Sunday, March 1, 2009

Back to Syracuse

しばらくのご無沙汰でした。先ほど、4日ぶりにSyracuseに戻ってきました。再び、氷点下の世界にcome backです。。。

いつも思うことですが、普段しゃべらない人とおしゃべりすると、いろんな刺激をもらえます。今回の旅行でも、ネットワーキングのイベント中に出会った人に限らず、泊めていただいた先輩や、帰りの車に乗せてくれたクラスメイト(元NOVA講師)など、いろんな人とお話する中で、ここのところ、本とwebの世界に没入しきっていたアタマを、多少なりともリフレッシュすることがでました(英語も多少、上達した気がします)
  
今回の旅行の中で、一番面白かったのは、CBO(Congress Budgeting Office/議会予算局)での話。CBOは、連邦議会 (主にthe Budget and Appropriations Committees/予算・歳出委員会) をサポートするため1974年に設立された組織で、予算案の作成支援法案のマクロ経済影響分析などをやっています。日本でこれに対応する機関を無理やり探せば、衆・参の予算委員会調査室になりそうですが、規模も役割も○○も、根本的に違っています(…)。
  
CBOの名前は、Maxwellの授業でもよく聞くのですが、結局、どういう仕事をしてるのか、いまいちピンと来なかったので、今回、CBO訪問企画に参加してみることに。真面目に就活している同級生に交じっての物見遊山(?)訪問には、多少後ろめたいものもありましたが…(!?)
  
CBOの特徴としてよく指摘されるのは“non-partisan”という点。いずれの党派にも与さず、客観的視点から分析を施すことが、その役割であるとされています(←実際、法律にそう規定されている)。この点は、話をしてくれたCBOの分析官の女性(←アタマのキレそうな中堅クラスのお姉さん。Maxwell Alumni)が、何度も強調されていました。単に強調するだけでなく、その点を非常に気に入っているようにも、誇りに思っているようにも見えました。その話を聞いていた同級生たちも一様にCBOの魅力に引き込まれていたご様子。お姉さんの話し方がうまかったというのもありますが、確かに、政治に干渉されず、純粋に経済学の立場から、政治に対して助言できるというCBOの立ち位置は、公共政策を志し経済学を学んだ者にとっては、すごく魅力的ですよね。
   
ただ、組織として、多少too muchな感じがしないでもありません。少なくとも、日本には対応する組織がないのに、アメリカには、比較的小規模とはいえ200人超の組織が存在しているわけですから。ちょっと似てるかなぁと思ったのは、F1の開発チーム。彼らは、コンマ数秒を稼ぐために、ものすごい研究を積み重ねるわけですが、ドライバーが一回ヘマをすれば、数秒、数分のマージンなんて一瞬で吹っ飛んでしまいます。悪くすれば、そのままリタイアなんてこともざら。そんな前提の下でコンマ何秒に心血を注ぐF1のエンジニアという仕事をTVで見ていて、僕は勝手に、ある種の「虚しさ」を感じてしまうのですが、それと同種の虚しさがCBOにもあるんじゃないかと。結局、どれだけ精緻な分析を提出しても、受け取った政治家がその結果をうまく使えなければ(或いは、使わなければ)、分析は水泡に帰してしまうわけですから。
   
でも冷静に考えてみれば、予算や法案の審議をするとき、そもそも、マクロ経済学的分析をほとんど活用しない日本の国会審議のあり方も、怖いと言えば非常に怖いなと。結果的には無駄になることもあるにせよ、とにかく、審議を行うに当たっては、マクロ経済学的分析の実施を定型化しておくというのが、なんというか、プロセスとして「まっとう」なやり方なんじゃないかなぁという気がします。

また、局地戦で観れば、分析結果が「政治」に押し切られることも、ままあるだろうと思いますが、長期的にみれば、純粋に「政策」サイドからものをいえるCBOのような組織が存在していることが、「政策」vs「政治」の綱引きゲームの中で、「政策」サイドの発言権を強める働きは小さくないんじゃないかなと。(「政策」vs「政治」の話は、knj79君も2月2日のエントリーで書いています。)
  
なんて悠長なことを書いていますが、ホントはこんなこと書いてる暇はなくて、明日は、midterm testとassignmentの〆切が…。これから、(たぶん)明日の朝まで頑張ります。
Maxwell School, Syracuse, March 1, 20:13

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