Wednesday, July 29, 2009

Not made in Japan

このblogでも、これまで何度か触れてきたが、日本の産業構造に関する議論には非常に興味がある。というか、本来、一国の環境政策を語ろうと思うならば、その前提として、その国の産業構造の将来に関する自論を持っていないといけないと思う。そうでなければ、「閉じた」議論にならない。
  
とはいえ、僕自身、未だ確たる自論を持てているわけではない。本当に日本は製造業依存から脱するべきなのか、僕の中では、まだ確たる答えはないし、また、その答えが仮に「yes」だったとして、その先にあるという「サービス産業化社会」というのは、具体的に、どういった姿を持つものなのか、僕にはよくわからない。一年後、日本に帰るまでには、一応の答えを見つけて帰りたいと思っている。

その意味で、最近、JB Pressに出ていた、Financial Timesの邦訳記事(『日本の工場の未来』(原題“Not made in Japan”))がそこそこ面白かった。曰く、“将来は「日本からの輸出は最先端の産業でさえ理にかなわなくなる」”(by シャープ片山幹雄社長)との見方がある反面、“「日本は、生産および設計の面で組織の協調がかなり必要になる製品は、得意なはず」”であり、“さらに、この優位性には永続性があるはず”との意見もある (by 東京大学「ものづくり経営研究センター」 藤本隆宏氏)。藤本氏の言うような“世界的に競争力がある製品を別にすると、日本には今後も発展していくと見られる工場が2種類ある。国内市場向けにジャスト・イン・タイム方式でモノを生産する「クイック工場」と、製品設計者にリアルタイムで情報をフィードバックをする、研究拠点に併設された「マザー工場」だ”とのこと。こうやって書きだしてみると、ある種、陳腐なことしか書かれていない気もしてきたが…(苦笑)

日本の製造業が、完全にゼロになるまで駆逐され尽くすなんてことは、まぁないと思うので、問題は、「世界的に競争力がある製品」の生産であったり、「クイック工場」なり「マザー工場」なりで、どれだけの雇用を吸収できるか、ということだろう。ただし、それを知るには、更なる勉強が必要だ。
my room, Accra, Ghana, July 29, 23:21

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