Wednesday, December 23, 2009

What is Environmental Policy?

環境政策とは何か――このド真ん中直球すぎる問への答えを、この半年間、僕なりに考えてきた。

昨日のエントリーにも書いたとおり、DCには、いろんな面白い人たちがいる。スゴイ人たちがいる。外交のプロと話をすれば、如何に自分が国際政治をわかっていないかということを思い知らされるし、技術のプロと話をすれば、彼らの世界が如何に奥深いものかということをまざまざと見せつけられる。そして僕の頭をよぎるのは「環境政策とはいったい何なんだろうか」というprimitive過ぎる疑問。それは、僕ら“環境屋”がしなくちゃいけない仕事とは何なんだろうか、という疑問でもある。青臭いと思われるかもしれないが、これは非常に重要な問題。まぁ少なくとも、僕にとっては、という意味でだが(笑)

環境政策というのは、それだけで成立するようなものではない。と、言い切ってしまうとやや正確性を欠くが、そういう性質を持ったsub-領域が多くを占めているのは事実だろう。温暖化対策なんてのはまさにその典型。

僕のイメージだと、そういった、“非自立型”環境政策がカバーするのは、いくつかの(政策)分野が重なり合う部分(つまりABC∩...な部分)、ということになる。ここで、AなりBなりCなりに該当してくる分野は、数え上げればそれこそきりがないわけだが(もちろん、数え方にもよる)、とりあえずポイントを押さえるという意味では、次の4つくらいを意識しておくと良いんじゃないかと思う。
  1. 国民経済政策(如何に国民全体の(経済的な意味での)welfareを高めるか。含、産業政策。)
  2. 外交政策
  3. 技術(政策)
  4. (環境影響についての)科学的知見
そもそものレゾンデートルは、何と言っても4.。「ここまでやると環境的に(ひいては人体への影響という意味で)マズいですよ」ということを、客観的な――できるだけ客観的な――科学的知見に基づいて、他分野へと発信・要請していく。これは“狭義”の意味での環境政策とも言える。
 
しかし、哀しいかな、人間様の世界は、それだけでは回ってくれない。「将来のことを考えるのも良いが、とりあえず今日明日、食っていけるのか??」という問いにも答えないといけないし(→ 1.)、一国だけではどうにも解決できないようなとき(ex. 温暖化)には、他国との協調体制の構築――それも出来るだけ、自国が割を食わないような形での――が極めて重要なファクターになってくる(→ 2.)。また、どういう径路をとるにせよ、最終的には、新技術の開発・普及が解になることが大半なので、3.の要素も非常にcriticalだと言えるだろう。

ここで最初の問に立ちかえれば、これらのファクターを如何にうまくバランスさせるか、ということこそが、環境政策(あるいは“広義”の環境政策)なんじゃないかと思っている。

言うまでもなく、「バランス=調整」なので、このプロセスは、たぶんに政治的になりがちである。個人的な意見を言わせてもらえば、むしろ、そうあるべきだと思う。こんな、本質的に「調整」を要する業務を、(political appointeeではない)役人にやらせていたのでは、「調整」のつもりが、書面上の「帳尻合わせ」で終わってしまう、なんてことにもなりかねない。ここには、積極的な政治判断が必要だ。そんなふうに思う。

ではそういった中で、非politicalなenvironmental officerが果たすべき仕事とは何なのだろうか。明確かつ包括的な答えがあるわけではないのだが、今学期の勉強の中で、一つの方向性として見えてきたものがある。次回のエントリーでその辺のところを書きたい。
my room, Washington DC, Dec 23, 9:50

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