Thursday, February 26, 2009

Networking Trip to D.C.

D.C.にやってきました。旅の目的は、明日から始まる“Networking Trip” に参加すること。さっきD.C.に到着し、今晩はDupont Circle近くの小さなホテルにstayしています。

この“Networking Trip” というイベントは、D.C.各所で活躍(暗躍?)するMaxwell alumni(=卒業生)との “Network” 形成を目的に、毎年、MPA自治会主催で行われているもの。日本以上にコネクションがモノを言うこの国のこと、周りのクラスメイトを見ていると“Networking”=「就活の一環」と位置づけて頑張ろうとしている人が多いようです(というか、むしろそれが普通)。なわけで、就活をしなくていい僕の場合、他のクラスメイトたちとは、スタンスがちょっと違っているみたいですが、「ワシントンのエリートコミュニティがどうなってるのかを覗いてみたい」という純粋な好奇心で参加することにしました(そしたら、課題に追われて悲惨なことになりました。← てか、結局まだ終わってないし…
  
それにしても、やっぱ都会っていい。すごくいい(笑) 人が普通に街中を歩いてるし、道の端に煤けた雪の塊が残ってたりもしないし(←どんな期待レベル??)。 2か月ぶりの都会―しかも雪なし!!―に若干興奮気味であります。
  
あしたは、朝の7:15から始動。ホテル近くのメイン会場で行われるパネルディスカッションを聞いたり、実際にalumniが働いているオフィスを訪ねてみたり、夜は夜で、D.C.界隈のalumniが大集合する(らしい)パーティに参加したりと、盛り沢山の一日になりそうです。
  
最後にちょっとタイムリーなニュースを。まぁ、あくまで、「僕にとってタイムリー」ということなんですが、Washington Postの今日の記事に、Washington D.C.が国会(下院)に投票権を有する代表を送れることになったとのニュースが出ていました。ある種、トリビアみたいな話なんですが、D.C.って、国会議事堂のお膝元でありながら、これまでは自分たちの代表議員を国会に送ることを許されてなかったんですよね(投票権を持たない準議員が下院に参加することは認められていた)。「代表なくして課税なし」を合言葉に、長年、キャンペーンを続けてきた特別区の努力がついに実ったようです。
Carlyle Suites Hotel, D.C., Feb 26, 22:10

Wednesday, February 25, 2009

How can we make domestic demand?

相変わらず、課題に追い込まれてはいるんですが、英語で追い込まれれば追い込まれるほど、日本語で何か読んだり書いたりしたくなるという困った癖が。「集中力、足りてないだけでしょ?」That's right...。
 
池田信夫氏のblogに、“日本経済のダメージはなぜアメリカより大きいのか”というエントリーが立っています。直近の日銀経済金融月報を引用する形で説明されていますが、これを、僕なりに噛み砕きつつ端的に書き直してみると
  1. 日本は、鉱工業全体に占める3業種(輸送機械、電気機械類、一般機械)の構成割合がアメリカよりも大きい。(日本:5割、米国:2割)
  2. これら3業種の輸出比率がもともとアメリカよりも高かったところに外需の減退が襲ってきた。
  3. 日本は、部品・素材の国内調達比率が高いので、外需の増減による第一次のショックが波及的・増幅的に国内生産全体にいきわたってしまう。
こんな感じかと。ここまでは完全にagreeなんですが、かねがね、池田氏が述べられている最終的な結論は、内需主導の方向に「製造業の産業構造」を変えないといけないというもの。それもロジックとしてはよくわかるんですが、じゃぁ、その内需主導の産業って具体的に何?って言うのが、僕には昔からずっとナゾのまま…。ましてやこの少子高齢化の時代に何があるんだろ?
  
こっから先は思いつきでしゃべってしまって恐縮なんですが、発想の転換で、外需のポートフォリオを増やすという戦略は描けないものなんでしょうか?まぁ、正直に言うと、今僕の頭の中にあるのは、内需主導への転換は諦めて、省エネ・新エネのインフラ輸出で食っていけないかということなんですが。各国の政策動向に強い影響を受けるという点でリスクはありますが、トレンドとしては、今後、ますます需要が増大していくはずですし、現に、この不況のさなかでも、米中は環境協力で合意をし、インサイトはめちゃめちゃ売れまくってるわけですよね…。あと、問題は、その産業が日本国内でどのくらいの雇用を生み出すか、ですが。

いかんいかん。妄想してしまいました。レポートに戻ります。
Maxwell School, Syracuse, Feb 25, 14:04

Obama's first address to Congress

The Economics of Science & Technology のtake home testと格闘中。先週末のエントリーでも紹介した環境経済政策と同じPopp先生のこの授業。環境経済政策のassignmentと同様、こちらも良問ながら難問です。「イギリスのマン島が始めようとしている(←実際にそういう動きがあるようです)『インターネットに加入している人全員に一律の「音楽税」を課す代わりに、音楽ソフトをダウンロードし放題にする』 という政策を、どう評価するか」など。ご興味の向きは、問題も見てみてください。
 
来週月曜〆切なんですが、今週末は、MPA自治会主催の、D.C.ネットワーキングツアーとやらに参加するので、実質的には明日までに仕上げなければならず、かなり追い込まれ中。徹夜を試みてはみたのですが、結局ソファーで結構な時間、寝ちゃった気が…。
  
というわけで、昨晩行われたObamaの就任後初の議会演説については、ほとんどフォローもできておらず…。ただ、web記事の見出しを見ている限り、今回は、Obamaの演説も去ることながら、共和党側の返答演説(←変な日本語でスイマセン)を行ったBobby Jindalルイジアナ州知事にも注目が集まっていた模様。アメリカでは初のインド系州知事。37歳(若っ!!)。去年1月に就任し、災害復興の名の下に民主党の前任知事が膨らましまくった財政赤字を、鬼のような勢いで削減しまくっているとのこと。Obama政権の「ムダ遣い」への批判を強めるGOPにとっては、打ってつけの対抗馬といったところか。2012年大統領選のGOP有力候補の一人とも目されている彼。今から注目しておいて損はないと思います。

ところで、その議会演説の前に大統領がお会いになった某国首相との会談のニュースは……ざっと見ただけでは見つかりませんでした。
my home, Syracuse, Feb 25, 8:38

追記: 昨日のObama演説のエネルギー政策関連部分が、knj79君のブログに出ています。

Tuesday, February 24, 2009

Departures

いまさら言う話でもないですが、昨日のアカデミー賞、『おくりびと』が外国語映画賞を受賞しました。僕は残念ながら、映画というメディア自体にあまり思い入れがないので、初めこのニュースを見たときは、もちろん嬉しくは思ったものの、それ以上の強い感情はなかったのですが、今日、クラスメイトから送られてきたyoutubeのトレイラーを観て、一瞬で撃沈。思わず3回くらい繰り返し観てしまいました。
 
わずか2分12秒のトレイラーではありますが、作品賞を受賞した"Slumdog Millionare"(→感想はこちら)との質の違いは歴然。ちょっと大げさに言えば、「映画」というジャンルでひとくくりにしてしまっていいのだろうかという気さえします。
  
『おくりびと』はまだトレイラーしか観てないので、あくまで一般論になりますが、映画・小説などのコンテンツものにせよ、料理にせよ、庭やお茶といった伝統文化にせよ、日本人の持つきめ細かな表現力は、この国(アメリカ)の人たちには、まず真似できないだろうと思います。よく言われることではありますが、住んでみて、改めてそのことを実感。それにはきっと理由があって、日本人の表現するモノは、基本的に、日本人の同質性に根ざしているから、つまり、日本人が共有している精神世界を前提として表現されているからではないかと。
  
たとえば映画について言えば、上映時間は、アメリカにせよ日本にせよ、普通2時間に限られているわけで、その中で、出演者に語らせられる言葉の数は、どうしても物理的な制限を受けます。しかし、「一言えば十わかる」という具合に前提を共有しているもの同士であれば、表面的には同じ数の言葉しかしゃべらなくても、実質的にははるかに深いものを表現できる。さらに言えば、言葉なんてなくても、ある景色を映すだけで、多くを伝えることすらできる。

そういう意味では、今回、『おくりびと』が嬉しいことにアカデミーを受賞しましたが、多くのアメリカ人は、この映画を、日本人が感じるのとはまた違った印象で観ているんだろうなと(有体に言えば、彼らは、日本人なら普通に感じられる要素のすべてを感じられているわけではないんだろうなと)思います。
    
一方で、文化にせよ、制度にせよ、世界を席巻するのは、前提なんてものを必要としない単純なタイプのものです。そういう意味では、この国(アメリカ)の持つ単純明快さは、日本人からしてみれば、非常に味気ないですが、同時にそうであるが故に、圧倒的な影響力を持っていることを認めざるを得ません。マクドナルド然り、Windows然り、株主資本主義然り…。

しかし、味気ない。非常に味気ない。そしてガサツ…。翻って日本を見てみれば、その同質性から来るセンチメンタルな守旧主義に、社会としての健全な前進を阻まれている部分が大いにあることは否定できません。しかし、そうであったとしても、その豊かな精神世界を決して失ってはいけないと、アメリカで『おくりびと』のトレイラーを観ながら、一人、思った夜でした。

そういう美しいけれどwetな文化と、社会の改革・前進を両立するのって、言うほど簡単じゃないってことはよくわかってるんですけどね…。
 
ともあれ、早く『おくりびと』の本編を観てみたいところ。1年半我慢するのはあまりに長すぎるので、こっちで観る方策を何か考えないなぁと思っています。

my home, Syracuse, Feb 23, 26:08

Sunday, February 22, 2009

America is addicted to foreign oil

The Economics Science & Technology のクラスのresearch paper用の資料集めをしていたら、久々にBoone Pickensの名前を発見。ちょうど僕がアメリカに来た去年の夏頃、メディアに出まくっていたオクラホマ(→この辺)の風車おじさん。企業買収で巨万の富を築いた(世界第369位)80歳のおじいちゃんなんですが、去年の夏に、突如(←たぶん、突如)"Pickens Plan" なる大々的な再生可能エネルギー導入推進プランを発表。「テキサスからカナダ国境まで、Great Plainsに風車を建てまくる」というのがその目玉。石油の値段がアホほど高かった去年夏頃には、ほんとしょっちゅうメディアに出てたんですが (たぶん、おっさん自身が、かなりの大金をPRに突っ込んでいたのかと思われますが)、石油価格の下落、リーマンショック(←「リーマンAIGショック」ではない)、大統領選etc.で、知らん間にメディアでは見かけなくなってました。もしかしたらTVには出続けていたのかもしれませんが、自宅にTVがないのでわかりません(スイマセン)。
  
そんなわけで、最近どうしてるんだろうと思って彼のサイトに行ってみたら、ちゃっかり、活動してましたよ。活動してたどころか、しまくってた。昨日は全国知事会(というと、やたら日本臭いですが「州知事」の方の知事会です)で講演し、今日は、新しいTV広告を発表したとのこと。(↓ これがそのCM)


Obama政権発足を受けて改定したものと思われる、新"Pickens Plan"は、ここで見られます。要旨はだいたいこんな感じ。

  • 全電力の22%を賄えるだけの風力発電施設を建設→数百万人規模の雇用を創出
  • 21世紀型送電網の建設
  • 住宅・ビルの省エネ性能向上のための補助金を支給
  • 国内産天然ガスの使用→石油輸入量の削減
ちなみに、「プラン」曰く、「天然ガスは恒久的かつ完全な解決策ではないが、究極的な燃料にたどりつくまでのbridgeであり、 critical puzzle piecである」んだそうです。
  
Pickensさんは、メディアでも公言しているゴリゴリの共和党支持者。つまり、ここに「保守主義」と「温暖化対策・新エネ導入推進」の稀有な結合が見られるわけなんですよね。ただし、彼が本当に「温暖化対策」を志向しているかどうかは微妙で、上述のプランを見ても、地球温暖化問題に対する言及はほとんどなく、もっぱら語られているのは、「外国産燃料からの脱却」と「雇用の創出」。特に、最近は、エネルギーセキュリティの観点を強調しているみたいです。
 
しかしまぁ、あれです。目的が違えども、たまたまた行き先が同じなんであれば、相乗りすれば良いわけです。Pickensさんも、現民主党政権とのコラボを模索してるみたいですし。といいつつ、なんでこのおっさんが、こんなところに大金を突っ込んでんのかなぁ…と、未だに解せないものがあるのも否めません。というわけで、興味半分なところもありますが、彼の動向は、ときどきウォッチしておこうと思います。
Maxwell School, Syracuse, Feb 22, 21:11

Japan PM wins coveted first Obama invitation

少し前の話になりますが、先週半ば、日米首脳会談の開催が発表されました。麻生総理は、Obama新大統領がホワイトハウスに迎える最初の外国首脳として招かれるとのこと。総理は明後日(火曜日)、この国にいらっしゃいます。
  
これについてアメリカのメディアがどう報じているかなんですが、少なくとも今のところ、大きなニュースにはなっていません。というか、ほとんど報じられていません。小さめの記事で、粛々と述べられている程度。たとえばこんな感じ(FOX News)とかこんな感じ(ABC News)で。結構頑張ってググってみたんですが、背景事情まで分析している記事は、ほぼ見つからず。(bloombergが出してましたが、僕の印象では、あまり的を射ていない気がします。)
  
そこにいくと、シンガポールの国営英語放送局Channel News Asiaがwebに掲載している"Japan PM wins coveted first Obama invitatio"という記事は、「なぜ日本が最初の訪問客に選ばれたのか」という点まで分析されていて、なかなかinteresting(タイトルは嫌みですが)。興味深い記述を拾ってみると、たとえばこんな感じ。
experts believe Obama's invitation to Aso is largely symbolic -- designed to relieve concerns in Japan that the United States is overlooking its longtime ally in light of China's rapid growth.
Japan is where the money is and if you want to deal with the international financial crisis, you've got to have the US and Japan in synch.
二つ目の引用はthe Pacific Forum of the Center for Strategic and International Studies所長Ralph Cossa氏の発言の一部として掲載されているものです。それにしても、"Japan is where the money is" って…。Cossaさんには、東洋の島国が、完全に打ち出の小槌に見えてるんでしょうね。。
  
本題からは逸れますが、シンガポールという国は、一番冷静かつ客観的に、日本のことをwatchしている国の一つなんじゃないかなと思っています。シンガポールで仕事をしたことのある友達に聞くと、あの国は、「とにかく役人のアタマがいい」とのこと。どんなふうになってるのか、一度、実際に行って見てみたいなぁと思っているのですが、まだチャンスに恵まれていません。(最初の話とだいぶ違うところに着地しちゃいました。。)
Maxwell School, Syracuse, Feb. 22, 13:56

Saturday, February 21, 2009

How They Teach Environmental Economics?

春休みまで残り2週間。春学期の折返し地点を前に、中間テストや、assignmentの提出〆切が目白押しです。というわけで、今週末は本気で必死に勉強中。最近ジムもさぼり気味で、こりゃまた太るなぁ…なんて思いながらも、今まさに、ダンキンドーナツをかじってます。 むしゃむしゃ。
 
僕と同じかそれ以上に自習室の住人と化しているKorean (←たぶん(?)South) のY君から、「The Economics of Environmental Policyのクラスのassignmentについてsuggestionくんない?」とのhelp要請が。で、さっそく彼から手渡されたassignmentを読んでみると、これがなかなかおもしろい。2問ああるうちの一問を紹介すると、だいたいこんな感じ。

とあるNPO(←実在する団体)が、酪農経営者から牧草地の地役権を購入する、という活動を行っている(※ 特に言及されていませんが、おそらく、「牧草地は定期的に地力を回復する必要があり、市場に任せておくと、地力の回復を待ちきれない酪農経営者たちによるdevelopperへの売却が進んでしまう」という問題が背景にあるんだと思います)。彼らは、地役権を取得しようとする牧草地の、開発した場合の価値開発しなかった場合の価値を評価し、その差額を地役権放棄の代償として酪農経営者(=土地所有者)に支払う。支払いに際しては、現金による支払いのほか、彼らが別の土地で独自に経営している牧草地の利用権を提供する"grassbanking"と呼ばれる方法も活用。これにより、牧草地の売却・開発に歯止めをかけようとしている。

この"grassbanking"というプログラムは、どのような「市場の失敗」の解決を目指しているのか?適切な解決策を提示していると言えるか?また、それは何故か?政府ではなく、NPOがこのような取組を行うことの長所・短所は何か?このNPOの取組は、他の地域でも実施可能と考えられるか、それとも、政府がより積極的に休閑地保全に乗り出すべきだと考えるか?

これを、「授業で習った経済理論に即しつつ、かといって、難しい専門用語の多用に走ることなく、実際の政策担当者に説明するつもりで紙2枚にまとめなさい」というのが課題。web上でも公開されていますので、ご興味ある方は一度覗いてみてください。(→こちら)   

「頭の体操」と言ってしまえばそれまでですが、よくよく読んでみると、ひとつのストーリーの中にいくつかの論点があり、その一つ一つの論点に対して複数の回答を提示しうる(=唯一絶対の回答はない)、という意味で、なかなか奥の深い問題だと思います。
 
よく言われる話ですが、経済理論を実際の政策に適用(apply)するためのトレーニングについては、アメリカの方が、日本よりも、かなり進んでいる気がします。日本は、人材を供給する側(高等教育機関)と需要する側(政策関連機関)の両方が変わっていかないといけないんでしょうね…。

Yahoo! Japan のトップページにも出ていましたが、クリントン政権時代にホワイトハウスで飼われていた猫のSocks君がお亡くなりになったそうです。御年20歳の大往生。彼の写真は、ホワイトハウスのwebサイトにも掲載されています。ご冥福をお祈りします。
Maxwell School, Syracuse, Feb 21, 18:05

Friday, February 20, 2009

What is Democracy ?

昨日の米加首脳会談でのoil sandを巡るやりとりが、knj79君のblogで詳しく紹介されています。ご関心の向きは、ぜひご一読を。
 
Maxwellでは、他大学の先生が遊びに来たりすると (←たぶん「遊びに」ではない)、お昼休みにピザを食べつつ講演を聞く、てな企画が催されます。今日は、北京のThe International Institue for Strategic Studies at the Central Party School (中国共産党中央党校国際戦略研究所? )のZhen Qian教授による"The NEW Model of China's Democracy" なる講演会が。無料のピザも振舞われるとのことでしたので、お腹を空かせて参加してきました。
 
会場に着くなり、まず参加者の多さに驚き。普段の講演会の倍以上の客入り。当然ながら、中国人留学生と東アジア留学生が多かったですが、アメリカ人や南米の学生も結構たくさん聴きに来ていて、中国に対する関心の高さがうかがえました。(日本企画をやっても、まずこんなには集まらないでしょうね。)
  
講演の中身はというと、北京オリンピックでの市民ボランティアの活躍や、Netizen(= Network Citizen)人口の拡大といった最近のトピックを取り上げながら、「中国では新しい形での民主主義が醸成されつつある」と総括するもの。僕的には、「最近よく聞く話だなぁ」というくらいの印象でしたが、講演終了後、アメリカ人のクラスメイト(←決して外交オンチなヤツではない)から、「中国共産党学校の教授がここまで突っ込んだ発言をするのには驚いたよ」と若干興奮気味に話しかけられて、こっちが若干驚いてしまいました。このくらいの話(といっては失礼ですが)でも、アメリカ人にとってはまだまだ新鮮なんだな、と。
  
このblogでもときどき書いていますが、環境協力の分野も含め、この国(アメリカ)の中国に対する関心が、日増しに高まってきているのは紛れもない事実だと思います。一方で、エリート層も含め、一般的なアメリカ人の間での中国理解度はまだまだ高くありません。そう考えると、米中の円滑なコミュニケーションの手助けをするという役割で、日本の存在価値を示せる余地があるんじゃないかという気がします。
 
ただ、そうは言ってみたものの、日本人がどれだけ中国のことを理解できているかというと、結構ナゾ。僕自身、「中国共産党がナニモノか言ってみろ」なんて言われたら、まともに返せる気がしません(もはや教科書的な意味での「共産党」ではない、ということくらいはわかりますが…)。というわけで、現代中国について勉強するというのがこの留学中の何番目かの目標だったりするんですが、うーん、そこまで、たどりつけるかどうか…。

今夜は久々の吹雪。運転、気を付けて帰ります。
Maxwell School, Syracuse, Feb. 20, 24:00

Thursday, February 19, 2009

The African Development Seminar

少し思うところがありまして、春学期終了後の5月中旬、MaxwellのD.C.分校で行われる"The African Development Seminar"を受講します。今晩は、そのコースの先生(普段はD.C.に在住)をSyracuseにお迎えし、3時間の準備セッションが行われました。

このコースを担当するのは、在ギニア大使などの経歴をお持ちのJoyce Leader先生。米国務省で、一貫してアフリカ畠を歩んでこられた、この道のエキスパート。今日初めてお会いしましたが、非常に聞き取りやすい英語で理路整然と話される初老の女性でした。「アフリカには未だたくさんの問題があるが、それらには唯一絶対の〈答え〉があるわけではない。したがってこのコースの目的は問題の〈答え〉を出すことではなく、少しでも多くの問題の〈扉〉を開き、今後の皆さんの活動をinspireすることだ」と言っておられたのが印象的です。
  
配られた暫定シラバスを見ると、この手の短期集中型コースの例に漏れず、かなりdemandingな予感がありありと漂っていますが、その分、intensiveな勉強ができそう。「アフリカ」や「development」は、これまでまともに勉強したことのない分野なので、このコースで、しっかり勉強しようと思っています。
    
Obama大統領が、就任後、初の外遊で隣国カナダを訪問。首脳会談の3つの主要議題の一つが、気候変動分野での技術協力(あとの二つは、経済危機とアフガン)。有体に言えば、カナダが豊富に保有するoil sand(←石油精製時に大量のCO2を排出しちゃいます)を今後も「使える」ようにするため、一緒にCCS(Carbon Capture & Storage)の研究を頑張りましょうというお話。最初はこれについて書こうかと思ったんですが、もうちょっとマニアックに攻めることに。
  
で、オタク的視点からピックアップしてみたのは、Syracuseの隣町、Rochesterの地方TV局が載せているG.M. Finances Impact Honeoye Falls, Rochesterという記事。GMが存亡の危機に立たされている (今週、政府に$16 billion(1.5兆円)の追加支援を要求。現在、Obamaのお返事待ち中) というニュースは日本でも大きく報じられているかと思いますが、それに伴う抜本的リストラの一環として、Rochester近郊Honeoye Fallsにある、GMの燃料電池研究所も、リストラを免れられないだろう、というのがその要旨。
  
2月13日のエントリーでも書きましたが、GMの燃料電池特許取得数(2002~2008年)は、Hondaに次いで2位。しかも、その上位2社が3位以下を大きく引き離していて、Fordとクライスラーに至っては10位までにもランクインしていません。

―出典: Heslin Rothenberg Farley & Mesiti P.C. (2009)

これを見ると、温暖化対策の推進を唱えるObama政権にとっては、GMの燃料電池開発部門を「一私企業の問題」として、みすみす見殺しにしてしまうわけにもいかないと思うのですが、かといって、燃料電池だけを理由に、「救済」の判断を下せるような状況でもなく…。来週のObama政権がどう動くのか、特に、「救済しない」となった場合に、燃料電池開発部門をどう扱うのか、密かに注目しながら見てみたいと思います。

Maxwell, Syracuse, Feb 19, 22:36

Wednesday, February 18, 2009

Correlation between Gas Price and Hybrids Sales

“ホンダ「インサイト」、発売11日で早くも1万台” という、不況の最中のちょっとうれしいニュースに触発されて、ハイブリッド車関係のサイトをうろついてみました。いきついたのが、Green Car Congress というサイト。技術関連情報、統計情報、政策関連情報…どれをとっても非常に充実。誰のお金で運営されているのか気になるところです(笑)
  
そのサイト、毎月、ハイブリッドカーの全米新車販売統計を掲載しているんですが、その最新版が下のグラフ。販売台数(実数)のグラフも出ていますが、ここでは、全新車販売台数に占めるパーセンテージの方のグラフを載せてみました。

                
これだけ載せても面白くないので、Energy Information Administration のサイトから、regular gasolineの価格統計を拝借してきてグラフを作成。それが下のグラフ。monthlyのデータが見つからなかったので、weeklyのデータで代用しています (各月の最初の週のデータを使用)。

最初は回帰分析までやってみようかと思ってたんですが、一つ目のグラフの元データが見つからなかったのと、そこまで暇ではないということに遅まきながら気づいたので、ここで断念。昨日の中山功太じゃないですが、中途半端でスイマセン。

個人的には、相関がもっとはっきり出るかなぁと思ってたんですが、意外とハイブリッド車の数字は、自由きままに増減してるみたいで。ガソリン価格以外にどんな要因があるんでしょうか?連邦・州のtax creditはそんなに頻繁に増減しているとも思えないし…。特に去年5月以降の落ち込みが謎です。ガソリン価格はまだまだ上昇局面にあったはずですし、景気後退で説明するにもタイミング的にちょっと微妙…。
  
ところでアメリカのガソリン価格は、先月くらいに底を打ったらしく、1gallonあたり$2超の水準に戻っている州が多いとのこと(今朝のニュースでやってました)。そのことが、どのくらいハイブリッド車の売上げ増に貢献するのか、結局よくわかりませんが、アメリカでも4月上旬に発売されるらしいInsight君の奮闘を、一Hondaユーザーとして、今から期待して待ちたいと思います (残念ながら、僕には売上増に貢献できるだけの資力はありませんが)。
 
ちなみに下の図は、先月の車種別ハイブリッド車販売台数(同じくGreen Car Congressのサイトより)。プリウスは、前年同月比28.6%落ち込んだらしいですが、それでも、ハイブリッド車の中での地位は、まさに圧倒的。Insightがこの牙城にどこまで食い込めるか、見ものですね。
                           
補足情報その1: NY Timesが、2月12日に、インサイトの特集を組んでいます。記事はこちら

補足情報その2: 今日ご紹介したGreen Car Congressのサイトに、昨日成立したStimulus Billの詳しい解説が出ています。低公害車関連部分だけではありますが、時間があればゆっくり見てみたいサイトです。

Maxwell School, Syracuse, Feb 18, 19:40

Tuesday, February 17, 2009

At the tone...,

最近、「bayaはただの環境オタクなんじゃないか」という疑惑が、SU周辺ではびこっているみたいなので、たまには、環境問題とまったく関係のないお話を書きます。
 
既に日本でも大きく報じられているかと思いますが、日本時間の昨晩、2009年のR1ぐらんぷりが東京・台場で開催されました。優勝は、吉本興業所属・大阪NSC出身の中山功太(28)。2007年冬頃をピークに、全体的なレベルの低下・大衆商品化が憂慮されて久しい我が国のお笑い業界でありますが、安易な「顔芸、物まね芸、インパクト芸etc.」に走らない、言葉の中身で勝負できる芸人が今年のR1を獲ったという事実は、この業界にとっても朗報なのではないかと思います。少なくとも、なだぎ武V2という、わけのわからん状況に終止符が打てて良かったなと。(←単にお前の好みだろと言われてしまえばそれまでですが。笑)
  
昨日のR1決勝での彼のネタは、まだ見れていないのですが、Yahoo! Japan によると、彼の代表作の一つである「時報ネタ」を披露したとのこと。「時報ネタ」も確かに有名ではありますが、中山功太と言えば、おそらく皆さんが最初に思い浮かべるのは「対義語ネタ」(「皆さん」って誰?)。しかし、ここで敢えて、「時報ネタ」を持ってきたのが、彼の勝因ではなかったかと。
  
「対義語ネタ」も、テロップをめくった瞬間にやってくる笑いには非常に心地良い「緊張の緩和」があるんですが、そのあとの彼の一言コメントがいかにも中途半端で、見ていると、えもいわれぬ残尿感に苛まれます…。「あれがいいんだ」とおっしゃる玄人筋のご意見もわからないではないですが、僕はまだその良さのわかる域には達していませんし、それに何より、中山功太本人にとっても、そんな、村上さん(決して春樹ではありません)みたいな位置に納まってしまうには、まだまだ若すぎると思います。
 
そういう意味では、言いっぱなし、コメントなしの「時報ネタ」を使ったのは、彼にとって、正解ではなかったかと。まぁ、単に去年のR1で「対義語ネタ」をやっちゃったので、今年は、他のネタをやらざるを得なかったというのが本音だと思うんですけどね(笑)
   
ちなみに、Yahoo! Japan の同記事によると、
ピン芸人日本一に輝いた中山さんは時報のネタを披露。「R-1のことだけ考えて6年間やってきんで。全然関係ないけどホットヨガに行きだしたんですよ」とギャグ混じりで喜びを語っていた。
とのこと。ほら、やっぱりこの人、コメントさせるとだめでしょ。。(←結局、言葉で勝負できてへんやん!!!)

というわけで、今日は環境問題と全く関係ないお話を書いてみました。これで少しは僕のオタク疑惑も晴れましたでしょうか??
Maxwell School, Syracuse, Feb 17, 17:30

Monday, February 16, 2009

C&T vs Tax, or NYT vs WP

今日のアメリカはPresidents' Day(大統領の日)。初代大統領G. Washingtonの誕生日にちなんだ祝日です。の、はずなんですが、うちの大学では朝から普通に授業が。秋学期は、逆にいろんな宗教の祭日が休みになったんですが…。この大学のカレンダーポリシーはよくわかりません(笑)。
 
Stimulus法案も明日の大統領署名を待つだけとなり、議論はすっかり沈静化。 "green stimulus" や "green New Deal" といった言葉を目にする機会も、すっかり減りました。ちなみに、今日の本題とは関係ないんですが、 "green New Deal" という言葉はアメリカでは、そもそもあんまり使われていません。マスコミは多少使っていたかもしれませんが、少なくともObama政権は、ほとんど使ってこなかったのではないかと思います。政治的に見て "bi-partisan" 的な言葉ではないですし(Democratsの大統領であるFDRを想起させるから)、経済学的にも(本家)New Dealの効果を疑問視する声が最近の経済学者の間では比較的強いので、意図的に避けていたのではないかと思います(勝手にそう思ってるだけで根拠はありません)。
 
ともあれ、Stimulusに代わって、最近は cap-and-trade(C&T) vs carbon tax を巡る論争が、この国でも盛りあがってきたという話は、このblogでも何度か書いてきたところ。今日は、この国を代表する二紙、New York Times(web) とWashington Postに、C&Tに関する記事が奇しくも同時に載りました。前者は賛成のトーン、後者は反対(炭素税を推奨)のトーンから。以下、それぞれの記事からの抜粋を(太字は僕)。
a prominent research company, New Carbon Finance, said its calculations showed that the largest cause of a reduction in emissions in the European Union last year was attributable to the trading system — because it had encouraged greater use of gas in power generation rather than dirtier fuels like coal. 【NYT web 2/16 9:09 AM】

Cap-and-trade regimes have advantages, notably the ability to set a limit on emissions and to integrate with other countries. But they are complex and vulnerable to lobbying and special pleading, and they do not guarantee success. 【WP 2/16 page A14 】

あんまり時間がないので、詳しくは、それぞれの記事をご覧くださいませ。

ちなみに、同じ日に、ではありませんが、日本のlostdecade当時のfiscal policyに関する考察記事も、両紙揃って掲載しています(WP(2/16)NYT(2/5))。こっちについては、両紙とも言いたいことはほぼ同じのようで…(苦笑)
Maxwell School, Syracuse, Feb 16, 22:52

Sunday, February 15, 2009

China Is at the Heart of Clinton's First Trip

今日(15日)、クリントン国務長官が、就任後初の外遊となる東アジア歴訪に旅立ちます。今朝のWashington post紙も書いている通り、今回の歴訪の最重要目的地は中国(もちろん日本ではありません)。その中国との間でのメインの議題は、「北朝鮮問題」と「気候変動問題」になるだろうというのが大方のメディアの見方のようです。(下は、金曜日に行われたクリントン国務長官の会見の模様)



アメリカと中国が、気候変動分野での協力態勢に入りつつあるようだ、という話は2月6日のエントリーでも書きましたが、そのエントリーで紹介した"A Roadmap for US-China Cooperation on Energy and Climate Change"のcontributorの一人であるTodd Stern氏(京都議定書採択時の気候変動問題担当大統領補佐官)が、気候変動問題特使として今回の外遊に同行するとのこと。また、たまたまかもしれませんが(そんなわけはないか)、金曜日のクリントン会見が行われたのは、DCの国務省内ではなく、NYにあるAsia Society(←上記"Roadmap"の共同事務局の一つ)のオフィス。このあたりの状況証拠からしても、今回の外遊では、気候変動分野での米中協力に関する相当強いメッセージが打ち出されるんじゃないかという気がします。

12日付の英紙Guardian Weeklyの記事によると、先週、Brookings研究所でのフォーラムで、周文重在DC中国大使は、"Co-operation between our two countries... will enable China to respond to energy and climate change issues more effectively while at the same time offering enormous business opportunities and considerable return to American investors" と語ったとのこと。
 
この発言を見ると、アメリカ側が作成した"Roadmap"については、中国側も好感触を抱いており(或いは既に内々合意済み??)、単なるアメリカ側の青写真ではなさそうです。ここで注目したいのは、周大使の"offering enormous business opportunities and considerable return to American investors"(気候変動問題分野での米中協力は、大きなビジネスチャンスとアメリカ人投資家への多大なリターンをもたらす)との発言。
 
僕が理解する限り、新エネ・省エネ投資は、それ自体では、今の市場で評価されうる形での富は産み出しません。ゼロというのは言い過ぎかもしれませんが、投資効率が他の投資機会に比べて悪いということは少なくとも言えるでしょう(そうでなければ、政府が後押ししなくても民間ベースでの自発的な投資がバンバン行われているはずです)。その投資効率の差分を誰かが補わないといけないわけですが、中国又は米国政府が単純に国庫で賄うとも思えず、となると、一番現実味のある方法は、投資プロジェクトをCDM化した上で、そのCERsの売却益で補うという方法ではないかと。そうなると最終的な出資者は、carbon-intensiveな先進国で、carbon-intensiveな御商売をやっておられる方々ということになるわけですが、その代表格は、アメリカの石油産業、石炭産業、電力業界。一見、アメリカが痛むようにも見えますが、ハイテク産業や新エネ・省エネ産業を有力な支持母体とするObama政権(←by NYtimes)にしてみれば、「政敵」の力を削ぐことができるので、それはそれでOK…??
 
こう考えると、Obama政権は、いろんな条件を付けるにせよ、ポスト京都の議定書の成立に向けて、積極的にcommitするだろうし、「中国での投資機会拡大」という、米経済界へのニンジンをぶら下げてあげることで、議会の支持も得られるんじゃないかと思うんですが… knjさん、どうでしょう?希望的観測入り過ぎ???
my home, Syracuse, Feb 15, 10:11

Saturday, February 14, 2009

Another Good Point of "Current" Maxwell

おとといのエントリー"Good and Bad Points of Maxwell"の続き(?)です。
  
毎年、そうなのかどうかはわかりませんが、少なくとも今年、この大学院に在籍していて良かったなと思うもう一つのポイントは、他の日本人の方から受ける知的刺激のレベルが非常に高いということ。いちおう「経済」を専門とする(はずの)職種で今の組織に入っていながら、自分がいかに経済学をちゃんと理解していなかったかということを、恥ずかしながら、日々、思い知らされています…。
  
ここで、自分の不学を棚に上げつつ(←えー、スイマセン。)、問題だと感じる点は、就職してからの6年半、他の能力はともかくとして、経済学の分野で、能力不足を痛感させられたことがほとんどなかったということ。より正確に言えば、経済学の分野では、能力を「問われた」ことすらあまりなかったのかも知れません。
 
もちろん、自分がたまたまそういう部署ばかりを歩んできたからかも知れませんし、或いは、それと気づけなかっただけで、本当はより高度な経済学の知識を持っていれば、その知識を具現化できるチャンスはあったのかも知れません。
  
ただ、いずれにせよ、自分の経済学の力に関して、「このままではヤバい」と思わされる機会が、これまでになかったのは事実(それ以外の分野では何度もありました)。その事実だけをもってしても(引き続き自分の不出来を棚に上げますが)、うちの組織ってちょっと「ヤバい」かもと思うわけであります。 
  
残り一年半の留学中、まずは「よっこらしょ」と頭の上の棚からおろしてきた我が不学を補うことが第一ですが、その先に、多少なりとも改善されるであろう経済学の知識を、うちの組織の中で、具体的にどう活かしていくのか、ということも考えないといけないなぁと思っております。

すっごい内輪ネタでスイマセン。
my home, Syracuse, Feb 14, 23:19

Friday, February 13, 2009

Good & Bad Surprise on Renewable Energy Industry

"Economics of Science & Technology"の期末課題でありますリサーチペーパーのお題を探して、論文の森の中を探検中。いや、この程度で「森」なんて言ってたら怒られますね。せいぜい「林」レベルです、はい。
 
まだ林の中をさまよい始めたところで、着地点はまったく見えていませんが、方向としては、新エネ関係にもっていくつもりで、今日は、「風力発電」と「燃料電池」の林を探索。世界の風力発電市場での、日本企業のやられっぷり(というか、プレイヤーとしてそもそも認知されていない??)と、米国での燃料電池関係特許取得数に占める日本企業(特にHonda!!)の圧倒的なシェアの高さを知って、正直、驚いていました。

風力発電について: Lewis(2007) によると、Vetas(丁)、Gamesa(西)、GE(米)、Erecon(独)の4社で世界シェアの75%を供給(2006年現在)。また、同論文から読み取る限り、日本企業は、少なくとも上位8社までには入っていません。また、Merill Lynch(2007) は、風力発電施設業界の性質を分析した上で、既存の大手メーカーが新規参入リスクを考慮する必要はほとんどないと結論付けています。)
  
燃料電池について: Cardona(2008) によると、2002年から2008年までの米国特許取得数(燃料電池関係)の1位はホンダの289件(2008年単年度でも首位)で、GM(245件)が2位。UTC(168件)、Ballard(163件)と燃料電池専門メーカーが3位、4位に続いたあと、日産(107件)、トヨタ(101件)が続いてランクイン。また、パナソニック(82件)が8位にランクインし、上位10社のうち4社が日本企業。

  
さて、リサーチペーパーはどんな感じでまとめたもんやら…。いまだ五里霧中です。
my home, Syracuse, Feb 13, 24:40

Thursday, February 12, 2009

Good and Bad Points of Maxwell

アメリカの公共政策系大学院への留学を考えておられる日本人の方(Oさん)が、学校見学にいらっしゃいました。というわけで、僕と、他の日本人学生3人と、Oさんとでランチをご一緒することに。在学生4人で、Maxwellの良いところ・悪いところを、気の向くままにくっちゃべってきました。(お役に立ってるといいんですが…。)
  
このブログをご覧になられている方で、留学を考えていらっしゃる方が、どのくらいおられるのかわかりませんが、せっかくなので忘れないうちにメモしておきます。
  • MPAコースはintensive。一年間で効率よく勉強できる。[++]
  • 街中で遊べるところが皆無。[/勉強に集中できるという意味ではかも]
  • 街の外に出ても、日帰りで気晴らしできるところがほぼゼロ。[]
  • 豪雪地帯。[--]
  • 学内での公共政策スクールの地位が高い。[] ←so what? という声も(笑)
  • fucultyの数が比較的少ない→授業の幅が比較的狭い(特に選択科目で実感)。[]
  • とはいえ、行政管理系は強い(たぶん、開校以来の伝統)。[]
  • 日本人が比較的少ないので英語の上達には良い環境。[] (のはずなんだけど…。)
  • 社会経験のある学生は意外と少ない。[] ←どこの大学院でもわりとそんな感じらしい
  • その割にMPAの学生は落ち着いている。[] ←IRの学生はそうでもない(苦笑)
  • 卒論がない。[or?]
  • 図書館が比較的ショボイ(らしい。僕はまだそれを実感できるレベルに達してません。)[]
  • 米政府内でのalmniネットワークは相当強いらしいが、国際機関系で強いかどうかは不明。[ ? ]

だいたい、こんな感じですかね。最後、Oさんから「ここだけは許せないという点はありますか?」と聞かれて、うーーーんとマジメに考えてみたんですが、結局、何も出てこなかったので、まぁそれなりに幸せな生活を送れてるんだなぁと、改めて実感した次第であります。

今日はこんなところで。お役に立ちましたでしょうか??

Maxwell School, Syracuse, Feb 12, 22:16

Prof. Mankiw gets a crush on Carbon Tax

Greg Mankiw――ハーバード大経済学部の教授にして、世界的ベストセラーとなったマクロ経済学教科書の著者。やたらといろんな人が読んでいる人気ブログの著者でもあります(全米ブログランキングで97位にランクインしたらしい。)。
  
この御仁が最近熱をあげていらっしゃるのが、「ガソリン税」。2月5日の「My Preferred Fiscal Stimulus」と題したエントリーでは、以下の通り、Mankiw流の景気刺激策をご開陳。
I would institute an immediate and permanent reduction in the payroll tax, financed by a gradual, permanent, and substantial increase in the gasoline tax. I would make the two tax changes equal in present value, so while the package results in a short-run budget deficit, there is no long-term budget impact. Call it the create-jobs, save-the-environment, reduce-traffic-congestion, budget-neutral tax shift.
つまり、賃金税(賃金支払いの総額を課税標準として雇用者が支払う税)の恒久減税と、ガソリン税の漸増的増税を、現在価値で見て税制中立になるようにやりなさい、というのがその主張。「いいけど、ぜんぜん現実性ねーじゃん」という批判に対しては、Milton Friedmanのこんな言葉を引いて反撃してらっしゃいます(2月10日)。
The role of the economist in discussions of public policy seems to me to be to prescribe what should be done in light of what can be done, politics aside, and not to predict what is "politically feasible" and then to recommend it.
正論ですね。そのMankiwさん、今日のエントリーでは、イリノイ州議会のガソリン税増税に向けた動きのニュースを紹介しつつ、タイトルは、"Good News for the Pigou Club"。これを見て僕が抱いた感想は、「Pigou Clubってなんか可愛いかも…」。どうでもいいですね(笑)
 
ちなみに「Pigou Club」のPigouさんは、19~20世紀のイギリスの経済学者。外部不経済の分だけ課税することで社会全体の厚生(welfare)の最大化が達成される、という「ピグー税」を提唱した人として、環境系経済学徒の間ではメチャメチャ有名人です。そのピグーさん自身が、ケインズの向こうを張ったゴリゴリの古典派経済学者。つまり、経済学的自由主義と環境保護派は、別に矛盾するわけではないんですよね、論理的には。というわけで、多くのRepublicanさんが環境対策に反対するのは、主義主張の問題ではなくて、単に支持母体が誰かという問題なんじゃないだろうかと思ってみた夜でした。
my home, Syracuse, Feb 11, 25:23

Tuesday, February 10, 2009

What is "management" by governments

Exxonが炭素税支持を表明――という話は、先月11日のエントリーでも書きましたが、Exxonの上席副社長(a senior vice president)がよくわからないことを言っています。CNN Money.comより。Michael Dolan副社長 曰く、
  • 政府は、微細管理したいという衝動に抗わなければならない。(Michael Dolan, a senior vice president at Exxon, said that governments need to "resist the urge to micromanage.")
  • キャップアンドトレードだと、価格が変動する(With cap and trade, "the cost floats," Dolan said)
  • 炭素税の税率は政治家が決めればいい。(When asked how much the tax should be, Dolan said that should be left up to the policy makers.)

とのこと。

原理的には、キャップアンドトレードは「市場にお任せ」の制度。政府による"micromanage"の対極にあります。とはいえ、あくまでそれは「原理」の上でのお話であって、いざ実際に導入とするとなると、最初の「キャップ」の分配や、排出量の算定のところで、いろいろと面倒くさい話があるのも事実。そこを突くならわかりますが、「キャップアンドトレード=governments' micromanage」という漠然とした理解は、ズレていると言わざるを得ません。

また、基本的に、「政府は市場に介入するな」という発想をお持ちのようですし、そのこと自体、別に悪いことでも何でもないんですが、だとすると、「価格が変動する」のは市場経済の道理。価格が変動しつつもそのプロセスの中で、「適正な資源配分」が実現するというのがミクロ経済の基本原理のはずです。更には、「炭素税の税率は政治家が決めればいい」とも。その方が、政府の介入レベルはよっぽど強いと思うんですけど…。

まぁ揚げ足を取ってても仕方ないんですが、マジメな話、彼らが税を推す真意がどこにあるのかは気になる所。「議論をかく乱して(キャップアンドトレードと炭素税の)共倒れを狙っている」という噂にもそれなりに信ぴょう性はあると思いますが、単にそれだけで発言しているとも思えず、「最悪、導入されるとしても炭素税の方がまし」という算段がかれらにはあるんだろうなぁと思います。うーん、なんなんだろ??

ちなみに、BPのChief Executiveは、同じ会議の席上で、キャップアンドトレードへの支持を表明しています。経済界にも広がってきたキャップアンドトレードをめぐる議論の今後に注目です。(実はBPの発言も業界ぐるみのかく乱作戦の一環だったりして??)

Maxwell School, Syracuse, Feb 10, 21:14

【追記】NY timesの11日付の記事に、この会議の話がより詳しく載っています。その記事で紹介されていた、Royal Dutch Shell のchief executiveの発言は以下の通り。これが正論だと思うんですけど…。

A cap-and-trade system establishes a clear environmental goal by setting an upper limit on emissions, something a carbon tax does not necessarily do, he said. Meanwhile, the possibility of trading carbon permits provides companies with an economic incentive to invest in technologies that reduce emissions. He said that a cap-and-trade system had worked well in the United States for cutting the emissions that cause acid rain.

But he added that higher fuel taxes largely explain why European vehicles are far more efficient than American ones.

“Both can work, and even coexist,” he said. “They both price CO2,” or carbon dioxide.

Technology’s Fingerprints on the Stimulus Bill

NY timesに"Technology’s Fingerprints on the Stimulus Bill"(技術屋の指紋の残る景気刺激法案)というタイトルの記事が出ていました。やや皮肉ったタイトルですが、中身はどちらかというと政権に好意的。Stimulus Billの中の"green stimulus"にあたる部分が、如何に綿密に準備されてきたかが書かれています。記事によると、法案の準備が始まったのは大統領選真っ只中の昨年9月。金融危機が深刻化し、景気刺激策が必要との見通しが明らかになった時点で作業が開始されたとのこと。立案の初期段階から、代替エネルギー業界、ハイテク業界には参画を求め、政権移行チームと一緒に中身を詰めてきたそうです。
  
おとといのブログに書いた「支出の規模が適正か否か」という議論はいったん脇に置いておくとして、支出の中身について考えるならば、やっぱりこれくらい関係業界も巻き込んだ準備をしないと、本当に効果的な予算にはならないだろうと思います。政治がいかにイニシアティブを取るかという点と、透明性をいかに確保するかという点が重要ですが。  
  
もうひとつ、環境・財政ネタを。Dallas Morning Newsのサイトに、プラグイン・ハイブリッドカーの記事が出ていました。Rick Perryというテキサス州知事(もちろんRepublican!)が、「プラグインの購入者に$5,000の州補助金を支給しまっせ」との案を先月末に出したらしく、それを受けての記事。なんでテキサスがいきなり環境にやる気を出してるのか、そこんとこの理由は僕にもよくわかりませんが…(笑)

この記事がなかなかよくできていて、プラグインの環境性能(どのくらいCO2の排出を削減できるか)と経済性(燃費まで考えたときにどのくらいお得or損か)を、かなり真剣に分析してくれています。(左図)
  
たとえば、本体価格でみると、Ford F150 pickup(いまアメリカで一番売れている車)が$2.1万、プリウスが$2.2.万に対し、Volt(GMが発売予定のプラグイン車)は$4.0万と2倍弱。ただし、そこから連邦と州の減税分がそれぞれ引かれて結果、$2.7に。また、10万mile(16万km)走った時の本体価格+燃料費で比較すると、ガソリン使用の有無にかかわらずVoltの方がF150よりも安いという結果が出ています(ちなみに、40mile=64kmまでならガソリンを使わずに一回の充電で走れるそうです。)
  
一方、CO2排出量については、当然ながら、燃料の電気を何で発電するかによって全然違ってくるわけですが、記事によると、州内で売られる新車の20%がプラグインになった場合、仮に電力会社が石炭などのcarbon-heavyな燃料を使い続けたとしても、年間1.63億t-CO2の排出削減効果があるとのこと。
 
とまぁ、こんな感じの情報がさらりと出ていて、計算の前提なんかもかなりきちんと書かれているので、ご興味のある方は上のリンクから飛んで行って読んでみてください。
  
それにしても、地方紙がここまでしっかりした分析記事を書けるというのはアメリカのすごいところですね。ただ、「誰が読んでるんだ??」という気もしますが…(←あんまり人のこと言えない!?)
my home, Syracuse, Feb 9, 26:25

Sunday, February 8, 2009

Spring has come??

今週末は、穏やかな天気が続きました。この時間(22:00)になっても外は-2℃。Maxwellの中庭では、2か月ぶりくらいに芝生も顔を出していました。2か月間も雪の下にずっといて枯れずに生き残っているなんて、考えてみたら結構スゴイと思う。。

とはいえ、結局今日も、朝から夜まで自習室で読書。読書の内容自体は基本的に面白いんですが、reading漬けの生活に最近ちょっと疲れ気味。今日は(いつも以上に)英語が頭に入らず、ちょっとイライラ。そろそろ気分転換が必要なのかもしれません。

最近ニュース(主にネット)を見ていて思うんですが、この国の報道は、良くも悪くも大統領に集中しているなぁ、と。まぁ、いまさら気づいたの?って話ですが(笑) そりゃ日本でも、総理大臣の報道が一番多いに決まってるんですが、トップへの集中ぶりは、アメリカの方が極端だと思います。この週末もニュースを見ていると(といってもネットですが)、トップにくるのは、だいたいいつもstimulus package。週末は議会も閉じているので、たいして大きな動きはないんですけどね。
  
一方で、ミュンヘン安保会議のニュースは低調。これに関しては日本のメディアの方が積極的に報じているくらい。いちおう、Biden副大統領が行ってるんですけどね…。これがクリントンだったら、また事情は違ってくるのかな。

というわけで、そのミュンヘン会議で、カルザイ大統領がタリバンとの協調の可能性を示唆した、というニュースもアメリカではさして大きく報じられず。いちおう、NYtimesに書かれてはいましたが、見出しでは触れず、本文で軽く触れるのみ。個人的には、結構大きなニュースだと思うんですけど。ちなみに日経新聞は見出しで大きく取り上げていましたが、なんか記事のトーンが楽観的すぎる気が…。簡単に「和解」できるほど単純な状況ではないですもんね。
my home, Syracuse, Feb 8, 22:15

Saturday, February 7, 2009

Libertarian ideas to stimulate economy

Mankiwのblogで紹介されていた、Libertarian ideas to stimulate economyというCNN Policitc.comの記事を読んでみました。Jeffrey A. Mironというハーバード経済学部の先生の書いた論評記事。タイトルが示す通り、Miron教授は、Libertarianを代表するエコノミスト。

記事の内容を一言でいえば、「お金バラマくより、法人税減税やりなさい」。短期的な景気刺激と長期的な効率性の向上を両立できるのは法人税減税だ、というのがその理由。この辺は、いかにもLibertarian。

環境屋(??)的に目を引かれたのは、各論の一番最初に出てくるCarbon Taxesへの支持表明。言ってることは単純で、「複雑でわけのわからんgreen spendingをやって財政赤字ため込むよりも、炭素税導入する方がなんぼか効果的。(The effective way to accomplish this is higher gasoline or other carbon taxes, not the messy, complicated green spending in the Obama plan that will morph into pork in many cases. If higher carbon taxes are combined with lower marginal tax rates, the private sector faces better incentives on both counts. This approach avoids the higher deficits implied by Obama's green initiatives.)」というもの。

最近、この手の(特に環境派とは目されていない)エコノミストによる炭素税支持表明が、アメリカのメディアにも、しばしば載るようになってきた気がします。議論のフェイズが、「温暖化対策は必要か否か」から、「どのような温暖化対策が効率的・効果的か」に移りつつあるのは確かかと。

Miron教授はこう言っているものの、"green stimulus"(Miron教授に言わせれば"green spending")が景気刺激法案の一部として成立するのは、もう時間の問題でしょう――その善し悪しは別にして――。その次に起こるであろう議論は、おそらくcarbon taxes vs cap-and-trade。 最近の新聞・blogなどを見ていると、これまで環境とかかわりの薄かったエコノミストの間では、前者(税)がやや優勢かと。その背景には、「社会システムはシンプルであるに越したことはない」という経済学の基本思想(+複雑化した金融システムがリスクの増幅を助長したサブプライム危機のトラウマ)があるんじゃないかと思っています。一方、環境派に近い人たちの間では、これまでの経緯もあってか、cap-and-tradeの方が優勢のような気がします。(あくまでイメージです。統計的に調べたわけじゃありません。)

今日は何と最高気温6℃!!! 春です♪
my home, Syracuse, Feb 7, 12:03

Friday, February 6, 2009

U.S. - China Cooperation Against Climate Change

昨日「書きます」と予告していたネタを書きます。たぶん長くなるのでご覚悟を。元ネタは2月4日付のNYtimes web版記事"Experts in U.S. and China See a Chance for Cooperation Against Climate Change"

きっと長くなるので、与太話は挟まずにさっそく中身に入りますが、同記事曰く、今後の米中関係では、これまでの4大問題(貿易、北朝鮮、人権、台湾)に加え、「気候変動問題」がトップイシューの一つに加わるであろう旨、米中両国の高官が予測しているとのこと。そのことを裏付けるのが、昨日(5日)発表のレポート“A Roadmap for U.S.-China Cooperation on Energy and Climate Change”。Asia SocietyとPew Centerが共同で取りまとめたこのレポートに関して、両機関は、「ホワイトハウスで重用されることになるだろう」と示唆している(The origins of the report indicate that it could carry weight in the White House. )そうです。

"Roadmap"の関係者リストを見ると、リベラル系大御所の名前がずらり。まず、chairはObama政権のアフガン・パキスタン問題特別代表を務めるHolbrooke氏。Wikipediaによると、アメリカのトップ外交官の一人で、国連大使や国務省次官(アジア担当次官とヨーロッパ担当次官の両方を務めたのはアメリカ史上この人だけ)を歴任したのち、先の選挙ではClinton候補の外交問題顧問を務めた人物。その輝かしい外交経歴もさることながら、ObamaとClintonをつなぐ人物という意味でも、Obama政権の外交を支えるキーパーソンと言えるでしょう。
 
Co-Chairsには、Steven ChuとJohn Thorntonの名前が。Dr. Chuは言わずもがなのDoE長官ですが、もう一人のThorntonさんも、調べてみたらかなりの大御所。今は清華大学教授におさまっていますが、当初は在北京大使という噂もあった人物。米リベラル系最大のシンクタンク、Brookings Instituteの現役Chairman of the Boardでもいらしゃいます。

他にも、Senior AdvisorsにKissingerや、Wal-MartのCEOの名前があったり、ContributorsにHoldren(大統領府科学技術局長官)や、BerkleyのKammenさんの名前があったり、とにかくまぁすごいです。少なくとも民主党サイドの関係者の間では、相当の根回しが済んでるんじゃないかという気がします。

さて、肝心のロードマップの中身はといいますと、だいたいこんな感じ;
  1. 大統領レベルでの会合(presidential summit)
    政権成立後、可及的速やかにトップどうしの会談を実施し、“U.S.-China Partnership on Energy and Climate Change”を取りまとめる。⇒ joint-actionの大まかなプランについて大統領レベルで合意し、その後は、2、3の各会合をパラレルに走らせる。
  2. U.S.-China high-level council
    米中の環境、エネルギー、財政(!!)各分野の高官で以て構成し、定期的に開催。パートナーシップの進捗状況を確認しあうだけでなく、その他の両国共通の懸念事項(具体例は、ongoing multilateral negotiations)についても、この場で協議。
  3. Bilateral Task Forces
    5つの"priority areas"(下記)ごとにタスクフォースを立ち上げ。メンバー構成は、senior government officials と independent experts。
  • Deploying Low-Emissions Coal Technologies (石炭)
  • Improving Energy Efficiency and Conservation (省エネ)
  • Developing an Advanced Electric Grid (送電網)
  • Promoting Renewable Energy (再生可能エネルギー)
  • Quantifying Emissions and Financing Low-Carbon Technologies (排出量の定量的把握とて、低炭素技術へのファイナンシング) 

さて、この政策案をどう見るか。気候変動問題を考える上で、中国への対応が大事だから、というのは紛れもない事実なんですが、その理由だけでここまで大掛かりな政策が動かないだろうというのも事実。要は、アメリカが、この政策を進めることで、どんな得をするかという点が大事なわけです。実際、アメリカは、この政策で何を狙っているのか――。僕なりに、4つくらい考えてみました。

  1. 資源争奪戦の緩和
    アメリカにとっても既に十分な脅威となっている中国の資源爆食問題。これを緩和するためのオプションは、簡単に言えば二つしかなくて、①中国をつぶす(或いは、つぶさないまでも経済発展を抑え込む)か、②ダイエットを手伝ってあげる のどちらか。ただ、中国の圧倒的人口増加と、緊張高まる米ロ関係を考えれば、①のオプションははっきり言って非現実的。というわけで、どうせだったら、中途半端じゃなく、マジで②を追求しようという思惑があるのでは。
  2. 多国間交渉での連携
    米中とも、post-Kyotoを「ガン無視」するのは厳しい状況。特にObamaにとっては、それをやっちゃうと、前政権を批判することで勝ち得てきた国内世論の支持を、一気に失うことにも。両国とも、国際的なpost-Kyotoの議論に参加せざるを得ない以上、排出量1位2位の巨大排出国どうしで共同戦線を張った方がお得、という至極まっとうな計算が働いたのではないか。世界の温室効果ガス排出量の4割以上を占める両国が手を組めば、ほかの国が、米中の反対する議題を会議で押し通すなんて、ほぼ不可能…。(やってもいいけど、得にならない。)
  3. 技術の流用(シナジー効果)
    単に排出量が(アホみたいに)多いというだけでなく、「石炭依存型」「長大な送電網」という点で、エネルギー構造も実は似ている両国。ということは、いま、アメリカが開発・普及に取り組んでいるclean-coal技術(CCSを含む)やsmart-grid技術が緒につけば、今度は中国に持ってって、それを応用できるということ。つまり、アメリカ国内だけでやるよりも、格段に大きいスケールメリットの恩恵を受けられる、というアメリカ産業界にとってはおいしいお話。
  4. 投資先の確保
    言うまでもなく、世の中、金融危機の嵐ですが、「95年から現在までに増えた金融資産が100兆ドル残ってい」て、次なる投資先を探しているはずだ、というのが、『金融大崩壊』で書かれてあった水野和夫氏のご意見。これを前提に考えると、次なる投資の受け皿として、「中国のエネルギーインフラ」なるお皿をしつらえることを考えてるんじゃないかと。

最後の「投資先の確保」に関しては、"Roadmap"のp.43あたりに、気になる記述がありますので、ちょっと長いですが、そのまま引用してみます。

Currently, the vast majority of investment in the energy and other sectors relevant to climate change mitigation (86 percent) comes from the private sector. Overseas Development Assistance (ODA) funds make up less than one percent of investment globally. In generating the additional financial flows needed, the central challenge will be to mobilize modest amounts of public funds to best leverage much larger sums of private capital for investment in a low-carbon energy infrastructure.
There are several examples of financial mechanisms that use public finance from developed countries to support climate change mitigation in developing countries, many that specifically target leveraging private investments.

要は、「気候変動対策のための投資の大半は、民間資金を使って行われているが、その民間投資をいっそう喚起するためには、先進国政府による公的な資金の投入が必要だ」という主張。これを見て思い出したのは、「先進国は、途上国の温暖化対策のためにもっと資金を投じるべきだ」と謳った、昨秋の中国政府の主張

かなり乱暴な推論ではありますが、「アメリカがこの主張に悪乗りする→先進国政府(てか、要は日本??)が「呼び水」資金を拠出する→投資熱が盛り上がってきたところでアメリカの民間資本登場→中国発、エネルギーインフラバブル到来!!」なんて道筋もなくはないんじゃないかと思ってみたり…。まぁ、それはそれで温暖化対策は進むし、いいんじゃん?という考え方もありますが。(え、ない?)

書き始めたらキリがないんですがこの"Roadmap"、知的財産についての記述も結構面白いというか、きな臭いというか、なんというか要するに気になる感じ。またちょっと暇を見つけて、その辺も書きたいと思います。(はぁ、お腹すいた。)

Maxwell School, Syracuse, Feb 6, 19:15

My First Movie in US

アカデミー9部門nominatedの話題作"Slumdog Millionaire"を観てきました。何気に、アメリカ来てから映画を観に行くのは今日が初めてだったんですが。
  
舞台はムンバイ。スラム街出身の青年が、クイズ“ミリオネア”(そうです、あの“ミリオネア”です)で、final stage直前まで正解を重ねていく。そんなはずがないと考えた司会者(インド版みのもんた!!)は、cheatingの疑いで彼の身柄を警察へ。真相はcheatか、luckか、彼の秘めたる才能か、それとも…。
  
平日の夜とはいえ、観客が僕ら含めわずか8人だったので、始まる前はちょっと心配でしたが、いざ始まってみると、手に汗握る場面もあり、十分楽しませてもらえました。帰ってきてから知りましたが、監督は“トレスポ”のダニー=ボイル。言われてみれば、確かに画面の切り取り方なんか、トレスポに通じるところがあったかも。スピード感がありエッジも利いてて、僕的には好きな感じの映像でした。
  
個人的には、3年前に旅行したインドの風景がいっぱい出てくるところも、懐かしくて◎ 映画にも登場するタージマハル対岸のスラム街で出会った子供たち(左の写真)や、とある観光地で写真を撮ろうとしたらすかさず画面に飛び込んできてポーズを決めてくれた子供たち(右の写真。もちろん、このあと、お金をせびられました。汗)を思い出してみたり。彼ら、今頃どうしてんのかなぁ…。
  
ただ、「インドの子供たちの現状は云々…」と考えるための映画ではないと思います。あくまで娯楽映画と割り切って観るべき作品かと。あ、あと、関西人がよくやる「そんなうまいこといかへんでぇー」的ツッコミもNG。あくまでフィクションですからね(笑) ぜひ、インド版みのもんたの、本家とのキャラかぶりっぷりを楽しんでみてください。



NYtimes web版に2/4付で出ていた"Experts in U.S. and China See a Chance for Cooperation Against Climate Change"という記事がなかなか面白いんですが、ちょっと長くなりそうなので、明日、書くことにします。一言で言うと、「アメリカは温暖化対策の分野で、中国と本気で手を組もうとしている」というもの。詳しくは明日。
my home, Syracuse, Feb 5, 25:17

Wednesday, February 4, 2009

Brain Eng. ver

最近、0℃前後の穏やかな日が続いてたんですが、ここにきて寒さが復活。現在の気温、-14℃。うひゃっ。

久々に英語の話題を。グループワークも一つ二つあり、単に授業を聞いてるだけでは許されなくなってきた今学期。秋学期に比べれば(たぶん)それなりに英語力も向上したとはいえ、ネイティブと議論していると、圧倒的な力不足を感じます。

授業を聞いたり、ノンネイティブと会話をしたり、というところまでならそうでもないんですが、ネイティブとまともに議論するためには、そもそもアタマの使い方を変えないといけないんじゃないかという気が。すごく直感的な話なんで、養老孟司や茂木健一郎に言ったら「アホか」と言われて終わりかもしれませんが、なんていうかその、脳ミソのOSからして変えないといけないんじゃないかという気がするわけです。

何か物事を考えるとき、それがある程度以上、複雑な内容であれば、その思考は、不可避的に特定の言語に縛られます。たとえば、僕が今から1時間後に「明日は9時半から授業があるから目覚まし時計を7時半にセットしよう」と考えるとしましょう。もちろん、声には出さず、頭の中でそう考えるわけですが、その処理は、日本語という言語ツールを使って行われるはずです。ちょっとやってみてもらえるとわかっていただけると思いますが、一見簡単そうに見えても、上の一文の内容を、言語を使わずに処理するのはたぶん不可能だと思います。

じゃぁどこまでなら言語を使わずに処理できるのか。たとえば「腹減った」はどうか。もちろん、「腹が減る」こと自体に言語は必要ありません。胃がホルモンだか何だかを分泌して勝手にやってくれます。ただ、多くの場合、僕らは「腹が減った」という胃からのサインをフィジカルに感じたら、それを「腹が減った」という言語でもって追認する、という処理を無意識のうちにやっている気がするのです。声には出さないまでも。(声に出しちゃう人もときどき見かけますが。笑)そしてそのときの言語は、「I'm hungry」ではなくて「腹減ったぁ」のはずです。

そうやって掘り下げていくと、本人は「言葉」として認識していないほどにプリミティブな感覚・感情――たとえば、勉強の途中に窓の外を見て、思うともなく何となく「明るいな」と思ってみる、みたいなの――も、普通にしていれば、僕らは「日本語」でもって処理しているんじゃないかと。

こうなってくると、「日本語」というのは、頭の中のアプリケーションソフトにのっかってるというよりも、OS自体にのっかってると言った方がいいんじゃないかという気がしてくる。言い方を変えれば、本人は言葉を使っていると自覚していないような些細な処理でさえ、実際には非明示的・非自覚的に日本語が使われているということ。そしてその状態で英語を読んだり聞いたり喋ったりしようとすると、日本語のOSでもって英語を処理するという、非効率極まりない作業の仕方をしていることになり、そこにはおのずから限界があるのではないかと…。

で、対処法は??? もちろん、頭の中に英語のOSを作るしかないですよね。つまり、無意識で歩いてるときに石コロに躓いたら、「おっと」ではなく「Oops!!」と言える状態を作らないといけないわけです(←それはちょっと違う気も…)。でもって、そうする上で何が難しいかというと、実は、いかに英語OSを立ち上げるかよりむしろ、いかに日本語OSを寝かせるか、だったりする。日本語OSはどうやったら寝てくれるか。呑んだら寝てくれる、ということは実証的に証明されてるんですが(笑)、毎日呑んでから学校に来るわけにもいかないので、シラフでも日本語OSのスイッチを自律的に落とせるようにせんならん。そのためには、普段から、英語OSを使う癖をつけんといかんねやろうなぁ…と思ってみた一日でした。

I'm gonna leave to house now and go to bed after setting the alarm on 7:30!!(←さっそく英語で処理してみた!)
Maxwell School, Syracuse, Feb. 4, 24:44

Tuesday, February 3, 2009

Detail of the Green Stimulus

先月28日に下院を通ったいわゆる景気刺激法案(正式名称:American Recovery and Reinvestment Act of 2009)。なんとなく気が向いたので、エネルギー・環境関連部分について、ちょっと詳しく調べてみました。(決してド暇なわけではありません!?)

まずは、概要から。CBO(Congressional Budget Office)のサイトに出ていた23ページもののサマリーによると、"Energy and Water"に振り向けられる予算(期間は2009-2019の10年強)は総額で$48.9 billion(4.36兆円)。うち、$4.5 billionは陸軍工兵隊、$500 millionは内務省開墾局(という訳でいいのか?? the Bureau of Reclamation)の公共事業に宛てられ、残りの$43.9 billionが新エネ・省エネ関連。ちなみに全額、DoE(Department of Energy)の予算です。中身は以下の通り。
  • $18.5 billion for energy efficiency and renewable energy programs (including $6.2 billion to expand existing weatherization activities and $7.9 billion forenergy-related grants to states);
  • $8.0 billion to cover the subsidy costs of federal loan guarantees for renewable energy systems and electric transmission projects;
  • $6.5 billion for capital investments by certain federal power marketing administrations in electric power transmission systems;
  • $4.5 billion to modernize the nation’s electricity grid; and
  • $6.4 billion for various other activities.
まず、ここまでで言えること。
  1. 送電線・送電網関係の公共事業費が結構デカイ。(3つ目+4つ目=$11 billion)
  2. energy efficiency and renewable energy programs(1つ目)とfederal loan guarantees (2つ目)の中身が謎。
というわけで、energy efficiency and renewable energy programs と federal loan guarantees の詳細を調べるべく、今度は、下院のwebサイトから、法案本文(下院可決版)に当たってみました。まず、Energy Efficiency and Renewable Energyの中身に当たる部分を、法案本文から抜粋。
  1. $2,000,000,000 shall be for expenses necessary for energy efficiency and renewable energy research, development, demonstration and deployment activities, to accelerate the development of technologies, to include advanced batteries, of which not less than $800,000,000 is for biomass and $400,000,000 is for geothermal technologies.
    ―省エネ・再生可能エネのR&Dに$2.0 billion、うち$800 millionはバイオマス、$400 millionは地熱利用技術に―
  2. $500,000,000 shall be for expenses necessary to implement the programs authorized under part E of title III of the Energy Policy and Conservation Act (42 U.S.C. 6341 et seq.).
    ―the Energy Policy and Conservation Actで承認されたプログラムへの予算拡充のようですが、詳細不明です。―
  3. $1,000,000,000 shall be for the cost of grants to institutional entities for energy sustainability and efficiency under section 399A of the Energy Policy and Conservation Act (42 U.S.C. 6371h-1).
    ―研究機関(?)への助成金―
  4. $6,200,000,000 shall be for the Weatherization Assistance Program under part A of title IV of the Energy Conservation and Production Act (42 U.S.C. 6861 et seq.).
    ―建物の断熱化助成プログラムの拡充―
  5. $3,500,000,000 shall be for Energy Efficiency and Conservation Block Grants, for implementation of programs authorized under subtitle E of title V of the Energy Independence and Security Act of 2007 (42 U.S.C. 17151 et seq.).
    EECBGプログラムの拡充。EECBGというのは、地域(Block)単位で行う省エネ対策に助成を与えるプログラムのようです―
  6. $3,400,000,000 shall be for the State Energy Program authorized under part D of title III of the Energy Policy and Conservation Act (42 U.S.C. 6321).
    ―詳細不明ですが、州が行うエネルギー政策に対する補助の拡充―
  7. $200,000,000 shall be for expenses necessary to implement the programs authorized under section 131 of the Energy Independence and Security Act of 2007 (42 U.S.C. 17011).
  8. $300,000,000 shall be for expenses necessary to implement the program authorized under section 124 of the Energy Policy Act of 2005 (42 U.S.C. 15821) and the Energy Star program.
  9. $400,000,000 shall be for expenses necessary to implement the program authorized under section 721 of the Energy Policy Act of 2005 (42 U.S.C. 16071).
    ―7.~9.は元の法案を見ないとわかりません…―
  10. $1,000,000,000 shall be for expenses necessary for the manufacturing of advanced batteries authorized under section 136(b)(1)(B) of the Energy Independence and Security Act of 2007 (42 U.S.C. 17013(b)(1)(B)):
    ―先進型蓄電池への開発補助の拡充―
既存予算の拡充が多いようです。それぞれどういった予算かまでは、調べてる時間がありません。スイマセン。額でみると、断熱化助成プログラムの拡充(4.)が一番大きくて$6.2 billion。地方政府への補助も同様に大きく、5.と6.の合計で$6.9 billion。また、広い意味でのR&Dに当たるのではないかと思われる予算(1, 3, 10)の合計は$4.0 billionになります。

また、$8.0 billionのfederal loan guaranteesについてですが、これは、"the Energy Policy Act of 2005"のsection 1705に基づく"Innovative Technology Loan Guarantee Program"として承認を受けたプログラムへの政府保証の拡充に使われるとのこと。これも引用元を調べないことには詳細はわかりません…。

文中、既存法への引用が多く、読みづらくて恐縮なんですが、今度気が向いたとき、引用元の法律を調べやすいように(あるいは、どなたかが調べてくださるんじゃないかとほのかに期待しつつ…??)、載せさせていただきました。

かなり乱暴ではありますが、敢えて"green stimulus"を一言でまとめるとすると、「一に送電網、二に断熱化、三に地方補助、四にR&D(特に蓄電池)」といったところかと。いい勉強になりました。はて、宿題やんないとね…。
Maxwell, Syracuse, Feb. 3, 17:13

Monday, February 2, 2009

It may not be just an English problem...

"History of International Relations"の授業がヤバいです…。授業中、先生が何を言ってんのか、基本的にわかりません。この半年の特訓(??)のおかげで、事前情報がある程度あれば、講義は大方聞き取れるようになってきたんですが、この授業に関してはそれも通用せず。ってのも、この授業、3時間弱の間、Bennet先生が思いついたままにひたすらしゃべり続ける形式なんですよね(←そんなもん「形式」と言えるか??)。本人的には文脈があるんだろうけど、他人には全く以てつながりがわからんという、古き悪しきタイプの学者さんによくあるしゃべり方。この辺りは日米共通です…。毎回、授業の最初のうちは頑張って聞こうとするんですが、1時間半くらいたったあたりからあきらめが入り始め、しまいにはなんだかちょっとムカついてきます…。
  
たぶん、英語だけの問題じゃないんですよね。先生自身と、「国際関係論」という学問にも、いささか拒否反応起こしてる気が…。

秋学期の"Public Budgeting"同様、僕の中で、「どーでもいい授業」の認定を下してしまいそうな雰囲気が充満していますが、それをするにはまだちょっと早い(かつ、秋学期のPublic Budgetingと同じような成績は、出来れば取りたくない)ので、かといって、あの先生の授業にこれ以上期待する気にもなれず、しゃーなしにInternational Relationsなる学問について、ちょっと自習してみようかなぁと考えています。(ホント言うと、経済学だけやってたいんですけど。)

今日はこんなところで。
Maxwell School, Syracuse, Feb. 2, 2008

Sunday, February 1, 2009

MPA Winter Formall 2009

久々に踊ってみましたー!!! えーっと、何年ぶりやっけ??
   
昨晩は、わがMPA(Master of Public Administration)プログラムの冬の恒例行事、"Winter Formal"に参加。このイベント、大学近くのゴルフ場の倶楽部ホールを借り切って、ディナー&ダンスパーティを楽しみましょーというモノ。勉強以外に何もやることのないSyracuseの冬を少しでも明るく楽しむ乗り切るための、古くから伝わる生活の知恵であります(←ホンマか??)。
  
"Winter Formal"だけあって、ドレスコードはもちろん"formal"。ということで、僕も数か月ぶりのスーツに袖を通し、いつものアウトドアブーツを革靴に履き替えて行ってきました。
  
カクテルタイム(披露宴が始まる前みたいな感じ)→ディナータイム→ダンスタイム(踊りたい人は踊る)という流れで、6時から12時の6時間。行く前は「長いなぁー」と思ってましたが、いざ始まってみるとあっという間。食事もおいしかったし、お酒の薬効か英語もいつもよりパシパシ出てきたし、非常にhappyなひと時でした◎  
   
食事もひと段落したところでダンスタイム開始。"formal"なイベント(??)なので、就任式の夜にObamaさんが踊ってたみたいな、スローな感じの曲が多いのかなぁなんて思ってましたが、まぁワカモノのイベントなんでそんなこともなく(←当り前か。)、最近の曲中心で(←この言い方がおっさん臭ぇ!!)、難しいこと考えずに、○年前に京都で踊ってたときのノリを思い出して(←っていうほどクラブ通いはしてません…)踊ってきました。
  
それにしても、アメリカ人男性のさりげなく女性をダンスに誘うスキルはやっぱすごい。変にエロくないんですよねー。東洋人の男は、ああ言う場ではどうしても照れが入ってダメ。え?そんな結論でいいのかって??? うーん、なんか悔しい気もするので、来年の"Winter Formal"までにコミュニケーション能力の向上に努めます…。ともあれ、楽しいひと時でありました。
my home, Syracuse, Feb 1, 11:26
↑↑ あっ!! 知らん間に2月になってた↑↑
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