Showing posts with label 中国. Show all posts
Showing posts with label 中国. Show all posts

Thursday, February 11, 2010

Tanjin Climate Exchange


今日付けのFTのweb記事(“Will Chinese emissions trading schemes gather momentum?”)が、中国における排出権取引市場の展開について報じている。

中でも一番進んでいるのが天津市のTanjin Cilate Exchange(天津排放権交易所)。Chicago Climate Exchange (CCX)の支援を受けつつ、目下、pilot schemeを試行中で、今年中には、本格稼働に移行するらしい(参照)。

CCX自体の停滞が物語っている通り、排出権取引市場をつくればそれだけでうまくいくというものではないが、learning-by-doingによって得られる知見は、少からずあるはず。本来、日本としても、この辺りの動きは、きちんとfollowしておく必要がある。まぁいずれにせよ、遅かれ早かれ追い抜かれちゃう(既に追い抜かれてる?)とは思うけど。。
Maxwell School, Syracuse, Feb 11, 13:15

Monday, December 14, 2009

Wind Turbine in China

Financial Securityの最後の授業は、先週に引き続き、生徒のプレゼン大会。発表者のうちの一人が、「中国の風力発電市場に米国メーカーが食い込むためにはどうすればいいか」というテーマでプレゼンをしていた。あんまり金融には関係ない気もするが、まぁそれはともかく。。。
  
彼の発表によると、中国の風力発電市場は、現在、累積12,000MWで世界第四位(一位は米国)。しかしながら、中国政府は、2010年までに30,000MW、2020年までに100,000MWの導入目標を掲げており、早晩、世界一位の座に躍り出るのは確実視されているとのこと。
  
先進国では「発電sourceの2割以上がrenewable energyになると電気の質を保てなくなる」なんて言われたりもする中、中国での風力発電のこのcrazyなまでの伸び様は、いったいどう理解すればいいのか。「多くの場合、僻地のmicro grid用で、grid本体には繋がっていない」とか、「もともと電気のなかったところに設置するわけだから質なんて気にする必要はない」とかいった話を聞いたりもするが、なんとなく、それだけでもないような気がする。留学も残り半年となって、そんな余裕があるんだかないんだかよくわからないが、もし暇があったら、中国の電力事情・電気政策についても、ちょっと勉強しておきたいなぁと思う。
   
話はまったく変わるが、最近、貿易関係のpaperに埋没している身としては、些か気になったのがこのニュース。これこそ、暇を見つけて勉強しておかないとと思う。
my room, Washington DC, Dec 14, 23:21

Tuesday, December 8, 2009

Sinocentrism

前回エントリーで書いたレポートのプレゼンは、本日無事終了。とりあえず、肩の荷が半分だけ下りた。残り半分は水曜のコース(Global Trade)のfinal paper。それを出せば今学期もほぼ終了。といいつつ、まだほとんど手はついていないのだが(苦笑)

今日は、僕含め四人の生徒がプレゼンをしたのだが、そのうちの一人のテーマが人民元のmanipulation問題で、彼のプレゼン終了後、中国政府にmanipulationを止めさせるには、どうやって説得するのがいいかとのディスカッションになった。ちなみにクラスの構成は、アメリカ人…7、モンゴル人…1、日本人…1(=僕)で、先生はアメリカ暮らしの長いインド人。  

まぁ確かに、先生のそのフリ自体どうなのよ?? という話はあるのだが、自信満々に発言する生徒たちの口から出てきた答えは、「『manipulationを止めれば、資源の購買力が増しますよ』と言って説得する」、「『manipulationを続ける限り、あなた方の国の国民・消費者が犠牲を被り続けることになるんですよ』と言って説得する」...etc. ちょっとちょっと、中国を軽く見過ぎていやしませんか?? まぁ、「じゃぁお前言ってみろ」と言われても、良い答案は出せないんですけど。(笑)   

なぜ彼らの意見がこんなに軽々しいのか。一つの答えは「学生だから」。それはある。間違いなくある。ただし、いちおう断わっておくと、(このクラスのメインテーマである)金融政策の話をしている限り、彼らは、とびきりスマートとまでは言えないまでも、とりあえずバカではないし、痛々しいほどナイーブということもない。となると、他にも何か別の理由が?   

n=7のサンプリングから、こんなことを言うのも乱暴の極みなのだが、そこを敢えて言ってしまうと、一般的なアメリカ人は、中国についての重要な二つのポイントを見落としているのではないかと思う。 

一つは、中国の国内情勢。いくら失業率が10%を越えたとは言え(最近ちょっと改善したんだっけ?)、アメリカの国内情勢なんて中国のそれに比べればstableそのもの。いくら“G2”なんて言われるようになったとはいえ、国内的には、彼の国の政府は、今もなお、「暴動」という匕首をずっとのど元に突き付けられながら日々の執務に当っているようなものなのである(実際、毎年数件は起こっているし)。相手方がそういう切迫した状態にあるんだという認識を、どのくらいのアメリカ人が持てているだろうか。

もう一つは、中華思想。彼の国の人たちにしてみれば、中国は、まさしく「中華」の国なのであって、そんじょそこらの国と一緒にしてもらってはプライドが許さないのである。もっとも、アメリカは、既に中国を特別視し始めている。そういう意味では、確かに、「そんじょそこらの国」と一緒にはしていないわけだが、それは単にアメリカが中国の持つmaterialな要素(経済、人口、etc.)を警戒し始めているからであって、間違っても、spiritualな面で敬意をはらい始めたからとか、中国人特有の「中華思想」mentalityを理解し始めたからとか、そういうことではない。中国の「中華思想」を紛いなりにも理解できているアメリカ人なんて、専門家を除けば、ごく一部なんじゃないかという気がする。 

「だからもっと中国を大目に見てやれ」とか「もっと畏敬の念を持って接しなさい」なんて言う気は毛頭ない。言うべきことは言うべきだし、(国際常識から見て)正すべきことは正すべきだと思う。しかし、この辺りの事情をわきまえず、ただただ単刀直入に突っ込んでいくと、逆にアメリカの方が、しなくてもいいケガをするなんてことにもなりかねない。もちろん、中国問題の専門家たちは、そんなこと、百も承知だと思うが、外交というものは、結局のところ、ある程度(かなりの程度?)、その国の一般国民のperceptionに縛られてしまうものなんじゃないかという気もするので…。

今日のディスカッションを聞きながら、少しだけ、そんなことを考えてみた。
my room, Washington DC, Dec 8, 25:00

Thursday, November 19, 2009

"Rising Tigers, Sleeping Giant"

NYT.comのGreen inc.に“Rising Tigers, Sleeping Giant: Asian Nations Set to Dominate the Clean Energy Race By Out-Investing the United States”という論文が紹介されていた。Breakthrough Instituteとthe Information Technology & Innovation Foundationの共著。
  
「アメリカがちんたらしている間に、日中韓の三か国が省エネ・新エネ技術を伸ばしまくっている。このままではヤバい。どうするんだ、アメリカ!!?」という、さして目新しくもないラインに沿って書かれた単純な論文だが、日中韓三か国+アメリカのclean energy分野での取組が詳しく紹介されているので、データソースとしては使える。「中国は今後10年間でclean energy関連分野に少なくとも$440 billion ~ $660 billionの直接投資を実施予定(“China, which is planning new direct investments totaling at least $440 to $660 billion over ten years.”)」なんて数字を見せられると、「こりゃかなわん」という気にさせられる。ちなみに、日本と韓国の投資予定額は、今後5年間に、それぞれ$66 billion、$46 billionらしい。詳しい算定方法は確認していないが、とにかく、文字通り、「ケタ違い」のようだ。

この論文の中に出てくる「Clean Energyの普及を妨げる4つの要因(Four Barriers to Widespread Clean Eneregy Adoption)」という整理が分かりやすかったのでメモしておく。
  1. 化石燃料との大きな価格差
  2. knowledgeのspill over(に対する懸念) → 個別企業のR&Dへの過少投資
  3. 大きな不確実性の存在 → 収益性算定が困難
  4. 既存エネルギーインフラの問題(既存技術との相性がよく、新興技術にとっては不利)
この論文には、日中韓の三か国を“Rising Tigers”で一括りにし、より大きな「脅威」として見せることによって、アメリカに奮起を促そうという意図があるんだろうと思われるが、言うまでもなくこのフレーミングには無理があり、“rising”の圧倒的割合は中国の寄与によるものである(他二国の中には、むしろ“sinking”しているんじゃないか思われる国も混ざっている。苦笑)。
  
ここ三、四年の中国(あと、インド、ブラジルも)における新エネの伸びには、本当に目を見張るものがある。これには、CDMの貢献も大きいのではないかと思うのだが、どうだろうか。中国におけるclean energyの伸びとCDMの相関性について書かれた論文などがあれば、教えていただければ幸い。
Starbucks Coffe, Farragut North, Washington DC, Nov 19, 18:20

Tuesday, November 17, 2009

"G2" Presidents on Clean Energy

Obama-Hu Jintao 両“プレジデント”による共同宣言(11/17@北京)の中で、clean energy及び気候変動の分野における両国の協力が謳われている。ホワイトハウスのwebサイトのほか、DoE(米国エネルギー省)のサイトGristの記事に詳しい。以下、Grist記事をベースにメモ。

1. Greenhouse gas inventory
気候変動分野におけるキャパビルに関するメモランダム。当初は中国におけるインベントリー作成に焦点を置く。この項目だけは、DoEではなくUS-EPAが米側の当事者(カウンターパートは国家発展展改革委員会)。
2. Joint clean energy research center
clean energy技術に関する共同研究施設の設置について。もともと7月に発表されていたが、今回、より具体化。設置当初の焦点は、省エネでクリーンな石炭火力発電技術(CCS含む)とclean vehicleに置かれる予定。
3. Electric vehicles
共通基準の開発、実証実験プロジェクトの実施、etc.
4. Energy efficiency
省エネ建物基準及び同評価システムの開発、産業別ベンチマークの設定、省エネ試験手続きの調和、etc.
5. Renewable energy
ロードマップの策定、地方政府間での協力。
6. 21st century coal
CCS技術の開発、Integrated Gasification Combined Cycle (IGCC) plant技術の開発、etc.
7. Shale gas
アメリカの技術を用いた中国国内におけるshale gas採掘の開発。
8. Nuclear
不拡散のリスクに配慮しつつ、国際合意に即したかたちでの、核技術の商業利用を促進。
9. Public-private partnerships on clean energy
U.S.-China Energy Cooperation Program (ECP) をベースにした民間ベースでの協力の促進。予定されるプロジェクトの実施分野は、“renewable energy, smart grid, clean transportation, green building, clean coal, combined heat and power, and energy efficiency.”

8日のエントリーで書いた“A Roadmap for U.S.-China Collaboration on Carbon Capture and Sequestration”(by Asia Society & Center for American Progress)の内容も色濃く反映されていると言える。この分野における米中の協力政策は、今後も、Asia Societyが引っ張っていくということなのだろう。

以下、共同宣言からの抜粋(強調はblog筆者)。
Regarding the upcoming Copenhagen Conference, both sides agree on the importance of actively furthering the full, effective and sustained implementation of the United Nations Framework Convention on Climate Change in accordance with the Bali Action Plan. The United States and China, consistent with their national circumstances, resolve to take significant mitigation actions and recognize the important role that their countries play in promoting a sustainable outcome that will strengthen the world’s ability to combat climate change. The two sides resolve to stand behind these commitments.
In this context both sides believe that, while striving for final legal agreement, an agreed outcome at Copenhagen should, based on the principle of common but differentiated responsibilities and respective capabilities, include emission reduction targets of developed countries and nationally appropriate mitigation actions of developing countries. The outcome should also substantially scale up financial assistance to developing countries, promote technology development, dissemination and transfer, pay particular attention to the needs of the poorest and most vulnerable to adapt to climate change, promote steps to preserve and enhance forests, and provide for full transparency with respect to the implementation of mitigation measures and provision of financial, technology, and capacity building support.
my room, Washington DC, Nov 17, 23:45

Wednesday, November 11, 2009

Fall of the Berlin Wall



ベルリンの壁の崩壊から20年ということで、このところ、ベルリンではお祭り騒ぎのようである。アメリカのメディアもここ数日、このニュースをこぞって報じてはいるものの、一方では、先週のFort Hood乱射事件やHealth Care法案絡みのニュースも忙しく、単純にお祝いモード一色というわけにはいかないようである。

ベルリンの壁とともに冷戦が崩壊してから20年がたったわけだが、中国は、今も立派に(??)、共産主義の看板を標榜し続けている。もっとも、あの国が未だに字義通りの「共産主義」を採用しているだなんて信じている人はほとんどいない。現在の中国(政府)にとって、「共産主義」は、「一党独裁体制」とほぼ同義なのだろう。「一党独裁体制」は、「共産革命」という目的を推し進めていくための手段だったはずなのだが、皮肉というかなんというか、今やその「手段」だけが「共産主義」の看板の下で温存される結果となっているわけだ。

経済学的に見れば―あるいは、そうした前提を置かなくても―、現代という文脈の中で、各国の性格を分析する上でもっとも大事なポイントは、政治的にどういった体制を採っているかではなく、「成長」と「分配」のどちらにより重きを置いた政策運営が行われているかという点にあるように思う。その基準でいえば、中国なんてのは、むしろ「成長」陣営を代表する国の一つであるし、一方で、日本なんかは、「分配」陣営に位置づけられても不思議ではない、というか、いまや、それを堂々と公言してしまう国になろうとしている。

とりあえず書いておきたかったのはそれだけで、それ以上、どうということもないのだが。学生時代、バカにするだけ馬鹿にして、マル経というものをまったく勉強しなかったので、原著レベルで、マルクスがどう言っていたのか、まったく知識が無い。今思うと、僕らが普段、「これが共産主義だ」と思っているものの、どの部分がマルクス自身の主張で、どの部分は後から付け加えられたものなのかくらいはわかるようになっておくと良かったなぁと思う。まぁ、今さら資本論を読む気にはさらさらなれないんだけど(笑)
my room, Washington DC, Nov 10, 25:44

Sunday, November 8, 2009

A Roadmap for U.S.-China Collaboration on CCS

今年1月、Pew Centerとの共同で“A Roadmap for U.S.-China Cooperation on Energy and Climate Change”とのレポートをを取りまとめたAsia Societyが、4日水曜日、今度は“A Roadmap for U.S.-China Collaboration on Carbon Capture and Sequestration”と称するレポートを発表している。今回のパートナーは、前回のPewに代わってCenter for American Progress。(2月のレポートに関するMSJ記事はこちら

なぜCCSなのか。同レポート曰く、
“One critical pathway for collaboration specifically identified in the United States and China’s recent joint commitments is carbon capture and sequestration technology, or CCS, which has the potential to mitigate emissions from coal-fired power plants.”
との由。この背景には、当然ながら、米中両国が、単にGHG排出量の多い国(世界第一位、第二位。両国合わせると世界全体の41%)であるというだけでなく、両国とも、石炭への依存度が非常に高いエネルギー構造を持つという事実がある。

レポートでは、両国が、まず協力して手をつけるべき点として、以下の3つを挙げている。
  1. Sequester the pure CO2 streams on existing commercial plants
  2. Invest in research and development on retrofitting older power plants
  3. Catalyze markets for CCS
1.は、もっともsequestrationを行いやすいパターンである、既にpureなCO2を排出しているタイプの施設(=“capture”工程が不要)で、まずはCO2のsequestrationをやってみましょう、という提案。この実証実験は中国国内のみで行うこととされており、アメリカは“substantial contributions to those projects in practice, equipment, and science”を行うとしている。

2.は、CO2とその他のガスが混ざった状態の気体を排出している施設から、pureなCO2を取り出せるようにするための改修(retrofit)の行い方について、R&Dを行いましょうというもの。この実証実験は米中両国で行うとされており、そのための研究センターについては、“which might be set up within existing U.S. Department of Energy calls for a collaborative research center” としている。

3.は、CCSが、今後、商業ベースで実施されていくためには、そこへの資金の流れを作ってあげる必要があり、その役割を果たしうると考えられるのは、①CO2排出抑制に経済的価値を与える国内法と、②現行CDMのような国際的な途上国支援枠組み、とした上で、最後には、“the United States and China will have to eventually build an international mechanism to reduce the costs of second and third generation technologies aimed at meeting global 2020 and 2050 CO2 output targets.”とも述べている。

このcollaborationによって、両国が享受しうるベネフィットとして挙げられているのは以下の9項目。
  1. Accelerate U.S. technology
  2. Create U.S. jobs
  3. Lower U.S. electricity prices
  4. Increase Chinese CCS expertise
  5. Facilitate additional collaboration in preferred Chinese areas
  6. Direct cost savings
  7. Risk sharing
  8. Financial sureness in the market
  9. Rapid emissions reductions 
僕はこれらのほかに、明示的には書かれていないけれども(←当たり前)、アメリカ国内でsequestrationの実証実験を行えば、ほぼ確実に発生すると考えられる“NIMBY”的反対運動に伴う行政的・政治的コストを回避できるというメリットも、アメリカ側は織り込んでいるのではないかという気がする。更に言えば、中国の発電所の構造を仔細に見聞する大義名分を得られるという戦略的メリットも、あるいはカウントされていたりするのかもしれない。もっとも、この点は、中国側から覗き見されるリスクも負うという意味で、諸刃の刃ではあるのだが。

共同R&D施設の米国内誘致をさらっと表明していたりもしていて、正直、アメリカにとって虫の良すぎる提案であるようにも思うのだが、大枠で見れば、気候変動の分野では、米中両国は、国内排出削減対策・外交交渉の両面で協調を図ることによって、互いの利益を増幅できるのは事実だと思う。来週末のObama訪中で、どこまで具体的な議論が交わされるのか、注目して見てみたい。
my room, Washington DC, Nov 7, 24:52

Saturday, October 31, 2009

Global imbalances or Financial regulatory failures

月曜日のglobal financial securityの授業用のプレゼン準備。(おもに)中国の経常黒字に由来する global imbalanceがfinancial crisisに与えた影響について。まともにプレゼンしようと思ったら、国際マクロをもう少しまじめに勉強しないといけないのだが、残念ながらその時間もないので、幾分(相当?)お茶を濁し気味の内容…。コメントいただければ幸いです。
========================
The world became significantly much more leveraged over the past five years. And it was leverage taken on without foresight due to misplaced compensation incentives. This all came crashing down in the financial crisis, and the actions of so many during this time now look so, so foolish.
これは、S. Dadidoffというエコノミストが今月5日にNYT.comに載せた記事の一節であるが、今般の金融危機についての、世の中の標準的な見方から、そう離れてはいないと言えるだろう。問題は、ここまで大規模なbubbleが発生した原因は何だったのか、という点である。
  
Controversy remains about the precise connection between global imbalances and the global financial meltdown. Some commentators argue that external imbalances had little or nothing to do with the crisis, which instead was the result of financial regulatory failures and policy errors, mainly on the part of the U.S. Others put forward various mechanisms through which global imbalances are claimed to have played a prime role in causing the financial collapse.
と述べている。後者の意見は、よりストレート(或いは「より感情的」?)に言えば、“the global financial crisis was caused by hardworking Chinese factory workers who committed the sin of over-saving, which created a glut of money that needed to be invested”Simon Johnson and James Kwak)ということになるのかもしれない。(※ なお、Johnson & Kwakの本当の主張はこの真逆のもの)

たとえば、Financial Timesは、Krishna Guhaという記者による今年1月1日付の記事(“Paulson says crisis sown by imbalance”)の中で、以下のように報じている。
The US Treasury Secretary said that in the years leading up to the crisis, super-abundant savings from fast-growing emerging nations such as China and oil exporters – at a time of low inflation and booming trade and capital flows – put downward pressure on yields and risk spreads everywhere. This, he said, laid the seeds of a global credit bubble that extended far beyond the US sub-prime mortgage market and has now burst with devastating consequences worldwide.
一方、同じ記者が今年9月17日付の記事(“China scorns focus on imbalances” )で報じているところでは、中国側は、この一件に対し、以下のような反論を試みている。

Zhou Wenzhong, China’s ambassador in Washington, said: “People should not focus on only one thing, that is balancing the economy.” The International Monetary Fund should concentrate on doing a better job of monitoring the build-up of financial risks.

Imbalances were “certainly not the root cause of the problem”, Mr Zhou said. “The root cause of the crisis is the lack of supervision and abuse of the openness of the market, very risky levels of leverage and too much speculation.

China is likely to argue that it is already doing a substantial amount to rebalance its economy. Although imports and exports have both slumped this year, imports have fared less badly as a result of demand for commodities created by the government’s fiscal stimulus programme.
このグラフからも見て取れるように、2000年代半ば以降、中国(とドイツと日本。実際には産油国も)の経常黒字は明らかに急拡大している。その結果、膨らみに膨らんだ中国(とその他の国々)の貯金(saving)が、アメリカの市場に過剰な流動性を供給し続けたこと、また、その過剰流動性が、アメリカのinterest ratesを実態以上に低い水準にとどめ、資産バブルを発生させるのに、少なくとも一役買ったことは、明らかであろう。論点は、その影響がどの程度決定的だったのか、という点である。この点については、今の時点で結論めいたものがあるわけではない。(というか、僕のような国際マクロ素人からしてみれば、どっちがよりcriticalな要因だったかなんて、どこまで議論を尽くしてみても、結局、見方次第で、どちらにでも見えてしまうのではないかという気さえする。と言いながら、自分の不勉強の正当化を試みていることは否定しえないが…)。

というわけで、簡単に結論の出る話でもないので、あとは、両派の識者の皆さんの意見を紹介して(お茶を濁して)おこうと思う。

◆「global imbalances = 真因」説◆
Imbalances a reason for concern” Free exchange at Economist.com, October 7, 2009
One shouldn't underplay the effect of rising commodity prices on the global economy, and those price increases were driven in part by the factors shaping imbalances. On the one hand, low interest rates drove investors seeking returns to invest in commodities, and on the other hand, rapid export-oriented growth in China contributed to rising global demand for resources, pushing up prices. Without the commodity price shock, the recession and financial crisis would likely have been less severe.
... an undervalued Chinese currency reduced the return to investment in tradeables in America, and increased the return to investment in non-tradeable sectors, particularly housing.
また、2005年には、Bernankeもこんなことを言っている。前掲のMaurice Obstfeld and Kenneth Rogoff (October 2009) より。

In his famous Sandridge Lecture of March 10, 2005, Ben Bernanke argued that the causes of the U.S. foreign deficit, and therefore its cures, were primarily external to the U.S. ...  Bernanke did note that “the risk of a disorderly adjustment in financial markets always exists, and the appropriately conservative approach for policymakers is to be on guard for any such developments.”

◆ anti-「global imbalances = 真因」説◆

Don't Blame ChinaSimon Johnson and James Kwak at Washington Post.com, October 6, 2009
While Chinese over-saving was a contributing factor to the recent crisis, it was neither necessary nor sufficient. ... The problem is what we did with the cheap money.

In short, we had a dysfunctional financial system that failed at its most fundamental job -- allocating capital to where it benefits the economy the most. Encouraging productive investment by businesses and preventing the next bubble go hand in hand -- both require fixing the financial system. Blaming global imbalances -- a consequence bereft of either a subject (an actor) or a verb (an action) -- is only a way of avoiding our real problems.
ちなみに、先にも引用したMaurice Obstfeld and Kenneth Rogoff (October 2009) ―これは、サンフランシスコ連銀のAsia Economic Policy Conferenceのために用意されたものであるが―は、結局のところ、以下のような、中庸めいた見識を示している。
We too believe that the global imbalances and the financial crisis are intimately connected, but we take a more nuanced stance on the nature of the connections. In our view, both of these phenomena have their origins primarily in economic policies followed in a number of countries in the 2000s (including the United States) and in distortions that influenced the transmission of these policies through financial markets. The United States’ ability to finance macroeconomic imbalances through easy foreign borrowing allowed it to postpone tough policy choices (something that was of course true in many other deficit countries as well). Not only was the U.S. able to borrow in dollars at nominal interest rates kept low by a loose monetary policy. Also, until around the autumn of 2008, exchange-rate and other asset-price movements kept U.S. net foreignliabilities growing at a rate far below the cumulative U.S. current account deficit. On the lending side, China’s ability to sterilize the immense reserve purchases it placed in U.S.
markets allowed it to maintain an undervalued currency and postpone rebalancing its own economy. Had seemingly easy postponement options not been available, the subsequent
crisis might well have been mitigated, if not contained.
Starbucks Coffee, Washington DC, Oct 31, 18:07

Wednesday, October 7, 2009

Autumn in DC

僕のいるDivision(日本でいうと「部」くらいか。いまだに全体像がよく見えないのだが、おそらく、総勢百人くらいの組織ではないかと思われる)のDirectorさんが、今週いっぱいで転出される(というか、別の組織から引き抜かれた)ということで、今日は、臨時のDivision全体会議が催された。去り行くDirectorさんから、「訓示」的なものでも聞けるのかと思って行ってみたら、確かに、Directorさんのお話を聞けたことには間違いなかったのだが、その「お話」の仕方が、僕のイメージしていたものとはずいぶんと違っていた。

その様子を日本語で表すならば、「訓示」というより、一個の「講演会」と言った方がおそらく正しい。Directorさんは、今日の会議のために、パワーポイントのプレゼンテーションまで用意してきておられ、その資料に沿いながら、30分にわたって、我がDivisionの今後進むべき方向性をとうとうとお話になられた。終了後には、質疑応答セッションが続く。さながら、「講演会」である。どっちが良いとか悪いとかいう話でもなく、単純に、日米のスタイルの違いに驚かされた。

勤務後は、Woodrow Wilson Centerで行われた“China and Climate Security”なるワークショップに参加する。面白い話が聞けるんじゃないかと、結構期待して行ったのだが、“Climate Security”という概念の周縁が定まらず、話が進むにつれて、“Climate”を離れて、単なる“Security”のお話(というか、中国脅威論みたいなお話)にハマってしまい、期待していたほど面白いものではなかった。最初に話をされた北京居住歴15年というフィンランド人のおばちゃんの話は、それなりに面白かったのだが、そのあとに出てきた“China Specialist”とかいう肩書のネオコン親爺が頂けなかった。聴衆の中には中国人風の方も何人かいらっしゃったが、あまり良い思いをせずに帰られたのではないだろうか…。

ワークショップ終了後、ワークショップに来るはずだったのに、道に迷って会場にたどり着けなかったというY.Y氏とディナーを共にする。屋外の席で食べたのだが、食後、しばらくすると、ずいぶんと肌寒くなってきた。DCもすっかり秋めいてきたなぁと実感する。まぁもう10月の声を聞いて一週間になるので、当たり前と言えば当たり前かも知れないが。

帰宅後、インターネットでCNNを見ると、普段、「Tokyo」でさえも、ごくごくさらっとしか触れてくれない天気予報のお姉さんが、今日に限っては、「Tokyo」だけでなく、「Osaka」や「Fukuoka」の名前も口にしていた。もちろん、台風のせいである。先週、フィリピンでも台風による相当の被害が出たようであるが、天気図で見ると、その、フィリピンで大きな被害を出した台風よりも、いま日本に向かっているそれの方が、かなり大きいように見える。やや心配である。。
my room, Washington, DC, Oct 7, 25:16

Sunday, September 13, 2009

Tariffs on Chinese Tires

解せん。解せませぬ。

「オバマ米大統領は11日、中国製タイヤの輸入制限措置として上乗せ関税を発表した。(中略)ホワイトハウスによると、今後1年間乗用車およびライトトラック用中国製タイヤに対し、現行の4%に35%の関税が上乗せされる。実施は9月26日から。上乗せ幅は2年目は30%、3年目には25%となる。」とのこと(by 日本語版ロイター)。 当然のことながら、中国は反発を強めており「中国商務省の報道官は、同省のウェブサイトで「中国は米国による重大な貿易保護主義を非難する」と反論。「今回の措置は世界貿易機関(WTO)のルールに違反するばかりでなく、20カ国・地域(G20)首脳会議で米政府が明らかにした方針とも相容れない」と批判している。」との由(by 同記事)。そりゃそうなりますわな。更に、中国が、アメリカからの自動車及び鶏肉の輸入に対して追加的関税を課す準備がある、なんて報道もある。(by NYT
  
日頃、それほど熱心にニュースを見ている方ではないが、とはいえ、中国からのタイヤ輸入がアメリカで大きな政治問題になっているなんて話、つい最近まで、全くと言っていいほど聞いたことがなかった(USITC(米国国際貿易委員会)からの勧告自体は、今年一月に出ていたようであるが)。そもそも、アメリカにおけるタイヤ産業がそれほど大きな雇用主になっているなんて話も、ほとんど聞いたことがない。

にもかかわらず、中国側からの反発が確実に予想される中、このタイミングで関税上乗せに踏み切るというのは、いったいどういう政治判断だったのだろうか。この論者によれば、背後にUSW(United Steelworkers Union)がいるのではないか、とのことだが…。
  
Obamaと胡錦濤は、今月24・25日にPittsburghで開催されるG20で会合するほか、11月にはObamaの訪中も控えている。こういった微妙な政治日程の中、この案件、いったいどういった方向に進んでいくのだろうか。。
my room, Washington, D.C., Sep 13, 22:55

Saturday, June 6, 2009

Construction Boom

【AM】 
昨晩、友人宅のパーティに出かけていた主夫妻(←何時に帰ってきたのか知らない。少なくとも1時以降)は、お昼頃まで惰眠を決め込んでいらっしゃる御様子。というわけで、一人起き出して、洗濯を始める。昔懐かしの二槽式 、かつ、自動すすぎ機能なし ⇒ 10分ごとに洗濯機に呼び出される(←正確にいうと、呼びだしてさえくれない。自分からすごすご寄っていく)。
  
一週間分の洗濯物が溜まっていたので、大きくもない洗濯槽には一回では納まりきらず。二回に分けて洗濯したら、それだけで午前中が終わってしまった。しかし、時間に余裕があるというのは素晴らしいもので、そんな、まどろっこしいプロセスも、特に「面倒くさい」とか「まどろっこしい」とは感じずに楽しめる。時間的な意味で、こんなに気持ちに余裕があるのはいつぶりだろうか…(えーっと、たぶん7年ぶりくらい??)
  
主曰く、このマンションの他の部屋の人たちは、乾燥機を使うか、お手伝いさんを使うかしているらしいが、主夫妻は、自分たちで(正確には、専業主夫の旦那氏が)洗濯物を干している。というわけで、必然的に僕もそのポリシーに従うことに。とはいえ、約一年ぶりの洗濯物干しは、これはこれで楽しい。アメリカの人たちも乾燥機なんて使わずに、戸外に干せば気持ちいいのにと思う。何かの記事に、「アメリカでは、外に洗濯物を干す=乾燥機を買えないと思われる=貧乏人だと思われる ので、みんな乾燥機を使う」と書いてあったのを思い出した(そういえば、六本木ヒルズのレジデンツもベランダに洗濯物を干すのは禁止らしい)。

【PM】
お昼過ぎに起きてきた主夫妻は、二人でどこかへお出かけ。僕はケーブルテレビのチャンネルを回して、サッカー日本代表のW杯予選を探すも、案の定見つからず。というわけで、諦めてスーパーに買い物に行くことに。

片道15分の道をとことこ歩く。30秒ごとにタクシーが寄ってくるが、気にせず歩く。

Accraはちょっとした建設ラッシュ。主に外国人向けと思われる高級マンションが、「そこかしこに」というほどではないが、「ところどころで」建てられている。右の写真は建設中のマンションの様子。おとといのカナダ大使館パーティの席で、超いい加減そうなアメリカ人の兄ちゃんから聞いた話によると、こういった建設案件では、いわゆる「サブコン」の位置を中国系企業が占めることが多いらしく、彼らは、昼夜分かたずに仕事して、バンバン建物を造っていくらしい。

いろいろと聞いてみたところでは、当地の高級マンションの賃貸料は、日本と同じかそれ以上。$2,000/月もざらだとか。そんなに広い部屋は要りませんと言っても、セキュリティの問題なんかで、結局、外国人の皆さんは、それなりのレベルの部屋を借りざるを得ないらしい。となると、Accraのレントが値崩れすることは当分なさそうで、そう考えると、いまAccraでマンションを建てるというのは、多少(?)のリスクさえとれれば、かなり効率のいい投資なのかもしれない。素人ながら、直観的には、まだ「バブル」というほどの建設ラッシュではないと思う。左の写真は、そんな高級マンションの一つの広告看板。
  
職業柄、先週から少し気になっているのが、この街のごみ処理事情。何人かに話を聞いてみたところでは、いちおう「ゴミ処理場」ということになっている土地がところどころにあるらしい。誰がどんな権限で指定したのかは不明だし(ていうかたぶん誰も指定とかしてない)、地下への浸透防止の処理がなされているはずもない。が、そういう「ゴミ処理場」まで運んで行って捨てるケースはまだマシなんだとか。多くの場合、地元の人たちの生活ゴミは、そこら辺の空き地に捨てられているらしい。
   
たぶん、昔はそれでも回っていたんだろうが、ゴミの量も増え、その中にプラスチックもたくさん含まれるようになった今では、そんな方法は、sustainableなはずもなく。。。我が家からスーパーに続く道沿いの側溝にも、ご覧の通りプラスチック系のゴミが散乱。幸か不幸かblogでは伝えられないが、異臭もかなりひどかった。
   
こういうのをどうにかしないと…、と思うのは、先進国から来た人間の趣味的発想なんであって、現地の人からしてみれば、まずは衣食住を足りさせろ、ということなのかも知れない。しかし、Accraくらいの街にもなれば、そろそろゴミのことも考え始めていいんじゃないかという気もする。結局のところは、この国の人たち次第なんだけど。
  
15分の散歩後、スーパーに到着。一週間分の食材を買い込んだ帰りはタクシーに乗ることに。口々に「你好」「你好」と言って近づいてくる運ちゃんたちに、いろんな意味でムカつきつつ、独り「你好」とは言わずに近寄ってきた運ちゃんのタクシーに乗る。

【夕方】
帰宅後、Yahoo! Japanをチェック。W杯本戦出場決定、おめでとうございます。
my room, Accra, Ghana, June 6, 20:04 

Monday, May 25, 2009

Public, Private, and Community

いろいろと紆余曲折はあったが、この9ヶ月間、香港人のルームメイトと暮らしてきた。
   
彼自身は、1月に「出戻り」してきて以降、人間的に、それなりに成長してくれたと思う(←超上から目線でスイマセン)。未熟なところを数え上げれば切りはないが、いろいろと悩める真面目な青年(少年?)であり、彼が是非にと言ってくれている明後日のディナーでは、そんな彼の人生相談にも、できる限り乗ってあげたいと思う。
  
しかし、彼の彼女、彼の友達、或いは「出戻り」以前の彼の姿を見ていると、Chineseという人たちについて、思うところがいろいろある。ある意味、いい勉強になった一年だったとも思う(苦笑)。
  
そんなに大きくもないサンプルから、母集団全体についての結論を引き出すことは統計学的に言えば邪道だということを重々認識しつつも、この一年間のルームシェアリングのまとめ(?)として、現時点での僕の「中国人観」を書いておきたいと思う。(当たり前の話として、この「中国人観」の枠に納まらない中国人の方は、いくらでもいらっしゃると思う。あくまで、僕の感じる一つの「傾向」として。)
    
彼らに関して僕が思うことは、日本人的な意味での(そしてそれは、世界の常識からそんなにずれていないと思うが)“private”と“public”の、両方に対する意識が極めて希薄だということだ。その代り、その中間的な位置づけとも言うべき“中国人community”という存在が、彼らの中で、絶対的な重要性を占めている。
    
この家での彼ら(=ルームメイトの彼女や、遊びに来る彼の友人)の振る舞いや、Maxwellの自習室での彼らの行動を見ていて思うのは、「完全に独りになる」という意味での“private”な時間は、彼らにとってはあまり重要でないらしい、ということ。ほぼ常に、同じメンバーで固まっている。自分も含め、日本人の「独りの時間」希求性は、確かに他の国の人たちと比べても強い方だと思うが、とはいえ、中国人の“communnity”帰属性の強さは、明らかに際立っている。
   
それと同時に言えることは、“community”の外側に対する彼らの関心・配慮は、非常に小さいということ。どこにいても、"Little China"とも言うべき彼ら独自のcommunityを形成し、外界とは、最小限の関係しか持とうとしない。その傾向は、大学院生になれば、学部学生よりも多少弱まる気がするが、それでも、Maxewllの中で、彼らのcommunityは確実に際立っている。
     
多少の主観が混ざっているかもしれないが、これが、現時点で僕が抱いている、中国人観、中国人コミュニティ観だ。この分析が、中国人一般に妥当するという根拠はどこにもないので、あくまで仮説に過ぎないのだが、この一年で僕なりに得た一つの「理解」の到達点として、書き残しておく。
my home, Syracuse, May 25, 22:52

Tuesday, May 19, 2009

China and Development in Africa

今日の授業のお題の一つは「アフリカの開発と中国」。以下、今日の読み物からの抜粋を。
  • アフリカ各国は、中国の経済成長とそれに伴う天然資源への需要増大から、大きな経済的利益を得ている。アフリカからの中国向け輸出額は、2000年から2005年までの5年間に、年平均48%の割合で増加。この増加率は、同期間の米国向け輸出増加率の2.5倍、EU向けの4倍。
  • 中国は、天然資源の購入にとどまらず、西側諸国が長らく手控えてきた分野(大規模インフラ、製造業、農業)への投資・支援も積極的に行っている。
  • 中国製の安い工業製品もアフリカ各国に大量に流入しており、衣料品などを中心に、アフリカの国内製品が市場から駆逐される事態も。
  • 中国系企業による工業製品の現地生産も行われているが、労働力・原材料とも中国本国から持ち込んでくるため、地元経済へのプラスの波及効果は限定的。
  • 中国の企業は国営(或いはその系列)であるため、各企業ごとに黒字を出す必要がなく、パッケージを組んで参入する(言わば「損して得取る」)ことが可能。更に、商談とaidのofferがセットになっていることも。OECDでは、こういった形でのdealを控えるよう取り決めしているが、OECD国でない中国には無関係。
  • 「十分な民主化がなされていない」などの理由で、西側各国やIMFなどの(西側)国際機関が援助を控えている、スーダン、アンゴラなどの国にも、中国は無条件で援助を行う。
  • 西側の援助の対象になりうる国にとっても、援助と引き換えにもろもろの条件をつけられ、かつ、手続き(環境アセスなども含めて)にやたらと時間がかかる西側の援助よりは、無条件かつ迅速に動いてくれる中国の方が便利。

これだけ読んでいると、「あぁ、やっぱり良貨は悪貨に駆逐されちゃうのね。。」と、思いそうになるのだが、事態はそんなに単純でもないようで…。

授業後、例の相部屋のべニン人のおじさんと、この件について話をしてみたところ、彼が言うのにも、やはり、中国のaidは迅速かつ効果的らしく、USAIDと違って被援助国が本当に望んでいるものを提供してくれるんだと言っておられた。地元に雇用を産み出さない(=労働者を本国から連れてくる)点については批判していたが、総じて言えば、中国から援助を受ける方が「より便利」なんだと。

また、アメリカの「民主主義の押付け」には、相当、嫌気がさしておられるご様子。彼自身、「自由と民主主義が大好きだ」と言いつつも、「民主主義にもいろんなフェイズがあるんであって、各国の発展段階にお構いなく、単純に“アメリカ流”を押し付けられるのはかなわん」という趣旨のことをおっしゃっておられた。(ちなみに、彼の出身国であるベニンは、20年の伝統を持つ安定した民主主義国家。)
   
ベニンでも、中国は積極的な投資・援助を行っていて、中国製品も盛んに流通しているとのこと。これといった天然資源のないベニンのこと、「何が彼らの狙いなんだろう?」とCさんに聞いてみたら、「市場だろうね」とのお答え。首都には、made by Chinaの巨大なサッカー場もあるらしい。ちなみに中国の援助は、USAIDやJICAのようなAgencyを通さず、大使館自らが取り仕切って行っているとのこと。
  
ゲストスピーカーで来ておられたCSISの研究員の方は、「中国の援助の仕方にはいろいろと問題もあるが、USAIDがここ20年の間に見失ってしまっていたpracticalityを多分に備えているのは否定できない。中国、アメリカ双方ともにお互いから学ぶべきところがある」とまとめておられた。言いたいことも分かるが、そんなにきれいにまとまる話ではないような気もする。中国については、他にもいろいろ書きたいことがあるのだが、明日も朝から授業なので、またの機会ということで。
Calvert House, DC, May 19, 25:21

Friday, April 17, 2009

EPA Finds Greenhouse Gases Pose Threat to Public Health, Welfare

Director of Center for Asian Studies of American University(漢字で書くと美利堅大學亞洲研究所所長!!)であられる趙全勝(Zhao Quansheng先生の訪問講義を聞きに行く。講義のテーマは、ズバリ、“Pros and Cons in China and Japan”。今日の日中関係に残る課題と関係改善の兆候の両側面を(主にアメリカ人学生向けに)紹介するといった内容。一回きりの訪問講義とあって、「入門編」に徹した内容であったが、氏のrealisticなものの考え方と、日中両国に対する深い理解(中国理解が深いのは当たり前か)が端々に垣間見え、「出てよかった」と素直に思える講義であった(訪問講義は、肩すかしを食らわされることも多いんですけど。汗)。趙先生はD.C.在住とのことなので、秋にでも、研究室に一度お邪魔してみたいなと思う。というわけで、早速、講義のお礼 & 感想のメールを送信。
 

US-EPAが、「温室効果ガスは、人々の健康と快適な生活を脅かす可能性のある大気汚染に寄与するものである(greenhouse gases contribute to air pollution that may endanger public health or welfare.)」との公式見解(finding)を発表(正確には、今日から60日間のパブリックコメントの後に確定)。このニュースは、アメリカではそれなりに大きく報じられている。Washington Postからはnews alertが届いたし、NY times も大きな記事で掲載。1月26日に大統領司令(Executive Order)が出された時点でほぼ既定路線だったとはいえ、やはり、歴史的な一歩と言えるだろう。
  
Washington Postの記事によると、この"finding"の法的効果に関する解釈は一様でないみたいだが(このあたりはいかにもアメリカ的でようわからんです)、「一旦、この"finding"が確定したら、EPAは、自動車由来の温室効果ガスの排出を規制する義務を負う」という説がどうやら有力らしい。もっとも、大統領・EPAとも、EPAのregulation(政令??)で手当てするよりも、立法府によるlegislation(立法)で手当てする方が好ましいとの見解を示している。この点は、規制される側の産業界も同じ。行政にフリーハンドで書かれるよりは、議会の議論の中で決める方がまだましと思っているはず。つまり、この"finding"のホントの狙いは、EPAが自らregulationを作ることではなく、むしろ、「legislationが嫌ならregulationでやっちゃいますよ」というをはめることで、議会でのcap-and-trade法案の議論に弾みをつけることなんだろう。
    
そう考えると、就任から一週間と経たないうちに出されたexecutive orderは、戦略的な価値の非常に大きなものだったということになる。今でもはっきり覚えているが、あの日は、各メディアも、加州自動車規制の容認の方にばかり注目していて、Clean Air Actの件については、あまり大きな報道がなされていなかった。周囲に悟られないうちに、効果的な一手を仕掛けたという意味では、この一手は、Obamaチームの作戦勝ちと言えるのかもしれない。玉をとるまでの戦いはまだまだ長そうだけども。
Maxwell School, Syracuse, Apr 17, 29:24