Saturday, February 21, 2009

How They Teach Environmental Economics?

春休みまで残り2週間。春学期の折返し地点を前に、中間テストや、assignmentの提出〆切が目白押しです。というわけで、今週末は本気で必死に勉強中。最近ジムもさぼり気味で、こりゃまた太るなぁ…なんて思いながらも、今まさに、ダンキンドーナツをかじってます。 むしゃむしゃ。
 
僕と同じかそれ以上に自習室の住人と化しているKorean (←たぶん(?)South) のY君から、「The Economics of Environmental Policyのクラスのassignmentについてsuggestionくんない?」とのhelp要請が。で、さっそく彼から手渡されたassignmentを読んでみると、これがなかなかおもしろい。2問ああるうちの一問を紹介すると、だいたいこんな感じ。

とあるNPO(←実在する団体)が、酪農経営者から牧草地の地役権を購入する、という活動を行っている(※ 特に言及されていませんが、おそらく、「牧草地は定期的に地力を回復する必要があり、市場に任せておくと、地力の回復を待ちきれない酪農経営者たちによるdevelopperへの売却が進んでしまう」という問題が背景にあるんだと思います)。彼らは、地役権を取得しようとする牧草地の、開発した場合の価値開発しなかった場合の価値を評価し、その差額を地役権放棄の代償として酪農経営者(=土地所有者)に支払う。支払いに際しては、現金による支払いのほか、彼らが別の土地で独自に経営している牧草地の利用権を提供する"grassbanking"と呼ばれる方法も活用。これにより、牧草地の売却・開発に歯止めをかけようとしている。

この"grassbanking"というプログラムは、どのような「市場の失敗」の解決を目指しているのか?適切な解決策を提示していると言えるか?また、それは何故か?政府ではなく、NPOがこのような取組を行うことの長所・短所は何か?このNPOの取組は、他の地域でも実施可能と考えられるか、それとも、政府がより積極的に休閑地保全に乗り出すべきだと考えるか?

これを、「授業で習った経済理論に即しつつ、かといって、難しい専門用語の多用に走ることなく、実際の政策担当者に説明するつもりで紙2枚にまとめなさい」というのが課題。web上でも公開されていますので、ご興味ある方は一度覗いてみてください。(→こちら)   

「頭の体操」と言ってしまえばそれまでですが、よくよく読んでみると、ひとつのストーリーの中にいくつかの論点があり、その一つ一つの論点に対して複数の回答を提示しうる(=唯一絶対の回答はない)、という意味で、なかなか奥の深い問題だと思います。
 
よく言われる話ですが、経済理論を実際の政策に適用(apply)するためのトレーニングについては、アメリカの方が、日本よりも、かなり進んでいる気がします。日本は、人材を供給する側(高等教育機関)と需要する側(政策関連機関)の両方が変わっていかないといけないんでしょうね…。

Yahoo! Japan のトップページにも出ていましたが、クリントン政権時代にホワイトハウスで飼われていた猫のSocks君がお亡くなりになったそうです。御年20歳の大往生。彼の写真は、ホワイトハウスのwebサイトにも掲載されています。ご冥福をお祈りします。
Maxwell School, Syracuse, Feb 21, 18:05

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