、どのようにアプローチしていけばいいのか、それに関する「仮説」を十分に描けていないことが、自分の言葉で語れない最大の原因だろうと思う。アメリカを発つまでに、「仮説」を煮詰めることができれば、インターンの場は、その「仮説」の正しさを確認するための場として、また、「仮説」が十分に描ききれていない部分(missing piece)を埋めるための場として、有効に活用できそうな気がする。

正直言って、今の自分には「仮説」を立てられるだけの背景知識が備わっていない。この状態で無理やり「仮説」を立てようとしても、単なる当てずっぽうにしかならず、ほとんど無意味。まずは知識が必要。出発までちょうど残り二週間。短い期間ではあるが、ちょうど来週にはアフリカの開発に関する短期集中講義も受講するわけで、出発までに、できる限りたくさんの文献に触れておきたいと思う。

my home, Syracuse, May 13, 14:00

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