Tuesday, June 16, 2009

Belgian, American, Japanese

ワークショップ二日目。

昨日も書いたとおり、HCFCをガーナの市場からphase-outすることが、このワークショップの最終的なゴール。その道のりは、ガーナの人たちからしてみれば、それなりに厳しいものなので、ぎちぎち議論するだけでなく、「やればできますよ。がんばりましょう!」とポジティブに働きかけるのも大事なこと。ただ、そのやり方が、ベルギー人とアメリカ人で大きく違っていて、今日は、そんな二人の様子を興味深く観察させていただいた(←はるばるアフリカまで来て何を見てるんだという話ですが。苦笑)。
  
ベルギー人の方は、意識的にテンションを挙げて、ポジティブな話をされているご様子。その話術はなかなかのもので、ガーナの人たちの心をとらえていたと思うし、僕も感心して聞かせていただいた。だが、コーヒーブレイクのときなんかに二人になって話をすると、「ココとココがまだまだ課題なんだよねぇ…」といった感じで、本音の部分も聞かせてくれる → ある種、日本人とも似た雰囲気を感じる。

それにひきかえ、アメリカ人。

この人は、根っからのポジティブ。プレゼンをしていようが、二人だけでしゃべろうが、話す内容は全く変わらない。自分の持ってきたプランに絶大なる自信を抱いていらっしゃるご様子。はっきり言って、そのプラン、突っ込みどころ満載なんですけど…。

まぁ、このお二人の姿だけから、一般的なベルギー人(あるいは欧州人)像/アメリカ人像を描き出そうというのも無茶と言えば無茶なのだが、そうは言いつつ、それなりにそれぞれの特徴が現れているような気がした。特にアメリカ人の方は。なんというか、絵に描いたようなリベラル系アメリカ人。シリコンバレーとかに行くと、こういうタイプがゴロゴロいてそう(行ったことないけど。)。

ここから先は一般論。かつ、半分(以上?)推論なのだが、彼ら(=アメリカ人)の流儀を一言で言うと、「ビジョン先行」「細部なんて詰めない」「learning by doing」。細部は放っておいて、とりあえず美しいビジョンをどかーんと示すもんだから(←その見せ方は確かに上手)、聴いている側は一気に彼らの世界に引き込まれてしまう。そんな雰囲気の中、細部にまつわる質問なんてしようものなら、「そんなちまちました話をこんな場で聞くんじゃねぇよ、このコンサバ野郎!!」くらいの勢いで冷たい応対が返ってくる(←被害妄想??) 「悪魔は細部に宿るんだぞ!!」と言ってやりたいが、場の雰囲気は、完全に彼らの手中。吠えてみたところで負け犬の遠吠え。。。
  
それでいて、実際のところ、彼らのプランがいつもいつもうまくいっているかというと、もちろんそんなわけはない。詰まっていないプランがうまくいくわけはないのだ。ただ、彼らは失敗に対する返し技をよく心得ていらっしゃる。いくつかあると思うが、一つは、そもそも、失敗を失敗と認めない作戦。確かに、成功と失敗の境目はたぶんに主観的であるので、ポジティブな側面だけ捉えて「成功しました」と自信満々に言い張れば(←ここがポイント)、周りもいつしかそんな気にさせられてしまう。二つ目は、「方向性は間違っていなかった」とばかりに、次なるプランを「いけいけどんどん」で投入する作戦。投入に当たって、一つ目の「失敗」の反省なんて辛気臭いことはしない。そして極めつけは、「さっさと忘れる」作戦。「忘れたふり」ではなく、本気で忘れてしまえるところが強い(というか怖い)。
  
そんな彼らの行動原理は、日本人的価値観からしてみれば、「無責任」の一言に尽きるわけだが(言い過ぎ?)、それが彼らの弱みになっているかと言うと、これが皮肉にもそうでない気がするから複雑だ。個人でも社会でも同じだが、「失敗がないかわりに挑戦もない」状態よりも、失敗はあるが挑戦もある」状態の方が、早く成長できるのは事実。よく言われる話だが、アメリカは失敗に対する許容範囲が大きな社会。それを裏で支えているものの一つは、彼らの持つ、天性の「無責任性」だったりするんじゃないかと思ってみたり。もちろん、そのツケは、世界中にまき散らされているわけだけど・・・。
  
かといって、僕自信、そんな風になりたいかと言うと、正直、なりたくはないし、たぶんなれないとも思う。「失敗したら反省しなさい」という風土の中で育ってきたので、今さらそれを改めろと言われても、気持ち悪くて、まずできない(日本人社会の中では、「反省しない人」だとよく言われておりますが・・・汗)
  
ただ、日本という国・社会を見たときには、もう少し、社会全体が、失敗に対して寛容になる必要があるとも思う。別に、アメリカ並みになるべきだとは思わないけれど。
  
リスクをとってチャレンジする人のいない社会に進歩はない。自戒も込めつつ。
my rrom, Accra, Ghana, June 16, 23:26

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