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Wednesday, May 26, 2010

Recap: "Smart Grid" entries

最近、仲間内のメールで、Smart Gridが話題に上っていた。良い機会なので、関連エントリをまとめておく。既に古くなっている情報もあるが、何かの参考になれば幸いです。
2年前の夏に、勢いで、毎回のタイトルを英語にして以来、その伝統(?)が続いてしまっているが、こうして昔の自分のエントリを見なおすときには、なかなかこっぱずかしいものである。まぁ、あともうちょっとなので、このまま行かせていただきます(笑)
Maxwell School, Syracuse, May 26, 11:29

Tuesday, May 4, 2010

Summary History of KGL bill 

Movement of immigration? Offshore drilling? What was the bill about??

But anyway, here is the good overview of what's been going on so far about Kerry-Graham-Lieberman's climate bill. (from New York Times, May 4, 2010)  

Thursday, April 29, 2010

EPA's modeling of Climate Bill

昨日のLA Timesの記事によると、Kerry-Graham-Lieberman climate bill(いわゆる“KGL Bill”)が、正式な公表を前に、EPAに送られたとのこと。EPAに送って何をするかと言えば、EPAがモデルを回して、同法案の効果を予測するらしく、記事によれば、
a modeling process that will take an estimated four to six weeks, after which the EPA will report how much the bill is likely to reduce greenhouse gas emissions, boost renewable energy and, most importantly, cost the average consumer. Many key senators have said they won't commit to the bill until they see those results.
との由。

immigration法案との絡みで揺れる、KGL Bill提出の政治情勢については正直そこまで興味はないが(というか、そこまで追いかけていたら切りがない)、こういった、法案の審議プロセスを見ておくのは興味深い。

「完全に公平」なんてことは、この世の中にあり得ないが、アメリカの政治プロセスを見ていると、少なくとも、「公平性を担保するための努力はしましたよ」と言えるだけの工夫は、随所に織り込まれていることに気づく。

“four to six weeks”後にまとめられるという、EPAのモデリング結果が公表されたとき、世間がそれをどう受け止めるのか――単なる“pretend”だと見るのか、信頼のおける客観的考察だと受け止めるのか。その点の興味深いし、時間があれば、モデルの中身も少しくらいは覗いておきたい。
Maxwell School, Syracuse, Apr 29, 13:43

Tuesday, April 27, 2010

Lisa P. Jackson @ "The Daily Show With Jon Stewart"

昨日の“The Daily Show With Jon Stewart”にUS-EPA(環境保護庁)長官のLisa P. Jacksonが登場。

中身的には、間もなく提出か(????????)と言われている、上院energy/climate法案(“Kerry-Graham-Lieberman Bill”)の話と、EPAによる温室効果ガス排出規制(regulation)の話がおよそ半々。もちろん、どこまでがlegislationの話で、どこからがregulationの話かなんて厳密には分けられないが。

序盤で“Massachusetts v. EPA” (2007) の話が出たり、後半では、economy wideのcap-and-tradeと産業別規制のどっちがいいか的な質問が投げられたりと、それなりにちゃんとした内容。現役閣僚を呼んでいるんだから、当たり前と言えば当たり前かもしれないが、climategate云々といったしょうもない話もなく、プロから見ても(いちおう、プロです。いちおうね)、まぁそれなりにまともな内容だったかなと。視聴者にリベラル層が多い番組だから、ということもあるのかも知れない。

「economy-wide or 産業別」に関する質問への、Lisa Jacksonの回答は、「下院案はeconomy-wideで通ったが、今はもう少し柔軟に考えています」的な感じ。KGM法案については、「EPAとして、発案者からの質問には答えているが、中身については全く知らない」とのこと。
The Daily Show With Jon StewartMon - Thurs 11p / 10c
Lisa P. Jackson
www.thedailyshow.com
Daily Show Full EpisodesPolitical HumorTea Party
Maxwell School, Syracuse, Apr 27, 21:33

Friday, April 2, 2010

"Drill, Baby, Drill!"

2008年の大統領選の時に盛り上がった、offshore石油掘削の話が、再び盛り上がっている。

効果があるだのないだの、毀誉褒貶の激しい(という言い方は日本語として変?)この政策(案)だが、効果のあるなし、メリット(デメリット)の大小を論じる際の評価軸は、(真面目に政策論として議論するならば、)大雑把に言って、だいたいこんなところではないかと思う。
  • エネルギー自給率の改善
  • エネルギー価格の低下
  • 雇用創出
  • 企業・政府の収入増
  • 気候変動への影響(+ or -)
  • 海洋環境への悪影響
CFRのwebサイトに出ていた3月31日付の記事“What New Offshore Drilling Will Yield”によると、
  • エネルギー価格の低下 … 消費者が認知できるほどの変化は起こらない  
  • 企業・政府の収入増 … significant。netで$900 billionとの試算あり。 
  • 気候変動への影響(+ or -)… 他産油国の反応次第でプラスにもマイナスにも。 
という感じになるらしい。他の項目については、特段、触れられていないが、価格がほとんど下がらないということは、供給量の増分は、おそらくたかが知れているはずで、となると、エネルギー自給率に与えるインパクトも限られているのだろう。雇用と海洋環境への影響は、この記事からだけでは何とも分からない。

記事は、そういった真面目な政策議論よりむしろ、大統領選以来、Obamaがずっと、その効果に疑問を呈し続けてきたoffshore drillingに“go sign”を出すことで、エネルギー・気候法案の審議を本格化さるという、政治的意味合いの方が強いのではないか、との分析で閉じられている。
my home, Syracuse, Apr 1, 26:18

Monday, March 29, 2010

Current mood around Cap-and-Trade

Heal care法案がひと段落して、マスコミ、メディアでcap-and-tradeの文字を目にする機会が増えている気がする。たとえば、NY TimesのJohn Broderが、25日付の新聞に“‘Cap and Trade’ Loses Its Standing as Energy Policy of Choice”との記事を載せれば、28日、ハーバードのRobert Stavinsが、同記事に絡めて“Who Killed Cap-and-Trade?”との記事を、web上で発表する、といった具合に。以下、両記事の抜粋・要約を。

■“‘Cap and Trade’ Loses Its Standing as Energy Policy of Choice” by John Broder
  • Why did cap and trade die? 
    • “it was done in by the weak economy, the Wall Street meltdown, determined industry opposition and its own complexity.”
  • 下院審議では、多数票を得るため、“coal companies, utilities, refiners, heavy industry and agribusinesses”に対する妥協的・例外的措置をふんだんに盛り込み。
    • オリジナルのシンプルさは失われ、反対派からは、“cap-and-trade”ではなく、“tax-and-redistribution”と評される結果に。
■“Who Killed Cap-and-Trade?” by Robert Stavins
  • そもそもcap-and-tradeは本当に「死んだ」のか?
    • 決して「死んだ」わけではない。
    • 現在、準備中のKerry-Graham-Lieberman legislationにせよ、その対抗法案であるCantwell&Collinsの“the CLEAR Act”にせよ、提案者たちは“cap-and-trade”とは呼んでいないが、実質的にはそれと同じ機能・性質を持った制度が、部分的にであれ、盛り込まれている。
  • なぜ短期間に政治的な人気が激減したのか?
    • the economic recession; the financial crisis; and the complex nature of the Waxman-Markey legislation (which is mainly not about cap-and-trade, but various regulatory approaches)
    • しかし、もっとも重要な要因は、単に、cap-and-tradeが、もっとも真面目な討議に付された案だという事実(the simple fact that cap-and-trade was the approach that was receiving the most serious consideration)。下院を通す課程の中で真剣な討議が行われ、それが、反対勢力に火を付けた。
    • こういった結末は、それがどんな形の政策であれ、最初の気候変動政策(any front-running climate policy)は必ず迎えていたであろうもの。cap-and-tradeだったからこうなった、というわけではない。
  • なぜアメリカではこれほどまでに気候変動対策政策に対する政治的支持が低いのか?
    • それによってもたらされる「被害」の直接の結果(a direct consequence of the “disaster”)が明らかではないから。(これまで、米国で立法化に成功した環境法案は、いずれも、何らかの環境被害が広く周知された結果として制定されたもの)
    • 昨今のワシントンの、党派対立を前面に押し出す風潮(partisan political climate)が、同法案成立を一段と難しくしている。
というわけで、頑張ってまとめてはみたものの、どっちの記事もたいして目新しいことは書かれてませんでした。さ、勉強しよ。
my home, Syracuse, Mar 29, 12:02

Monday, March 22, 2010

ObamaCare passed the Congress, and then ...

ヘルスケア法案(通称、ObamaCare)が議会を通過。

というわけで、少しくらいは知っておこうと、新聞・雑誌をいくつか流し読みしてみる。この記事(from The Economist)なんかが一番よくまとまっていて、僕のような、ObamaCare初心者にも分かりよいかと。
  
同記事によると、昨日の深夜に下院を通過したのは、「上院案丸呑み」法案と、“reconciliation”法案の二つ。前者の方は、(上院案丸呑みなので)これで以て、議会プロセス完了。後はObamaのサインを待つのみ。ここでObamaがvetoするはずはないので、最低限、この案の成立は確定。

一方の“reconciliation”法案は、上院のおかげで“flawed(「欠陥含みで」)and pork-laden(「豚肉満載の」。転じて、「選挙区向け公共事業満載の」)”になってしまった法案を、下院でもいちど叩き直したもの。よって、上院の再議決が必要なのだが、それには本来、60/100のsuper-majorityが必要(for filibuster-proof)なところ、Democrats執行部は、「これは予算関連の規定ですよ」ということにして(※ 予算関連規定であれば、budget reconciliation rulesで以て、単純多数決で通せる)、ことを進めようとしているらしい(同数だった時の最後の一票は副大統領Bidenが握っているので、厳密に言えば、過半数である必要もない。50票とれればOK)。

当然ながら、Republicanはこれに反発。「“reconciliation”法案の一部は、この条件に合致しとらん」と。こんな場合、どうやって収拾つけるんだろうか。背景知識がないので皆目、見当もつかず。

なんて記事を読んでいたら、隣に、Climate法案関連の記事も発見。Kerry、Lieberman 、Grahamの三者が、一段と、cap-and-trade色を弱め、エネルギー開発促進色を強めた法案を練り直しているとのこと。

Economistの見立てによると、新法案では、エネルギー開発への補助金が、“一丁目一番地”になるという。cap-and-tradeは、「その原資を得るため(“to raise money”)」という位置付けに格下げされ、capの対象はutilitiesのみ。

経済学的に言えば、― 税とcap-and-tradeのどちらが効率的かという議論はともかく、どうせcap-and-tradeを入れるのであれば ― economy-wideで入れる方が効率的なのは自明。R&Dなど、一部、公的補助が必要な部分はあるにせよ、それはあくまで「例外」として扱うべき。白黒逆転させて、utilityにのみ「例外」的にcap-and-tradeを導入してしまっては、cap-and-trade本来の効能は著しく損なわれる。

政策の効率が落ちるというとは、その分だけ、余計なcostがかかり、totalで見れば、同じ政策目標を達成するのに、より多くの公的負担が必要になるということ。にもかかわらず、議論はそちらの方向へと流れていってしまう。economicsの儚さというか、political economyの難しさというか…。

それでも、このタイミングで、何がしかの(連邦レベルの)cap-and-trade制度が、この国に成立するかどうかは、今後の世界の気候政策情勢に極めて大きなインパクトを持つ、と思う。実際のところは、きちんと数字を見ながら議論しないといけないが、直観的には、今の状況のままのEU-ETS市場が、今後も、単独で立ち続けていられるようには思えない。
Maxwell School, Syracuse, Mar 22, 19:33

Monday, February 22, 2010

Timeline of EPA's Carbon Emission Regulation

Carbon Emission Regulationの関係で、Washingtonが微妙に動いている。(関連の過去エントリはこちらとこちら。)

先週の金曜、John D. Rockefeller IV議員(West Virginia)率いる、採炭州(coal states)選出民主党上院議員8人衆が、EPAに対し、Carbon Emission Regulationに関する「質問状」を送りつけた。Rockefeller議員のサイトに出ている記事によると、
The letter requests that Administrator Jackson clarify the EPA timetable and suspend EPA regulations for industrial facilities so Congress can consider comprehensive energy and climate legislation.
(拙訳) 「質問状」は、(EPAの)Jackson長官に対し、同庁の(Carbon Emission Regulationに関する)「タイムテーブル」を明らかにすること、また、固定発生源に対するEPAの規制を保留し、議会が包括的なエネルギー・気候法案を検討できるようにすることを求めている。
との由。

これに対して、EPAは、週明けの今日、さっそく返信letterを発出。同庁News Releaseによると、その要旨は、
  • No facility will be required to address greenhouse gas emissions in Clean Air Act permitting of new construction or modifications before 2011. (2011年以前に設置又は構造変更の許可が完了する施設に対しては温室効果ガス規制は適用しない。)
  • For the first half of 2011, only facilities that already must apply for Clean Air Act permits as a result of their non-greenhouse gas emissions will need to address their greenhouse gas emissions in their permit applications. (2011年の上半期は、既に現行Clean Air Actで規制対象となっている施設の設置又は構造変更の際にのみ温室効果ガス規制を適用する。)
  • EPA is also considering a modification to the rule announced in September requiring large facilities emitting more than 25,000 tons of greenhouse gases a year to obtain permits demonstrating they are using the best practices and technologies to minimize GHG emissions. EPA is considering raising that threshold substantially to reflect input provided during the public comment process. (規制対象となる施設の「裾切り」緩和を検討中。)
  • EPA does not intend to subject smaller facilities to Clean Air Act permitting for greenhouse gas emissions any sooner than 2016. (少なくとも2016年までは、小型施設に温室効果ガス規制を適用する予定はない。)
とのこと。返信letterの原文もこちらから読める。

EPAの反応の速さからして、質問する側とされる側は、あらかじめ、話をつけていたとしか考えられず、となると、Rockefeller他が質問状を出す以前に、話は、政権トップまで通っていたと考える方が素直だろう。

だとすると、この動きは何か?? 思うに、お尻を切ることによって、議会での審議に再びモーメンタムを与えたいWhite Houseと、地元向け得点稼ぎをしておきたい採炭州議員の“共闘” ― またの名を“妥協の産物” ― が成立したということなのではないだろうか。(双方にどれだけの実益をもたらすかはともかく。。)

あくまで、すべて、公開情報からの推測です。悪しからず。
Maxwell School, Syracuse, Feb 22, 21:07

追記:本題とはまっっっったく関係ないが、US版Yahooの写真記事に大ウケしてしまった。


追記2:本題関係。ここのページに、「質問状」にサインした8議員の名前が挙がっている。名前は見てもよくわからないので、選出州だけ挙げておくと、Alaska, W.Va.(×2), Ohio, Pa., Missouri, Mich., and Mont.。ちなみにMichiganって石炭とれるんでしたっけ? 

Wednesday, January 27, 2010

"We don’t quit, I don’t quit"


Obamaにとって初となるState of the Union address(日本語で言うところ「一般教書演説」)が終了。詳しい解説記事は今晩以降の新聞・blogにおいおい掲載されると思うので、僕なりの感想を手短に。

個人的な印象としては、悪くなかったのではないかと思う。既にこれだけの苦境に追い込まれている中でのState of the Unionなので、これ一本で起死回生♪なんてことはあり得ないと思うが、演説そのものは悪くなかったのではないかと。大統領選挙中の爽やかさを前面に押し出した演説に比べれば、自虐的なネタでRepublicanサイドからの乾いた笑いを誘うなど、良い意味での円熟味、老獪さが出てきたように思った。まぁ、この状況下でただただ爽やか~に演説してたら、それこそ、「アホか」と言われて終わりだけど(笑)

事前の観測記事で囁かれていた通り、特に力点が置かれていたのは、雇用、教育、health care、財政健全化(向こう三年間の予算凍結)、security & defenseといった辺り。雇用については、“Job is the number one focus of 2010”とも。具体的な雇用創出策としては、中小企業支援施策と、クリーンエナジー促進政策が挙げられていた。その他、tax cut、financial reform、export促進、政治資金の透明化など。

クリーンエナジーのくだりでは、nuclear、offshore drilling、bio-fuel、 clean-coalの推進を立て続けに訴え、Republicanサイドを盛り上げた後に、「だからこそ、energy/climate法案が必要なんだ」と繋げて微妙な空気を醸し出す展開も。そこまではまぁ良かったのだが、その後更に、「気候変動の科学的信ぴょう性については、怪しく思っている人もいるのは知っているけれど、もし仮にそうだったとしても、クリーンエナジーを推進していくことは、アメリカにとっていいことだよね」的な展開に持っていったのは、ちょっと…だったんじゃないかと思う。(まぁ、どっちみち、気候変動法案の上院審議の大勢に影響しないと思うけど)

心配されていたpopulismへの傾倒は、そこまでひどくなかったように思う。bailoutについて“I hate it. You hate it.”と言ってみせるなど、Wall St.をやり玉に挙げる展開は演説の途中に何度か見られたが、まぁ、いちおう、想定された範囲内ではなかったかと。

演説の全般を通して、しばしば使われていたように思うのが、“decency”という言葉。日本語にすれば、品位、品格といったところか。演説の最後では、次世代への“American value”の継承を主張。いま、我々がこうして暮らしていられるのは、2世紀以上に亘って、この国の先人達がAmerican valueを守り伝えてきてくれたからこそ。我々も、次世代のために、decencyを持って、この価値を守り伝えていかなければならない――そんな感じのトーンだったように思う。

最後の言葉(もちろん、最後の最後は、「God bless America、なんちゃらかんちゃら…」なので、その一つ前)は“We don’t quit, I don’t quit.” 「僕ちん、結構追い込まれてます」ということを、一旦、素直に認めた上で、なんとか次に向かっていこうとする、この演説のトーンが凝縮された一言ではなかったかと。

はたして、メディア・世論の反応や如何に。
my room, Syracuse, Jan 27, 23:27

追記(Jan 27, 23:34): Gristが、さっそく、climate & energy関連部分のscriptをアップしている。以下、転載。
Next, we need to encourage American innovation.  Last year, we made the largest investment in basic research funding in history – an investment that could lead to the world’s cheapest solar cells or treatment that kills cancer cells but leaves healthy ones untouched.  And no area is more ripe for such innovation than energy.  You can see the results of last year’s investment in clean energy – in the North Carolina company that will create 1200 jobs nationwide helping to make advanced batteries; or in the California business that will put 1,000 people to work making solar panels.
But to create more of these clean energy jobs, we need more production, more efficiency, more incentives.  That means building a new generation of safe, clean nuclear power plants in this country.  It means making tough decisions about opening new offshore areas for oil and gas development. It means continued investment in advanced biofuels and clean coal technologies.  And yes, it means passing a comprehensive energy and climate bill with incentives that will finally make clean energy the profitable kind of energy in America.
I am grateful to the House for passing such a bill last year.  This year, I am eager to help advance the bipartisan effort in the Senate.  I know there have been questions about whether we can afford such changes in a tough economy; and I know that there are those who disagree with the overwhelming scientific evidence on climate change.  But even if you doubt the evidence, providing incentives for energy efficiency and clean energy are the right thing to do for our future – because the nation that leads the clean energy economy will be the nation that leads the global economy.  And America must be that nation.

Energy lessons from the Carter years

Carter政権で、財務省国内エネルギー政策局(Office of Domestic Energy Policy at the US Treasury)のdirectorを務めたPhilip K. Verlegerという人が、「Carter政権の教訓に学ぶと…」という内容の記事(“Energy lessons for Obama’s administration from the Carter years”)を、FTのblogにアップしている。

「教訓」を伝える記事なので、本来であれば、Carterの治世に何が起こったのかをまず押さえないと意味がないのだが、それを訳している時間はないので、その部分は、直接、Verleger氏の記事を読んでいただくとして、結論部分だけ抜粋させていただくと、
After my experience as a member of the Carter administration, I have to conclude that Obama’s emissions bill will not pass the current Congress or before 2012 unless circumstances change. It is not climate change sceptics that will block it. Rather, history teaches us it is the “special interests” that have such power.
(拙訳) Carter政権の一員であった私の経験に照らして考えると、Obama政権の排出権取引法案は、今次の国会中(※ 今秋の中間選挙前まで)はもちろん 、2012年(※ 次の大統領選)までにも、―状況の変化でも生じない限り― 成立し得ないだろうと結論付けざるを得ない。気候変動に対する懐疑論が、法案の成立を妨害しているわけではない。歴史の教えるところによれば、「特殊利益」こそが妨害しているのだ。
との由。この教訓から学ぶよう、何か月にも亘って、法案関係者の説得に当たってきたが、その努力も実らなかった(“For months, I have tried to get those involved in the energy debate-both observers and those writing on the subject - to pay attention to the lessons of history. I failed.”) と嘆いておられる。

同記事によると、Carterチーム卒業生のコンセンサスは、以下の三点とのこと(with 拙訳)。
  1. None of the people putting the Obama energy policy forward understood the problems they would face in Congress. (Obama政権におけるエネルギー政策推進役の人たちは、誰も、自分たちが議会で直面するであろう問題を理解していない。)

  2. The bill’s supporters (“greens”) are less aware of history than we were in the 1970s, if that is possible. (排出量取引の支持者(いわゆる「環境派」)は、1970年代の我々以上に、歴史にから学ぶ意識が希薄である。)

  3. The legislation’s passage is unlikely absent an outside precipitating event. (外的要因による突発的な出来事でも起こらない限り、排出量取引法案は成立しそうにない。)
歴史に学ばないなんてのは、政策を生業とする人間にとって、ほとんど論外のことだと思うが、Obama政権の環境/エネルギーチームは、本当にここまでヒドいのだろうか…。Verlegerさんが彼らに対して、相当のルサンチマンを貯めておられることだけは確かなようである。。
Maxwell School, Syracuse, Jan 27, 16:36

Tuesday, January 26, 2010

"Should Bernanke Stay at the Fed?"

こんなことを書いたら、自分自身の、マクロ経済理解不足と、日頃の世事への無関心を露呈するに等しいのだが、最近のニュースを見ていて、「バーナンキ再選に反対している人たちの反対理由がようわからんなぁ」と感じる。WSJが、本件に関するエコノミストの反応のまとめ記事をアップし(こちら)、その翻訳をhimaginaryさんがアップされているので(こちら)、上から下まで読ませていただいたのだが、それでもやっぱりようわからん。というわけで、ぐだぐだなエントリーになるであろうことを予めお断りしつつ、僕の拙い理解で書けるだけのことを書いておこうかと。

WSJのまとめ記事(のhimaginaryさん訳)を概観するに、反対理由は、以下の二つに集約されるのかなと思う。
  1. Wall Streetに対して甘すぎる。(Main Street擁護派からの批判)
  2. インフレに対する警戒が甘すぎる。(いわゆる“インフレタカ派”からの批判) 
なお、2.については、クルーグマンのように、バーナンキはむしろ「失業に十分な注意を払わず、インフレに注意を払いすぎ」ていると考えている人もいる模様(クルーグマン自身は、それでも、他のFRB政策決定理事に較べればマシとして、バーナンキを消極的に支持している)。

本件に関しては、党派性はそこまで強く現れていないようだが(ということは、逆に言えば、与党議員からもそれなりの反対票が投じられそうということだが)、上の二つの「反対理由」を見るに、1.は主にリベラルサイドから、2.は主に保守派サイドから主張されそうなものであり、その二つが同時に示されているということは、ある意味、バーナンキの施政は、そこそこバランスが取れているということなんじゃないかと思ってみたり…。(激しく荒い議論でスイマセン)

結局のところ、反対票を投じようとしている各議員には、そもそも合理的な反対理由なんてものはなくて、冴えない経済状況の責任をおっかぶせ(て、自分のところの有権者のイライラを多少なりとも宥め)るためのスケープゴートを必要としているだけなんじゃないかという気もする。そういう意味では、Washington Postのこのコメントが、一番、核心を衝いているんじゃないか、とも(下線は当blog筆者)。
The issue now is much bigger than whether Mr. Bernanke gets another term. By threatening his tenure for no apparent reason other than political panic and pandering, his new opponents have turned this confirmation process into a test of central bank independence, which is an indispensable element of modern economic management. If a stampede of spooked senators were to trample Mr. Bernanke’s confirmation, the message to markets would be that the value of the U.S. dollar is hostage to short-term politics. That would deliver a huge, possibly lasting, blow to the economy.
皆さんのご意見、お聞かせいただければ幸いです。
Maxwell School, Syracuse, Jan 26, 18:38

Wednesday, January 20, 2010

Voters turn anger on Democrats

health-care法案に対する一般的アメリカ人のperceptionというのは、アメリカに住んでいても、分かるようでいて、分からない。まぁもっとも、分かろうとしてないからだと言われてしまえばそれまでなのだが。

周りのアメリカ人から聞かされていたのは、「強硬に反対している人たちが目立っているが、あれは一部のエキセントリックな人たち。大半のアメリカ人は、どちらかと言えばhealth-care法案に賛成している」というもの。僕もなんとなく、そんなものかなぁと思っていたが、今日のMassachusetts補選の結果を見るに、事態はそうも言っていられないところまで来ているらしい。

昨年11月にVirginiaとNJの知事選で敗北した際、Democratsは、「敗因はローカルな要因にあり、国政の状況とは関係ない」と抗弁した。しかし、今回の敗北は言い訳の仕様がない。DemocratsがMassachusettsの上院議席を失うのは、1972年以来、初めてのことであり、この選挙前まで(厳密に言えばTed Kennedyの死去前まで)、12あるMassachusettsの国会議席(上院:2 + 下院:10)は、すべてDemocratsによって占められていた。そのMassachusettsで、Ted Kennedyが46年間守り続けてきた議席を失ったのである。もはや、「ローカルな要因」との言い訳は繰り返せないだろう。

今回の選挙には、単なる一議席以上の意味があった。GOP候補が当選すれば、上院でのGOPの議席が41/100となり、Democratsは、最低60票が必要な“filibuster封じ”を使えなくなる。Postの記事によると、実際、GOPのBrown候補は、選挙活動中、「health-care法案を必ず止める」(“his vow to block the president's proposal for health-care reform”)と訴えてきたらしい。その候補が、全米でもっともリベラルな州の一つで勝利を収めたのだから、失業問題等、その他の要因もあるとは言え、health-care法案に対するこの国の人たちの反感は、かなりのところまで来ていると見るのが自然ではないだろうか。

環境屋的視点で言えば、これでまた、Kerry-Boxer法案の本格審議が遠のいたということか。ごく普通に考えれば――というのは、ObamaとDemocratsが余程の奇策に打って出なければ、ということだが――、今秋の中間選挙以前にClimate Change法案が成立する可能性は、ゼロとは言わないまでも、かなり低くなっているのではないかと思う。
my room, Syracuse, Jan 19, 26:10

Thursday, December 3, 2009

Elevated and Volatile

水曜日はInternational Tradeのクラス。今日は、エネルギー問題の専門家がゲストスピーカーとして登場。これまで、このクラスにやって来たゲストスピーカーは、テロ対応の専門家、インドでITベンチャーを起こしたおじさん…etc.。Professor氏が、授業の看板である「貿易」はそっちのけで、自身のSAIS almuniネットワークの中から、気の合う仲間を呼んできては喋らせている感がなくもない(中にはかなり微妙な人もいた…)。しかし、少なくとも今日のスピーカーに関して言えば、(「貿易」との関連性はさておき)そう滅多に聴くことはできないだろうと思うくらいの面白い話を聴かせてくれる人だった。

エネルギー関連のコンサルティング会社を経営するRobert McNallyというのがその御仁。エネルギー市場のアナリストとして、キャリアを積んできた人で、子Bush政権時代(一期目)には、National Economic Councilのメンバーとして、White Houseでの勤務も経験している。その話しぶりは、頭の切れる人特有の「超高速マシンガントーク」であり、それがために、僕の耳が彼の喋った内容をどこまで正確に拾えていたか、正直言って、あまり自信はないのだが、そのことをお断りした上で、以下、氏の講演内容の中から気になったポイントをメモしておく。
  • エネルギー市場は、2000年以降、新時代(new era)に入った。そこでは、単にエネルギー価格が上昇(elevate)したというだけでなく、価格変動性(volatility)そのものが増大している。この傾向は、今後ますます強くなっていくだろう。
  • cap-and-tradeの導入を目指すか否かという一点を除けば、実は、子Bush政権とObama政権のエネルギー政策には、それほど大きな違いはない。
  • 早晩、shale gasがエネルギー分野でのhot issueになる。アメリカでは、(shale gasを含む)天然ガスは「クリーン」なエネルギーの一つとして位置づけられているので、shale gasの採掘が本格的になれば、風力や太陽光との間で、「クリーン」エネルギーの市場を食い合う可能性すらある。
  • 一方で、shale gasの採掘が水質汚染をもたらし得るのではないかという懸念がある。これについては、子Bush政権下のEPAが「問題なし」との調査結果を発表していたが、先日、Obama政権下のEPAが、この件に関する再調査を実施する旨、発表した。(おそらくこの記事。)
    (blog筆者コメント: ちなみに先日発表された中・印それぞれとの共同宣言の中には、中・印両国におけるshale gas開発の援助が盛り込まれています。)
  • ニクソンは、マンハッタン計画とアポロ計画を引き合いに出しつつ、「石油依存からの脱却」を宣言したが、その後、30年以上が経っても、未だ実現しないどころか、むしろ、石油への依存度は当時よりも高まっている。石油からのエネルギー転換は、それほどまでに難しいということ。
  • 環境コミュニティ以外で、cap-and-tradeの導入を後押ししているのは、ヘッジファンドなども含む金融(とりわけGS?)業界のほか、農業系の利益団体、utilityの一部など。
  • 今後、climate-energy法案の審議が佳境に入った際には、cap-and-tradeの価格ceiling(K-B法案では、初年度=$28/t-CO2e、rising 5% over inflation anually)をいくらに設定するかというところで、両党間の妥協点が探られる可能性が高い。
  • とはいいつつ、climate-energy法案の成立可能性は現在のところ、50%以下と見る。health care法案の前にclimate-energy法案を審議していたならば、勝算は、もう少し高かったかもしれない。
  • Clean Air Actの二度の大改正(※ '70年改正と'90年改正?)はいずれも、共和党政権下で行われたものだった。民主党政権下で、大きな環境法案を通そうとすると、どうしても審議がpartisan化してしまって成立しづらい。①共和党政権下であり、かつ、②目に見える危機が社会全体で共有されている、というのが、法案成立には最も好ましい状況。
  • Manitoba大のVaclav Smil教授の論考がすばらしい。技術、経済、政治、歴史といったあらゆる要素が彼の議論のベースとなっており、エネルギー問題に関して、この人ほど深い議論を展開している人を他に知らない。
いろいろと気になるトピックもあるので、適宜、フォローアップしていこうと思う。それにしても、エネルギーの世界――それも、その世界の限りなくコアに近いところ――で生き抜いてきた彼のような人の話を聞いていると、環境政策なんてものは、所詮、もっともっと大きな力学の中で設定される「ストーリー」の範疇でしか泳げない、微力な存在なのではないかという気がしてきてしまう…。
my room, Washington DC, Dec 2, 26:41

Thursday, November 26, 2009

Smart Grid / US-India

アメリカの温暖化・エネルギー政策関連ニュース二つ。

その1。この日のエントリーで触れたSmart Grid Demonstration Programs (SGDP) ($620 Million)の補助対象プロジェクトが24日に発表された。簡単におさらいしておくと、SGDPは、Recovery Actに盛り込まれている、2つのSmart Grid関連政策のうちの一つで、もう一つのSmart Grid Investment Grant (SGIG) Program ($3,400 million) が商業利用段階のdeploy政策なのに対して、こちらは実証実験段階が対象。記事によると、民間資本$1 billionと合わせ、総額$1.6 billion(約1,300億円)が全32件の実証実験に投入されるとの由。

プログラムは大きく二つに分けられ、$435 million(16件)は、regional Smart Gridの実証実験へ。残りの$185 million(16件)は、utility-scale energy storageの実証実験に充てられる。storageの方の16件の内訳は、ざっとこんな感じ。幅広く手をつけておこうといった感じか。

- CAES (Compressed Air Energy Storage)…3件(150 MW in NY, 300 MW in CA, 1 MW/4hr in NH)
- wind generation+lithium-ion battery...1件(8MW in CA)
- wind generation+hybrid-energy storage system...1件(20MW in TX)
- wind generation+EnergyFarm...1件(25MW - 75MWh  in CA) ※ EnergyFarmの内容不明
- PV+zinc-bromine flow battery...1件(2.8MWh in NM)
- flywheel...2件(20MW in IL; in CA)
- flow batteries...2件(500-kW/6-hour × 7 in NY, MA, CA; in NM)
- Community Energy Storage (CES)...2件(25kWh-lithium-ion batteries in CA, 25kW/2hr-secondary-use electric vehicle batteries, MI)
- sodium-ion battery...1件(in PA)
- vanadium redox battery...1件(1 MW in OH)
- lead-carbon UltraBattery...1件(3 MW in PA)


もう一つは、同じく24日に発表された米印間のGreen Partnership MoU。先日の米中共同宣言に負けず劣らぬ興味深い内容となっている。以下、MoU概要;

- Energy Security, Energy Efficiency, Clean Energy, 及び Climate Change分野での協力の推進
- インドでのclean energy projectsの推進
- "the Copenhagen outcome must be comprehensive and cover mitigation, adaptation, finance, and technology." ("emission reduction targets for developed countries" 及び "nationally appropriate mitigation actions" への言及あり)
- Indo-U.S. Clean Energy Research and Deployment Initiativeの始動(含、Joint Research Centerの設置。)
- 太陽光・風力発電分野での協力(インドにおけるnation-wide map of solar energy potentialの作成、low-wind speed turbine technologyの開発、etc.)
- unconventional natural gas分野での協力
- インドにおけるNational Environmental Protection Authorityの設立に向けた協力
- Agricultural Cooperation and Food Security
- more accurately forecast monsoonsに向けた両国気象機関の協力
- 農業、エネルギー、global climate changeの各分野での定期的対話の継続

職業柄、特に気になるのはEnvironmental Protection Authorityの設立協力。MoUには、"focused on creating a more effective system of environmental governance, regulation and enforcement"とある。
  
いつも言っていることだが、ただ「環境が汚されています」「CO2が盛んに排出されています」というだけでは、環境技術への需要は生まれない。個別の企業(或いは家計)を義務者とした具体的なregulationが入り、それが着実にenforceされて初めて、環境技術への需要が本格化する。その意味で、アメリカは、非常に重要なところを押さえてきたと思う。
my room, Washington DC, Nov 26, 14:29

Wednesday, November 25, 2009

How to pick up a substitute.

留学前から読もう読もうと思いながら、なかなか手をつけられずにいた、Milton Friedmanの『資本主義と自由』(邦訳版)を読み始める。帰りの電車の中でほんの少し読み始めたところだが、「まえがき」からして、既にエッジが効きいている。
自分をほんとうに説得できるのは自分だけである。暇をみつけては問題点をじっくり検討し、いろいろな意見を考慮に入れ、煮詰めていくことが必要だ。漠然と選んだ考えを確信に昇華させるには、そうして長い時間をかけなければならない。[1982年版まえがき(p.15)]
いざ危機が発生すると、誰でも手近にある意見や理論を頼りに行動しようとする。私たち学者の基本的な役割は、ここだ。現代政策に代わる政策を用意しておく。ウォーミングアップを整え、いつでも選手交代に応じられるようにしておく――政治的に不可能だったことが不可避になる日のために。[1982年版まえがき(p.16)]
二つ目の点は、選手交代に応じる側(=学者)だけでなく、そのオーダーを出す側の人間にとっても傾聴に値する。オーダーを出す側も、「いざ」というときに的確な選手起用をするためには、日頃から、個々の選手(=政策案)のポテンシャルを見極めておかなければならない。

これには、組織としてやるべきことと、個々の職員としてやるべきことがあるように思う。組織としてという意味では、Obama政権着任時のエネルギー・環境政策の仕込みは、本当に鮮やかだった。これについては、このblogでも以前に簡単に触れたことがあるし、また、いわゆるアルファブロガーのお一人(なんだと思う)であるLilacさんが、ちょうど今日(11/25)のエントリーで書いておられる内容も参考になる。

もっとも、良いか悪いかは別にして(いや、良いわけはないんだが…)、実際には、そんな組織的な対応をとっていられないくらいのショートノーティスで、「案」の提出を求められることもある。そう考えると、個人のレベルでも、日頃からアンテナを高く張り、自ら知識の収集に努めると同時に、いざというときにはより深いレベルの知識を提供して貰えるネットワークを築いておくことが、決定的に重要。政策を作るための「材料」(知識、情報、コンセプト、etc.)をすべて内製するなんて、いまどき出来っこないんだから、外の専門家から「材料」を仕入れるルートを、如何にうまく築けるかが勝負になってくると思う。少なくとも、もはやこんなことをやっていてうまくいくような時代ではない。
   
Friedmanから、少し話が逸れてしまったが。同著の感想文はまた追って。
my room, Washington DC, Nov 24, 24:53

Tuesday, November 17, 2009

"G2" Presidents on Clean Energy

Obama-Hu Jintao 両“プレジデント”による共同宣言(11/17@北京)の中で、clean energy及び気候変動の分野における両国の協力が謳われている。ホワイトハウスのwebサイトのほか、DoE(米国エネルギー省)のサイトやGristの記事に詳しい。以下、Grist記事をベースにメモ。

1. Greenhouse gas inventory
気候変動分野におけるキャパビルに関するメモランダム。当初は中国におけるインベントリー作成に焦点を置く。この項目だけは、DoEではなくUS-EPAが米側の当事者(カウンターパートは国家発展展改革委員会)。
2. Joint clean energy research center
clean energy技術に関する共同研究施設の設置について。もともと7月に発表されていたが、今回、より具体化。設置当初の焦点は、省エネでクリーンな石炭火力発電技術(CCS含む)とclean vehicleに置かれる予定。
3. Electric vehicles
共通基準の開発、実証実験プロジェクトの実施、etc.
4. Energy efficiency
省エネ建物基準及び同評価システムの開発、産業別ベンチマークの設定、省エネ試験手続きの調和、etc.
5. Renewable energy
ロードマップの策定、地方政府間での協力。
6. 21st century coal
CCS技術の開発、Integrated Gasification Combined Cycle (IGCC) plant技術の開発、etc.
7. Shale gas
アメリカの技術を用いた中国国内におけるshale gas採掘の開発。
8. Nuclear
不拡散のリスクに配慮しつつ、国際合意に即したかたちでの、核技術の商業利用を促進。
9. Public-private partnerships on clean energy
U.S.-China Energy Cooperation Program (ECP) をベースにした民間ベースでの協力の促進。予定されるプロジェクトの実施分野は、“renewable energy, smart grid, clean transportation, green building, clean coal, combined heat and power, and energy efficiency.”

8日のエントリーで書いた“A Roadmap for U.S.-China Collaboration on Carbon Capture and Sequestration”(by Asia Society & Center for American Progress)の内容も色濃く反映されていると言える。この分野における米中の協力政策は、今後も、Asia Societyが引っ張っていくということなのだろう。

以下、共同宣言からの抜粋(強調はblog筆者)。
Regarding the upcoming Copenhagen Conference, both sides agree on the importance of actively furthering the full, effective and sustained implementation of the United Nations Framework Convention on Climate Change in accordance with the Bali Action Plan. The United States and China, consistent with their national circumstances, resolve to take significant mitigation actions and recognize the important role that their countries play in promoting a sustainable outcome that will strengthen the world’s ability to combat climate change. The two sides resolve to stand behind these commitments.
In this context both sides believe that, while striving for final legal agreement, an agreed outcome at Copenhagen should, based on the principle of common but differentiated responsibilities and respective capabilities, include emission reduction targets of developed countries and nationally appropriate mitigation actions of developing countries. The outcome should also substantially scale up financial assistance to developing countries, promote technology development, dissemination and transfer, pay particular attention to the needs of the poorest and most vulnerable to adapt to climate change, promote steps to preserve and enhance forests, and provide for full transparency with respect to the implementation of mitigation measures and provision of financial, technology, and capacity building support.
my room, Washington DC, Nov 17, 23:45

Thursday, November 5, 2009

GOP's Victories

特にコメントすることもないのだが、後日、自分で振り返るときのために簡単なメモを。

昨日のVirginiaとNJの州知事選挙では、共和党候補がともに勝利を納め(前職はともに民主党)、当然ながら、各メディアで大きく報じられている。予想通りの結果ではあったが、ちょうど一年前のMSJの記事と比べてみても、確かに、隔世の感がある。お隣のVirgina州では、単にGOP候補が勝ったというだけでなく、大差をつけての圧勝。この赤色っぷりには、正直、驚いた。
  
もっとも、内紛騒ぎでUpstateの下院議席をDemocratsに明け渡したり、例のアラスカおばちゃんが相変わらずちょろちょろしていたりと、GOP内部も決して安泰ではない。コンサバ派と中道派の主導権争いは、引き続き深刻だ。とはいえ、ニュース番組で、民主党サイドのゲストが「いやいや、これはあくまで地方選挙ですから、国政レベルの論点とは関係ありません」なんて苦しいコメントをしているのを見るにつけ、一年前とは風向きが大きく変わりつつあるのを実感せざるを得ない。

ちなみに、昨日はNY市長選もあり、ブルームバーグが三選を果たした(へー、市長って、三期目も出れるんだ)。ブロックごとの投票結果はなかなか興味深い。Lower East Sideを除けば、マンハッタンの南半分というのは、基本的にGOP支持なんですね(まぁ、ブルームバーグの個人人気かも知れないけれど)。細かく見ていくと、その地区の全員が片方の候補者に入れているブロックもあり、ということはそこの住民がどっちに投票したのか丸わかりということ。いいのか、これ??

まぁともあれ、NYと言えばYankeesの優勝、松井のMVP、おめでとうございました。
my room Washington DC, Nov 4, 24:57

Thursday, October 15, 2009

Blog Action Day (or some thoughts over Kerry-Boxer Act)

今日10月15日は、年に一度のBlog Action Dayらしい。なんでそうなのかはよくわからない。たぶんここらへんに書いてあると思う。
  
公式web site曰く、“Blog Action Day is an annual event that unites the world's bloggers in posting about the same issue on the same day. Our aim is to raise awareness and trigger a global discussion.”との由。で、今年のissueに選ばれたのが「Climate Change」。というわけで、今日はMSJスペシャル企画として、Climate Changeについて書いてみようと思う(←スペシャル感、ゼロ)。
  
で、具体的に何について書くかといえば、この日のエントリーでペンディングにしてあった、Boxer-Kerry climate billの気になる点、二か所-“carbon-tariff”とallowance市場の価格安定化機能-について。いよいよもって、スペシャル感のかけらさえなくなってきたが…(苦笑)
  
まず、「allowance市場の価格安定化機能」の方であるが、公式summary (section-by-section版)によると、以下のような制度が提案されている。 
Section 726. Market Stability Reserve. Directs the Administrator to create a “market stability reserve” of emission allowances that will be auctioned at a minimum set price ($28/ton in 2012) that increases annually. The auction of additional allowances will help contain the costs of meeting the annual greenhouse gas limits and minimize price fluctuations. The “market stability reserve” will be established by setting aside a number of allowances from each year’s limit. Following an auction, the reserve will be refilled through the purchase and retirement of offset credits.
これが、先日のKerry- Graham Op-edでいうところの「排出権価格に底と天井を設ける(“the establishment of a floor and a ceiling for the cost of emission allowances.”)」に当たるのだろう。これを見る限り、要は、排出権市場への“介入”を想定しているようである。

この辺り、正直、あんまりよくわかっていないのだが、いわゆる普通の為替介入というのは、たとえば、円高を是正する場合、国内市場で調達してきた円を、ドル-円市場で売るからこそ、効果があるのではないのだろうか。cap-and-tradeの場合、為替介入における「国内市場」のような、介入原資調達のための市場がない。いろいろ考えてみたが、たぶん、ないと思う。となると、当局は、手持ちのallowanceで「売り介入」した後、同じ市場から、同じだけのallowanceを調達する、ということになるのだろうか。もしそうだとすると、効果ゼロとは言わないものの、効果はかなり限られているように思うのだが…(売りオペと調達のタイムラグを、ある程度柔軟に運用できれば、短期的な変動に対しては、一定のバッファとなりえるのかも知れないが。)

次に、“carbon-tariff”の方。こちらは、法案本文から引用してみる。
“SEC. 765. INTERNATIONAL TRADE.
 “It is the sense of the Senate that this Act will contain a trade title that will include a border measure that is consistent with our international obligations and designed to work in conjunction with provisions that allocate allowances to energy-intensive and trade-exposed industries.”.
ざっと直訳すれば、「この法律は、国内における義務と整合し、かつ、energy-intensive及びtrade-exposedな産業に対して分配されるallowanceに係る規定と接続するような、国境措置(border measure)を含む、貿易に関する規定を盛り込むべき、というのが上院の意見である」。これだけ?? という気がしたのだが、これはもしかしたら、「下院法案の同趣旨の規定をそのまま受け入れます」という意味なんだろうか。この辺、英米法を(というか法律一般を…)まともに勉強したことないのでよくわからない…。今から下院法案をひっくり返すのもちょっとしんどいので、また次回ということで。

というわけで、Blog Action Dayどこ吹く風の、極めてテクニカル(な上に極めて消化不良!!)なエントリーになってしまったが、今日も、一応、気候変動対策に向けた制度について、コツコツ勉強していますということで、ご勘弁していただければと…(苦しひ)
my room, Washington DC, Oct 15, 22:39

Monday, October 12, 2009

Crosses the climate rubicon

今しがた知ったのだが、一昨日のNYTに、二人の上院議員―John KerryとLindsey Graham―が連名で、pro-気候変動対策法案のOp-edを載せていたらしい。Kerryは上院法案の発案者なので、驚くに値しないにしても、Lindsey Grahamの方は共和党、それもSouth Carolinaという、いわゆる「ゴリゴリ」の南部州からの選出議員。このGrahamの挙行について、Gristの記事は、“He has crossed the climate Rubicon.”と評しているが、まさに、言い得て妙だと思う。

以下、Op-edの要点を拾っておく。
  1. 気候変動は実際に起こっており、かつ、我々の経済と国家の安全保障を脅かしている。
  2. 風力や太陽光といった再生可能エネルギーにも投資はするけれども、原子力も十分に活用しなければならない。
  3. 気候変動対策法案は、海外の石油への依存からの脱却に向け、本格的に取り組む機会でもある。(この文脈で、「CCSの推進」及び「onshore/offshoreの石油/ガス探査に関する妥協点の模索」に言及。)
  4. 海外の競争相手に雇用を奪われるわけにはいかない。(この文脈で、いわゆる“carbon-tariff”に言及。)
  5. エネルギー価格の上昇から、事業者、ひいては最終消費者を守るメカニズムを構築する。
5番目の点について、具体的には、“The central element is the establishment of a floor and a ceiling for the cost of emission allowances.” とのこと。そうなっているとは知らなかったので、時間を見つけて調べてみようと思う。また、4番目の点は、非常にcontrovercialかつsenitiveなポイントだが(実際、Obamaは以前、この点について否定的なコメントをしている)、それだけに書きぶりには相当、工夫したと見えて、中印二か国に対する、「褒め殺し」とも、「皮肉」とも、「脅し」ともつかないような、おもしろい(といったら語弊があるだろうか)主張を展開している。(以下、抜粋)
China and India are among the many countries investing heavily in clean-energy technologies that will produce millions of jobs. There is no reason we should surrender our marketplace to countries that do not accept environmental standards. For this reason, we should consider a border tax on items produced in countries that avoid these standards.
(中国とインドは、多くの国々の中でも最も重点的に、何百万という雇用を創出するクリーンエネルギー技術に対して、投資を行っている国である。環境基準を受け入れていない国に対して、我々の市場を明け渡さなければいけない理由はない。このことから、我々は、そういった基準を導入していない国で生産された商品に対する関税の導入を検討すべきである。)
よく見れば、一文目と二文目の間には、何の論理的繋がりもない。あくまで「字面上では」ということだが…(笑)
my room, Washington DC, Oct 12, 21:40

Friday, October 9, 2009

Scandinavian December



Obamaがノーベル平和賞を受賞した。

そのこと自体については、「相変わらず、ある方がいいんだか、ない方がいいんだか、ようわからん賞だなぁ」という以外に、取り立ててこれといった感想もないのだが、一つ、気になることがある。

もし、Obamaが授賞式に出席するとなると(報道を見ていると、どうもそうなりそうな様子だが)、12月10日には、彼は、ノルウェーのオスロにいることになる。そのとき、お隣のコペンハーゲンでは、言わずもがなのCOP15が開催中。ということは…。
my room, Washignton, DC, Oct 9, 23:19