Monday, June 22, 2009

Deeper reason for sub-Saharan backwardness on CDMs

なぜCDMプロジェクトには如実な地域的偏りがあるのか。中でも、南アを除くsub-Saharaの国々で、これまでほとんどCDMが行われてこなかったのはなぜなのか(←ナイジェリア2件、ウガンダ、タンザニア、ケニアが一件ずつ)。

この問に対する最も一般的な回答は、「“CDM後進国”における ①削減ポテンシャルの不足②キャパシティ不足」というものだろう。

①の方は確かにその通りで、ガーナのような国が中国やインドやブラジルのように、バカバカCDMを量産できるわけはない。そもそも、削減ポテンシャルの量が違い過ぎている(逆に言えば、中国やインドやブラジルのように、バカバカGHGを排出しているわけではないということ)。ただ、そうは言っても、一つもCDMを作れないほど、削減ポテンシャルがないわけではないので(少なくともガーナはそうだし、他の国でも事情は同じだと思う)、①の理由は、案件が「0」、あるいは、それに限りなく近い状況であることの直接の説明にはならない。

②の方は、そもそも何の“キャパシティ”なのかがはっきりしないので、当たっているとも間違っているとも言えないのだが、仮に、ここでいう“キャパシティ”が、CDM申請のために必要な諸手続きに関するキャパシティのことなのだとすれば、対応は、比較的簡単なのではないだろうか。それにまつわる技能については、国際機関や各国ドナーが、途上国の政府職員に対するキャパシティビルディングをわりと頻繁に行っているみたいだし、また、その気になれば、コンサルタントを呼んできて、丸々お願いしてしまうことだってできる。
  
それよりむしろ根の深い問題なのは、CDMのベースとなる事業(たとえば、landfill gas回収型のCDMであれば、廃棄物処理場の建設、運営を行う事業)を的確に運営できるoperatorがいないこと、また、いたとしても、その事業を立ち上げるだけの資金を調達できないことではないかと思う。
  
CDMから生み出されたCERの売却益は、確かに事業収益の足しにはなるが、事業コスト全体をカバーしてくれるという保証はない。事業に要するコストの額と、削減されるGHGの量、それに、CERの市況次第。また、仮に、CERの売却益が事業コストを上回ったとしても、CERの売却益が入ってくるのは、一年以上事業を回した後なので、それまでの事業立上げ期は、CERの売却益以外の資本でファイナンスしなければならない。信用力の乏しい低開発国の事業者が、この部分のファイナンスに難儀することは、想像に難くない。


この点が、sub-Saharaの国々でのCDMの成立を難しくしている、ひとつの大きなポイントなのではないかと、最近、仕事をしながら感じている。こんなことは、ビジネスサイドからCDMを見ている方々にとっては常識なのかも知れないが。
my room, Accra, Ghana, June 22, 22:00

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