Sunday, July 12, 2009

Trip Over the Lake

昨日は、念願叶って、初の郊外出張に行ってきました。先週木・金とAccraで行われていた国際会議の附属イベントとして行われたone day tripに同行させてもらい、Volta Lakeの向こう側、東の隣国Togoとの国境に位置するVolta Resionへ。今回のツアーは、同会議を主催する某国際基金が援助しているコミュニティベースのプロジェクトの実施サイトを巡るもの(と書くと、分かる人には、「某国際基金」がどこのことか、すぐに分かってしまうと思いますが…)。以下、各村での体験を徒然に。

一つ目の村は、村落周辺の森林を保護するプロジェクトが行われているところ。昨日は、プロジェクトサイト自体にはお邪魔できなかったのだが、代わりに(代わりに??)村人総出の大歓迎を受けた。
  
観光バスが到着するや、民族衣装を着た露払い風の男性が、打楽器を打ち鳴らしながら何事かを高らかに歌い始める。彼の先導の下、村の集会所までたどり着くと、そこでは、村の若者たちが太鼓とダンスで大歓迎(左の写真)。最後に、立派なトーガを身にまとい、右手にきらびやかな杖を持ったChief(酋長)と思しき老人が現われ、僕たちを集会所内部に招きいれてくれた。
 
集会所の中では、事務的な内容(NGOスタッフからのプロジェクトの進捗状況の説明など)と儀式的な内容が同時並行で進行。時間的には前者3:後者7。印象的には1:9で圧倒的に「儀式」の勝ち(笑) 村人たちと、我々一行との友好を確かめ合う(のが目的なんだと思う。もちろん説明はなかったけど。。)儀式の最高潮では、集会所の中にいた村人の皆さんが、一斉に「あわわわわわ」と叫びはじめ(西部劇で、native americanの人たちがよくやっている、手を口に当てて声を反響させるアレです)、それはそれは、結構な迫力でした。

こういう、「近代」と「土着」の融合する場面は、アフリカに限らず、日本を含め、どこの国でも多かれ少なかれ見られるものであるが、よそ者からするとやはり非常に興味深い。首都Accraにいてはなかなか見ることのできないoriginalなGhanaの一面に触れることのできた、非常に貴重な経験であった。(二つ目の写真は集会所の中の様子)

二つ目の村では、sustainable agricultureの活動が行われていた。この村では、1993年に土砂崩れが発生し、農地が崩壊。その後、村の若者が中心となってNGOが結成され、彼らが他の村人をコーディネイトする形で、持続可能な農業の実践を行っているらしい。あまり詳しいところまでは理解できなかったのだが、要は、育てる作物をうまく組み合わせながら、土地がやせ細ってしまわないよう、持続的な耕作を行っている、ということなんだと思う。左の写真はナスビ畑。この地域のナスビの実は、表面が白く、日本のナスビよりも小さい。その実物を見て、「あぁなるほど、だからegg ptantなのか」と、思わず膝を打った(恥ずかしながら、なぜ“egg plant”なのか今まで知りませんでした )。
  
興味深かったのは、土地の権利に関するお話。活動を始める際、そのNGOは、役場からではなく、この村のChiefから、承認を受けたんだとか。というのも、村の土地については、事実上の処分権限をChiefが握っている。確かに、考えてみれば、近代的な土地台帳があるはずもなく、そもそも、municipalityの施政がどこまで及んでいるのかは謎。となると、なんとなく「ここからここまで」と区切られた村の内部については、Chiefが土地の使い道を決める、というのも道理と言えば道理なのかも知れない。だが、ふと思ったのだが、たとえば、aforetationやre-forestationのCDMを組む場合、その対象地の範囲を明確する必要があると思うのだが、こういったケース(Ghanaに限らず、こういうケースは少なくないはず)はどうやっているのだろうか。
  
最後に訪れた村は、村の周囲の森林を刈ってしまわず、維持・育成することで、野生のサルを保護し、エコツーリズムで生計を立てるというプロジェウトに取り組んでいる。
   
とはいえ、野生のおサルさんになんて早々簡単にはお目にかかれないだろうと思いながら、トレイルを歩き始めると、特に待つこともなく、普通にお会いすることができた。しかも、一匹と言わず、何匹も(左下の写真)。なぜこんなに簡単に野生のおサルさんに出会えるかといえば、ごく単純な話で、バナナで餌付けしているから。トレイルの途中に「餌付け」ポイントがあり、そこに来ると案内役の村人さんが、観光客にバナナを手渡し、餌付け体験をさせてくれる。
  
その光景を見ながら、(いちおう)環境屋のハシクレとしては、「うーん…」と思ってしまったのだが、この村の人たちからしてみれば、森を畑にせずに保存している以上、観光収入が得られないことには食べていけないわけで、そのためには、観光客にコンスタントにサルに出会っていただかねばならず…。森が刈り取られ、サルがどこにも住めなくなってしまうことに比べれば、これもまぁ、ある種のsecond bestなのだろうと、自分を納得させたでありました。

と、盛り沢山で大満足の一日であったのだが、 ガーナの田舎道の悪路には、相当参った。言うまでもないが、NY州の道路なんて、いくら整備が行き届いていないと言っても、昨日の道に比べれば天国のようなもの。途上国の地方部が経済発展をしていく上で、まともに走れる道路を敷くことが如何に重要かということを、身に沁みて経験した一日であった。

なんて言っていたら、明日・あさっては、再び一泊二日で郊外に出張。田舎の様子を見れるのは嬉しいのだが、またあの悪路を行くのかと思うと、嬉しいような辛いような。。(笑)
  
最後に、エコツーリズムの村で撮った、立派な大木の写真を。全く自信はないですが、おそらく、アフリカンマホガニーの木だと思われます。
African Mahogany?, Volta Resion, Ghana
Accra, Ghana, July 12, 18:31

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