Tuesday, April 13, 2010

Interview #2

昨日は、NYSERDA(New York State Energy Research and Development Authority)へのインタビューに行ってきた。
  
“Advance innovative energy solutions in ways that improve New York’s economy and environment.”をミッションに掲げるこの組織は、州法に基づき1975年に設立されたNY州政府の一機関。元々は、化石燃料の消費を減らすためのR&Dに特化した研究機関だったのだが、時代が下るにつれ、行政的役割も担うようになってきている。州のRPS Programにおいては、“the central procurement administrator”、つまり、公募を主催し、発電事業者から再生可能エネルギー電力(厳密には、“再生可能エネルギーで○kWhの電力を発電しました”という実績に伴う権利のみ。物理的な電力は、別途、電力市場に売りに出される)を買い取る役割を担っている。

先週、NYISO(こちらは、電力系統の運用・電力市場の運営などに責任を負っている)にインタビューに行った際、“RPS? So what??”的な反応を返されたという話をその日のエントリに書いたが、今回は、期待通り(?)にその真逆で、“Transmission? So what??”的な反応が分かりやすくも返ってきた。

彼らの発想並びにスタンスは、「RPSの目標達成上、transmissionのcongestionが深刻なbarrierとなる可能性は想定していない」というもの。文字通り、「想定していない」といったご様子で、NY州のtransmission事情についてなら、むしろ僕の方が詳しいんじゃないかと思ったくらい。もちろん、応対に出ていただいた方の専門分野ではなかったから、ということもあるのかも知れないが。

実際のところ、transmissionの問題が、今後、どの程度、再生可能エネ普及の足枷になるのかは、よくわからないところがある。直接的に知りたければ、再生可能エネ発電事業者のコスト構造を覗かせてもらうのが一番なのだろうが、何社かにインタビューの依頼を出してみたものの、これまでのところ音沙汰なし。まぁ、元々、ダメもとのつもりで出していたお願いなので、無視されたとしても無理はない。

むしろ、論文の中では、そういった不確実性――この場合で言えば、「transmissionの問題が再生可能エネの普及にどの程度の悪影響をもたらすか」、より具体的には、「transmissionのcongestion chargeの値上がりがどの程度発生し(厳密には、「発生すると予測(expect)され」)、それが、RPSのbid価格をどの程度上昇させるか――を可能な限り絞り込むための努力を行政の側ができているかという点と、それでもなお残る不確実性が、制度上、適切に扱われているか、という点にフォーカスを当てるべきかとも思う。PSC、NYSERDA、NYISOという、関連する三機関の責任分担構造にも絡めつつ。

というような話を昨日の夕方にはアップし、その勢いで、論文の執筆に取り掛かろうと思っていたのだが、昨日の午後は、クリエイティブな方向にアタマを働かせる気力が出ず、だらだらとInt'l Trade Lawのリーディングをして終わる。慣れない長時間運転の疲れのせいもあったとは思うが、論文漬けの生活に、若干、疲れが出ているのも事実。たかだか、1セメスターのことではあるんだけれど。

いろんな意味で(もう一つくらいの意味しかありませんが…)、ちょっと運動した方がいいかもなぁ…。
my home, Syracuse, Apr 13, 11:14

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