Monday, July 27, 2009

Eric Schmidt

経ビジネス(web版)に出ているFinaicial Timesの翻訳記事が面白い。『戦略家のグーグル』との邦題が冠されたその記事(原文はこちら)は、 GoogleのCEOであるEric Schmidtが、Bill Gates率いるMSに挑み、敗れ、敗れした後に、2001年、Googleに迎え入れられ、「MSを最大のライバルとして意識するも、その対決姿勢はひた隠しにする」という戦略を主導し続けてきたことが書かれている。
  
1983年に博士号を取得した際、すでに、「ネットワークがコンピューターになる」という、今日のクラウド・コンピューティングに通じる(というか、そのもの?の)発想を持っていたということにも驚かされるが、そのビジョンを最も具体化しやすいと思われる(そして、実際、そうだった)Googleに入社して以降も、無邪気に自らのビジョンを喧伝して正面突破を図るのではなく、むしろ、対外的にはそのビジョンを隠し続け、何が狙いなのかを敵から気づかれないようにしておきながら、周辺パーツの提供という活動を通して気づかれぬ間にMS包囲網を築きあげ、最後の最後の仕上げに「OS提供」を持ってくる、という戦略の妙にも唸らされる。
  
記事で紹介されている、シリコンバレーのベテランバンカーのSchmidt評が興味深い。
“He has the detailed engineering mind that understands the technology from top to bottom, but also understands markets and business models – it’s the same combination that made Bill Gates so successful,”

「シュミット氏には技術を隅々まで理解できる精緻な技術者マインドがあるが、同時に市場やビジネスモデルも理解している。この組み合わせは、ビル・ゲイツ氏に極めて大きな成功をもたらしたものと同じだ」
当たり前の話だが、技術と経営の両方に明るい人間は強い。残念ながら、僕は何年かかっても、GatesやSchmidtのようにはなれないが、経済だけでなく、技術のことについても、少しでも多くを知ろうとする姿勢は持ち続けなければならないと思う。
my room, Accra, Ghana, July 27, 22:36

No comments: