記事の内容を一言でいえば、「お金バラマくより、法人税減税やりなさい」。短期的な景気刺激と長期的な効率性の向上を両立できるのは法人税減税だ、というのがその理由。この辺は、いかにもLibertarian。
環境屋(??)的に目を引かれたのは、各論の一番最初に出てくるCarbon Taxesへの支持表明。言ってることは単純で、「複雑でわけのわからんgreen spendingをやって財政赤字ため込むよりも、炭素税導入する方がなんぼか効果的。(The effective way to accomplish this is higher gasoline or other carbon taxes, not the messy, complicated green spending in the Obama plan that will morph into pork in many cases. If higher carbon taxes are combined with lower marginal tax rates, the private sector faces better incentives on both counts. This approach avoids the higher deficits implied by Obama's green initiatives.)」というもの。
最近、この手の(特に環境派とは目されていない)エコノミストによる炭素税支持表明が、アメリカのメディアにも、しばしば載るようになってきた気がします。議論のフェイズが、「温暖化対策は必要か否か」から、「どのような温暖化対策が効率的・効果的か」に移りつつあるのは確かかと。
Miron教授はこう言っているものの、"green stimulus"(Miron教授に言わせれば"green spending")が景気刺激法案の一部として成立するのは、もう時間の問題でしょう――その善し悪しは別にして――。その次に起こるであろう議論は、おそらくcarbon taxes vs cap-and-trade。 最近の新聞・blogなどを見ていると、これまで環境とかかわりの薄かったエコノミストの間では、前者(税)がやや優勢かと。その背景には、「社会システムはシンプルであるに越したことはない」という経済学の基本思想(+複雑化した金融システムがリスクの増幅を助長したサブプライム危機のトラウマ)があるんじゃないかと思っています。一方、環境派に近い人たちの間では、これまでの経緯もあってか、cap-and-tradeの方が優勢のような気がします。(あくまでイメージです。統計的に調べたわけじゃありません。)
今日は何と最高気温6℃!!! 春です♪
my home, Syracuse, Feb 7, 12:03
1 comment:
経済学的には炭素税が一番効率的なんだそうです。ただ、新税は政治的にハードルが高すぎるので(さらにいうと政治的に自殺行為なので)、次善の策としてキャップアンドトレードを持ってきているようです。
なので、新しくこの問題に取り組む経済学者は「炭素税でいいんじゃね?」、これまで悪戦苦闘してきた環境派は「いま通せそうなcap-and-tradeで恩の字」ということなんじゃないでしょうか。
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