Tuesday, August 4, 2009

Atlantic breeze

歓送会は、大西洋を望む海辺のホテルのレストランにて。二か月間の宿を提供してくれた、部屋の主でもあるCさんが、インターン先のinternational staffに声をかけて催してくれた。浜からの風の吹き抜ける半戸外の食堂で、波の音を聞きながら、ガーナで最後の夕食を味わう。同じ職場の人同士ということもあって、食事中に仕事の話が出ることも。「じゃ、その件は明日の午後に」なんて話を聞いていると、その「明日」に、僕がこの場にいないということが、なんとなく奇妙にも感じられる。
  
食後、みんなで浜辺に降りていく。近くに灯りはないが、ほぼ満月に近い月の光のおかげで、浜全体が仄かに明るい。暗闇の中、ゆったりと白波を送り続ける大西洋を眺めながら、思えば遠くへ来たもんだなぁと、少しだけしみじみ感じた。
  
この二か月間、全力で走り抜けられたかというと、決してそうではない。動きたくても動けない環境にイライラしたこともあったし、そのうち、そんな環境にも慣れてしまって、何となく日々をやり過ごしていた時期もあった。最後の最後に出張させてもらえたとはいえ、もう少し、フィールドを見ておきたかったという思いも正直なくはない。しかし、そういった思い通りにならない気持ち悪さみたいなものも全部ひっくるめて、「援助」であり、「開発」なんだろうなぁと今は思う。人間がすることである以上、いくら最初のきっかけが崇高な理想であったとしても、非効率や怠惰(あるいは、ときに「腐敗」と呼べなくもないもの)を完全に排することはできない。そういった負の要素を「ないもの」として見ないようにするのではなく、その存在を認めた上で、それらをいかにうまくコントロールしていけるか ― そういう、ある種、とても懐の深い対応こそが求められる世界なんだろうと思う。その意味で、上に立つ人の「人間的魅力」というのは、結局のところ、何のことなんだろうかと考えさせられた二か月間でもあった。
  
ともあれ、明日からはアメリカでの二年目の生活が始まる。やりたいことの多さを考えると、あまりのんびりともしていられないのだが、まずは少し落ち着いて、たまっている日本語と英語の本を読むための時間に充てたいと思う。

(この二ヶ月間に撮りためた、ガーナの写真を。)


my room, Accra, Ghana, Aug 4, 24:41

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