環境に害悪を及ぼしていると考えられている、ある製品の販売規制が、その製品の輸出国である途上国からの輸入に、大きなインパクトを及ぼすと見込まれる場合、規制を敷く側の先進国は、当該途上国への経済的影響に配慮して、何らかの特例措置(移行期間の設定、技術支援等)を講じるべきであるか。
2.“Like Products”の解釈
WTO法上、“Like Products”(同種の産品)については、いずれの国(輸入国自身を含む)の商品も非差別的に扱わなければならないとされているが、どこまでが“Like Products”と解釈されるべきか。たとえば、温帯に位置している国が、温帯林産の材木と熱帯林産の材木とを「“Like Products”ではない」と解釈し、熱帯林産の材木にのみ規制を課す(したがって、当該国の国産材木には同様の規制はかからない)ことはWTO法上、許されるか。
3.製造工程規制
ある製品の製造工程に規制を課している国が、同等の規制を課していない国からの同製品の輸出を禁じる措置には、GATT Art XX: General Exceptionが適用可能か。
4.「緩い環境規制」に対する相殺関税
「環境規制の緩い国は、その国の企業に対して“事実上の補助金”を与えているのと同じ」とみなし、そういった国からの輸入品に相殺関税(countervailing duty)を課すことは、WTOのAgreement on Subsidies and Countervailing Measures(SCM Agreement)上、認められるか。
5.「環境補助金」に対する相殺関税
その国の企業に、環境投資補助金を与えている国からの輸入品に対し、相殺関税を課すことは、SCM Agreement上、認められるか。
6.製造者に対する、商品の販売に付随する規制
ある製品の製造者に対し、使い終わった自社製品をリサイクルする施設の設立を義務付ける措置は、WTO法上許されるか?(そういった施設の設立は、外国企業にとって、本質的に不利であると考えられるが) また、梱包材の使用制限を、国内・輸入企業に一律に課す措置についてはどうか?
7.他の国際環境条約との関係
ある国際環境条約(Multilateral Environmental Agreement: MEA)でauthorizeされた措置がWTOルールに抵触しているときに、そのMEAの締約国がそのような措置を実際に講じたならば、WTO法上、当該措置はどのように裁かれるか。
8.border tax adjustment
国内で炭素税を課している国が、同様の税を、他国からの輸入品に対して課すことは、WTO法上認められるか。
Maxwell School, Syracuse, Apr 10, 21:47
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