Thursday, February 12, 2009

Prof. Mankiw gets a crush on Carbon Tax

Greg Mankiw――ハーバード大経済学部の教授にして、世界的ベストセラーとなったマクロ経済学教科書の著者。やたらといろんな人が読んでいる人気ブログの著者でもあります(全米ブログランキングで97位にランクインしたらしい。)。
  
この御仁が最近熱をあげていらっしゃるのが、「ガソリン税」。2月5日の「My Preferred Fiscal Stimulus」と題したエントリーでは、以下の通り、Mankiw流の景気刺激策をご開陳。
I would institute an immediate and permanent reduction in the payroll tax, financed by a gradual, permanent, and substantial increase in the gasoline tax. I would make the two tax changes equal in present value, so while the package results in a short-run budget deficit, there is no long-term budget impact. Call it the create-jobs, save-the-environment, reduce-traffic-congestion, budget-neutral tax shift.
つまり、賃金税(賃金支払いの総額を課税標準として雇用者が支払う税)の恒久減税と、ガソリン税の漸増的増税を、現在価値で見て税制中立になるようにやりなさい、というのがその主張。「いいけど、ぜんぜん現実性ねーじゃん」という批判に対しては、Milton Friedmanのこんな言葉を引いて反撃してらっしゃいます(2月10日)。
The role of the economist in discussions of public policy seems to me to be to prescribe what should be done in light of what can be done, politics aside, and not to predict what is "politically feasible" and then to recommend it.
正論ですね。そのMankiwさん、今日のエントリーでは、イリノイ州議会のガソリン税増税に向けた動きのニュースを紹介しつつ、タイトルは、"Good News for the Pigou Club"。これを見て僕が抱いた感想は、「Pigou Clubってなんか可愛いかも…」。どうでもいいですね(笑)
 
ちなみに「Pigou Club」のPigouさんは、19~20世紀のイギリスの経済学者。外部不経済の分だけ課税することで社会全体の厚生(welfare)の最大化が達成される、という「ピグー税」を提唱した人として、環境系経済学徒の間ではメチャメチャ有名人です。そのピグーさん自身が、ケインズの向こうを張ったゴリゴリの古典派経済学者。つまり、経済学的自由主義と環境保護派は、別に矛盾するわけではないんですよね、論理的には。というわけで、多くのRepublicanさんが環境対策に反対するのは、主義主張の問題ではなくて、単に支持母体が誰かという問題なんじゃないだろうかと思ってみた夜でした。
my home, Syracuse, Feb 11, 25:23

2 comments:

Anonymous said...

Mankiwの写真、アップするときもいっす。個人的にはハバードの顔のほうが好きかな(笑)。

髙林 祐也 said...

若干、久米宏入ってますよね。政権移行チームでchairやってたPodestaは、もっと久米宏入ってますけど。