Thursday, June 25, 2009

Corporate Finance Class

ワークショップ二日目。話がかなり「マジbanker」向けになってくる。Corporate Financeの知識のない僕にとっては、いささか苦しい内容も。とはいえ、ガーナでこんなに詳しい金融の話を聞かせていただけるなんて露も予想せず。非常に得した気分になりながら、帰宅後も配布資料をめくって復習に励む。

今日の講義では、午前中からNPVIRRの二語が飛び交う。NPV (Net Present Value) の方は経済学でも出てくるので、まぁ一応わかるのだが、IRRの方は、話の筋から何となくわかるものの、実際、何のabbreviationなのか、恥ずかしながら最後までわからず。帰宅後ググってみると、Internal Rate of Returnの略らしい。 直訳してもよくわからないが、意味的には「投資収益率」のような感じ。

CDMの世界では、additionality (追加性: the planned reductions would not occur without the additional incentive provided by emission reductions credits)を証明する過程でIRRの概念が用いられる。additionalityを証明するには、いくつかのステップをクリアしなければいけないが、そのうちの一つがinvestment analysis。「提案されているCDMプロジェクトが、CER売却からの収益なしではfinancially attractiveではない」ということを証明しなければいけない。具体的には、CER売却益を含まないときのIRRが、ベンチマーク(たとえば、同様のプロジェクトに対する市中銀行の一般的な貸出金利)を下回っているということを証明しないといけない、というわけ。

CER売却益を含んだときのIRRは、CDMの申請上、問題にならないが、プロジェクトを黒字にするためには、当然、ベンチマークを上回っている必要がある。つまり、IRRが大きすぎず小さすぎず、絶妙の幅に収まっていることが「良いCDM案件」の条件というわけ。IRRが大きすぎては、そもそもadditionality要件をクリアできないし、小さすぎてはCDM化してもbreak evenしないので、誰かが赤字をかぶってくれないとプロジェクトとして成り立たない。

ちなみに、これでも一応、ただ座って講義を聴いているだけではなくて、仕事(=他の参加者とのネットワーキング&情報収集)の方でも、今日は一つ、成果があった。ワークショップの参加者の中から、僕らのユニットが、参考事例にしたいと考えている西アフリカ某国のCDM化案件(まだCDM登録には至っていない)のprojectに参加している某銀行の行員の方を発見。同案件のこれまでの経緯について、いろいろ教えていただいた。
  
彼は非常に若い(たぶん僕と同じくらい)のだが、名刺を見ると、“Assistant of the Chairman & CEO”とのこと。聞くと、学部からアメリカに留学し、学部で経済学をMajorしたあと、某アイビーリーグ校のMBAを卒業、母国に戻って銀行に就職、という輝かしい経歴。次は、更に、economicsのPhDを目指しているらしい。非常に育ちもよさそうで、もしかしたらその銀行の重役か、政治家の息子とかなのかも。PhDでは、Environment Economicsを学ぼうとしてるんだとか。彼のような地元の超一流エリートが、環境を、自身のコアコンピテンシーにしようとし、現にCDM案件に尽力している姿を見ると、全くもって他人事ながら、勝手に何となくうれしくなってしまった。
my room, Accra, Ghana, June 26, 24:11

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